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シュタイナー言語造形ことばの家コミュの?好奇心ではなく敬虔さを  〜『いかにして〜』 実践的な観点その7

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実践的な観点における小さな教則の4番目。

  密やかに学ぶ人においては、
  きっと、いちいちの好奇心が萎(しぼ)む。
  その人が、きっと、
  パーソナルな知識欲を満たすためだけに知ろうとするものごとについては、
  できるかぎり問うことをしないようになる。
  その人が問うてほしいのは、
  みずからというものを、育つということに向けて仕立てていくのに、なにが役立つかである。
                                                       (p.126)

好奇心って、なんだろう。

奇を好むこころ、と書く。

シュタイナーが使っている原語は、 Neu(新しさへの)gierde(欲)。

自分のこころをよく観察してみると、
奇を好むときのおのれのありようは、
どこか焦っている。
急いている。

何かが足りないような気がして、
より新しいもの、新鮮なもの、目新しいものを漁っている。

「自分には何かが足りない」というところからスタートするとき、
好奇心が発動する、
そんなふうに見えてくる。

「あなたが、もし、密やかな学びに取り組むのなら、きっと、好奇心は萎(しぼ)む」
とシュタイナーは言っている。

好奇心に沿って動いていくことも、
そうではないものに基づいて動いていくことも、
まずもっては、
人の自由に任されている。

しかし、密やかな学びに取り組むにしたがって、
人は、きっと、好奇心とは異なるこころの基から動いていく自由を選ぶようになる。

その好奇心とは異なるこころの基とは、
敬虔さである。

そうシュタイナーは述べている。

  (中略)その人はそのような目標に役立つことのすべてに敬虔に聴きいり、
  そのような敬虔さのための折りを見いだしてほしい。(p.127)

同じものごとに対する関心でも、
自分には何かが足りないという焦り、欠乏感から発動するのが、好奇心ならば、
急いてはいず、安らかであることから発動するのが、敬虔さではないだろうか。

この実践的な観点の根本テーマは、根気であった。

根気を育むこと。

それは、また、敬虔さを育んでいくことでもある。

敬虔さとは、
ものごとに対し、
人に対し、
みずからをむなしくして、
ひとつになろうと歩み寄っていくこと。

好奇心とは、趣きが随分違う。

敬虔さは、An(ついて)dacht(考えること)。

ものごとに、人に、ひっついて、寄り添って、考えていくこと。

その内的行為が敬虔さに繋がっていくのだろうか。

いますぐ、できなくてもいいじゃないか。

密やかな学びに、根気をもって取り組んでいこうじゃないか。

ならば、きっと・・・・。

繰り返すが、
このことばは、
密やかに学ぶ人に向けて、
書かれている。

この鈴木一博氏の訳でとりわけ特徴的なのは、
原文でのmuss(英語でのmust)を、
「〜しなければならない」とするのではなく(!)、
「〜するならば、きっと、〜になる」
「〜であるならば、きっと、〜になる」
という、人の成長を見据えた、「必然」のモードとして訳してあることだ。

だから、「好奇心を捨て去らねばならない」ではなく、
「きっと、好奇心は萎(しぼ)む」となる。

これは、シュタイナーのことばの使い方において、
おそらくとても重要なことだ。

つまり、シュタイナーは、
読む人の主体性、アクティビティーにどこまでも信頼と期待を寄せている。

密やかな学びは、
どこまでも、その人のアクティビティーに懸かっている。

そのことの微妙だけれども、アントロポゾフィーにとって肝心要のことが、
日本語として記されている。

書き手はあるモードを確かに伝えようとし、
そのことから読み手は励まされたり、
また逆に知らず知らずのうちに意気阻喪してしまい、
読書を途中で投げ出してしまうことにもなる。

それは、ことばの使い方、ことばとの付き合い方から決まってくる。

そして、ことばの使い方は、おもにその人の情のありようを伝える。

「〜しなければならない」ということばを他者から連発して聞かされていると、
人は、きっと、アクティビティーを失う。


●密やかな学びの実践的観点の四つ目の小さな教則
    好奇心ではなく、敬虔さに裏打ちされた関心を育む(情の練習)

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