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自主映画『タイムリミット』コミュの新しいシナリオ

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UP TO ME

登場人物

・森村涼(22歳)フリーター。頭をかくのが癖

・ハワイ 水着写真集コレクター

・じいさん 本好き。認知症(?)

・じいさんの娘

・パペット 自分で決断出来ず、人形と話す

・サラリーマン モーニング娘。おたく

・若い女A

・若い女B

・涼の母(声のみ)

・透(母の弟)








○古本屋・店内
   涼、レジの隣に座り、本を読む。
   本をめくる音。
   静寂の中、柱時計の音。
   涼、本から目を離し、店内を見回す。

○涼の家・居間(回想)
   テーブルの上に、朝食(ハムッグ、サラダ、トースト、コーヒー)が用意されている。
   涼、コーヒーをひと口飲み、トーストをかじる。
   台所から母の声、
涼の母「涼、やっと起きたの?今日は透おじ
 さんの家でバイトでしょ?十時には開店し
 なきゃいけないのに何グズグズしてるのよ
 !急いで!!」
   涼、ぼんやりと頭をかく
涼「(小さい声で)うっせー」
涼の母「何か言った?言ってる暇があったら
 口にモノ突っ込んで!口は一つしかないん
 だから!」
   涼、箸とトーストをドンと置き、カバ
   ンを肩から掛け部屋を出る。
涼の母「約束一つ守れないの涼は!いったい
 いくつになったの...涼は何して生きていく
 つもりなの?本ばっかり読んでるだけで。
 まるで透の若い時みたい!」
   玄関を開ける音。
   出て行く涼の後ろ姿。

○タイトル「UP TO ME」

○古本屋・店内
   店にアロハシャツを着た男、入って来
   る。
涼「いらっしゃいませ」
   アロハ、店内を歩きながら、お目当て
   の写真を見つけてニヤリと笑いながら
   多数の水着写真集を抱きかかえ、レジ
   にやって来る。

○同・レジ
   アロハ、写真集をドサッと置く。
アロハ「あの〜すんません、家が遠いんで、
 送ってもらえる?」
   涼、伝票とボールペンを出し、アロハ
   に渡す。
涼「こちらにご記入下さい」
   アロハ、記入する。
   涼、一冊づつレジに打ち込む。
   アロハ記入し終わり、レジの金額を見
   ながらソワソワしている。
アロハ「実は、俺アメリカに住んでんだよね
 〜正月近いっしょ?だから戻って来てるん
 だけど...」
涼「それでは、こちらの住所にお送りいたし
 ます。送料も含めまして合計で、五万九千
 円になります」
アロハ「カードって使えんの?」
涼「申し訳ありません。当店では使用出来ま
 せんので...現金でお願いいたします」
   アロハ、六万円を涼に渡す。
涼「(千円を渡しながら)六万円お預かりい
 たしました。ありがとうございました。ま
 たどうぞご利用下さいませ」
   アロハ店から出て行く。
   涼、本をそろえながら頭をかく。
涼「(首をかしげながら)アメリカ...?」
   涼、イスに座り、読みかけの本を読み
   出す。
   本をめくる音。

○同・店内
   背中にリュックをしょったじいさん入
   店。
   じいさん、落ち着かない様子で股間に
   手を当てている。
涼「いらっしゃいませ」
じいさん「トイレってどこ?」
涼「少し離れてまして...。外にあるんですけ
 れども」
じいさん「参ったなぁ〜」
   涼、焦ってじいさんを外のトイレに連
   れて行く。
   涼、一人でもどる。
   涼、手を振り、ニオイをかぐ。
   涼、その手で頭をかく。
涼「ふぅーっ」
   じいさん、ズボンをあげきれず、上着
   のすそが出てる姿で店内に入る。
じいさん「ありがとう。助かったよ。近頃は
 小便が近くてね」
涼「寒くなりましたから...」
じいさん「法律関係の本ってどこ?」
涼「(じいさんを棚に案内しながら)こちら
 ですね...」
じいさん「(にっこり笑いながら)おう、あ
 りがとね」
   手にパペットを持った男、入店する。
涼「いらっしゃいませ!」
   パペット店内を見て回る。
   涼、イスに座り、また本を読み出す。
   しばらく静かな時間が流れる。

○同・レジ
じいさん「これとこれね。よくあったよねぇ
 〜...これ。いくら?」
涼「四千六百円でございます」
じいさん「四千六百円?はい、五千円。お釣
 りはここに入れて」
   じいさん、サイフを開いて涼の前に出
   す。
   涼、レシートと四百円のお釣りをサイ
   フに入れる。
   涼、本を渡そうとすると、じいさん、
   くるりと後ろを向く。
じいさん「悪いけど中に入れてくれない?」
涼「(当惑しながら)はい、どうぞ」
   涼、じいさんのリュックのチャックを
   あける。
   リュックに大きめの名札。
   涼、本を入れきちんとチャックをしめ
   、ポンとリュックをたたく。
じいさん「はい、ありがとう。またね」
涼「ありがとうございました。また、どうぞ
 ご利用下さいませ」
   じいさん、店を出るが、左右を何度も
   見て右へ行く。
   涼、大きく背伸び。
   イスに戻り、本を読み始める。

