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名もなき詩人の詩コミュの傷痕

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【傷痕】



 眩しい陽射しから目を背けるように、そっと
 思い出に瞼を閉じた。

 傍にあなたは居ない、
 祇園が奏でる祭囃子
 約束したはずの夏はもう来ない。

 寂しいと啼く心には鈴の音
 ただあなたの面影だけを土に還して
 残された一葉の写真と
 書き置かれた手紙だけが悲しく昔を物語る。

 人とは傷付く事で悲しみを知り
 当たり前の様に涙して
 傷を塞ぐことで明日を迎え
 愛と死を知るのですね。

 やがて止む蝉の聲に
 抜け殻を見つけては
 生まれ変われない命と知り嘆く
 唯ひとつの命の重さとは――

 いつか、何度目かの夏には
 もうあなたすら思い出さない私が其処に居る
 悲しき現実…

 疼かなくなった傷痕も、やがては消える。
 
 
 

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