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杜甫の魅力コミュの氷漿 椀に碧にして 馬脳寒し

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杜甫の表現の凄さにまたまた驚かされる詩があった。「鄭駙馬の宅にて洞中に宴す」と題する七言律詩である。

主家の陰洞 煙霧細かに
客に留まる夏簟 琅玕清し
春酒 盃に濃くして 琥珀薄く
氷漿 椀に碧にして 馬脳寒し
誤って茅堂かと疑いて 江麓を過ぎ
已に風磴に入れば 雲端に霾ふる
自ずから是れ秦楼は鄭谷を圧し
時に聞く雑佩の声珊珊たるを

(吉川幸次郎「杜甫詩注」巻2より)

 中国には山荘に洞(土室)を設けることがあったという。ここに杜甫は招かれて、そこでの宴である。この律詩での表現で気に入ったのは

春酒 盃に濃くして 琥珀薄く
氷漿 椀に碧にして 馬脳寒し

 である。吉川の本の解説には『清の浦起竜によるとこの句に関して「琥珀は是れ酒にして是れ盃、瑪瑙は是れ漿にして是れ椀、一つの色両つながらに耀く。清麗絶倫なり」』とある。中国人にも当然のことながら、この表現は凄いと感じられたのだろう。
 琥珀と瑪瑙を並べ、西域の響きを伝える。盃は琥珀からなり、椀は瑪瑙で作られる。それに春酒と、氷漿(こおりみず)がそれぞれ注がれている。盃は薄く、春の酒はドロとしたものであったのだろう。氷漿は冷たく。瑪瑙の椀の表面には水滴がついているのが想像できる。さぞかし甘露であったのだろう。豪華な山荘で詠じた佳句である。

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