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ドイツ演劇&タンツテアターコミュのドイツ演劇

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最近観たドイツ演劇について書いたブログを貼り付けます♪
どちらもVolksbuehne am Rosa-Luxemburg-Platzのレパートリーです。

1)ルネ・ポレッシュの作品。
「L'AFFAIRE MARTIN! OCCUPE-TOI DE SOPHIE! PAR LA FENETRE, CAROLINE! LE MARIAGE DE SPENGLER. CHRISTINE EST EN AVANCE.」

http://warabi2.blog.drecom.jp/archive/427

2)フランク・カストルフの力作。
「der Meister und Margarita」(ブルガーコフ作「巨匠とマルガリータ」)

http://warabi2.blog.drecom.jp/archive/423

コメント(20)

3)クリストフ・マルタラー
「Die Fruchtfliege」

http://warabi2.blog.drecom.jp/archive/227
(以下、コピー)
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Berliner Festspiele芸術監督のルクシンガーさんにお願いして、Christoph MarthalerのPremiere公演を取っていただく。Marthalerのプレミエ公演を観られるなんて。夢のようなお話し。

Die Fruchtfliegeとは、ショウジョウバエのこと(直訳だと「フルーツ・バエ?」)。
プログラムを3,50Euro(ちょっとお高め)で購入すると、役者が漫画風に演じたコマで内容説明がされている。
なんという凝り方だろうか。これでなんとなく様子がわかるのがうれしい。

Volksbuehneの客席はもちろん(!)満員、熱気に溢れている。
Marthalerらしく音楽とともに客入れ環境が整っている。
舞台には赤いカーテンが引かれているガーデローベのような部屋。棚の上には薬瓶が並んでいる。
上手にはグランドピアノがおかれ、ピアニストStefan Wirth(ものすごい指の持ち主)が
二人の歌声を指導している。すでに心地良い。

芝居が始まると、ピアノがリードするゆ〜〜〜っくりしたスピードに合わせて、赤いカーテンが開いていく。
ハエの研究をしている(らしい)学者らが、白衣を着ている。セリフ無く、ピアノに合わせて歌ったり、
ダンスしたりと、ゆったりと進行していく。どうやら、今ハエになっているようだ。
相手のそばによっていくと、相手への感情より臭覚の方が気になるらしい。
そして彼らが人間に戻るとき、一度に180度以上見渡せるハエの目を皿の上に落としていく。

そして、ゆっくりと暗転。暗転になるたびに天井の字幕に
「einige Jahre spaeter」「drei Monaten spaeter」と書かれていく。言葉がないジェスチャーのときも
動揺、字幕でテキストが表示される。そう、まるで漫画のよう。なんて、粋なんだろうか。

全てが音楽によってリードされ、音楽が止まると、芝居も止まる。みんなが牛乳がを飲むときも。。。
ミュージカルがだめなwarabiが、どうしてMarthalerの作品の大ファンでいられるかというと、
「先が予想が出来ない演出」だからなのだと思う。最初から最後までワクワクしていられる、素晴らしい演出を披露してくれるから。

ハエはただ子孫を増やすだけ、しかし人間にはいろんな愛情物語がある。
月日が経ち、そしていつしか幕。

楽屋裏アナウンスの声:「みなさん第4幕、間もなく出番です。スタンバイをお願いします。
女性の方は上手、男性は下手です。」(こんな感じ)
そして、白衣を着ていた学者達は、急いで衣装を整え、奥へと消えていく。そう、ここは研究室のロッカールームではなく楽屋裏。これは"Theater im Theater" 、劇中劇だったのだ。
= Ende =

テキストは書き下ろし、名作やテレビ、映画、雑誌からのアイディアをもらっている。
現在フリーランス状態のmarthalerを知る、得意のスタッフとVolksbuehneの最高コンビが新作を作った。

