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詩人イエーツコミュのロンドンを嫌って

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イエーツの詩から

The lake isle of Innisfree

I will arise and go now, and go to Innisfree,
And a small cabin build there, of clay and wattles made;
Nine bean rows will I have there, a hive for the honey bee,
And live alone in the bee-loud glade.

And I shall have some peace there, for peace comes dropping slow,
Dropping from the veils of the morning to where the cricket sings;
There midnight’s all a glimmer, and noon a purple glow,
And evening full of the linnet’swings.

I will arise and go now, for always night and day
I hear lake water lapping with low sounds by the shore;
While I stand on the roadway, or on the pavements gray,
I hear it in the deep heart’s core.

この詩に矢野峰人の訳があるので、紹介する。一連ごとに訳を掲げる。これは厨川白村全集第六巻にあるものだ。

I will arise and go now, and go to Innisfree,
And a small cabin build there, of clay and wattles made;
Nine bean rows will I have there, a hive for the honey bee,
And live alone in the bee-loud glade.

「いざ起ちて、われ行かむ、われ行かむ、イエスフリに、
 そこにわれ、埴土(はに)、壁下地(えつり)もて、ささやかの庵をむすび、
 一箱の蜜蜂の巣そなへ、九つの隴(うね)に豆植ゑ、
 住まはなむ、ただ獨り、はちさやぐ森の空地に。」

And I shall have some peace there, for peace comes dropping slow,
Dropping from the veils of the morning to where the cricket sings;
There midnight’s all a glimmer, and noon a purple glow,
And evening full of the linnet’swings.
「さらば、わが心もややなごむらむ。
  おぼろにかすむ朝より、
 こほろぎ歌ふほとりまで、安息ぞ、ゆるやかに、
 滴りつ、滴り来たれば。
 また夜半は微光みなぎり、赤光の燃ゆる白昼(まひる)や、
 ゆふざれば、紅雀羽うち群がる」

I will arise and go now, for always night and day
I hear lake water lapping with low sounds by the shore;
While I stand on the roadway, or on the pavements gray,
I hear it in the deep heart’s core.

「いざ起ちて、われ行かむ、われ昼も夜も、をやみなく、
 音もひくく湖の岸邊を洗う小波の響を聞けば。
 路上に、あるは灰色の舗道の上にたつひまも、
 われは聴く、わが深き胸のおくがに、かの波の岸うつ音を」

何度もこの英詩を聲を出して読んだ。実に良い詩だ。その頃、ロンドンに居たイエーツが故郷アイルランドのダブリン近くのSligoの地の風情を読んだのだろう。
厨川によると、イエーツは、その頃、この詩を近作のものとして、この詩をアイルランドの女流詩人Katharine Tyranに送ったのだが、手紙に彼はロンドンの生活を嫌い、アイルランドに心を寄せ、この手紙が故郷に行くことを悦んでいることが書かれある。また、こう言う。“A ghost, you know, can hide in a diamond or any such thing, I suppose the buds are all coming out with you. Here there is snow on the ground.”これを読むと、何か不思議な感じがした。アイルランドは亡霊が彷徨う地、それがダイアモンドやそうした物に宿ることができるとしている。例の「千の風になって」の詩に I am the diamond glints on snowというくだりがあるが、何かイエーツのこの手紙から来ているように思った。

コメント(4)

実際イエイツがこの詩を読んでいる音声を聞きました。
詩自体は色彩感豊かですが、イエイツの朗読には、呪文のようなちょっとシュールな雰囲気が漂っていました。
ゆっきーラスカルさん

 そうですか、イエーツ自身の朗読が呪文のようなもので、シュールな雰囲気なのですね、参考になりました。でも僕もそれを聞きたいものだと思いました。
 アイルランドの土壌なのかもしれませんね。何人かアイリッシュの人を仕事の関係で知りましたが、少しシャイな点があるように思えました。

 また、このコミュにきてください。
イエーツを知るきっかけになったとても大好きな詩です

何だか朝靄の中の研ぎ澄まされた空気の中、張り詰めた寂しさを感じさせるょぅな、孤独で美しい詩だと思います

MAYAさん

 コメントありがとうございます。
 この詩がイエーツを知るきっかけになったのですね。
 
 僕はいつも、昔 泳いだ琵琶湖の萩の浜を思いだします。夏のころ、静かな渚に湖の優しい波が打ち寄せては引き、耳に心地よいのです。その湖にそそぎこむ水は冷たく、足を入れるとじっとしていられないぐらいの冷たさです。そこを小魚がスピードで泳ぎ抜けていきます。近くに、うち捨てられた木を集めて小屋を作り、その中で身を小さくして周りの様子を窺うのが、なによりの幸せでした。

 ある意味、天国がそこにあったのですね。イエーツの詩がひとを惹きつけるのは、都会の喧騒に疲れた時、ふとそうした昔の情景を思い起こさせるからでしょうか。

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