その混成的原点状態のキューバSon楽団「Conjunto del Chicorro」のレパートリーです。
Manicero(El Manicero) 1930年Cuba産 この曲をもって世界に「ソン歌謡」が知れ渡った。「南京豆売り」。しかしキューバ民族音楽「Rumba」と誤って紹介された。幸い「Rhumba」と綴られたから、社交ダンスのルンバとは区別出来る。 前半の「歌謡部」の後、「Call&Responce」のアフリカ系即興部「Montuno」が続く典型的な「Son」だが、元々物売りの声「Pregon」から来ているので「Son-Pregon」とも言う。T-Sax並木、西田、Tpキーノのソロ、若林の弦楽器Tresのソロが映える。 キューバSon楽団「Conjunto del Chicorro」曲
Ay Cosita Linda Mama 1950年代にコロンビアのバンドリーダー、Pacho Galanが考案したリズム「Merecumbe」の代表曲。と言うかこの曲位しか国外にヒット無し。Merengueは有名なドミニカの他、コロンビア、ヴェネスエラに全く違うリズムがあるが、メレクンベはドミニカ産とコロンビア産のアフロ系ポピュラー・ミュージック・リズム「Cumbia」の融合。Cumbiaの長閑さ、美しさを余す事無く伝えるブラス・アンサンブルと若林のConga、MAMI-TA、Calrosのパーカッションが冴える。お客さんにはタイトルの合唱をお願いしたい。ただし三回目は「Con Merecumbe Pa Bailar」 ラテン・アンソロジー楽団「El CoCo」曲
To Calo con Limon 1950年代に世界、日本でも流行ったリズム「スクスク」の名曲。もともとキューバ沖合のPinos島の民謡から来たと言われる。社会主義キューバ建国時の英雄的「民謡歌手」が歌った曲「レモン風味で行っておくれ」曲の前半に「テーマ」と歌謡の交互演奏があって、後半に展開部が来る、強いて言えば「Son-Montuno形式」だけれど、ちょっとかわった、と言うかむしろアジア・ヨーロッパ式のスタイル。 キューバSon楽団「Conjunto del Chicorro」曲
Yo Landa 1980年代のメキシコの大人気楽団のヒット曲。南米コロンビアで生まれたアフロ系ポピュラー・ミュージック・リズムの「Cumbia」は今日でも中米ではSalsaと並んで人気が高い。ちょっと洗練された味わいのCumbiaの名曲で、メキシコならではのハイトーンのTrompetaと渋いSaxフレーズがカッコ良い。 ラテン・アンソロジー楽団「El CoCo」曲
Oye Como Va 1970〜80年代にアメリカで流行したアフロキューバ音楽〜ラテンフュージョン時代の名曲。プエルトリコ人Timbales奏者ティト・プエンテの伝説的な名演で知られる。 スタイルはSlowな民謡形式GuajiraとミディアムなChaChaChaの融合した感じ。
Lagrimas Negras 1930〜40年代のSon歌謡の二大発信源のひとつ「Trio-Matamoros」のミゲール・マタモロ作曲。短調の美しい旋律に「歌謡部」と「Montuno」の間に短い展開部があるのが特徴。キューバン・サルサ楽団も多く取り上げる。キューバSon楽団「Conjunto del Chicorro」ではRumbavanaとMatamorosの新旧バージョンをMixしてアレンジ。 キューバSon楽団「Conjunto del Chicorro」曲
Guantanamera(Guajira-Guantanamera) キューバ南部〜中央部のサトウキビ畑の白人系民謡「ワヒーラ」の名曲。 スペインからの独立の際に「独立運動の歌」としてしたしまれ、社会主義革命の際にも愛唱された。国民的歌手ホセイート・フェルナンデスの歌が有名。 キューバSon楽団「Conjunto del Chicorro」曲
Chencha La Gamba 社会主義キューバの英雄的女流歌手の名曲。ナショナル劇場で歌った時、客席のヤジったら「おい!そのがに股を今猫が走って、犬が追いかけたぞ」短調と長調を見事に組み合わせたところが音楽的にも高度な名曲。 キューバSon楽団「Conjunto del Chicorro」曲
Una Mujer Cosinera 社会主義革命後も短波放送で自由に豊富にアメリカ・ポピュラー・ミュージックが入って来たキューバでは1960〜70年代、SonにR&Bのエッセンスが加わるブルージーでタイトなSonが流行した。名歌手M.クーニー、TropmpetaのF.チャポティーンの楽団、それに先駆けて新しいSonをリードし、Pianoにその座を奪われていた弦楽器Tresを復活させたアルセニオ・ロドリゲスの名曲。「歌謡部」の無い「Montuno形式」 キューバSon楽団「Conjunto del Chicorro」曲
Moliendo Cafe(コーヒールンバ) 「南京豆売り」とともに昭和30年代の日本に於ける「ラテン音楽ブーム」で大ヒットした名曲。典型的なキューバ歌謡「Son」のスタイルだが、作曲・原曲はヴェネスエラのハープ奏者ウーゴ・ブランコ。 キューバSon楽団「Conjunto del Chicorro」/ラテン・アンソロジー楽団「El CoCo」曲
Corazon de Chivo 社会主義革命以後のキューバでは「プロ音楽家」も国家公務員。しかし徐々にアマチュアに優秀な楽団が生まれ、国営レコード会社もそれらをリリースする様になった。 この曲はそんな楽団のひとつ「シエラマエストラ」がリバイバルさせた、アルセニオ・ロドリゲスの名曲。「南部の音楽が良いのは認めざるを得ないけどネ。あの食いもんはどうにも受け付けない」と北部の人間の負け惜しみの様な心情を可笑しく歌っている。 キューバSon楽団「Conjunto del Chicorro」曲