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戯画戯賛コミュの巨匠への鎮魂曲、手塚治虫:「ばるぼら」他

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手塚治虫:「ばるぼら」

月刊誌「少年」に鉄腕アトムが掲載されていたころは
手塚治虫さんのファンであった。
 ところが、「少年マガジン・サンデー」の週刊誌が
創刊されたころまでに、次第に離れていった。
つまらなくなってきたのである。
実は鉄腕アトムの最終回を知らないのだ。

その後、少年マンガでは『どろろ』や『BJ』などを
見ていたが
さほど評価しなかった。

青年誌「ビッグコミック」が創刊されて
そちらに手塚氏の作品が掲載されるようになってからは
毎号きちんと読むようになった。
一連の作品のなかでは『ばるぼら』が最も好きだ。
 作品としては、やや甘く、読者の予想通りに進む。
 結末も、「ありきたり」に近い。
 しかし、手塚氏の本心の投影がされている。と信じている。
 少年と大人、スランプ、人気の陰りなどの自身の苦悩を
 読み手に感じさせるのだ。

これらビッグコミックの一連では
『陽だまりの樹』『きりひと賛歌』『奇子』の順で良い。
 ばるぼらはもっと下がる(作品としては、だ)

実際の絶筆は『グリンゴ』であるが、JJ2は
手塚治虫氏の寿命は『陽だまりの樹』で尽きていた。と感じた。
 当時、経済動物と世界から蔑まれていた日本人。
 それをグリンゴ(野生の犬)の呼び名に託して
(今の言い方なら、民族の品格とでも言うのだろうが)
 日本人はどうあるべきか、を描こうとしたのだが
 なぜか、皮相的な見方しかしていない、と感じたのだ。

神様をけなすのは性に合わないが、
最後の最後で、下降気味になった気合が残念なのだ。

コメント(7)

石森章太郎:「佐武と市 捕物控」

石森章太郎さんが石ノ森章太郎さんに変わる前の作品。

器用な人で、少年少女青年大人マンガまでなんでも
同時にこなせる才人である。あった。

月刊誌「COM」に掲載された
『ファンタジーワールド・ジュン』が傑作である。
のちの、女性劇画のぶっとんだコマ割や
転換とも同時進行ともつかない時の流れ、の表現の
原点がここにある。と思う。
(「ガロ」の不条理マンガの影響では・・との
 意見もあろうが、女の子に与えた影響はこっちが大きい
 と信ずる)

サイボーグ009の大人向けエロスが「009の1」で
『佐武と市 捕物控』は少年サンデー連載のそれの
青年誌版である。
最初のころこそ少年マンガの「サブ」であったが
描き進むうちに大人の色気の充分にある
「佐武」になった。

石森章太郎の最高傑作だ。

後に「マンガ日本経済学」やら「ホテル」等を描き始めると
これが『佐武と市』を描いたのと同一人物とは思えないほど
内容が無くなってしまう。
あれは(石ノ森プロダクション)のスタッフだけによって
描かれた名前貸し商品だったのでは・・と思ってしまう。

作家別で同じ棚には並べて欲しくないなぁ石ノ森さんは。

横山光輝:「伊賀の影丸」

横山光輝さんの出世作は「鉄人28号」。
 自律型のアトムに対して
 遠隔操作型の28号
 操縦するのは正義の味方「正太郎」少年。

週刊誌が創刊されてからは
 「伊賀の影丸」が人気となった。
 子供心に、悪役の使う術や不死身などが魅力に映った。
 しかし「赤影」を描いたころから
 急速に横山さんは魅力を失っていった。
 こちらが大人になってしまったせいなのかどうか

ひとつ言えるのは、「鉄人」はアトムの亜流
「影丸」は山田風太郎の忍法帖シリーズの亜流
であることを、やはりどこかで「軽蔑」していたのだろう。

しかし、横山光輝さんの良いところは
「まじめ」と「良識」だった。
「創造的」ではなかったが、きちんとした原作があれば
きちんと安心して読める作品を作った。
「史記(項羽と劉邦)」「三国志」「水滸伝」など

