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連続小説「MIYAKO」コミュの第二章  関西国際空港

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寺町丸太町、廻りのカフェやショップは、まだ開いていない。
シルバーのビートルが落ち着きなくハザードを出して都をまっている。
輝は、ハンドルを握りながら自分の腕時計に目をやっていた。
午前5:30 
ジーンズにTシャツ、キャップを深くかぶった都がバックミラーに現れた。
「おはようございます。いや〜。かわいい車やね〜。」
「おはよお!のってのって!いまナビで調べたら間に合わないよ!」
「え、大丈夫やない?」都は車に飛び乗った。
「ナビだと9:20着になったるんだよ。北、南どっち?」
「北!堺泉北道通れば二時間半で付くってお父さんがゆうてたけど、通るようになってる?まぁ、安全運転でいきましょ〜!」
都はニカァと笑った。

飛行機が遅れるケースは良くあるが、パリから日本に来る便は遅れることはほとんど無い。むしろ、ジェット気流に乗って早く付いてしまう。
そんなことより、この三時間を楽しもう。早起きは三時間の得だ。
輝はそう考えていた。

ラジオが梅雨明けを知らした。

コメント(2)

会社の倍ほど長さがあるエスカレーターに二人は掛け乗った。恋人同士であれば二人は横に並んでのるのだろうが、都は上の段に輝は下の段と縦に並んでいた。
「段差があっても竹田さんの方が背高いんやな〜」
都は深くかぶったキャップの先を上にあげ、手のひらを広げて輝との身長差を計ってみた。
輝のとってはこの微妙な距離が更に近づくように・・・
長いようで短いエスカレーターがおわり、都はエアロプラザのmapへ掛けてく
「サンドウィッチ屋は朝からやってるはずやから、ええよね。」
ほとんどのお店がまだ開店しておらず、とは言っても朝からパスタやトンカツはのどに通らない。サンドウィッチが妥当である。

「北野は関空は良く来るの?」
「今年に入って3・4回やね、お父さん見送りに来たり・・・」
本当に空腹だったのかサンドウィッチがみるみる無くなる。
「そうや先週、みーみを見送りに来たばかりやった。」
「みーみは、大学の同級生でな、めっちゃ仲良くて、めっちゃキレイで」
都はフライドポテトで輝の事を指し、ニカァと笑いながら。
「めっちゃ大阪のおばちゃんやから、気いつけてな。」
二人は笑いながらポテトを口にほおばった。

「いやぁ〜。ほんまにありがとうございました。ほんま、おおきに。関西弁つこうたら、怒られますが怒られても構いません。ほんまの気持ちを言わしてもらいます。ほんま、おおきに!」
「こちらこそおおきに。お姉ちゃん楽しかったで。」
「いやぁ〜。オッちゃんおおきに、初めてやから、めだるかったやろ。また次ぎもよろしくお願いしますぅ。オッちゃんの事忘れないからな。わたしのこと忘れんといてな。皆さん、ほんま、ありがとうございました。ほんま、おおきに。」
関西空港旅客ターミナル一階国際線到着フロア中央の中心で何度も頭を下げ大きな声を抱いている。この女性こそ、都と輝の待ち人、木本深幸である。
「もし、次のツアー申し込むことがございましたら、コンダクターは木本深幸ですかと訪ねて下さい。必ず、私、木本深幸が皆さんをエスコートしますので、よろしくお願いします。ほんま、おおきに。」
50から60代のツアーメンバー数名が大きな拍手で深幸を讃えている。周りの人も何事かと思わず見てしまう程、関空の中心に深幸がいた。

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