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三題話コミュの花火・歯ぎしり・五円玉

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コメント(14)

「ぶっ潰してヤンヨ!!」
これは少年漫画で一斗缶振り回すヤンキーの言葉ではない。
歯ぎしりの叫びである。
歯ぎしりは怒りに震えていた。
何にか?元締めからあてがわれる日銭五円にか?
否。
己を袖にする人間たちにである。
そして、己にである。

人にとりついて歯ぎしりをさせる、それが歯ぎしりの仕事だった。
歯ぎしりである以上、それが仕事だ。
たいていは嫌われ、蔑まれる役柄だった。
曰く、イメージが悪い普段の二倍歯に負担
顎関節症歯周病頭痛吐き気云々かんぬんめった切り。。
「ギ、ギギ」としか喋れない歯ぎしりは声を大にして言いたかった。
俺の立場になったことあんのか、
大体お前ら俺をまじまじと感じたことあんのか、と。
飯は50回は噛まんと栄養が出てこない、脳が活性化しない、
そんなこと言うくせに、噛む対象がないとこの扱いか。
ガムか。薄皮一枚あればOKか。仏様か。
大体なんだあの「キシリトール」ってのは。え!
…歯ぎしりには恥ずかしい過去があった。
キシリトールというのは「歯ぎしり」から来てると
思い込んで、ようやく自分の時代が来たと仲間たちに
触れ回って喜んでいたのだ。
自分を予防する「ぎしり取る」から来ていた言葉だと
猫背から薄嗤いで教えられ、歯ぎしりはリステリンを
ガブ飲みしてふて寝した。

歯ぎしりの暗い心にも仄かな光があった。
いつももらいにいく弁当屋の少女。
「私、あなたに会うと死んだ父の寝姿を思い出すの」。
触れた手の先からその想いが伝わって、歯ぎしりは
夜な夜な、少女のことを想うのだった。
この想いを伝えること、、否、そんな大それたこと
できなくてもいい、ただ、側にいて、
横顔を見つめ続けることだけでも、できたら。。。
日々あてがわれる五円玉で電動歯ブラシをあの娘にあげよう。
思い立った歯ぎしりは、ついにあと少しまでお金を貯め、
いぶかしげな娘のまなざしを避けるように
「今夜、公園」と書いた紙の切れ端を突き出して
逃げるように走り去り、職場へ向かった。

くたくただ。ようやく歯ぎしりの仕事が終わった。
でも今夜の歯ぎしりは違った。
誰に何を言われようと、何を思われようと、心が躍った。
こんなことは初めてだった。顔がにやけもした。
何も知らない元締めは不審げに
ほらよ、といつもの五円玉を放り投げた。
慌てて掴もうとした歯ぎしりの手を滑り落ちた五円玉は、
一直線に転がって下水溝へと落ちていった。
やがて響く「チン」という小さな音。
一斉に振り向き、辺りを窺う人間たち。
これだ、この音。。。
人間たちはこの音になら反応するのだ。。

泥まみれで下水を漁り、
電動ハブラシ手に公園に駆けつけると…少女はいなかった。
(時間があまりにも遅すぎたのだ)
両手から零れ落ちるハブラシ。
…はは、そうかい。
歯ぎしりは、決めた。


隅田川花火大会当日。喧騒の会場。
宴を締める巨大な尺玉を打ち上げる筒の中に、歯ぎしりはいた。
口をガムテープでふさがれた職人が叫ぶ。
「よせ、そんなことしたらお前」
尺玉に抱きついた歯ぎしりはニヤッと笑った。
「ばーか、最後ぐらい、パーッとな」
「よせ、う、うーっ!」
火はやがて、引火した。

ドーン

…… …

ギ!!ギギギギギギギ!!!!!!!!

