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「はなさきこ」お話の小部屋コミュの兄の打ち明け話

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「あ、もしもし起きてる? お早う〜! 昨晩電話くれたでしょ。 ちょっと出掛けてたからね、電話に出られなかったのよ・・で、どう? 元気にしてる? 何か変わったことはない? うン〜、そう、なら良かった。」と兄貴。 

私はまだベッドの中にいる。御前8時半頃だった。

「で、まっこはどう?」
やっぱしまっこだ・・・「まっこは元気だよ〜!」以前、私はこのまっこ〜と呼ばれることが大嫌いだった。

「そっかーじゃ良かったな。」

「うん」

「で、なんだ〜? なにかあるのか?」

「うん、わたしが電話をしたのはね、 三ちゃんにお礼を言いたかったのよ。 それはね、いつも私が帰宅したとき、あ、まっこ〜お帰り〜!っていつも言ってくれたじゃない」
「最近私は一人で帰宅した時、いつも自分で言うのよ」
「ただいま〜〜・・・あっ、まっこお帰り、どうだった今日は仕事って・・・」

そしてお母さんが出てきて、「おかえり」って言ってくれるのよね。
私ってホントに幸せだったな〜って今になって思うのよ。

それからさ、私は数学が苦手だったでしょ、だけど中学2年の時の天野先生はハンサムでダンディーでナイスボイス、申し分ない先生だったじゃない、(私と兄は三歳違いで同じ中学へ行った為、兄を知っている先生が何人か居た)ああ!!それだのに、私の数学ときたら、まるで駄目・・・

どうしたら出来るようになるのか・・・授業中はしっかりと先生の顔を見て聞いているので、先生も・・「皆も○○さんのように聞いてね、ここのところ・・」と言った。
先生は全然分かっていない。 私は半分は先生のステキな顔に見とれていたのだ。(笑)

もし私の成績が上がったら、天野先生はきっと私を見直してくれるはず・・・
(・・と兄には悟られない様に)

「三ちゃん、私はどうすれば数学が出来るようになるの?」

「まっこ、お前は一体どこらへんから分からなくなったんだい?」

「どこら辺って言ったって・・全部だよ〜、幾何も代数もなにもかも」

「ウ~~ン、困ったね〜、それじゃ、一年のから全部やり直せ。 それしかない。 全部問題を解きなおすんだナ。」

「へ〜〜、全部? 教科書読んで、全部〜!」

「しょうがないないよ。 じゃ、頑張れよ、な〜」

兄貴とはこんなもんか・・勉強ってそんなもんか・・」私はつらいよ、この先いつになったら成績は上がって天野先生に面と向かって褒めて頂けるのか・・・・

しかしこの兄の言った一言は大きかったのだ。

私はこの後母の仕事の都合で中野区に移転した。 そこは新宿区から行った私には田舎に思えた。 学校の雰囲気も何もかも・・だからちょっとガックン。

ここで卒業証書を頂くということは、中野区○○中学校卒業になるわけだ。 
ラストスパートだと言うのに、私の成績は下がる一方で全く上昇の気配なし。 しかし、これを誰かに言ったら、どうにかなるのか???流石の私も沈黙を通し、ただだまって某元校長先生のくれた学研、入試の為の9科目に取り組んだ。

その時兄は兄で国立大学受験に精を出していたから、出来の悪い妹どころではなかった。
私は夏休みの三者面談(父兄、担任、生徒)でも受験は、都立だけ受けます。 そして落ちた時には就職します。 

でも二人があっけにとられていたので、「あ、就職はしますが、夜学へ行きます。」とつい出まかせで言ってしまった。   が、私はまぐれでもなんでもいい、都立高校9科目最後の試験に受かった。

兄は大学を落ちた。

この時の試験は、幸いにも学研の問題集が大いに役立ったのは事実だが・・・かつて兄が教えてくれた、化学式や音楽の○○長調、短調、クラッシックの主要メロディーだかを覚え込ませたことが大きかった。 また数学も問題を読み始めるとすぐに、あ!あの問題と同じだと方程式も思い出せた。

英語もしかり、国語もしかりだった。 兄が煩がる私に根気よく教えてくれたものだった。 だから私は同じ中学から9人受けに行ったにもかかわらず、最後の一人に残ることが出来たのだ。




つづく

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