日記ロワイアルコミュの他力本願プロポーズ

つい先日、プロポーズしてきました。

面接官に。
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関西人の僕が何故広島というエリアを選んだか、なんてことを問われるのは想像済み。

考えた理由の１つめは、祖父の実家がこちらにありまして。なかなかどうして、説得力皆無。でもまあ、先祖供養を大切にしていると言えば…なかなかどうして、説得力皆無。

苔むした先祖の墓を想像しながら考えた理由の２つめは、出身地である大好きな神戸と地形が似ていまして。じゃあ神戸に住めよと鼻で笑われて説得力皆無。

そういえば年老いた実家の愛犬は元気だろうかと想いを馳せながら考えた理由の３つめは、３つめは。広島が好きだから？説得力皆無。

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『Ｎさん、神戸出身だけど、またどうして広島なの？まずその動機が聞きたいな。』

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幾つも考えた理由の中から、ようやくまともな解答を絞り出し用意した。が、タブーが口をついたのには、たいした理由もない。

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「嘘偽りなく申し上げますと、お付き合いしている女性が広島にいるから、ただ、それだけです。」

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『それは、結婚も将来像として具体的に考えている、と理解しても大丈夫？』

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「はい、その通りです。」

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『若いのに、断言できるのはすごいね。なるほど、なるほど。では弊社の志望動機を…』

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さてさて、成就するや否や。

こっぱずかしくて彼女にも言えないのに、ましてや他人に、ああも簡単に断言できた自分へ何かご褒美でも、と。

さっき、大好きな寿司屋に入った。

電話が鳴る。

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『選考の結果、Ｎさんには内々定をお出ししようと思います。つきましては…………………。それでは。あ、Ｎさん、披露宴には是非お呼び下さいね。それでは。』

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やれやれ、気の早い…。

彼女へのプロポーズ予定は、まだ、未定。