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自主映画『タイムリミット』コミュの第三稿

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 UP TO ME



























登場人物

・森村涼(21歳)受験生。頭をかくのが癖

・ハワイ 水着写真集コレクター

・じいさん 本好き。認知症(?)

・じいさんの娘

・パペット 自分で決断出来ず、人形と話す

・サラリーマン モーニング娘。おたく

・若い女A

・若い女B

・涼の母(声のみ)

・透(母の弟)








○古本屋・店内
   バイトの涼、レジの隣に座り、使い込
   んだ受験参考書を読む。
   本をめくる音。
   静寂の中、柱時計の音。
   涼、本から目を離し、店内を見回す。

○涼の家・居間(回想)
   涼、トイレから出て来る。
   テーブルの上に、朝食(ハムッグ、サラダ、トース    ト、コーヒー)が用意されている。
   涼、単語帳を読みながらコーヒーをひ
   と口飲み、トーストをかじる。
   台所から母の声、
涼の母「涼、やっと起きたの?今日は透おじ
 さんの家でバイトでしょ?十時には開店し
 なきゃいけないのに何グズグズしてるのよ
 !急いで!!」
   涼、ぼんやりと頭をかく
涼「(小さい声で)うっせー」
涼の母「何か言った?言ってる暇があったら
 口にモノ突っ込んで!口は一つしかないん
 だから!」
   涼、箸とトーストをドンと置き、カバ
   ンを肩から掛け部屋を出る。
涼の母「約束一つ守れないの涼は!いったい
 いくつになったの...今度こそあなたの行き
 たい大学受かるんでしょうね!」
   玄関を開ける音。
   出て行く涼の後ろ姿。

○タイトル「UP TO ME」

○古本屋・店内
   店にアロハシャツを着た男、入って来
   る。
涼「(参考書を置き)いらっしゃいませ」
   アロハ、店内を歩きながら、お目当て
   の写真を見つけてニヤリと笑いながら
   多数の水着写真集を抱きかかえ、レジ
   にやって来る。

○同・レジ
   アロハ、写真集をドサッと置く。
アロハ「あの〜すんません、家が遠いんで、
 送ってもらえる?」
   涼、伝票とボールペンを出し、アロハ
   に渡す。
涼「こちらにご記入下さい」
   アロハ、ハワイと英語で記入する。
涼「(伝票を見て)これでは送れないですね〜」
アロハ「(新しい伝票をもらい)ダメなの〜」
   涼、一冊づつレジに打ち込む。
   アロハ記入し終わり、レジの金額を見
   ながらソワソワしている。
アロハ「実は、俺アメリカに住んでんだよね
 〜正月近いっしょ?だから戻って来てるん
 だけど...」
涼「それでは、こちらの住所にお送りいたし
 ます。送料も含めまして合計で、三万九千
 円になります」
アロハ「三万九千ドル?」
涼「三万九千円です」
アロハ「ソーリー。カードって使えんの?」
涼「申し訳ありません。当店では使用出来ま
 せんので...現金でお願いいたします」
   アロハ、四万円を涼に渡す。
涼「(千円を渡しながら)四万円お預かりい
 たしました。ありがとうございました。ま
 たどうぞご利用下さいませ」
   アロハ店から出て行く。
   涼、本をそろえながら頭をかく。
涼「(首をかしげながら)アメリカ...?」
   涼、単語帳を出し暗記をし始める。

○同・店内
   背中にリュックをしょったじいさん入
   店。
   じいさん、落ち着かない様子で股間に
   手を当てている。
   涼、単語帳を不満そうに置く。
涼「いらっしゃいませ」
じいさん「トイレってどこ?」
涼「少し離れてまして...。外にあるんですけ
 れども」
じいさん「参ったなぁ〜」
   涼、焦ってじいさんを外のトイレに連
   れて行く。
   涼、一人でもどる。
   涼、手を振り、ニオイをかぐ。
   涼、その手で頭をかく。
涼「ふぅーっ」
   じいさん、ズボンをあげきれず、上着
   のすそが出てる姿で店内に入る。
じいさん「ありがとう。助かったよ。近頃は
 小便が近くてね」
涼「寒くなりましたから...」
じいさん「法律関係の本ってどこ?」
涼「(じいさんを棚に案内しながら)こちら
 ですね...」
じいさん「(にっこり笑いながら)おう、あ
 りがとね」
   じいさん、棚に手をのばしたとたんプ
   ーっと屁をこく。
   手にパペットを持った男、入店する。
涼「いらっしゃいませ!」
   パペット店内を見て回る。
   涼、イスに座り、また本を読み出す。
   しばらく静かな時間が流れる。

○同・レジ
じいさん「これとこれね。よくあったよねぇ
 〜...これ。いくら?」
涼「四千六百円でございます」
じいさん「四千六百円?はい、五千円。お釣
 りはここに入れて」
   じいさん、サイフを開いて涼の前に出
   す。
   涼、レシートと四百円のお釣りをサイ
   フに入れる。
   涼、本を渡そうとすると、じいさん、
   くるりと後ろを向く。
じいさん「悪いけど中に入れてくれない?」
涼「(当惑しながら)はい、どうぞ」
   涼、じいさんのリュックのチャックを
   あける。
   リュックの中に大きめの名札。
   藤沢市本鵠沼三ー一0466-85-1234
   涼、本を入れきちんとチャックをしめ
   、ポンとリュックをたたく。
じいさん「はい、ありがとう。またね」
涼「ありがとうございました。また、どうぞ
 ご利用下さいませ」
   じいさん、店を出るが、左右を何度も
   見て右へ行く。
   涼、大きく背伸び。
   イスに戻り、勉強し始める。

