ゴスペルハウスコミュの「あなたの羊飼い」2024.09.14

ゴスペルハウスメッセージ 2024.09.14
「あなたの羊飼い」エゼキエル34:1-16

1 次のような主のことばが私にあった。
2 「人の子よ、イスラエルの牧者たちに向かって預言せよ。預言して、牧者である彼らに言え。『神である主はこう言われる。わざわいだ。自分を養っているイスラエルの牧者たち。牧者が養わなければならないのは羊ではないか。
3 あなたがたは脂肪を食べ、羊の毛を身にまとい、肥えた羊を屠るが、羊は養わない。
4 弱った羊を強めず、病気のものを癒やさず、傷ついたものを介抱せず、追いやられたものを連れ戻さず、失われたものを捜さず、かえって力ずくで、しかも過酷な仕方で彼らを支配した。
5 彼らは牧者がいないので散らされ、あらゆる野の獣の餌食となった。こうして彼らは散らされた。
6 わたしの羊はすべての山々、すべての高い丘をさまよった。わたしの羊は地の全面に散らされ、尋ね求める者もなく、捜す者もない。
7 それゆえ、牧者たちよ、主のことばを聞け。
8 わたしは生きている──神である主のことば──。わたしの羊はかすめ奪われ、牧者がいないために、あらゆる野の獣の餌食となってきた。それなのに、わたしの牧者たちはわたしの羊を捜し求めず、かえって自分自身を養って、わたしの羊を養ってこなかった。
9 それゆえ、牧者たちよ、主のことばを聞け。
10 神である主はこう言う。わたしは牧者たちを敵とし、彼らの手からわたしの羊を取り返し、彼らに羊を飼うのをやめさせる。もはや牧者たちが自分自身を養うことはなくなる。わたしは彼らの口からわたしの羊を救い出し、彼らの餌食にさせない。』」
11 まことに、神である主はこう言われる。「見よ。わたしは自分でわたしの羊の群れを捜し求め、これを捜し出す。
12 牧者が、散らされた羊の群れのただ中にいるときに、その群れの羊を確かめるように、わたしはわたしの羊を確かめ、雲と暗黒の日に散らされたすべての場所から彼らを救い出す。
13 わたしは諸国の民の中から彼らを導き出し、国々から彼らを集め、彼らの地に連れて行き、イスラエルの山々や谷川のほとり、またその地のすべての居住地で彼らを養う。
14 わたしは良い牧草地で彼らを養い、イスラエルの高い山々が彼らの牧場となる。彼らはその良い牧場に伏し、イスラエルの山々の肥えた牧草地で養われる。
15 わたしがわたしの羊を飼い、わたしが彼らを憩わせる──神である主のことば──。
16 わたしは失われたものを捜し、追いやられたものを連れ戻し、傷ついたものを介抱し、病気のものを力づける。肥えたものと強いものは根絶やしにする。わたしは正しいさばきをもって彼らを養う。

エゼキエルは、バビロン捕囚の時代に活動した預言者です。
紀元前５９３年から約２０年間にわたって神様から受けた預言が、エゼキエル書に記されています。
記されている時期以降にも、エゼキエルが預言を受けている可能性もありますから、２０年以上にわたって預言者として活動したと考えられます。

今日の聖書箇所、第３４章には「良い牧者の約束」とテーマ（副題）がつけられている本もあります。
聖書では、人間を羊にたとえることが多くあります。
イスラエルの民には、羊はとても身近な生き物であり、また、羊の特徴・性質などもあり、たとえられたのでしょう。
犬でも猫でもなく、牛でもラクダでもなく、熊や獅子や狼でもなく、羊なのです。
羊は、大して力がある動物ではありません。
敵を倒すための立派な武器もなく、目も悪く、羊飼いに世話をしてもらわなければ、生きていけない存在です。
さらに、性格が頑固と言われています。
なにかの働きをすることよりも、毛や肉や角などの存在すべてが有用な生き物です。
そして、礼拝の捧げ物として、欠かすことのできない生き物が、羊なのです。
力が足りず、肉体的な武器も弱く、頑固で、礼拝に欠かすことのできない存在、まるで人間と同じです。

２-１０節は、イスラエルの牧者（羊飼い）であるイスラエルの指導者たちへの裁きの宣告です。
王やリーダーたち（牧者）が、民（羊）のためを思わずに、自分たちの利益のために民を苦しめているという断罪です。
ただ、その報いとしてのバビロン捕囚がすでに実現しているので、報いについての記述はありません。

１１-１６節は、イスラエルの民に、新しい羊飼い、良い羊飼いが与えられる約束です。
神様自身がイスラエルの羊飼いとなって、バビロンからの帰還を暗示しています。
悪い羊飼いによって失われた羊を、捜して、集めて、癒やして、力づけて、本来あるべき居場所へと導いてくれる良い羊飼いなのです。
そして、約束どおり、バビロンからエルサレムへの帰還が実現しました。

これは、二千五百年前の昔話というだけではありません。
今の時代に生きる、あなたへの言葉でもあるのです。

イスラエルの国は、南王国ユダも北王国イスラエルも、神様の民の国です。
主権者は神様であり、頭が神様であり、そこで立てられた王などのリーダーが、民を養い、守り、導くという国です。
しかしそこに、欲によって、間違いが起こったのです。
王たちは欲に目がくらみ、民が苦しめられてしまったのです。

「ああ、日本の政治のことか。」「政治家が利権をあさり、民は重税に苦しんでいるからな。」と、考える人もいるでしょう。
でも、そういうわけではありません。
たしかに、日本の政治に問題は山積しています。
しかし、日本は主権を神様としている国ではないですし、神様を頭として成立している国でもありませんから。

