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男はつらいよ・とらやの茶の間コミュのシナリオをつくる

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シナリオをつくる
山田洋次+朝間義隆

94年に刊行された「男はつらいよ」関連本のひとつ。
最近、また引っ張り出して再読。

本作品の他の寅さん関連本と一線を画すのは山田・朝間両氏の「男はつらいよ」脚本執筆の現場をドキュメントされた本であること。「男はつやいよ」が仕上がっていく過程がリアルにみえてくる。
本作は第45作「〜寅次郎の青春」を執筆中の旅館「若菜」へ録音機を持ち込み山田と朝間の合議で「男はつらいよ」の話があちこち寄り道をしながら練り上げられちぇいく。第45作の冒頭夢のシーンをご記憶だろうか。文学博士・車寅次郎の家に甥の満男が泉を連れて助けを求めてやって来る。といった出だしだったが、脚本では映画「タイタニック」のパロディーとなっていた。脚本も出来上がり、セット打ち合わせの段で夢のシーンに制作費がかかりすぎると待ったがかかったのである。監督は以前にも「未知との遭遇」や「ジョーズ」などの映画パロを夢のシーンでやっていて、そのレベルでいいと考えていたが諸事情で文武両道の文学博士・車寅次郎の巻きとあいなってしまう。基本的に山田が方向性を考えながら雑談混じりでいろんなエピソードをパズルのように組み立てていく。それにアイディアをくわえたり話をふくらませたりしながらワープロを打つのが朝間の仕事。朝間は80年代に主な監督作品を残したれっきとした映画監督だが、監督デビュー前は山田の右腕となり「男はつらいよ」の脚本を第7作より最後までパートナーとして執筆、以来山田作品には必ず朝間義隆の名が連なる。たとえば、博の父ひょう一郎にフーテン暮らしの侘びしさを諭される「りんどうの咲きこぼれる庭先の一家団らん・・・・」の挿話は朝間のアイディアだった。とにかく「寅さん」のストーリーとは一見関係のない雑談からいつの間にか個々のエピソードへ繋がっていく。当初、この回でリリーの再登場はどうなのか、・・・と考えれていてリリーは富豪の後妻となり結婚後夫に先立たれ裕福な暮らしをしているところに偶然寅が転がり込む、というような話が出来上がっていた。奇しくも第48作にそのアイディアが投入され「紅の花」が実現されることに。当然、この第45作制作時点で渥美さんの体調を製作サイドの山田・朝間は知っていた。脚本で渥美の出番割合を入念に見当し負担の少ない出番となるような脚本づくりをする。この二人の会話が面白い。

朝間義隆監督作品

俺たちの交響楽 (79)
思えば遠くへ来たもんだ(80)
俺とあいつの物語(81)
えきすとら(82)
ときめき海岸物語(84)
二十四の瞳 (87)
椿姫(88)
スペインからの手紙 ベンポスタの子どもたち(93)

コメント(6)

この本、じっくり読んでみたいです。
お休みの前の日などに
この、『思えば遠くへ来たもんだ』といふ作品。
映画館で見たことがあります。
武田鉄矢、山田隆夫、そして、たこ八郎がやたらと印象に残っています。

この本も、読んでみたいな。
のりこさん;
映画「男はつらいよ」が創り上げらていく過程が面白いですよ・・・
ま、今から十数年前の本なので廃刊になってなければ良いのですが、文庫になっているかな・・・。他の評論本とは違うので、ファンなら一読の価値はあるかも知れませんね。


次郎吉さん:
朝間義隆さんはその作風が山田さんとかなり近いところにいて、私は安心して観ることの出来る映画作家の一人です。最初に観たのはデビュー作の「俺たちの交響楽」でした。山田監督のヒントを得て実際にあった市民グループが第九を唄うというエピソードを映画に・・・・。さながら朝間版「同胞」という趣があり、私の好きな作品です。以後武田鉄矢を主演に置き何作か制作されました。「俺とあいつの物語」撮影中のスタジオに偶然行ったことも・・・・。「えきすとら」は文字通り映画界でスターを夢みながら端役の役者生活をする青春映画、「椿姫」ちょっと胸キュンものの大人のラブストーリーで、後にTVドラマにもなった素敵な作品でした。「寅さん」レギュラー陣がみんなでご祝儀でカメオ出演している「俺たちの交響楽」と、歌劇の椿姫をモチーフにタクシーの運転手が語るちょっといい話の「椿姫」は秋のこの時期にお奨めの作品です。大きなレンタル店でもなければ置いてないかな〜〜〜〜。
「俺たちの交響楽」は、見たことがあるやうな気がします・・・。