○同・レジ
   店内を回っていたパペット、本を持っ
   てレジに来る。
涼「いらっしゃいませ(本を受け取りながら
 )はい、お預かりします(レジをうち)以
 上二点で二千五百円でございます」
   パペット、動きが止まる。
   パペット、人形をカバンから取り出し...。
パペット「(人形に話しかけながら)どっち
 にしようか?○○ちゃんどっちがいい?」
人形「(パペットが喋る)こっちの方がいい
 よ。こっちがいい。こっちがいい」
パペット「(本を指しながら)こっち?」
   人形うなずく。
パペット「これください」
涼「(頭をかきながら)千二百円でございます」
   パペット、二千円を出す。
涼「(レジをうちながら)二千円お預かりい
 たしました。八百円のお返しでございます」
人形「ありがとう。ありがとう。ありがとう」
   涼、思わず人形に本を手渡そうとする
   が、パペットが本を受け取る。
涼「ありがとうございました。またどうぞお
 越し下さいませ」
   パペット、人形と話しながら店を出る。

○同・店内
   涼、単語帳を開けて見ている。
   じいさんの娘、左側から駆け込んで来
   て入店。
娘「(一瞬、驚いた顔で)すみません!こち
 らに赤いリュックをしょった老人が来ませ
 んでしたか?」
涼「あ、ああ。さっき本を買われて、右の方
 へ歩いて行かれましたけど...」
   涼、立ち上がり、右方向を指す。
娘「ありがとうございました!」
   娘、店を飛び出し、右側へ駆け出て行
   く。

○同・店内
   若い女二人、入店。
   店内を回っている。
女A「えっ?何で古本屋なんか来んの?」
女B「彼氏からこの本探せって言われてさぁ」
女A「ふぅ〜ん、あのさ話変わっけど、○○
 って知ってる?」
女B「知ってる知ってる〜」
女A「けっこー真面目じゃん。だけど、あの
 子さぁ、将来何になりたいか知ってる?」
女B「えーっなになに?」
女A「携帯のショップの店員になりたいんだ
 ってー」
女B「キャハハハッ。うっそーマジで?ウケ
 るんだけど」
女A「ありえなくねぇー?」
   女Aの携帯電話が鳴る...。
女A「えーもしもしっ。本マジでないんだけど...」
   サラリーマン入店。
   喋り続ける女二人。
   二人に近づくサラリーマン。
涼「いらっしゃいませ」
   サラリーマン無言で、女二人に近づく。
サラリーマン「あのぉ〜(ボソッとした声で)」
   女二人無視。
サラリーマン「あの〜すいません...」
   女二人振り向く。
サラリーマン「モーニング娘。のライブは鹿児
 島でやるんですか?」
   女二人、目を合わせ困惑。
サラリーマン「モーニング娘。のライブは鹿児
 島でやるんですか?」
   サラリーマン、二人を追いかけ回す。
   涼、店に鍵をかけ、海へ歩いて行く。

○海岸・砂浜
   涼、何かを考えながら砂浜を歩く。
   立ち止まり、座り、海を見ながら頭を
   かく。

○古本屋・店内(夕方)
孫(女性)「すみません!おじいさん、見つかりまし
 た?」
涼「あっ、今トイレに行ってます。トイレは
 外へ出て右...」
   孫は知っているといわんばかりに外へ
   出て右側に曲がる。
孫「おじいちゃん見つかりません。どうしよ
 う...」
   涼、一瞬躊躇するが、
涼「一緒に探します!」
   孫うれしそうな顔をし、涼と外へ出る
   。
   涼、鍵をかける。
涼「俺はあっちを探すので、向こう側をお願
 いします」
   孫、うなずく。
   涼と孫、反対方向へ駆け出す。

○海岸・砂浜
   じいさんを探す涼。

○古本屋・店内
   じいさん、股間を押さえ入店。
   涼、イスから立ち上がり、じいさんの
   方へ。
じいさん「も、もれそうなんだよ。べ、便所
 どこ?」
   涼、じいさんを案内する。
   孫、じいさんを見つけ安心し、
孫「(じいさんのすそを直しながら)ありが
 とうございます。おじいちゃんよかったわね。
 親切な方がいて...。ここのお店の店長さん
 がいるかと思ってたから...。店長の透さん
 のことがウチの祖父が大好きなもので...毎日
 この店まで散歩してくるんです。きっとあ
 なたのことも気に入っちゃったんじゃない
 かなぁ〜二回も散歩してきちゃったから。
 (にっこり祖父に笑いながら涼にも微笑む
 )」
じいさん「法律関係の本はどの辺かな?」
娘「さあ、おじいちゃん、ご飯の時間だから、ま
 た明日来ましょうね」
じいさん「めしか?そうか(ニコニコしなが
 ら)ボウズ、またな!」
涼「(微笑みながら)ありがとうございまし
 た。また、どうぞご来店下さいませ」
   涼、お辞儀をする。
   じいさんと孫、帰る。
   孫、何度もお辞儀。

○涼の家・居間
   テーブルの上に受験参考書、辞書、ノ
   ート、文具...。
   勉強している涼。
涼「(ボソッとした声で)間に合わねー」
   頭をかいている。
   電話が鳴る。
母(の声)「涼!透おじさんから電話よ」
涼「マジかよ!」
   
                     終わり

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