何とかナルナル?!プリキュア５コミュの【緊急】ＨＵＧっとプリキュア①

【緊急】ＨＵＧっとプリキュア①

放映開始当初、ボクの「ＨＵＧっとプリキュア」の印象はあまりよくなかった。
「イケてるお姉さん」を目指すってコトバ自体が元は「ギャル語」だし、「フレーフレーワタシ！」という「ワタシ大スキ」みたいな子（野乃はなちゃん）もスキじゃないし、輝木ほまれちゃんみたいな「堂々チコクして来る子」が、「イケてる」と一目置かれるみたいな学校独特の風潮もキライだったからだ。そして毎回新シリーズになると、新しい「今のオタクアニメ的な技法」が入ってくるのも（ＥＤの「ラップロック」と言われる歌とか）。

しかし考えてみると、「毎回進化している」という解釈もできる。初期辺りと比べると、かなりテンポがよくなって観やすくなっているし、ボクは必ずソレまでのシリーズへの愛情が残って、新シリーズを受け入れるまでにかなり時間が掛かってしまうのだ。はなちゃん（ボクは「おジャ魔女どれみ」ちゃんの巻機山ハナちゃんがスキではなかったのもある）は、ジブン大スキなナルシストでもないし、ボクも生徒会の副会長だったのに、チコクの常習犯（でも５分位のもので、毎回走って登校していたが）だったし(笑)
考えてみると、初代の「ふたりはプリキュア」の美墨なぎさちゃんの「アリエナ～イ！」も、元は「ギャル語」だ。特に最近、ボクがちょっと「ＨＵＧっと」でも「お、コレは」というシーンが増えて来たのである。まぁそんなにアップできていないが今は「プリンセス｣と「プリアラ」を交互に書いているトコロなので、同じ様には特集できないが気になったシーンなどをまとめてチョコっと書いて見たい。

第１4話「はぎゅ～っ！赤ちゃんスマイルめいっぱい」
保育園に職場体験をするはなちゃんたち、ついでにルールーも誘われて参加。ボクは保育所の経験はないが、老人介護などでも通じるトコロがある。「赤ちゃんや小さい子たちと楽しくふれあって」と夢を抱くのは始めだけで、実際には気の抜けない修羅場が待っている。要介護の老人ホームでも、少し目を放すと車椅子から立ち上がって転倒するヒトがいたり、勝手に外に出て行ってしまうヒトがいたりする。まして赤ちゃんやコドモだと、もっと動きが素早く活発なので、全く気が抜けないコトだろう。
オムツ交換にほまれちゃんが苦戦していたが、コレも老人相手でもマニュアル通りにはいかず、それぞれのヒトに対してやり方が色々変わったりする。素早く処理するのはどちらも共通の必須だ。「マニュアル通りにいかない」のはどの作業でも同じで、相手によってもやるヒトによってもやり方が違ってくるもので、且つ事務的に物事を進めているとコミュニケーションがどんどんと希薄になっていってしまうというかなりやっかいなものなのである。
どちらのシゴトもおそらくソレに愛着が湧き始めるのは、それらの難問をクリアした後になるのではないだろうか。
お昼寝の時間にオシマイダーの襲撃を受けてしまうはなちゃんたち、怖がって泣き出した赤ちゃんやコドモたちを、怖がらせない様にと努力をする。キュアエール（はな）に至っては、戦闘中なのに「オムツを替えるから、もう少しもたせて！」と言い出す始末である。でもコレはギャグなどではなく、はなちゃんたちの母性がそうさせているのである。もし男のヒーローとかだったら、かまう時間があるなら１秒でも早く敵をやっつけるコトを優先にするかもしれない。

薬師寺さあやちゃんが、ルールー・アムールと競い合うシーンがオモシロい。「ヘン顔」を、あえて背後からのアングルで見せないというのもいい。ルールーに勝りたいと焦るさあやちゃんは、慌てておやつのゼリーを転んで落としてしまう。駆け寄ったほまれちゃんが（他のヒトがいないのを見てからというのもいい）、さあやちゃんに「負けずキライなんだね」と声を掛ける。ジブンも知らなかった性格の一面を知ってショックを受けるさあやちゃん。でもほまれちゃんは、「そういうの、いいじゃん」と言うのである。
コレ何気ない会話であるが、ほまれちゃんだから言える言葉なのである。トップアスリートとして技を競い合うフィギュアスケート世界にいるほまれちゃんは、「負けずキライ」な性格を糧にスケートの世界でガンバっているのである。「そういうの、いいじゃん」と言うのは、その気持ちでガンバればいいというほまれちゃんの激励だったのである。

第１5話「迷コンビ…？えみるとルールーのとある一日」
この回はギャグ満載の回で、ネットでもアニメオタク辺りをザワつかせた回になっただろう。
しかしボクが始めに「おっ！」と思ったのは、さあやちゃんとほまれちゃんの何気ない会話。公園でくつろぐ二人、ほまれちゃんが
「そういえばこの前のオーディションの結果、どうなったの？」
と聞くのである。さあやちゃんが焦っているトコロを見ると、いい結果ではなかった様。負けず嫌いなさあやちゃんは、
「そういえば、最近練習している新しいスピンの調子はどうなの？」
とやり返す。視線が泳ぐほまれちゃん、あまり芳しくないのであろう。どちらも、それぞれがイチバン気にしているコトで、ある意味タブーな話題なのであるが、こういうカンジでやり合いながらもしっかりトモダチであるというのも、「女の子の社会」なのかなぁと感じたのであった(笑)。