手塚治虫や石森章太郎が、大人にシフトできたのに対して
ついに大人になれなかった。という意味で
これらの作品は、子供に読ませてよいものになっている。

ほんと、女に色気がないのが残念である。

白土三平:「サスケ」

まだ訃報は聞いていないが、この十年作品を見ていない。
ガロのころの「カムイ伝」が代表作といえるのだろう。
当時の左翼学生の愛読書だったとか。

それより、「サスケ」である。
 横山光輝の伊賀の影丸よりはやく忍者を登場させたが
幻術も化け物じみた不死身もない。
体術や薬術を駆使した、どちらかといえば硬派スポーツに近い。

特筆すべきは、「解説」付きであること。
 後の梶原一騎や、その亜流、揶揄が
 いちいち、必殺技の説明をしているが
 その源流がこの「サスケ」にある。

分身の術は、なぜ人が何人もいるように見えるのか?
なぜ見えない手裏剣を投げられるのか?
一見まともな説明をつけ、子供は納得してしまう。
この手法の創始者として、白土三平は評価されなくてはならない。

さて、その必殺技というか、遁術に「微塵がくれ」がある。
地面にすばやく穴を掘って隠れ、土をかぶる。
追ってきた敵が近づくと、穴の上に置いた爆薬が破裂して
大爆発のうちに、五体四散の自爆をしたと誤解させるのだ。

その話の後日譚がある。
サスケの友人たち(もちろん子供だ)が
まねをして、五体四散する。
首がころがり、手足がもがれて転がっている。
(あぶないから、まねをしてはいけない。とのメッセージだが)
出版社(あるいはPTA)の圧力があったのか
白土三平自身の発案であったのか
わからないが、効果はなかったように思う。

その後
ビッグコミックが創刊されてからは
数話完結の昔話というか怪奇譚というか
各地の神話伝説を白土流に連載していた。
おもしろいが、
「バッコス」あたりから方向性を見失ったように
感じられた。

このあたりから、絵は白土なんだが
ストーリィがなんだか違うぞ。と思うようになった。

この後「カムイ外伝」の大人版の連載があったが
話がよれよれになったまま中断した。
それを最後に、白土作品を見ていない。

どうも『赤目プロ』が完全代作していた気がしてならない。

 わたしゃ、「北米ネイティブ神話」をいっぱい描いて
 もらいたかったのだが・・だめだろうな。
赤塚不二夫:「おそ松くん」

生きていれば75歳を過ぎているはず。
残っているのはイヤミの「シェー」
チビ太のおでん。

もののみごとに
ストーリーもなにもおぼえていない。
にもかかわらず
名言というのか名一言とでもいうのか
名一コマとでもいうのか

作品の断片の一コマの一部分が
残っている数では、たぶん日本一である。

彼の一言ギャグは
ロッパ・エノケン・大丸ラケットの流れ
であろうけれども
60年代以後のの漫才師たちの一言ギャグは
赤塚ギャグの実演版だといっても
過言ではないだろう。

このひとが
「ひみつのアッコちゃん」を描いたなんて
とても信じられないのである。
巨匠:赤塚不二男 享年七十二。

まだ、そんなに若かったことに驚く。
ナンセンスの価値を教えてくれたことに感謝する。
マンガ週刊誌の草創期から読んできたJJ2にとっては
理屈抜きの面白さをこの人から学んだ。
 (洒落や落ちの意外さ、は教養とか考える力が要求される)
残念なことに、JJ2は、二十を過ぎて「いい大人になった」ころから
そのナンセンスを敬遠するようになった。

知らぬうちに教養主義になっていた。のだ。
巨匠に「バカだなぁ」といわれそうである。瞑目・合掌。
■「まんだら屋の良太」畑中純さん、死去…62歳
(読売新聞 - 06月13日 12:54)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2047368&media_id=20

漫画家というより版画家。
けしてマンガを貶めるわけではないが、ストーリーの駒より
一枚の絵として独立したもののほうが
はるかによいものが多い。

まだ、こんな若さだったのに驚く。
「ヘタコイ」中野純子さん、45歳

かわいい、美しい、ラブコメディ。エロっぽさも充分で好感のもてる作品だった。
ただ、じじいにはインパクトが薄かったのか、連載終了間際の数話しか印象にない。
(つまり、えんえんと同じ調子の曲を演奏している、印象だ)

好感度は高いが巨匠とまではいえない。


45歳・・・その若さが残念だ。合掌。

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