キャー何この音! ウワーギャー。
会場は蜂の巣を突いたような騒ぎ。
耳を抑えうずくまる人々。
その中で、ただ一人、電動ハブラシを手に立ち尽くす少女がいた。
頬を濡らした少女のまなざしを知らずに
散りぢりになってゆく歯ぎしりは思った。


「次生まれてくるときゃ…
 しゃっくりくらいにはなりたいゼ」
なんでしょう(笑)。気がついたらこんなことに。
ま、俺はいいので皆さんジャンジャン願いマース。
 奴は五円玉を親指で跳ね上げた。
 くるくると回る五円玉は上手い事真上に上がり、スピードを緩めてから落下を始めた・・・。

 俺と奴はライバルだった。
 言っておくが仲が悪い訳じゃない。
 むしろ気の合う仲間だ。
 小、中、そして高校、大学まで同じ学校に進んだ。
 別に奴と一緒に居たくて同じ学校を選んだ訳ではないが、実家も同じ町だったし頭の程度も似たり寄ったりだった。
 周りの連中も“あいつらはいつもつるんでる”ってそう思ってるだろう。
 俺達二人は良く似てる。
 小学生の時、授業中にふざけ過ぎて廊下に立たされた時、ふてくされた顔で隣のクラスの方を見ると、やっぱり立たされた奴が笑ってこっちを見ていた。
 あの時は俺も釣られて声を上げて笑ってしまった。
 お陰でヒステリーのオバハン先生に目を吊り上げて怒られたっけ。
 中学の時、俺はバスケ部、あいつはバレー部。
 どうやって選んだんだ、って聞かれたら俺達は揃って“女いっぱいいるから”って答えた。
 
 まあ、どうでも良い事だ。
 大事なのは似なくて良い所まで似ちまった、って事だ。
 俺とあいつは恋敵。
 高校で奴と同じクラスになった時、やっぱり同じクラスの女の子を好きになっちゃった、って訳だ。
 よく三人でつるんで遊んでた。 
 だから俺達は分かってた。
 “ぜったい、コイツは彼女の事が好きなんだ”って。
 まあ似たもの同士だしね。
 
 だから大学まで俺とこいつと一緒になった時決めたんだ。
 幾ら近くだって言ったって、別の大学に行っちまう彼女には絶対彼氏が出来る。
 そうなる前に決着着けよう。
 恨みっこなしのコインで決めよう。
 表が出れば俺が彼女を花火大会に誘う。
 裏が出れば奴が彼女を花火大会に誘う。
 俺達はほぼ同じ条件。
 先に告白した方が圧倒的に有利だ。
 
 くるくると回る五円玉は上手い事真上に上がり、スピードを緩めてから落下を始めた・・・。
 そして奴はそのコインをバシッと鷲づかみにし、甲の方を下に向けた。
 ゆっくりと指を広げた奴の手の平には・・・。
 裏側を向いた五円玉が・・・。

 奴の顔はスローモーションで満面の笑顔に変わった。
 奴に俺の歯軋りは聞こえているだろうか?

 まあ、良い。
 ほぼ同じ条件の俺達だけど、ルックスは俺の方が・・・!
 