○同・レジ
   店内を回っていたパペット、本を持っ
   て静かにレジに来る。
涼「いらっしゃいませ(本を受け取りながら
 )はい、お預かりします(レジをうち)以
 上二点で二千五百円でございます」
   パペット、動きが止まる。
パペット「(人形に話しかけながら)どっち
 にしようか?○○ちゃんどっちがいい?」
人形「(パペットが喋る)こっちの方がいい
 よ。こっちがいい。こっちがいい」
パペット「(本を指しながら)こっち?」
   人形うなずく。
パペット「これください」
涼「(頭をかきながら)千二百円でございます」
   パペットに二千円を出す。
涼「(レジをうちながら)二千円お預かりい
 たしました。八百円のお返しでございます」
人形「ありがとう。ありがとう。ありがとう」
   涼、思わず人形に本を手渡そうとする
   が、パペットが本を受け取る。
涼「ありがとうございました。またどうぞお
 越し下さいませ」
   パペット、人形と話しながら店を出る。

○同・店内
   じいさんの娘、左側から駆け込んで来
   て入店。
娘「(一瞬、驚いた顔で)すみません!こち
 らに赤いリュックをしょった老人が来ませ
 んでしたか?」
涼「あ、ああ。さっき本を買われて、右の方
 へ歩いて行かれましたけど...」
   涼、立ち上がり、右方向を指す。
娘「ありがとうございました!」
   娘、店を飛び出し、右側へ駆け出て行
   く。

○同・店内
   若い女二人、入店。
   店内を回っている。
女A「えっ?何で古本屋なんか来んの?」
女B「古本って今マジでヤバいの知らねぇの
 ?」
女A「ふぅ〜ん、あのさ話変わっけど、○○
 って知ってる?」
女B「知ってる知ってる〜」
女A「けっこー真面目じゃん。だけど、あの
 子さぁ、将来何になりたいか知ってる?」
女B「えーっなになに?」
女A「携帯のショップの店員になりたいんだ
 ってー」
女B「キャハハハッ。うっそーマジで?ウケ
 るんだけど」
女A「ありえなくねぇー?」
   サラリーマン入店。
   喋り続ける女二人。
   二人に近づくサラリーマン。
涼「いらっしゃいませ」
   サラリーマン無言で、女二人に近づく。
サラリーマン「あのぉ〜(ボソッとした声で)」
   女二人無視。
サラリーマン「あの〜すいません...」
   女二人振り向く。
サラリーマン「モーニング娘。のライブは鹿児
 島でやるんですか?」
   女二人、目を合わせ困惑。
サラリーマン「モーニング娘。のライブは鹿児
 島でやるんですか?」
   女二人、店から逃げ出す。
   サラリーマン、店の入り口でドアを両
   手で押さえ突っ張る。
サラリーマン「よしっ!」
   サラリーマン、店から出て行く。
   涼、店に鍵をかけ、海へ歩いて行く。

○海岸・砂浜
   涼、何かを考えながら砂浜を歩く。
   立ち止まり、座り、海を見ながら頭を
   かく。

○古本屋・店内(夕方)
   じいさん、股間を押さえ入店。
   涼、イスから立ち上がり、じいさんの
   方へ。
じいさん「も、もれそうなんだよ。べ、便所
 どこ?」
   涼、急いでじいさんを外へ連れ出す。
   店内へ戻ると、バタバタと娘も入店。
娘「すみません!おじいさん、来てません?
 」
涼「あっ、今トイレに行ってます。トイレは
 外へ出て右...」
   娘は知っているといわんばかりに外へ
   出て右側に曲がる。
   茫然とつっ立っている涼。
   娘、じいさんを引き連れ店内に入る。
娘「(じいさんのすそを直しながら)ありが
 とうございます。お父さんよかったわね。
 親切な方がいて...。ここのお店の店長さん
 がいるかと思ってたから...。店長の透さん
 のことがウチの父が大好きなもので...毎日
 この店まで散歩してくるんです。きっとあ
 なたのことも気に入っちゃったんじゃない
 かなぁ〜二回も散歩してきちゃったから。
 (にっこり父親に笑いながら涼にも微笑む
 )」
じいさん「法律関係の本はどの辺かな?」
娘「さあ、お父さん、ご飯の時間だから、ま
 た明日来ましょうね」
じいさん「めしか?そうか(ニコニコしなが
 ら)ボウズ、またな!」
涼「(微笑みながら)ありがとうございまし
 た。また、どうぞご来店下さいませ」
   涼、お辞儀をする。
   じいさんと娘、帰る。
   娘、何度もお辞儀。

○涼の家・居間
   テーブルにパソコン。
   涼、パソコンをじっと見つめ、きっぱ
   りとした顔で打ち始める。
   パソコンに字が埋まり始める...。
   
                     終わり

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