神様を主権者・頭として、神様によって立てられたリーダーが、民を養い、守り、導く体制の集団です。
そう、それは教会です。
エゼキエルを通して断罪されたことは、ともすると、現代の教会でも起こりうることなのです。
預言者が神様の言葉を伝え、その言葉が具体的に目に見えるかたちで実現していた時代のイスラエルであっても起きた腐敗です。
今、教会でそんな事が起こるはずがないとは、だれも保証できないでしょう。
「この集会・ゴスペルハウスだけは大丈夫」などとは、私は言えません。

その時、その教会の羊たち、集っている人たちは信仰者・求道者を問わず、弱り、傷つき、追いやられ、失われ、支配され、苦しみ、さまようのです。
「あらゆる野の獣の餌食」（５・８節）に、なってしまうのです。
現に、洗礼を受けた後で、理由は指導者ばかりというわけではないでしょうが、教会に行けなくなったり、教会には来るものの苦しんでいたり、教会に居場所がなかったり、いわゆる「出禁」になったりする人たちは、たくさんいます。
教会の運営のため、安全の維持のため、平安のためなど、様々な理由はあるでしょうが、神様の御心はどうなのでしょう。

もしかしたら、このメッセージを聞いている人や読んでいる人の中にも、そういう人はいるかも知れません。
しかし、そんな状況に絶望することはありません。
１１-１６節の約束は、あなたの現実に向かって、語られているのです。
あなたが教会に行けなくなったとき、教会から散らされた羊になってしまったとき、大きくて重い荷物を負わされて苦しんでいるとき、そのときこそが、本当の羊飼い・良い羊飼いに出会うチャンスなのです。

イザヤ４０章１１節には、こうあります。
「主は羊飼いのように、その群れを飼い、御腕に子羊を引き寄せ、懐に抱き、乳を飲ませる羊を優しく導く。」
この約束は、あなたのものです。
神様に、癒やされましょう。

ヨハネ福音書１０章１１節には、こうあります。
「わたしは良い牧者です。良い牧者は羊たちのためにいのちを捨てます。」
この約束は、あなたのものです。
イエスさまの覚悟の愛、十字架の愛の中で、生かされましょう。

ルカ福音書１５章７節には、こうあります。
「一人の罪人が悔い改めるなら、悔い改める必要のない九十九人の正しい人のためよりも、大きな喜びが天にあるのです。」
この喜びは、あなたのために、わき起こるのです。

あなたの今の苦しみは、本当の羊飼いの愛に、本当の羊飼いの喜びに、あなたが出会うためのものなのです。
絶望に押しつぶされず、愛された羊として、イエスさまとともに生きましょう。

あなたのために、お祈りします。

【参考聖書箇所】
☆ 羊飼いを失った羊
Ⅰ列王記
22:17 彼は答えた。「私は全イスラエルが山々に散らされているのを見た。まるで、羊飼いのいない羊の群れのように。そのとき主はこう言われた。『彼らには主人がいない。彼らをそれぞれ自分の家に無事に帰らせよ。』」

マルコ
6:34 イエスは舟から上がって、大勢の群衆をご覧になった。彼らが羊飼いのいない羊の群れのようであったので、イエスは彼らを深くあわれみ、多くのことを教え始められた。

☆ 悪い羊飼い
エレミヤ
50:6 わたしの民は、迷った羊の群れであった。その羊飼いたちが彼らを迷わせ、山々へ連れ去った。彼らは山から丘へと行き巡り、休み場も忘れた。

☆ 神様が、羊飼い
詩篇
23:1 主は私の羊飼い。私は乏しいことがありません。

28:9 どうか御民を救ってください。あなたのゆずりの民を祝福してください。どうか彼らの羊飼いとなっていつまでも彼らを携え導いてください。

イザヤ
40:11 主は羊飼いのように、その群れを飼い、御腕に子羊を引き寄せ、懐に抱き、乳を飲ませる羊を優しく導く。

☆ イエスさまは良き羊飼い
ヨハネ
10:11 わたしは良い牧者です。良い牧者は羊たちのためにいのちを捨てます。
10:12 牧者でない雇い人は、羊たちが自分のものではないので、狼が来るのを見ると、置き去りにして逃げてしまいます。それで、狼は羊たちを奪ったり散らしたりします。
10:13 彼は雇い人で、羊たちのことを心にかけていないからです。
10:14 わたしは良い牧者です。わたしはわたしのものを知っており、わたしのものは、わたしを知っています。
10:15 ちょうど、父がわたしを知っておられ、わたしが父を知っているのと同じです。また、わたしは羊たちのために自分のいのちを捨てます。
10:16 わたしにはまた、この囲いに属さないほかの羊たちがいます。それらも、わたしは導かなければなりません。その羊たちはわたしの声に聞き従います。そして、一つの群れ、一人の牧者となるのです。

☆ あなたのための、大きな喜び
ルカ
15:4 「あなたがたのうちのだれかが羊を百匹持っていて、そのうちの一匹をなくしたら、その人は九十九匹を野に残して、いなくなった一匹を見つけるまで捜し歩かないでしょうか。
15:5 見つけたら、喜んで羊を肩に担ぎ、
15:6 家に戻って、友だちや近所の人たちを呼び集め、『一緒に喜んでください。いなくなった羊を見つけましたから』と言うでしょう。
15:7 あなたがたに言います。それと同じように、一人の罪人が悔い改めるなら、悔い改める必要のない九十九人の正しい人のためよりも、大きな喜びが天にあるのです。