 
こんな話でよかったら幾らでも書けそうなんですが・・・。
でも良い練習になりそうです。
 孝枝が線香花火作りに挫折したのは歯軋りのせいだった。
 テレビで放映していた「消えゆく日本の伝統〜最後の線香花火職人」という十五分ほどの番組で、同じ県に職人がいると知って矢も盾もたまらず家を出たのだった。人に話せば五月病のひと言で済んでしまうような、けれど本人にとっては人生最大の鬱屈を抱えていた孝枝は衝動的に会社を辞め、その足で職人のもとへ向かった。
 預金通帳と印鑑を差し出して弟子入りを志願した孝枝をテレビに映っていた姿よりやや老けて見える職人はじいっと見つめ、かたわらのティッシュボックスを引きよせてしゅっと一枚引き抜くと短冊に裂き紙縒りは縒れる?とティッシュを寄越した。はいと答えた声がうわずっているのを自覚しながら孝枝はティッシュで紙縒りをつくってみた。途中で折れ曲がったぶかっこうな紙縒りをみて、職人はもういちど孝枝を見て、じゃあ戴いとくわねと通帳に手を伸ばした。
 嫁いだ娘の部屋を宛がわれて、なかなか寝つけずにぼんやりと本を読んでいた孝枝が、それでもうとうとしはじめたころ、金属同士がこすれあうような神経に障る物音に飛び起きた。時計を見ると零時を回っており、その音はとなりの部屋から響いていた。大きくなり小さくなり、歯医者の治療のような音になったり、金物をぶつけあうような音になったりして、それは明け方まで続いた。
 孝枝はそれでもひと月耐えた。耳栓を買い、布団を頭からかぶり、ガラスをひっかくような音をなんとか聞かないように努力を重ねた。しかし寝不足のため集中力が続かず、和紙を使っての紙縒りの練習にも身が入らず、火薬の配合を手伝ったときにもついうたたねしそうになるありさまだった。
 通いで修業できないか、それとも近くにアパートでも借りようかと思い悩む孝枝のもとへ親から手紙が届いた。家出同然に出て行った娘を責める言葉は一切なく、それがかえって堪えた。それから三日孝枝は手紙を懐に入れて修業を続け、そうして三日目の晩に職人に家に戻ると告げた。この一月ですっかり正座にも慣れ、ぴんと背筋をのばした孝枝を職人は最初の日とおなじようにじいっと見つめ、それから傍らに置いてあったクッキーの缶を引き寄せて蓋を開けた。中にはぎっしりと紙縒りが詰まっていた。
 あんたがここへ来てから作った紙縒りだよ、と職人は言った。五千にはならないかしらね。上のほうが新しくて、下のほうに行くにつれ古くなってる。ここへいた記念に持ってお行き。
 ありがとうございますと孝枝は答え、お辞儀をしながら、初日に渡した預金通帳のことを言い出せずにいた。ひと月分の生活費やいろんな経費はともかくとして、残りを返してほしいと言うことが当然の請求なのか非常識なのか判断できなかった。
 もじもじしている孝枝に、ああそうだ忘れていたわと職人は立ち上がってとなりの部屋へ行った。ほっと胸を撫で下ろして待っていると、ほどなくして戻ってきた職人は孝枝に封筒を差し出して、あけてごらんと言った。封筒は、通帳が入っているにしては薄っぺらかった。
 封筒からころりと出てきたのは、ティッシュの紙縒りを通した五円玉だった。いちばん最初の日に孝枝が縒った紙縒りだと職人は言った。
 あたしからの餞別だよ、このさきもご縁がありますようにってね。
 あたしの線香花火を買うときがあったら、ちっぽけな線香花火にも、作った人間がいるってこと思い出しておくれ。そう言われて送り出された孝枝は、結局通帳のことを言い出せなかった。

 実家に戻って数日後、職人から書留が届いた。
 中に入っていた通帳の残高を見ると、五円だけ引かれていた。
 同封の手紙には、この先もご縁がありますように、あなた様からも五円戴きました。あしからずご了承くださいませ、と達筆とはいえない字で書かれていた。

---

 長すぎますか?
五円玉は歯ぎしりしていた。
「ご縁なんかねーよ」。
クサっていたんである。

100円とか10円は、やたら出入りが激しい。
500円は威厳というか、存在感がある。
1円玉は、仲間が多くてちっともさびしそうじゃない。

「俺は、この暗闇で何をしてるんだ」
財布の中で地味で、居座りがちで、仲間も少ない
五円玉は、一人で悶々としていた。

そんな五円玉に転機が訪れたのは、夏のある日。
財布から引っ張り出されてもなお暗闇。不安ではあった。
人間につまみ上げられて「ご縁がありますように」と。
投げ込まれた先は汚い箱。目を開けて見てみると、
仲間はそこにいっぱいいたんである。賽銭箱だった。
見渡しても、五円玉密度の高さといったら、
ついぞ経験がないぐらいであった。
「ご縁、あるもんだねえ」。しみじみと五円玉は思った。

