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藤沢周平と池波正太郎コミュの橋ものがたり

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梅雨に入梅いります。「橋ものがたり」はこれから、雨のかそけきふる、(小ぬか雨)季節、しみじみと読める市井ものでしょう。
といっても、本日
取り上げるのは、「小ぬか雨」でなく、「小さな橋」のほう、





『突然に広次は理解した。 ―おれ、およしとできた。』


父親は橋を渡り渡り4年前に姿を、消し、姉は女房持ちの手代と、駆け落ち、
母親は、父の使い込みを返すのと、生活のため、飲み屋に勤め、へべれけになって、
町木戸が閉まる間際に這うように帰ってくる。

子供ながら、広次は、最悪の環境で、必死に家を守っている。
『戻ると、家の中から母親のけたたましい笑い声がきこえた。

それに合わせて男が笑っている広次は憤然として茶の間に駆け上がった。膳をはさんで、おまきと痩せた小男が向きあい、酒を飲んでいた。

男はだいぶ飲んだ様子で、猿のように赤い顔をしている。「屋、あんたが広ちゃんかな」男は広次をみると、胡坐(あぐら)から正座に足を組かえた。

「あんたのことは、おっかさんからようく聞いています、はい。なかなかしっかりして、働き者だそうですなあ」「・・・・・・・・・」「あたしは銀平といいましてな。おっかさんとは長いつき合いです。どうですかな、おちかづきのしるしに一杯」銀平は立っている広次に盃をさし出した。

その手をおまきが横から叩いた。「よしなさいよ、相手は子どもじゃないか」
・ ・・・・・・・中略・・・・・・・・
「あのな広チャン」今度は母親が広次に膝をむけた。おまきはいつの間に化粧したのか、髪もきちんと結い、顔には白粉をぬり、唇にはどくどくしい紅までぬりたくっている。頬がさくら色に染まり、変に生ぐさい女に見えた。

「おっとっつあんがいなくなって、家が困ってることは、おまえもわかっているだろ。おっかさんが稼がないと喰えない、姉ちゃんがどっかへ行ってしまても、探しに行く人もいないし、こないだ大風で戸がこわれちまったけど直すひともいない。やっぱり誰か男のひとがいないと困るんだよね」「

困らないよ」
広次はぶっきらぼうに言った。男も変な男だが、母親もいやらしかった。醜い大人二人に対する嫌悪感で、広次は吐き気がしそうだった・・・』

結局は母親は広次に詫びをいれ、
広次はそれを受け入れるしかないのです。・・・行々子(よしきり)の卵を必死で守っているやさしい子ですから・・・・・・。
政府は美しい日本といいますが、厳格な父、かいがいしい母ばかりではないのです。
そんな典型的な、金太郎飴のような、家族ばかりでは、ありません。自分の生い立ちとか、家族は、案外こんなふうで、鼻の奥で、ぐすん となる人もおおいでしょう。

コメント(2)

誤字訂正たらーっ(汗)

「屋、あんたが広ちゃんかな」→や、あんたが広ちゃんかな

ろくに読み返さず投稿しちゃて、申し訳ありません。
何しろ、稀代の慌て者ですので、(またぐすん)涙
夜勤鋳金せぬ雀たれを彼とも思うゑで秋の草木のしおるれば我が世の春とも慕わしく

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