大きなレンタル店といえば、たまに寄ってみたときは、花肇のシリーズを
注意して探しているのですが、なかなかないんですよね・・・。

「俺たちの交響楽」や「椿姫」、あるいは、花肇のシリーズを探し出して
見たときは、いずれ感想を書いてみたいと思います。
寅さんの旅
「男はつらいよ」ロケハン覚え書き
1993年刊行 五十嵐敬司・著

これは71年頃から44作位まで助監督を務めた五十嵐敬司さんの松竹退職後に記した一冊。「男はつらいよ」シリーズほとんどのクレジットロールに五十嵐さんの名前は刻み込まれています。
助監督の仕事など現場のシステムが興味深い。
映画製作の現場でB班というのをご存知だろうか。このB班というのは助監督やカメラ助手などで組まれ、例えば、コスモスの咲く線路脇のショット、青空にカモメが飛ぶショットなどシーンのつなぎに役者さんが登場しないカットを撮る班のことを言います。本隊が役者さん尾シーンを取り終えた後、ロケ地に少数隊で残ってこうした短いショットを撮影して帰るそうです。例えば山田洋次監督もこのB班を高羽カメラマンと修業時代に組んでいて、監督1本だちしたときに高羽さんとコンビを組むようになったとか・・・。著書には寅さんの川下りのシーンを地元の素人さんを使って代役させたり(第44「寅次郎の告白」プロローグ・シーン)、第36作「柴又より愛をこめて」でのプロローグ・シーン、夜明けのロケット発射基地のイメージショットを監督に誉められたエピソードなど興味深い内容がてんこもり。著者自身も渥美さんの代役で退社後にかかわらず、第45作「寅次郎の青春」で理髪店で頭を洗う渥美さんの代役に借り出されている。こちらの本も良くある評論本とは一線を画し、現場のナマの様子が手に取るように分かり面白い。五十嵐氏は松竹退社後映倫の審査員を勤めている。実はひょんなことから、一時五十嵐さんとは個人的な文通をしていたことがありました。
「男はつらいよ」を繰り返し何度も観ていると、いつしか目に焼き付くように記憶に残るカットがあります。意識の奥に、自然と入り込んでどこか懐かしさを思い起こさせるような・・・・。寅次郎が柴又でケンカして飛び出しいつものようにどこかの街角で売れないバイをしている。カットが変わって田んぼのあぜ道・・・。どこかのおばちゃんが歩く姿が引きのショットで・・・手前の道ばたには季節の花が一輪。
こんな情緒的なインサートカットがB班の仕事。映画のストーリー展開を効果的に運ぶこのインサートカットは、実はとても重要な役割を果たすもの。もしこのインアートが無かったらせっかくの本筋の芝居が良くても、なんだかウソっぽくチープに見えてしまう。こうしたインサートカットは台本に有るものは当然ですが、監督から指示が無くてもいい景観を見つけるととりあえず抑えに撮っておくこともしばしばあるといいます。編集段階で採用される事もあり、そうしたときのB班はガッツポーズが出るとか。また、山田組は「花の山田」とも言われ、ロケ先での道ばたに必ずと言っていいほど季節感の出る花を植え込みます。お気づきでしたでしょうか・・・。こうした作業も美術さんや助監督総出で作業することとなり、助監督時代の朝原雄三(釣りバカ監督)は「なんで、こんなことを・・・」と毎回思っていたそうですが、自分が監督をするようになって気がついたら同じようなことをしていると言っています。もし、これから「寅さん」を観るとき、このストーリーを繋ぐ役割のインサートカットを注意深くご覧になると、また新しい発見が見えてくるかもしれませんよ。

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