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幻想のキーワードコミュの小説のタイトル

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幻想に関する趣味を持っている人たちは たとえば文学や芸術・音楽の作品などについて そのタイトル(題名・作品名)を見ただけで強い幻想性を感じて惹きつけられた経験が少なからずあると思います
そういったものを並べて紹介していくだけでも 面白そうな気がします
とりあえず ここでは小説作品のタイトルで印象深いもの ということでどうでしょうか

ひとつのキーワードの絶妙な組み合わせで生み出される幻想感は かえって多くの文字を使って書かれた文章よりも強力だったりします

コメント(8)

さらっと見わたしてみた印象ですが 文学作品のタイトルには 目にしてたちまち幻想/覚醒を呼び起こすようなものが少ないような気がします

それは 文学作品自体が文章で作られているものであり その総体に改めて言葉でひとつの名前を与えるということは困難(面倒?)であるということで 乱暴に言ってしまえばタイトルの作品にとっての重要度は低く ときには邪魔でさえあり だからあえてイメージの強度が強すぎない言葉をタイトルに選ぶのかもしれません
(ほかのジャンルの作品から拝借してきているタイトルも結構ありそうです タイトル=題号は原則として著作権の対象になりませんから)

ただ 詩(短歌・俳句などの定型詩を含む)の場合は作者がひとつひとつの言葉に精緻なこだわりを持っているので 作品集に考えられた印象的な名前がつけられることが多いようです

というのは あくまでいまの段階でのぼくの印象ですけれど
そういうなかで 幻想感の高い小説のタイトルを思い浮かべてみたりします

   ―――* * *―――

 「アルファベットの傷口」

 多和田葉子


翻訳の仕事のために島に渡った女性の謎めいた幻想的体験の物語 という作品 タイトルにもとても惹きつけられてしまいます

作者の多和田葉子はドイツ語と日本語とで小説を書くバイリンガル作家で1993年に「犬婿入り」で芥川賞を受賞しています 「言葉」というものにこだわり 詩人でもある作者らしく彼女の作品タイトルにはほかにも印象深いものが多くあります
 
「植物の心臓について」

  久野豊彦

植物の心臓 という意外で詩的なイメージのタイトルです
ときおり心臓が夜中に止まる疾患をもつ花木という植物学を研究する男の物語

久野豊彦(1896-1971)は 大正末から昭和初期に活動しその作風を「新感覚的表現」と評された作家です 
「ブロッケン山の妖魔」「靴」「徒然草一巻」など夢幻的な掌編や実験的詩作があります
kittenさん ありがとうございます
詩集とか歌集は本当に幻想的なタイトルの宝庫ですよね

天沢退二郎の「夢魔的感覚」に惹かれます

 「時間錯誤」 「血と野菜」 「死者の砦」

どれも不安感を呼び起こすイメージのタイトルです

「時間錯誤」には 精神の不安定さを煽られるような焦燥感を覚え

「血と野菜」には「血と薔薇」の完璧な幻想イメージとはまた違った
アンバランスなシュールさを感じます

「死者の砦」も 死者の籠る砦という異様な光景が連想させられ
眩暈をおこしてしまいそうなタイトルです
 
ジュリアン・クラッグのシュルレアリズム小説は興味深いです

「アルゴールの城にて」
「陰鬱な美青年」
「シルトの岸辺」

寡作な彼(高校教師の仕事のかたわら 夏休みの間だけ執筆活動したらしいですね)の制作順の作品タイトルです

テーマやストーリィよりもその文体そのものに価値を置く彼の作風には とても共感するものがあります

ひとは ストーリィとは関係のない ほんのささいな部分に心を奪われます

作者の考える テーマ ストーリィとは とりあえず作品に便宜上の意味を与えるものに過ぎません 意味がわからないとひとは不安になるので

もちろん その不安こそが 心地よいというひともいるわけです

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