Journal of the National Cancer Instituteの9月21日号に発表されたフランス人女性における新しい研究では、食事やサプリメントからのベータカロテンの高用量摂取は喫煙者におけるタバコ関連ガン(直腸結腸・甲状腺・卵巣・子宮頚・はい)のリスクの高さと関連する。 1994年から約6万人のフランス人女性を対象にした前向き研究で、平均フォローアップ期間は7.4年である。期間中に700人が喫煙と関連するガンを発症し、一度もタバコを吸ったことのない女性ではベータカロテン摂取量とガン発症リスクは用量依存的な負の相関があった。
しかし喫煙者ではその相関は逆転し最も多くベータカロテンを摂取している集団で発ガンリスクが最も高かった。10年間に非喫煙女性がタバコ関連ガンを発症する率は1万人あたりベータカロテン摂取量の低い人で181.8、高い人で 81.7であるが、喫煙女性ではベータカロテン摂取量の低い人で174.0、高い人で 368.3である。 Touvier M, Kesse E, Clavel-Chapelon F, Boutron-Ruault M-C. Dual Association of Beta-Carotene With Risk of Tobacco-Related Cancers in a Cohort of French Women. J Natl Cancer Inst 2005;97:1338 44 Mayne ST, Lippman SM. Cigarettes: A Smoking Gun in Cancer Chemoprevention. J Natl Cancer Inst 2005;97:1319 21.
これまでのトランスジェニックマウスによる実験がうまくいかなかったのは発生時期に神経細胞が代償する機構による。この系では神経細胞の死亡が48時間以内と急速なので機能代償メカニズムが働く時間がない。 Nature Neuroscience, Published online September 11, in print: October 2005 Vol. 8 No. 10
今週号のBMJの編集者言。米国政府のありふれた病気などへの対策費用を削減してテロ対策への支出を増やす政策は、多数の必要のない死亡を増やす結果になるだろうと述べている。2001年9月11日には3400人がテロで死亡した。同じ日によくある病気で 5200人のアメリカ人が死亡している。 Editorial: Funding the public health response to terrorism BMJ Volume 331, pp 526-7