EFSA EU ■遺伝子傷害性発ガン物質のリスクアセスメントに関する協調アプローチについての科学委員会の意見 Opinion of the Scientific Committee on a request from EFSA related to A Harmonised Approach for Risk Assessment of Substances Which are both Genotoxic and Carcinogenic 03 November 2005 http://www.efsa.eu.int/science/sc_commitee/sc_opinions/1201_en.html
食品安全上の最も難しい問題の一つに、食品中に存在する遺伝毒性(細胞の遺伝物質であるDNAを傷害する)かつ発ガン性(ガンを誘発する)物質のヒト健康リスクについて助言することがある。これらの物質についてはごく微量でも影響があると一般的にみなされている。科学研究の進歩、分析技術の向上と検査数の増加、発ガン物質の検出方法の改善、により、現在科学者は遺伝子傷害性発ガン物質を非常に少ない量(1gあたり1兆分の1)で検出することができるようになっている。全ての入手できる情報はヒト健康影響の可能性について評価されなければならない。従ってリスク管理者が可能な決断は、食品中のそのような物質の存在は削減又は排除するということだけである。 これまでリスク評価者は、そのような物質への暴露は実現できる最低水準であるべき、と助言してきた。そのようなアプローチはALARA “as low as reasonably achievable”原則として知られている。このアプローチの欠点は異なる物質のリスクの大きさを比較できないことである。さらにALARA原則では実際に食品中に存在する物質の量や影響について考慮していない。 こうした欠点を克服するため、世界中で違う方法が使用されている。この意見ではEFSAの科学委員会は暴露マージンMOE “margin of exposure”を使う協調概念を推奨する。この方法は異なる物質によるリスクを比較することができる。MOEアプローチでは問題となっている物質の発がん性の強さと集団における暴露量が考慮される。 科学委員会は食品や飼料中に存在する遺伝子傷害性発ガン物質の協調的リスク評価方法として、その物質の起源にかかわらず、MOEアプローチを採用することを推奨する。 それとは別に、科学委員会はこうした物質への暴露は可能な限り低くすることが最終目的であることを強調する。 MOEの程度が許容できる場合にさらに対策が必要かどうかはリスク管理者の決断による。MOEは環境汚染物質や食品中に天然に存在する物質や加工工程で生じる物質に適用できる。 科学委員会は、基本的には遺伝子傷害性発ガン物質はフードチェーンのどの段階であろうとも食品や飼料に加えられるべきではないという意見である。