日本の生命線・台湾防衛運動コミュの尖閣騒動ー誤解するな、台湾には二つの国がある

http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-406.html　より

尖閣海域での台湾船沈没事件を受け、台湾の政界、メディアでは日本非難の大合唱が起こったが、日本の台湾駐在代表機関である交流協会台北事務所（大使館に相当）は十六日、「反日気運がこれまでになく高まっており、日本人の安全を脅かす危険がある」とし、在留邦人に注意喚起を促す通知文書「安全確保のために」を、日本人学校など日系の主要法人に配布、ＨＰにも掲載した。

そこには、?政治的な集会に興味本位で参加しない、?公共空間で政治的な会話・議論をすることを避ける、?就学中の学生・生徒は可能な限り複数で行動する、?会社・家庭で非常時に対する準備をしておく、と言った「注意すべき点」が挙げられている。

このことはすでに日本のメディアも報じられ、なかにはセンセーショナルとも言える報道も見られた。たとえば時事通信の記事のタイトルは「在留邦人に異例の注意喚起＝尖閣問題で対日感情悪化−台湾」。「日本との関係が良好とされてきた台湾で、『反日』を理由に危機管理を求める通知文書が出されるのは異例」だと強調している。

これではまるで、台湾では民衆の間でも反日気運が高まり、邦人の生命、財産が差し迫った危機に瀕しているかにも見える。

そこで日本語を解する台湾の友人たちは、この報道を読んで大騒ぎとなり、慌てて私に連絡してきた。「台湾はまったく安全だ。交流協会はなぜこのようなことをするのか」と。

「これでは台湾人が日本人に誤解される」と心配しているのだ。あたりまえだ。外省人（在台中国人）を中心とした政治家、メディアの反日パフォーマンス、反日煽動はあっても、台湾人民衆の間で日本への憎悪感情の高まりは見られないのだ。

とくにメディアや反日愛国団体の動きは激しいが、それに対する一般民衆の反応は、おおかた冷静、冷淡だ。

友人の一人であるＡ氏は、そうした動きに「日台の離間目的あり」と見抜き、交流協会台北事務所に「なぜ、そのようなおかしな通知を」と問い合わせたところ、「交流協会は抗議行動を受けたし、抗議の電話もあったからだ」との返答を受けた。つまり外省人勢力のことを言っているのである。

そこでA氏は「台湾人と日本人は友好関係にあり、傷害行為が起こるはずはない。騒動は馬英九政府が引き起こしたことで、台湾人とは関係ない。もし問題が発生したら、私たちは日本人に協力する。国会議員にも協力を求める」と訴えたと言う。

私も東京の交流協会本部に「なぜ」と聞いてみたが、答えはやはり同じだった。そして「もし邦人に問題が起こったら、なぜ交流協会は事前に警告してくれなかったのか、と言われかねないので、通知を出した」と説明した。

要するにトラブルが発生して責任を負いたくないと言う自己防衛心理なのだろう。もちろんそれはそれでいいのだが、しかしこれが報道された以上、多くの日本国民の知るところとなり、すでに広がっている台湾人への誤解、悪感情がさらに高まる恐れがある。そこで「事態は収束に向かっているのだから、その点に配慮するべきだ」とし、何らかの対処を行うよう訴えた。

今回の台湾の反日騒動で、日本人の間では「台湾人＝反日」と言う誤解が広がっているが、これについて台湾のメディア関係者からこう聞かされた。

「日本人が理解しなければならないのは、台湾には二つの国があると言うこと。一つは台湾国、一つは中国だ」

尖閣領有問題で反日騒動を起こすのは外省人勢力であり、それに対して台湾人はこの問題で騒がないと言うことだ。ちなみにその反日勢力の裏には中国との提携がある。そしてその提携は、本質的には台湾支配欲からくる反台湾人提携である。その台湾人の後ろ盾の一つは、文化的にも地政学的にも日本人と言うことになる。台湾人と日本人との提携こそ、中国人の台湾支配の障害なのだ。だからこそA氏が指摘するように、尖閣騒動の背景には日台離間を望む中国人の心理が働いている。

Ａ氏は、「外省人の国民党が五月に政権を握って以来、物価高騰などで庶民の生活は苦しくなった。そこで政権の無能を覆い隠すため、尖閣騒動を拡大させた」と分析している。国民の不満をそらすため、反日感情を煽ろうと言うところがいかにも中国人的だ。台湾人はそれには安々と乗らないのだが、それでもそれを止めないところなど、やはりどこまでも中国人的である。

だから今回の騒動は日本人にとり、親日国台湾のなかにおける反日親中勢力の強大な存在を見定めるためのいいチャンスとなったわけだが、残念ながら、多くの人はそれに気付かず、「台湾人＝反日」と思い込んだ。しかしそれこそが台湾の反日勢力、そして中国が最も望むものであると言うことを、日本人は知らなくてはならない。いつまでも、中国人に騙されているわけには行かないのである。

中国人の恐れる日本人と台湾人との提携が必要だ。そのためには中国の脅威にさらされ続ける台湾人にエールを送ろう。外省人と中国との反台湾人提携にも警鐘を鳴らそう。日台運命共同体のため、日本人にも台湾人とともに中国に対抗する意思があることを伝えよう。そしてその上で、尖閣騒動とは中国人たちの領土的野心に基づいた日台離間策であり、日本と台湾にとっては百害あって一理もないことを教えよう。もちろん日本の尖閣領有の主張は正確なものであり、「台湾の島」への野心によるものではないと言うことも。