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シュタイナー的生活を楽しむコミュの 破壊のかまど

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第5週 破壊のかまど
4/28〜5/4

 光は霊の深みから現れ
 空間の中で実りゆたかに働きながら
 神々の創造行為を明らかにする。
 
 その光の中で魂の本質は
 宇宙存在にまで拡がる。
 そして狭い自我の内なる強制を脱して
 今新たに甦ろうとする。
        ((Rudolf Steiner 高橋 巌訳)
 ……………

アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所を訪問してから

『悪について』(高橋巌訳 春秋社)の本が読みたくなり、

少しずつ読み直している。

この本に書かれている内容が理解できたら、

シュタイナーへの理解が

さらに深まっていくように予感している。

最近読んだ部分で心に残った部分を引用してみたい。

「私たちの内面には、破壊のかまどがなければなりません。

なぜなら、人間の自我は、

このかまどの中でなければ、

鍛えられないのですから。

このかまどは、

自己を強固にするためのかまどでもあるのです。

しかし、強固にされた自我が、

外の社会生活の中にこのかまどを持ち込みますと、

社会生活の中に悪が生じます。
  
このことからも分かるように、

人生は非常に複雑な在り方をしているのです。

人間の内面にあっては、自我を鍛える、

という善い使命を果たしているものは、

外へ持ち出されてはならないものなのです。

悪い人はそれを外に持ち出し、

善い人はそれを自分の中に留めておきます。

外へ持ち出されると、

犯罪になり、悪になり、

内面に保持していれば、自我を強固にするために、

なくてはならないものになります。」(『悪について』p64〜65)

先日、ボストンマラソンで発生したテロ事件は

警察との銃撃戦で兄のタメルラン・ツァルナエフ容疑者が死亡し、

弟のジョハル・ツァルナエフ容疑者の身柄が拘束されたことで、

捜査の焦点は犯行動機の解明に移った。

この事件もまさに人間の中にある「破壊のかまど」

を外にだしてしまったことによって起こった事件だと思った。

そして、歴史の中で、人間の中にある「破壊のかまど」を

外に持ち出した人物がヒトラーであろう。

ヒトラーは、

1937年にニュルンベルグで開催されたナチ党大会で

ナチスの青少年団員に以下のように語っている。

「全世界が恐れる青少年たちを育て上げよう。

私は暴力をふるい傲慢かつ強固で残虐な若者を望んでいる。」と。

このように、人間の中にある「破壊のかまど」を外に出すように

望んだのである。

さて、シュタイナーによると

「意識魂の時代のはじまり(1413年)と共に

人間の無意識の中に悪への傾向が生じ、

それが未来の精神的生活の条件になる。」

と意味深長なことを語っているが、

この内容を深く理解しなければならない。

人間は、いかなる人も霊的存在であり、

カルマという「闇の部分」を背負って生まれ、

そして今、生きている。

その「闇の部分」を抱きしめ、

自らの「破壊のかまど」の中で、

じっくりと温め、煮込まなければならない。

ちょうどタケノコを

「かまど」でじっくりと煮込めば

アクが抜けておいしいタケノコになるように、

闇の部分を抱きしめ、

煮込んだとき、

それこそが、意識魂の時代における

魂の成長の条件になるというのである。

「それができたとき、私たちの内面に新しい事態が生じます。

まさにこの破壊のかまどの中に、

未来の世界のための萌芽が現れるのです。

私たちはそのとき、

生成する世界に関与するのです」(『悪について』p66)

「大切なのは、人間の内面の悪の中に身をおくことです。

破壊のかまどの中で物質が破壊され、

物質がカオスに帰せられるとき、

そしてこの内面の破壊衝動の中に身をおくとき、

私たち自身の中で、霊的な存在が眼を出し、育ちはじめるのです。

そのとき私たちは、自分自身の中に創造する霊の存在を認めます。・・・」
(『悪について』p67)
シュタイナーは、 大切なのは、

人間の内面の悪の中に身をおくことであると語っている。

自分の内面の「闇の部分」、

カルマの中に身をおき、

深く抱きしめたとき、

私たち自身の中で、霊的な存在が眼を出し、

育ちはじめるというのである。

さらに、以下のように語っている。

「内面の、記憶の鏡の奥のところに、

私たちはエーテル体の途方もない破壊力を担っています。

もしもこの力を担っていなかったなら、

私たちは思考力を発達させることができなかったでしょう。

思考力は、エーテル体のこの破壊力と結びつかなければ、

発達できないのです。

そして、思考の力と結びついたエーテル体は、

肉体に作用を及ぼし、

肉体の物質素材をカオス化し、破壊するのです。

何かを思い出そうとするときと同じ態度で、

内面に深く沈潜していくと、

存在するものを破壊し、

消し去ろうとする力の働いている領分に至ります。

私たちは、誰でも、

まさに思考する自我を発達させるために、

物質を破壊し、

融解しようとする猛火を記憶の鏡の奥に担っているのです。

そして、この人間の内なる事実を

真剣に顧慮しないような

自己認識など存在しないのです。」(『悪について』p60)

