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文芸の里コミュの永遠への入場 その2

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                  Adagio for Strings (Samuel Barber)


☆


 前回、加えるのをうっかり忘れている人がいました。以前散文詩が好みだなどと洩らしていた人です。そのとき召し人だとは教えられていたのですが、それならはっきりしたしるしが欲しいな、と思っていました。強烈な攻めの姿勢で向かってくる人には、神もしるしを出しやすいということがあるようです。本来なら神の声を聴いたら、しるしなど求めず、すぐ動かなければならないのかもしれませんが、そうできないのが辛いところです。薬に頼る患者のように、しるしが来ないと、てきぱきとパソコンに入力できないことになります。そうかといって、あまり電気製品を壊して貰いたくもありません。これまで電気関係以外のしるしとしては、地震、雷、うっかり中指を切るとか、足の出血を見るとか、あるときは地下鉄の改札を通るとき、前の女性の乗車券が私の掌に飛び込んできたこともあります。すぐその女性に渡そうとすると、彼女の手に乗車券がないのに気がついて、「何で?」と私を手品師でも見るような目で見ていたものです。これは、そのときある人が召し人と信じられずにいましたので、乗車券を吹き飛ばして私の手に滑り込ませることで、花嫁入りのしるしとしたのでしょう。
 さて今回もしるしはありました。電子辞書の字が出なくなったのです。視力が弱いため、文字をズームにして見る電子辞書は欠かせなかったのです。しるしだということはすぐ判りました。しかしなんたることだ。先日はシェーバーで、今度は電子辞書。あまりの嘆かわしさに、電子辞書を七、八回、掌で思い切り叩きました。すると薄く文字が浮かんできて、初期設定ができるようになり、完全に元に戻りました。直ったから、しるしがなくなった、などと考えてはなりません。
 あるものを壊す〈死なす〉ことで新しいいのちが生まれるという原理のようなものが、この宇宙には奥深く埋められているようです。 初めの頃は電球を切ることで、神から御霊が下り、新しいいのちが誕生したことを、教えられてきました。それが一段落すると、花嫁の誕生を示すしるしへと移っていきました。
 代わりに壊れる〈死ぬ〉ものがなければ、人が永遠に生きることはできないのです。そのことは同時に、自らも死ななければ、新しく生きることはできないことを教えています。したがって、しるしとして神が、電球もしくは電気製品を壊すことになった召し人は、新しく生まれることができ、やがて復活のいのちとも関わっていくことになる。神はそういうメッセージを私に送りつづけてきたように思えます。

 一度ここで神のしるしを貰うと、安心するのか、何だこんなものと思うのか、それっきり来なくなる人が多いですね。そんなことにならないように願いたいものです。
 しるしを受ける前は、しきりに求めているようなので、私もつい情に絆され、神に訊くことになるのですが、結果が出たとたんに消えてしまうのは、どうしても花嫁らしくない。神の怒りをかうのも当然と私も考えます。
 前回、東京湾に入場したのが、花嫁のすべてではありません。花嫁は日本中に散らばっているし、東京湾には、回遊はしなくても、単独で岸壁深く貼りついて、夜明けを待っている魚もいるでしょう。巨船が接岸する埠頭となれば、隠れ家も見つかるというもの。しかし彼女たちとて、隠れっぱなしというわけにはいきません。
 オリンピックの入場行進ではありませんが、花嫁のすべてに東京湾を回遊して貰いたいと考えています。そこから多くの復活のいのちが、世界に向けて羽ばたいて行くことになるでしょう。近い将来必ずや―。

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