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日記ロワイアルコミュの本当に幸せそうな認知症のおばあちゃんを見てこっちまで幸せな気分になった時の事

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 俺には認知症のおばあちゃんがいます。





 おばあちゃんは、お昼を食べたのを忘れて、自分でお弁当を買いに行ってお昼を2度食べてしまうこともあります。忘れる事にもびっくりですが、2度も食べれてしまう食欲にもびっくりしてしまいます。しかも、2回食べた後、また





「あれ?お腹空いたな〜。お昼まだ食べてないわね。」





 と言い始めて、流石に3回もお昼を食べさせるわけにはいかず、あわてていとこと2人で止めたこともありました。





 おばあちゃんは、俺の身長の伸びがもう何年も前からほとんど止まっているにもかかわらず、会いに行く度に、



「あら〜、ずいぶん大きくなったわね〜。」



 と、感慨深い声で言います。最初のうちは俺も



「いや、何言ってるんですかー、そんなことはないですよ。前も見たじゃないですか。前とほとんど変わってないじゃないですか〜。」


 と言っていたんですが、最近では


「ええそうなんですよ〜、大きくなったでしょ〜。」


 と言っています。その方が、楽しく話ができるからです。





 おばあちゃんは、自分が認知症だという事を、認知しています。


 自分がお昼を食べたにもかかわらず、また食べようとして、



「いやいや、さっき食べたでしょーがっ!」




 って芸人風に家族に突っ込まれると、





「あら〜、またあたし忘れちゃったの〜。あはははは。」





 と言って、明るく笑います。


 何故そんなに明るいのかというと、デイサービスといって、老人福祉のセンターに通っていて、人との交流が常にあるという事と、家族が楽しく対応しているからです。


 おばあちゃんは父の兄の家族宅で生活しています。俺から見ると、おばあちゃんは、家族の中でお笑い芸人みたいな感じです。ボケ専門の。おばあちゃんが何か忘れると、家族はそれをギャグ扱いして突っ込んだりしています。それにおばあちゃんも楽しそうに受け答えします。


 そんな風に楽しく認知症生活を送っているのです。
 




 
 この前そのおばあちゃんが住んでいる家に俺の家族みんなで行きました。家に着くと、出迎えてくれたおばあちゃんは、




「まあ!よく来たわね〜、お久しぶり。嬉しいお客さんだわ〜。」





 と満面の笑みで言ってくれました。


 その後、俺は


「あら〜、ずいぶん大きくなったわね〜。」

 
 と例のごとく言われました。


「ええ、そうでしょ。すんごく大きくなっちゃったでしょ。♪こんなに大きくなっちゃった。こんなに自由になっちゃった。トゥ〜トゥルル〜トゥルル〜。クジラになりたいラッコ・・・」


 と、おかあさんといっしょの歌を歌ったら、おばあちゃんの頭の上に「?」が浮かんでいましたが、なんだかわけは分からないけど楽しい、と言った感じの雰囲気をにおわせていました。


 ええ、分かっています。言いたいんでしょう?


 寒いって。


 すみませんでした。



 その後、まっさきに俺達家族は、死んだおじいちゃんの仏壇に線香をやりにいってから、少し休んでいました。



 そして、何分か経った後、またおばあちゃんは、




「まあ!よく来たわね〜。お久しぶり。元気にしてた?嬉しいお客さんだわ〜。」




 と本当に嬉しそうな顔で言っていました。おばさんは、




「悪い事は忘れるし嬉しい事は何度も起こるからこれはこれでいいのかもね。」




 なんて言っていました。





 そんな事を言っていたら、俺のお袋が何やら袋を出してきておばあちゃんにプレゼントを渡しました。


 おばあちゃんが、





「まあ!嬉しい!開けていい!?」





 と言ったんで、お袋は




「どうぞ。」




 と言いました。


 するとおばあちゃんは、目をキラキラさせながらクリスマスプレゼントを開ける子どものように袋をびりびり破き始めました。そして開けると中には、







「ザ!おばあちゃんが着る服!」






 という感じの毛糸の服が入っていました。


 おばあちゃんはそれを見るなり、とても嬉しそうで、これでもかってくらい顔をしわくちゃにした笑顔になって、まるで少女が大切なぬいぐるみを抱きしめるかのように、両手で力強くその服をガシィッ!と胸に抱きしめて、肩をフリフリ揺らし始めました。




 
 俺は、









「!?」








 と思いました。





 そして、おばあちゃんは、










「うれしぃー!!うれしぃーー!!」








 と、いつもよりかなり高い嬉しそうな声で、喜びを表現していました。そんなおばあちゃんは見た事がありませんでした。予想だにしないあまりにもハイテンションな喜び方に俺達は圧倒されました。とても驚きました。


 おばあちゃんは、思いっきり力強く肩をフリフリ揺らしながら何度も何度も、





「うれしぃー!!うれしうれしうれしぃーー!!」






 と、凄く感情がこもった声で、もう声を喉から絞り出すように言っていました。






 まるで子どもです。



 

 子どものように喜ぶおばあちゃん。






 素敵です。





 そのおばあちゃんは、とてもとてもかわいかったです。本当に長い間うれしいうれしいと言っていました。


 そんな姿を見ると、こっちまでとても嬉しい気分になりました。人が喜んでいる姿を見ると、自分まで嬉しくなるんですね。心の底からあったかくなりました。


 こんな風に喜びを表現できるから、「ああ、普段から幸せなんだな」と思えて、孫として安心しました。


 おばあちゃんの幸せそうな姿を見て、自分の事のように、いや、それ以上に、心から幸せな気持ちになりました。自分が受験に受かった時よりも、初めて彼女が出来た時よりも嬉しかったです。








 おばあちゃん、これからもその笑顔のまま元気で居てね。






 そんな風に思ったとても幸せな冬の1日でした。

コメント(175)

幸せな顔は、つられてニコニコになりますよね。
一票。
一票!本当に幸せなお婆ちゃんですね(;_;)!自分の亡くなった認知症の曾祖母を思い出して涙が止まらなくなってしまいました
一票!!!
こっちまで幸せな気分になれました
(^^)

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