シュタイナーは、

人間が内面のこの「破壊のかまど」に出会ったとき、

私たちは精神の発達とは何なのか、

あらためて考えざるをえないと語っている。

そして、精神があるべきように存在するためには、

私たちの内面において、

物質を破壊する行為が

並行して行われなければなないと語っている。
  
「西洋文明の中で生きている人は、

自分の内部に破壊のかまどを担っているのです。

そして私たちが破壊のかまどであることを

自覚できたときはじめて、

西洋文明の下降する力を、

上昇する力に変えることができるのです。

私たちが神秘学による

この内面への道を見いだせなかったなら、

どうなってしまうでしょうか。

私たちはすでに今、時代の動きの中に、

そのなりゆきの結果を見せられています。

人間一人ひとりの内部で

物質を混沌(カオス)に帰しているこの働きが、

今、自覚されずに外に出てきて、

社会生活をいとなむ人間の本能を破壊に駆り立てています。

その結果が、西洋文明となって現れているのです。

このことは今、

例えば東欧における破壊行為となって現れています。

これは、内から外へ投げ出された破壊の発作なのです。

未来の人間は、本能に移行したこの破壊衝動に対して、

可能なかぎり意識的であろうとしなければなりません。

そうすることによってしか、

この破壊衝動に対処することはできないのです。

人間の思考力を発達させるために

なくてはならぬこの内なる破壊のかまどに、

どうかできる限り意識的になってください。

この意識は、今の時代の自己認識にとって、

本当に必要とされる意識なのです。
  
人間の内面生活において、

思考に貫かれたエーテル体は、

肉体に対して破壊的に働きかけているのですが、

西洋の現代人は、

この破壊のかまどを外に持ち出しているのです。

このことを正しく認識し、

その認識を大切にして下さい。

このことを意識しないでいる人が

内面にこのかまどをもっているのは、よくありません。

大切なのは、この破壊のかまどが

自分の中にあることをよく意識した上で、

近代文明の発展に関わっていくことなのです。」
  (『悪について』高橋巌訳 春秋社 p60〜62)