縁日であった。夜空には花火が上がっている日であった。
(難しいなぁ、こういうの)
>りんさん
参加どうもです。
いやいやこういうのいいじゃないですかー。
なるほど、五円玉の回転が効いてますね。
落ちてくるまでの間にふわっと背景が入れられる。
これはやはり、五円玉の回転が何かを決める、
というところから話が膨らんだんでしょうか。
よかったらイメージの綱渡り、教えてくださいまし。
次作、お待ちしてます。

>ろきさん
ようこそおいでくださいました。
いやいやこれで長ければ俺のは出せませんです(苦笑)。
なるほど、なるほど花火職人に。こりゃテレビ東京の
『極める〜匠と至芸の世界〜』を見ちゃったんでしょうかねぇ。
この職人は女性のような気がしたのですが、
それだと歯ぎしりのことは余計言い出しにくいですよね(苦笑)。
これは落ちが先に浮かんだのでしょうか?
よかったらコンストラクションを教えてくださいませ。
次も宜しく願いますです。

>むーむーさん
いやはや、参加どうもです。
最初のくだりからぽんぽんすとーんとリズムの妙。
肩に力入ってない感じがいいっすねー。
俺が歯ぎしり、むーむーさんが五円玉を擬人化したので、
あと誰かが花火を擬人化して話を作ってくれないかなーなんて。
次待ってまーす。
>jadeさん
おっと、入れ違いで書き込んでたようですねー。
でもって読んでみますと…可愛い!
「クールな熱い男(?)」ってんですか?
いつの時代もモテルんですよねーこの種の男。
同姓としては何て器用なヤツ、と思いますが(笑)。
これはどうでしょう…彼から歯ぎしりを教わる
というイメージからイベントがらみの二人のドラマにしよう、
思い立ったのでしょうか。よかったら教えてくださいませ。
 五円玉を弄び、彼女は観衆に問い掛けた。
 「裏か表か。表か裏か」
 「見事当てたら何とする?」
 「其の方の思いに応えましょうぞ」
 問い掛けの応酬に人込みの中から聞こえる
歯ぎしり。彼女の振る舞いが美貌故に許され
ているものと思い込みたい人々の心の音であ
ろうか。
 「裏か表か、」
 「思いに応えると言う言葉に偽りは無いな
?」
 「ございませぬ」
 「では。裏!」
 彼女を問い質した若者は、見事に彼女と過
ごす時を手に入れた。
 
