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日本の生命線・台湾防衛運動コミュの中国と台湾「反日」の比較―日本人の誤解を解くために

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http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-422.html より

■台湾人が警戒する馬英九政権の「民族主義」 

昨二日の台湾紙「自由時報」は社説で、中国に傾斜する馬英九政権が「伝統的な盟友・日本」から離れて行く情況に警鐘を打ち鳴らしていた。それによると「馬総統は日本を盟友と見なくなったからこそ、我が釣漁船が日本の巡視船と衝突、沈没するや、馬政府は『中国民族主義』の『保釣精神』(尖閣防衛精神)を発揮し、一戦を惜しまずとの外交手段まで出した」のだそうだ。

台湾の国民を大きく分けると、台湾人と外省人(戦後、蒋介石とともに逃亡してきた中国人とのその子孫)と言う二つのエスニックグループが存在するわけだが、この社説は安全保障上の観点から、外省人政権の「中国民族主義」と、それがもたらす「反日政策」への台湾人の懸念を表明したものと言える。

ちなみに同政権が「中国民族主義」に基づき、真の敵である中国に対しては、屈従とも言える姿勢で関係改善に向かっていることは周知の通りである。

だが一般の日本人は、台湾人と外省人との意識の異なりについてはあまり理解していない。そのため馬英九政権が「反日」に進めば、台湾人もそれを支持しているものと多くが誤解してしまっており、これもまた日台の「伝統的盟友」の関係にとっては非常に好ましくない情況だ。

■グリース氏の中国ナショナリズム分析を基に

ところで本三日の産経新聞が掲載した米国オクラホマ大学のピーター・グリース・米中問題研究所長とのインタビュー記事「中国の対日政策 ナショナリズムから形成」は、中国ナショナリズムを理解する上で実に有益だ。

グリース氏によると、そもそもナショナリズムとは「一般に国民が自国に対して抱く帰属と支持の意識」を指すが、それに比べて中国の場合は「非常に特殊」だと言う。

つまり「民族文化、とくに漢民族の血が基盤となる。 文化面では中国の古い文明への誇りが主であり、近年はそこに歴史上の屈辱という要素からの被害者意識が加えられた。その被害者意識からの怒りが日本にぶつけられるのだといえる」のだそうだ。

それでは台湾の「ナショナリズム」はどうか。外省人は素より、台湾人にもまた清国時代以来の漢民族化などによって漢民族意識が持たれている。そこでグリース氏の中国ナショナリズムの分析に照らし合わせながら、台湾の情況を考えてみたい。

■台湾で追放された中国ナショナリズム

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グリース氏

1990年代までは中国では日本に対する歴史認識でも『中国共産党の指導で日本の帝国主義者を打破した』という態度で、中国側の勝利やヒロイズムの強調が主だった
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これは台湾でも、とくに国民党独裁時代の八〇年代までは同様である。こちらでは共産党ではなく、国民党の指導で「日本の帝国主義者を打破した」との「中国側の勝利やヒロイズムの強調」が行われていたのだ。当時国民党政権は、外交上は親日路線だったが、対内的には反日教育が重視された。それは日本文化の影響の払拭、蒋介石への忠誠心の扶植などの狙いを含んだ中国人化教育(民族改造教育)だった。

このため、戦前・戦後の比較から親日・反中だった台湾人も、戦後生まれになると「反日中国人」の意識がごく自然に抱かれるようになり、上の世代とのギャップが生じた。

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グリース氏

ところが95年ごろから愛国主義教育の開始の下、中国側の歴史教科書の書き換え、第二次大戦の新しい解釈、南京虐殺の新議論などにより、対日認識も変わってきた
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同時期に台湾でも変化が起こった。しかしそれは、中国とは正反対の変化である。台湾で九五年と言えば台湾人の李登輝氏が初の直接選挙で総統に就任し、中国人意識からの脱却と台湾人意識の高揚が加速し始めた時期だ。「歴史教科書の書き換え」も行われたが、こちらは反日と言う政治宣伝的性格が否定され、日本統治時代は冷静に評価され、やがて南京虐殺に関する記述の縮小や削除も行われることになる。

このように中国ナショナリズムの追放が、李登輝時代とそれに続く民進党政権時代の大趨勢となった。民間では、国民党の歴史教育の否定を起点に、公正な歴史観の模索が開始された。日本の「昭和ブーム」のように、日本時代を懐かしむ空気は若い人々の間でも広がっている。戦後世代の「対日認識」には大きな変化が見られ、中国での仇日意識の高揚と反比例するように、「日本大好き」ブームが巻き起こった。こうした民族意識をも変える対日観の変化に中国側は、「台湾独立の動き」として警戒している。