左から5人目がMarthaler

感動の、そして幸せの2時間強。
大歓声の中、Christoph Marthalerと Anna Viebrockほか、アーチストたちが舞台へと上がる。
最高の笑顔、ちょっと控えめな態度。彼と彼女を見ることが出来て、また感動。


■Die Fruchtfliege - Premiere
Volksbuehne am Rosa-Luxemburg-Platz

Regie: Christoph Marthaler
Buehne und Kostueme: Anna Viebrock
Licht: Henning Streck
Musikalische Einstudierung: Stefan Wirth
Dramaturgie: Stefanie Carp
4)ファルク・リヒター
「Die Verstoerung」 in der Schaubuehne
http://warabi2.blog.drecom.jp/archive/224
===============
Schaubuehneの半円形の壁にぐるっとバルコニーが仮設され、舞台上にはベッドや3つのドアのユニットが。それには、蛍光灯や、ダイクロハロゲンが組み込まれている。床にはLEDで発光しているアクリのパネルが青白く光り、アブストラクトな模様がときに現れる。

客入れ時は下手前のグランドピアノに役者が群がり、なにやら話をしている。ゆっくりとしたピアノの音は、芝居への導入演出としてはとても粋。

クリスマスの日、両親に迎えに来てもらえない少年と、託児所のボランティアの女性。
理想的ではない状況のなか、クリスマスの夜が始まる。。。
映像を多く使い、特にFRPのパネルにフロント打ちした老いた男女(どうやら夫婦ではないようだ)の顔は、幽霊のようで素敵だった。

全体としてシックな印象。芝居は終止良い緊張感(内容がみんなわかればいいのに、、)。
最後のほう、雪が降ってきた後に、上手のPARライトが3台落っこちる。あっという間に闇となり、ろうそくが灯る。これが演出だったのか、謎である。

Regie:Falk Richter
Buehne:Katrin Hoffmann
Kostueme:Martin Kraemer
Musik:Paul Lemp
Dramaturgie:Jens Hillje
Licht:Michael Goeoeck
5)「「アルトゥロ・ウイの興隆」
http://warabi2.blog.drecom.jp/archive/119
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知る人ぞ知る、20世紀最後の演出家、ハイナー・ミュラー最後の作品「アルトゥロ・ウイの興隆」。

ブレヒトが作った名門劇場ベルリーナー・アンサンブル(BE)で、10年間もレパートリーとして世界で上演され続けている名作。日本公演で最後かもしれないと噂される、主役のマーティン・ヴトゥケの演技が見物。
登場から、犬のような仕草を見せるウイ役のヴトゥケはものすごくパワフル。作品を通して、犬呼吸(ハ、ハ、ハ、、、)や四つ足歩行など、何もしていないときがない表情も豊かで、顔がグニャグニャと変化するし、声も七変化。彼が参加しないと再演不可能と言われる由縁はこれだ。

客入れのときから、ヒトラーを意識しているのがわかる。ロビーでヒトラー演説を行う役者、彼は客入れと客出しのときのヒトラー演説訳の役者。作品の中には登場しない。前説的な役目。BEの本公演では、建物のバルコニーで外に向かって大音量で演説するとか。”あまりの騒がしさ”と”触れられたくない歴史上タブーの演説”に、周囲が警察を呼び、さらに演説が盛り上がる趣向。さすがドイツだな〜と関心。

ベルリンの壁の時代、ハイナー・ミュラーは東ベルリンにいた。共産主義体制下、多くの表現者たちが西へ逃げる中、彼はそうしようとは思わず、まだ希望が残されていると思っていた。
ミュラーはもともと劇作家であった。彼は自国の体制に希望を持ち続けながら、比喩的に反体制的な表現も含まれたことで、壁崩壊直前の89年まで彼の作品は20年間も上演禁止となっていた。しかし面白いことに、東で禁止された彼の作品はリアルタイムに西側に流れ、評価を受けていたのだ。そして壁崩壊後、市民達が怒濤のように変化する情勢に沸く中、ヨーロッパ全土にミュラー旋風が巻き起こることになる。