ハリーの店、「ビューティーハリー（キューティーハニーみたいだ笑）」で、はぐたんが「初めてしゃべる」シーンがあるが、実は前回の保育園に来た時に「ハジメマシテ～♪」としゃべっている(笑）。

愛崎えみるちゃんとルールーのエピソードはキホンギャグ仕様なのであるが、アンドロイドであるルールーが、「奉仕、音楽(歌)、怒り、自己犠牲、友情」など、多くのココロを身に付ける回になっている。「HUGっと」は「２人の新プリキュア」が誕生するらしいが、ルールーが「キュア・ラリルレルールー」になるコトはないだろう(笑）。ルールーは確定として、このままではえみるちゃんもプリキュアになってしまいそうだが、個人的にカノジョはそのまま「キュアエミール」でいて欲しい気がする。「プリンセス｣の七瀬ゆいちゃんや、「仮面ライダー（スカイライダー）」のガンガンじぃみたいなポジションがいいのではと。まぁ公開されたビジュアルの色のカンジだと、「はぐたん」の様な気もするのだが(笑)。
以後「HUGっと」は、アニメオタクがいうトコロの「神エピソード(神回）」を連打して行くコトになる。

第１6話「みんなのカリスマ！？ほまれ師匠はつらいよ」
ボクの記憶にある限りの歴代プリキュアのエピソードの中でも、今回ほど脚本・レイアウト・コンテなどで優れたモノはなかったのではないかと思われる。これだけの良作にケチをつけるのはタイヘン申し訳ないが、あえて言えば「これはプリキュアではないな」とは思った。やはりプリキュアの真骨頂は、東映アニメ伝統の「華やかさと美しさ」である。しかしその面は、次回のエピソードで修正されているが。
まぁいい作品であれば、多少本流とズレてしまってもいいのである。チョコミントアイスも食べたくなったし、ほまれちゃん＆ハーリーの恋愛も別にいい♪

今回で個人的に大ヒットだったのは、百井あきちゃんと十倉じゅんなちゃんの二人が、「絶望の檻から出て来た」コトである！プリキュアでは毎回一般市民とかが適役に「絶望の檻」などに捕らえられ、ソレをエネルギーとしてモンスターを産む出すのが定番になっているが、せいぜい「プリンセス｣の七瀬ゆいちゃんが抵抗した位で、その呪縛そのものを打ち破ってしまった者はいなかったのである。しかしニンゲンは、どんなに深い絶望だったとしても克服して立ち上がる能力を持っているのである。
安直に敵の手に落ちてしまうヒトビトを毎回観て、不満が募っていたのだ。ポイントは、「親友二人」だったコト。お互いに支え合って、そのモンダイを克服してしまったのである。カノジョたちに差し伸べられたキュアエトワールの手が、呪縛を破壊する光を手に取る様に握られるのも効果的だった。

ルールー・アムールは、「フレッシュプリキュア」の『東せつな（キュアパッション）』以来の大ブレイクをするだろう。余談だが、ルールーが学校でさあやちゃんとほまれちゃんを見て「プリキュアの確率１００％」と言っていたが、確率にデータを取っているなら、直接カノジョたちが変身するトコロを確認しない限りは、１００％には絶対ならないのではないか。話を戻して、せっちゃん（東せつな)のパッション誕生前後のエピソードは、「ギャグで支持を集めたモノではない」というコト。
しかし考えてみれば、アンドロイドであるルールーでオーソドックスにエピソードを積み重ねて行くというのも、ムリがあるかなぁと、後になって気づいた(笑)。

第１7話「哀しみのノイズ…さよならルールー」
この回も、アニメオタクの間では「神回」として語り継がれる作品となるだろう。
はなママ（野乃すみれ）にニセの記憶を書き込んだというのは、それまでの魔女っ子モノの様な「魔法的」なものではなく、「攻殻機動隊」みたいに「電子処理的」に書き込んだ、というコト。
「アンドロイドにココロ」などは、１０年前とかだったら「アリエナイ｣と否定されてしまっていたかもしれないコト。しかい現代のAIは、もうその段階に来てしまっているのである。さらにルールーは、機能にないはずの「痛みを感じ（＝しかもそれは自責の念から来ている）」、「泣くコト」もし、涙さえ流すのである。はなちゃんたちも、ルールーを「ロボットだ」と聞いても「一人のヒト」として想いを寄せている。コレはあまりにもブッ飛んだ奇作などではなく、かなり現代的なエピソードなのである。

もうすぐ我々の社会も、AIに監視・管理される世界となって行く。それらのAIたちが、ニンゲンの声を聞き入れてくれるココロを持った存在であるコトを、ただただ祈るばかりである。