自分自身が「破壊のかまど」であることを

真の意味で自覚できたとき、

はじめて、

西洋文明の下降する力(アーリマンの力)を

上昇する力、即ち高次の霊的力へと変容し

意識魂の時代を生きるにふさわしい

魂へと成長していけるというのである。

「破壊のかまど」とは、

下降する力、アーリマンの力である。

さらに、「破壊のかまど」である

アーリマンの力について考察を深めてみたい。

シュタイナーによると

アトランティスの時代に人間のエーテル体にアーリマンの介入があった。

エーテル体の作り替えられた部分としての悟性魂にアーリマンが棲み着いた。

アーリマンは悟性魂の中に入り込んで、物質的なものについての

誤った判断、つまり誤謬と罪と虚偽へと人間を導くのである。

アーリマンは人間の悟性魂に今も働き続けている。

だから、だれもが「破壊のかまど」を持っているのだ。

そして、周囲の世界を物質的に受け取り、

霊的なものを 洞察しないよう作用し続けるようになった。

その結果人間は、人間にとって一番大切なものが見えなくなり、

どうでもよい細事にこだわり、俗物的になり、

果ては唯物論に覆われた世界になってしまった。

人間の「霊性」が目覚めないように働き続けているのだ。

そして、人類はアーリマン的な力の「とりこ」になってしまったのである。

シュタイナーが語るように「現在、精神科学の存在しないところでは、

人々はアーリマン的に教育されている」(『悪の秘儀』p27)からである。

子供の頃から唯物論的な思考になじんでいる者は、

いとも簡単にアーリマンの手中に陥るのである。

アーリマンは人間に世界の霊的土台を隠し、

外界を単なる物質と考察させ、

霊的なものに対する恐れを引き起こす。

アーリマンは外から欲望と恐怖を呼び起こす存在であり、

憎しみなどはアーリマン的なものである。

アーリマンは「反感」の中に作用し、

人間の神経の中に入り込んでいる。

『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』の中に

「どんな批判も、どんな裁きも魂の中の高次の認識力を失わせる。

それに反して、どんな献身や畏敬もこの力を育てる。

賛美と崇敬の対象となりうるものを、

環境や体験の至る所に探し真剣に自己教育する。

人の弱点を非難するとき、

自分で自分の中の高次の認識能力を奪っている。

愛を持ってその人の長所に心を向けようと努めるときこの能力を高める。」とある。

このようにアーリマンの力が働くと高次の認識能力、

即ち「霊性への覚醒」が奪われていくのである

さて、アーリマンによる「人類進化の道」への介入が、

我々人間にどのような作用をもたらしたのであろうか。

これを知ることによって、人間の苦しみや不安など

様々な試練は、なぜ生じるのかの根本的解明がなされるのである。

宇宙の壮大な進化の中で、

私達は日々アーリマンの

介入を受けて生活している。

その介入から均衡をどのように保たせるのか。

さらに、シュタイナーが予言したアーリマン的未来に

どのようにして意識魂に至る道を見いだしていくかは、

現代の私達にとって最大の課題である。

特に今の日本にとって最も必要なことである。

現代において、解決すべき課題はあまりにも多い、

政治改革、経済改革、教育改革・・・等。

しかし、人類の進化への道を妨害し、

人類を霊的に後退させようとする力が日々強まっている現代において、

最も大切なのは、私達が意識魂に至り、自己を進化させていくことにより、

人類全体にとっての最大の恵みに至ることである。

なぜなら、私達一人一人は宇宙に繋がり

宇宙は一つに繋がっているからである。

さて、アーリマンが恐れて撤退するのは、

健全な判断力に対してである。

アーリマンの働きが善か悪かは、

人間がアーリマンにどのように関係するか次第なのである。

アーリマンが人間に作用すると、

人間には宇宙の霊性が見えなくなってしまう。

目に見える世界、音に聞こえる世界だけしか

意識に上がらなくなってしまう。

霊的真実を求める者は、

大地への束縛である重さの力である

アーリマンの力と、

日々格闘しなければならないのである。

そして、格闘するためには、アーリマンの力と

正面から向き合い

今の私にどのように働きかけているのかを

見抜く認識能力を獲得しなければならない。

人間の内面の奥、

そして、大地の底では、

アーリマン存在が力をふるってる。

しかし、真の霊的認識を得るためには、

重さを持つ身体の影響を受けない状態で

魂の営みを捉えられなくてはならない。

そうでないと、宇宙的関連の中における自らの位置と

方向を自分の力で見つけることができない。

これができるようになると、

霊的真実を求めるものは霊的太陽に向きあうようになる。

すると、月や諸惑星からの

私への力の働きかけが違ってくる。

そして、アーリマン存在は、失意のうちに深みへと去らなくてはならなくなる。

これにより、人間は自らの自由な意志を手に入れることができるのである。

霊的真実を求め、

真の霊的認識を得るためには、

細事にこだわり俗物的になり、唯物論の方向に自らを

下へ下へと引っ張り込もうとするアーリマンの力から、

それを受けない状態へと、魂の営みを変容していかなければならない。

アーリマンの影響をどっぷりと受けている状態では、

宇宙的関連の中で、自分が立っている位置と

今後自分が行くべき方向性を自分の力で見つけることが

できないというのである。

アーリマンが恐れて撤退するのは、

人間が健全な判断力を持った時である。

そのためには、自分の思考に注意を払い、

どうでもよい細かいことにこだわらず、何が人生に最も重要かを考える。

アーリマンはいつもどうでもよい細かいことにこだわらせようと働いてくる。

だからこそ、自分の思考の中で、本質的なものを、

非本質的なものから分離することを少しずつ学ぶことが大切なのである。

そして、永遠なるものを無常のものから分離することを学び、

真理を単なる意見から分離することを学ぶのだ。

アーリマンは人間に気づかれない時、大きな力をふるうので、

アーリマンに「気づく」と、アーリマンから「自由」になれる。

こうして、アーリマンの影響、支配から自らを解き放した時、

「霊的太陽」(キリスト)に向き合うことができるのである。

その境地に至った時、周囲から私に働きかけてくる霊的力、

霊的影響が、これまでと全く異なったものとなってくるのである。

そこに至るまでの魂の変容は、

アーリマンを見抜くことによって可能なのである。

このとき、人間は真の「自由」を獲得するのである。

すべて、これらは、

私自身が「破壊のかまど」であることを

自覚できたとき、

はじめて成し遂げられるのである。

コメント(2)

あめじすとさん
コメントありがとうございます。
「破壊のかまど」の内容はあまりにも深いですね。
ところで、今朝、ネットでアトランティス大陸についての
興味深い記事を見つけましたので、
リンクしておきます。
http://www.47news.jp/CN/201305/CN2013050601001729.html
さらに研究が進んだらいいですね。
ありがとうございました。

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