=作品の説明=
ドイツ演劇界の巨匠ベルトルト・ブレヒトが第二次大戦中に書き下ろした「アルトゥロ・ウイの興隆」は、ヒトラーとナチスがあらゆる手段を使い独裁者としての地位を確立していく過程を、シカゴのギャングの世界に置き換えて描いたもの。
バルハウス・オストで上演の「bei mir」のご紹介。
シャウビューネで活躍していた人気女優アンネ・ティースマー氏が立ち上げたというバルハウス・オスト。
この作品には彼女本人と、タリアテアター・ハンブルクの看板女優だったシルビア・シュバルツも出演!!

"bei mir"
eine GUTESTUN-Produktion im Ballhaus Ost
von und mit
Okka Hungerb?hler, Rahel Savoldelli, Sylvia Schwarz, Anne Tismer; Niels Bormann

f?nfter stock ein picknick auf dem klo kriegt eine ihr kind und tut es in den m?lleimer
das wird fast keiner merken eine schon l?ngst ausgestorbene schildkr?te geht nicht
unbedingt verloren wer man ist kann man sich nicht immer aussuchen und manchmal
kann man auch sp?ter wiederkommen als ein anderes und das vorherige wegwischen

Dramaturgie, k?nstlerische Mitarbeit Annalisa Fischer B?hne, Licht Burkart Ellinghaus Video,
Grafik Andr?s Castoldi Produktionsleitung, Management Okka Tismer Mitarbeit Produktion
Sven Laude Mitarbeit Natascha Zimmermann

?ffentliche Probe 23. Mai, 14:00
Urauff?hrung 25. Mai, 20:00
weitere Vorstellungen 26., 27., 28., 29. Mai und 03., 04., 05., 06., 07.
und 20., 21., 22. Juni, 20:00


PAPELALLEE 15. BERLIN / KARTEN 030 47997474
karten@ballhausost.de / www.ballhausost.de
ルネ・ポレッシュの「餌食としての都市」("Stadt als Beute" von Volksbuehne)
の舞台映像を、ドイツ文化センターでご覧になった方もいるかと思いますが、今回はその作品の映画版のご紹介。

★「STADT ALS BEUTE」DVD
http://www.amazon.de/Stadt-als-Beute-Richard-Kropf/dp/B000CCB43I/ref=pd_bbs_sr_1/302-8535021-8950416?ie=UTF8&s=dvd&qid=1189670753&sr=8-1

3人の女性監督(と出演者3人)による3つのオムニバス作品集。演出家ポレッシュも本人役で出演。「餌食としての都市」の2週間前の稽古風景から始まるが、劇場の外で話しは展開する全く別の作品。

しかし、ポレッシュの稽古風景は通常見ることができない訳で、それを垣間見られるというおいしいシーンが随所に盛り込まれている。

ユーズドだとお手頃なので、なにかのついでに購入してみることをお勧めする。現実を伝えるために「リアル」を追求するポレッシュ、俳優がはじけていく様をみて、なんだか、爽快な気分になる映画であった。
もう終了してしまいましたが、Rimini Protkollをアップしますね。

2008年2月1〜3日にはHAU1で"100 Prozent Berlin"という(ヘッベル100周年の100と100%をかけたような)タイトルの作品を上演予定。
お見逃し無く〜

http://warabi2.blog.drecom.jp/category_3/
・・・
Hebbel am Ufer / HAU にRIMINI PROTOKOLLのBREAKING NEWS – EIN TAGESSCHAUSPIELを観に行く。
RIMINI PROTOKOLLといっても、Stefan Kaegiは絡んでなくて、Helgard HaugとDaniel Wetzelの二人が演出。