■抗日意識は台湾人には馴染まない

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グリース氏

日本は中国文化の長年の受益者なのに恩義を忘れ、日清戦争で中国を破り、その後も侵略を続けたという歴史解釈が広められた。日本側の残虐性や不公正が宣伝され、一般中国人の怒りをあおり、現代の中国側の反日感情の基盤となっていった。この感情は永続性が強い。こうした点では中国側の対日感情は他の外国に対する感情とは非常に異なるのだ
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二〇〇四年の総統選挙で民進党からの政権奪還に失敗した国民党が提携に乗り出した相手が、やはり民進党の台湾人政権を憎む中国共産党だった(聯共制台)。そして両党は「抗日戦争勝利六十周年」にあたる〇五年、「抗日」と「中華民族」をキーワードに、反日宣伝キャンペーンで協力し合っている。このとき国民党は台湾で、歴史を散々改竄しながら、日本統治時代に日本当局に反抗した歴史上の人物を「中華民族の抗日英雄」に祭り上げるキャンペーンを行い、再び中国人意識を台湾人に扶植しようとも試みている。

もちろん台湾人からは見向きもされなかった。台湾人にとって、そもそも「抗日」は中国の歴史問題だ。それにそのような政治宣伝で煽られるほど、台湾人の文化レベルは低くない。

だいたい中国人特有の復讐心からくる「仇日」意識など、台湾人の他者への寛容な性格にもまったく馴染まない。たしかにかつての反日教育で、そのようなものに染まった台湾人も存在するが(とくにエリート層に多い)、それはその人個人の生活環境や性格のためだろうと感じる。あたかも反日左翼に走った日本人のように。

〇七年、李登輝氏が戦死した兄が祀られる靖国神社を参拝した。当時、中国人はそのような李登輝氏に罵声を浴びせたが、台湾では大した政治問題にはならなかった。多くの台湾人が李氏の亡兄を思う気持ちをやさしく見守っていたことは、そのころの台湾メディアの論調からも充分にうかがえた。そうした世論への配慮だろうか、外省人の反日勢力もさほど反発しなかった。

尖閣問題が発生しても、政治的に騒ぐのは反日勢力であって、台湾人には一般に関心がない。中国ナショナリズムに基づいたヒステリックな領有権の主張には冷淡だと言える。

■日本人と台湾人の絆を恐れる中国人

以上のように、外省人は別としても、今の台湾人は中国ナショナリズムとは無縁なのである。今年の総統選挙で台湾人は馬英九を選出したが、それはあたかも自民党に失望した日本人が民主党を支持したような感覚なのだ。決して国民党が隠し持っている中国ナショナリズムに共鳴した上での選出ではなかった。

だが政権を握った馬英九政権は、中国ナショナリズムに従い、強引に台湾を親中・反日の方向に持って行こうとしているわけだ。そこでさきの「自由時報」の社説などは「盟邦との良好な安全軍事関係を求める」との馬英九の総統就任演説はウソだったのか、とも批判している。

中国ナショナリズムから、台湾人の親日感情(=日本文化の影響)を一貫して恐れ続けてきたのが国民党だが、馬英九の国民党政権も遊漁船の沈没事件によって、台湾人と日本人との良好な関係に楔が打ち込まれることを期待したに違いない。国民党にとり、台湾人意識は台湾支配の一大障害なのである。

もちろんそれは中国も同様だろう。この国もまた建国以来、台湾と日本との友好関係こそ、台湾併呑の一大障害であるとして警戒している。だから「日本の親台派には台湾を再び殖民地化し、中国に対抗する陰謀がある」「李登輝など台湾独立派を操作しているのは日本の右翼勢力」との言論が、この国では普遍的に見られるのだ。

日本人にとり急務なのは、台湾人が日本人とは近しい間柄であることを深く理解し、馬英九政権の中国接近を恐れる彼らとの関係をこれまで以上に強化することである。

安保の観点からすれば、外省人と言う敵の存在がこれまで以上に明確化した今日、進んで友である台湾人に手を差し伸べるのは当然なのだ。そしてそのためにはまず、日本人従来の「台湾軽視」の姿勢を改めることだ。台湾人を「反日になった」などと誤解している場合ではないのである。

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