ゴスペルハウスコミュの「わたしの心だ（レント−１）」

ゴスペルハウスメッセージ 2015.02.21
「わたしの心だ（レント−１）」 マルコ 1:40-45

40 さて、ひとりのらい病人が、イエスのみもとにお願いに来て、ひざまずいて言った。「お心一つで、私はきよくしていただけます。」
41 イエスは深くあわれみ、手を伸ばして、彼にさわって言われた。「わたしの心だ。きよくなれ。」
42 すると、すぐに、そのらい病が消えて、その人はきよくなった。
43 そこでイエスは、彼をきびしく戒めて、すぐに彼を立ち去らせた。
44 そのとき彼にこう言われた。「気をつけて、だれにも何も言わないようにしなさい。ただ行って、自分を祭司に見せなさい。そして、人々へのあかしのために、モーセが命じた物をもって、あなたのきよめの供え物をしなさい。」
45 ところが、彼は出て行って、この出来事をふれ回り、言い広め始めた。そのためイエスは表立って町の中にはいることができず、町はずれの寂しい所におられた。しかし、人々は、あらゆる所からイエスのもとにやって来た。

２０００年前の当時、らい病人（ハンセン病とは別のもの）は、神様の民から除かれた者のように扱われていました。
皮膚の状態を祭司が診断し、その判断を病気にかかった人自身が受け入れなくてはなりませんでした。
そして、感染させることがないように、他の人（病気にかかっていない人）との距離を保ち、自分かららい病であることを表明しなくてはなりませんでした。

もちろん、らい病が治れば、祭司の診断を受け、定められた手順で復帰することはできます。
しかし、病気にかかっている間は、呪われている状態に置かれていました。

ここに登場するひとりのらい病人は、イエスさまのみもとにお願いに来ました。
当時の常識から考えれば、分をわきまえない行動です。
この、分をわきまえない呪われた者の声に、イエスさまは答えました。
「わたしの心だ。きよくなれ。」（４１節）

イエスさまは、「だれにも何も言わないように」きびしく言いつけました。
それは、らい病人だった彼が、神様との交わりを取り戻すためです。
神様の民としてのアイデンティティーを取り戻すためです。
イエスさまがこの地上に遣わされたのも、十字架にかかったのも、まさにこのためなのです。

ところで、罪にとらわれ、呪われたような状態なのは、彼だけではありません。
他人にそしられ、自分を呪い、だれかを妬み、恨み、そして自己嫌悪。
そんな惨めな状態の自分を、受け入れなくてはならない。
そう、私たちです。

では、どうしたらいいのでしょうか。
答えは、らい病人だった彼とイエスさまとのやりとりにあります。
彼のように、分をわきまえずに、イエスさまに求めればいいのです。

ルカ９章にこうあります。
「だれでも、手を鋤につけてから、うしろを見る者は、神の国にふさわしくありません。」（ルカ９:６２）
ここで、聖書の大原則を覚えてください。
「イエスさま（神様）は、私たちに命じることは、ご自身は確実に実行し守る。」
「命令は、ただの命令ではなく、約束である。」とも言い換えることができます。
つまり、イエスさまは「わたしは途中でうしろを振り向かない」と約束してくれているのです。

イエスさまは、この地上にお生まれになったときから、一度も振り向きませんでした。
あなたを愛し、あなたを神様のもとへ取り戻すために、ご自身を捧げることすら躊躇しなかったのです。
イエスさまは、覚悟の愛であなたを愛しぬいたのです。
それは、創造のはじめから、あなたに注がれ続けてきた、大きな大きな愛です。
この覚悟の愛こそ、イエスさまの「わたしの心だ」なのです。

イエスさまは、決して自分のための栄光を求めませんでした。
癒されたらい病人は、イエスさまの本意が理解できず、町中にふれ回りました。
イエスさまは、町に入ることにも難渋し、町はずれに居ざるを得ませんでした。
それでも、イエスさまは、覚悟の愛を貫いたのです。

イエスさまの覚悟の愛の中に生きましょう。
たとえ、あなたがその愛を理解できなくても。
あなたがその愛に対して分不相応でも。
約束を守ることができなくても。
自分はふさわしくないと思ってても。

だって、この覚悟の愛は、あなたに注がれた愛なんですから。
この愛こそが、あなたを、本当のあなたとして、生まれ変わらせるのです。