HAU2の舞台前面には住宅のバルコニー写真が貼られた6枚のパネルが立ち、その後ろには様々な高さのTVモニター20台以上が緑色の待機画面のまま置かれている。
 
劇場の屋上には6台の衛生中継用のサテライトが設置され、それにより2000を超える世界中のTV番組を受け取ることができる。メインの登場者は国際色豊かな7人の通訳やジャーナリストたちと、ドイツの番組に雇われている大量の番組から見合う物を編集する番組編集者の女性と世界中に300人同僚がいるというニュースを新聞などに配達する代理店の男性。

順番にパネルの前に現れたニュース関係者は、自分がドイツでどんな仕事をしているのかを話始める。
パネルの裏側は世界地図になっており、ドイツ人で南アメリカの女性と結婚した男性、Tageschauという有名な番組を年中見張っているドイツ人男性、アイスランド出身のなまった英語を話す若い男性、スーダン出身の中東政治情勢に強い男性、インド出身の多国語を操る女性、ドイツ人でCNNの通訳をする女性らは、彼らの出身地の近くに立っていることに気がつく。
昔中東のジャーナリストで劇場の批評家でもあった男性は、今は引退しているが、舞台ではギリシャの古文と現代のニュース状況を組み合わせて読み上げていくパフォーマンスを披露。

毎日20時からのニュースにあわせ、それぞれ同時通訳を始める。最初は一人ずつ、ニュースをデリバリーしている男性の指名により進められる。
あるところで、「時計の針を戻す」指示と同時に20時に針が戻っていって、なにかおもしろいニュースがあったかをみんなに聞いていく。

進行中に自分の受け持ち番組でなにかおもしろいニュースがあると、ベルを鳴らし内容を伝える。

政治的な深刻な状況も、日常的に起こるおかしなこともニュースになり得るので、その差がとてもおかしい。また、衛生や無線を使いスタジオのシステムを持ち込んでいる点や、ニュースがライブであることも、何が起こるかわからない感を生み出している。

後半にあるシーンで、突然ペンタゴン・チャンネルのライブに切り替わる。
そこには変なレオタードを着た人達が、エアロビクスをしている絵が写っている。

ペンタゴンの体操の時間!?

これが劇場作品であるかどうかは別にして、ちょっと変わったパフォーマンスであることは間違いない。ドイツ語がわからないwarabiでもとても興奮し、見終わった後満足感で一杯であった。何かわからないが、この作品からきっと何かを感じたからであろう。

この作品はHAU2で12日まで上演している。
都合のつく方は、是非見ていただきたい。

BREAKING NEWS – EIN TAGESSCHAUSPIEL / RIMINI PROTOKOLL (HAUG/WETZEL)
Premiere am 05. Januar, auch am 06., 08., 09., 10. und 12. Januar 2008, 19.30 Uhr, HAU 2

HAU(Hebbel-Theater 100周年を記念した企画★100 Prozent Berlin★ von Rimini Protokollを見てきました。
>>>
舞台上にマイクスタンドを持った男性がひとり入ってくる。
ぼくはThomas Gerlach、、、自分が最初の1%です。と自己紹介をはじめ、自分はベルリンではどんな身分なのか語る。そして5歳の娘Annemarieちゃんを連れてきたと紹介し、Annemarieちゃんが自己紹介をする。・・・

みんな次々に条件にあった知り合いを見つけて、舞台の盆の上に立ち、それがゆっくりと反時計回りにまわっていく。舞台上空には中継カメラが設置され、観客たちは舞台奧2階席上下の計3カ所の円形スクリーンに写る上空撮影の絵を見ている。

100人の輪ができる。5%はLichtenbergに住む年金受給者、28%は石けんに愛着を持つ男性、47%は子供が生まれて以来キティーを集めるようになったというアジアの女性、87%は1%のトーマスと一緒で国勢調査からのインタビューで出演が決まったという愛犬と登場したPeterさん、そして最後の100%は最年少の登場、今年1月5日に生まれたばかりのJulianくん・・・