 二人の手元をそっと線香花火の灯りが照ら
している。若者の顔は心底満ち足りた様に艶
やかであった。
 彼女は、そっと彼にしな垂れかかった。
花火・歯ぎしり・五円玉




 何のためにあるか知っていますか、五円玉の穴は?
 そう。覗くためですよ。
 こうやってね、人差し指と親指の腹でもって垂直に立てて、片目をつぶって、この穴から向こう側を覗くんですよ。
 するとね、ほら、見えてきましたよ。あなたの姿が。
 昔から、日本人は語呂合わせが好きでしたね。この五円玉だって、ご縁とかけて、たいそう重宝がっている。
 あなたと私の間にも、なんだかご縁があるみたいですね。
 あなたは、浴衣ですね。たいそう涼しげだ。セミロングの黒髪を、今日は上の方でまとめて、普段は見えない首筋が露わですね。
 白いんですねえ、あなたの肌は。前からそうは思っていたけれど、今日は一段と白くてきれいだ。細くて長い首筋から、両肩へなだらかに下がる曲線が、何とも言えない美しさです。女性特有の、丸くしなやかな線が、腰のくびれまでつながってきれいです。
 白地に藍の大きなトンボの図柄、おとなしく無口なあなたの普段の性格とは好対照の元気のある図柄で、あなたのか弱さが一層引き立っています。帯も落ち着いた、紺の染物ですか? 腰骨の上で形よく締められていて、あなたの足の長さを強調しています。袖口からのぞく肘から下の細い腕、手首、そして長い指。あなたは足の先から指の先まで、美しさで形作られた世界でも有数の恵まれた女性だ。
 左手の人差し指の付け根と、右の鎖骨の上にある二つのほくろが、色っぽくて素敵ですよ。
 涼しげですねえ。団扇を、帯の後ろに差して。その団扇には、赤い金魚の絵が描かれています。履物は底が厚くて、歩くたびに体が左右によろよろとよろけて、いかにも危なっかしい。
 守ってあげたいという、男性の根源的な欲求を刺激しますね、あなたの容姿は。
 楽しそうな笑顔ですねえ。私の前では決して見せない、無警戒な、心からの笑顔だ。誰なんです、その、隣の男性は?
 長身ですね。小柄なあなたが隣にいると、一層男の長身が目立ちますね。なんだか得意げです。腹が立ちます。
 そりゃあ、似合いますよね。長身の男に、夏の浴衣は。
 そうでなくても人の目を引くのに、骨ばった脛や、引き締まった胸元のちらつく浴衣は、男らしさを強調する最強の武具ですからね。
 その男には関係ないかもしれませんが、体型の悪いところだって隠してくれます。
 あなたは、男の腕を掴んでいますね。警戒していない証拠です。男につかまっていても、よろけてしまうあなたは、いじらしい生き物だ。それを気遣いながら、気にしないそぶりで歩く男も、相当計算高いようですね。
 今日は祭ですか? 周りが大変賑やかなようだ。道の両脇に、屋台が何軒も並んでいますね。綿菓子屋もあります。いったい誰が買うんですか、あのビニール入りの大きな綿菓子は?
 それはさておき、あなたは今、何かを指さしていますね。前方の、そうですね、視線から約三十六度の高さに腕を上げて。左手で、男の二の腕をぎゅっと引きつけるから、男の腕が、あなたの胸元に密着しています。男がそれに気づいていないはずはありません。
 男も、あなたと同じ方角を見上げて笑っていますね。そうか。今日は花火大会の日だ。道理で、これだけ界隈が賑わっているわけですね。
 あなたは、もっと花火を近くで見ようと、ぐいぐい男の腕を引っ張って歩きます。男は驚いた様子をしながら、あなたの足元に注視しながら、あなたに引きずられて歩きます。
 いいですねえ。まさに、絵に描いたような恋人同士の図柄です。
 花火はいよいよ佳境のようです。連続で夜空に花開く花火に、あなたたちの頬骨や鼻が照らされています。あなたの唇、瑞々しいですねえ。変に紅を塗らないところが、清楚で素敵です。
 私は今、あなたとは遠く離れた場所から、あなたの様子をこうして五円玉の穴から覗いて見ています。
 歯ぎしりをしながらね。
 そりゃあ、そうでしょう。だって、世界で一番あなたを愛しているはずの私が、今ここでこんな風に一人で部屋にいて、あなたを本当に愛しているんだか疑わしい別の男が、あなたの心を独占しているんですから。
 そりゃあ、腸も煮えくり返るでしょう。
 でも、もういいんです。そんなことは。
 私は、もうあなたの姿を覗き込んで、嫉んだり僻んだりするのは、もうやめにします。
 なぜなら、私のあなたへの愛は、本物だからです。
 愛するあなたに望む、一番のこと。
 それは、あなたの幸せです。
 あなたが幸せになる方法が、私と一緒にいることではないとするならば、私はあなたと一緒にいることを望んだりはしません。
 別の男といても、いいんです。それで、あなたが幸せならば。
 この五円玉は、明日神社の賽銭箱に投げ入れましょう。
 あなたの最高の幸福と、最高の良縁を願って。
 あなたさえ幸せならば、私なんて、どうなったって、いいんです。
 たとえごみのように道端に捨てられ、人から邪魔にされ、唾をかけられても。
 いいんです。私なんか、どうなっても。
 あなたが、その男と、幸せになってくれることを願います。
 

 ――ソンナワケ、ナイダロ?

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