ベルリン在住の代表100人は、ある人脈ネットワークであり、性別、年齢、家族構成、出身、居住区の5つのカテゴリーからなる統計学にならっている。ひとりは100分の1(つまり1%)だが、ベルリン市民の1%3万4千人の代表でもあるということだ。
この統計で見ると、男女比は49/51%、独身46%、既婚者39%、未亡人6%、離婚者9%の割合。
出身別にはドイツ人の割合は90%、トルコ人4%、ポーランド、セルビア、アメリカ大陸、アフリカ出身者はそれぞれ1%、アジア出身が2%となっている。

以降は質問タイム。
出演者100人が一人ずつ質問を出して、「Ich」「Ich nicht」に分かれて統計を見せる。
わかりやすい質問はこんな感じ。

・壁崩壊後、だれが東から西に引っ越したか? →5人くらいだったかな
・壁崩壊後、だれが西から東に引っ越したか? →これも7人くらい
・誰が政治家? →4人
・誰が今日BVGでストしているの? →これ結構多くて10人くらいいたかな

ほかには、
ペットを飼っている人はだれ?
ペットを5つ飼っている人はだれ?
ペットを10飼っている人はだれ? →この質問にも4人くらい残ってたのよね〜
だれが嘘つきか?
だれが幸せか?
等々、いろいろあった。

そんなベルリン人達の1日の生活を数秒で表現。盆が回りながら彼らが時間ごとに何をしている時間か、振りをする。
まず、夕方から夜になり朝にかけて。寝ない人もいるのよね。
次は起床から出勤、お昼午後まで。照明も昼夜を表現していたし、中継カメラの絵のおかしさもあっておもしろかった。

そのうち幕がしまって、客背以内に5人の楽隊が乱入。演奏しながら上手前のブースに移動する。
幕前では再び先ほどの出演者たちが登場。ひとりひとり、舞台の上に何を持ってきたのかを見せながら、理由をいって幕の奧へとはいっていく。ある女の子はミニ・トランポリンで訳は「飛んで高いところにいられるから」。いすや脚立を持ってくる人が多く、何故かな〜と思っていると幕が開いたときにその理由がわかった。
舞台上はひな壇になっていて、客性と対面するかたちになっている。さっきのひとたちは、ひな壇に収まらないから座れるものを持ってきていたのね。

100pb.gifこのシーンはイエス・ノーという単純な回答ではなく、質問に応じて複数の回答を用意し、ボードの色で答えを分けるようになっていた。
ドイツっぽいのは
・だれが今日5人以上の人と握手をしたか? →半数以上が5人以上
・だれが原則としてきせるをするか? Wer faehrt gruendsaezlich schwarz?  →これあわててみんなが「とんでもない」と回答したのがおかしかったな。だれが嘘つきか!?

権力の犠牲になったことのある人は結構いたこと、家族のために死ねるかという質問では、(みんな正直なのか)死ねると回答したのは1/3くらいだった。週に何日くらい夜を一人で過ごすかに対して、(独身46%だけど)「1〜2日くらい」という回答が数人だったこともドイツ人らしいと思った。

最後に、アジア人女性Hoi Yanさんが100本のおみくじがはいった入れ物を持って登場し、自分が質問を出すのではなく観客から一つ質問をもらい、それにおみくじで回答すると話す。
2階席の奥の方から、「自分の子供は男か女か」と質問がだされた。「健康か不健康か、だったら出せるけど、男か女かが知りたいのですね?」とHoi Yanさんが確認し、おみくじを引く。その番号を照らし合わせて「中性とでています。本当にそう書いてあるの。今後のことはすべてうまくいくので、心配しないでも大丈夫です。」と答えると、会場から大きな拍手が巻き起こった。
先日川崎市アートセンターで行われた、Rimini Protkollの作品「Mnemo Park」について、記事を書きましたのでアップします。
(写真を見たい方は、したのURLまで)

http://warabi2.blog.drecom.jp/archive/602
...............................................
ああ、warabiはラッキー。
だって、日本に来て彼らの過去の作品(2005/Basel)を見ることができるんだから。
関係者に聞いたところ、Mnuem(ムネモ)とはギリシャ神話の記憶の神様の名、メモリーパークという意味らしい。

舞台全体に鉄道模型が飾られ、上手東西にスイスの山が描き割りで表現されている。音楽はやっぱりヨーデル、ここのところはやはり(?)裏切りはなし!

出演者の4人は年齢は様々な男女だが、ともに鉄道模型マニア。
彼らの手作りの模型は、それぞれ得意な分野を担当し、作り上げたという。
模型列車に小型カメラを搭載してジオラマの中を移動すると、投影された映像ではまるで本物スイスの車窓を見ているかのような疑似体験ができるのだ。
それはとても不思議な感覚といえる。

「100% Berlin」のように、統計学を手がかりとして始まる(本人はたまたまだといってたけど)。

2003年のデータより。
スイス国土、日本国土。スイスの鶏はスイスの人口とほぼ同じ700万匹くらいいる。農業を職業としている人は26万人いる。
牛は70万4千頭いるが、1頭あたりの出す温暖化ガスはメルセデスの2台分である・・・
ある村の農家は20件あったものの、今では5件に激減。しかし、日本の農家の減り方はこれよりも激しいという。
スイスでは農業を国策として援助金が考えられていたり、将来自給率が右肩下がりの日本はこのままで本当にいいのか、不安にさせられる。
ドキュメンタリーだけでなく、フラッシュバック体験(これはなにかは見てのお楽しみ!)など演劇表現手法も使っていた。
観客はとても楽しんでいる様子で、笑いが絶えなかったのか印象的。出演者の自然に醸し出される表現が、それだけでもうおかしいのよね〜。

終演後、観客は舞台へ上がることが許され、演出家や出演者とも直接交流ができた。模型にはもちろん触れてはいけないけれど、カメラでの撮影も大あり!で、背広を着た大人たちも(案外鉄道マニア?)嬉しそうに撮影をしていた。
お菓子の売り言葉のような「2度楽しい」を体験できて、そのあとの初日祝いもあり、スイスワインとチーズもいただけてwarabiはもう絶好調♪ 

演出家シュテファンとも話ができ、彼の仕事の姿勢、人間性を感じることができた。スイス人はドイツ人と違ってとっても大らかで気さくだわ。でも自然に囲まれていたいという欲求の大きさはドイツ人と同じくらいかもしれない。

ここでも、「人間は何を求めて生きていくのか」という問いの深さを考えさせられたwarabiなのであった。。。



↓毎年5月、ベルリンで行われるTheatertreffenの情報。もうじきです!!

http://www.berlinerfestspiele.de/de/aktuell/festivals/03_theatertreffen/tt_start.php

+ + +

そのプログラムのひとつから変わりものをご紹介。
Non-stop-peformance-Installation「Die Erscheinungen der Martha Rubin」は、24時間9日間いつでも会場へ行き見ることができる変わった嗜好。

Schauspiel koelnの作品で、場所はちょっと南に下った Priesterweg 駅にある、Naturpark 内 Lokhalle。いわゆる巨大な倉庫というか作業場に村を作って、パフォーマーたちはそこで寝泊まりする。いつも誰かが何かをしているから、観客も自由に出入りできるのだ。

約1ヶ月かけてつくるその村はバラックやこわれたキャンピングカーといった朽ちたテイスト。でもちゃんと電気もつくようにセットされているし、あちこちにベッドやキッチンらしきものがある。カーテンはぼろぼろ、ソファはすり切れている。
どこからこんなものを集めてきたのか、と不思議に思うくらいのぼろぼろさ。例えば、粗大ゴミの集積所から!?

今からとても楽しみである。

+++

Fr 02.05. | 18:00 bis Sa 10.05. | 18:00
Die Erscheinungen der Martha Rubin
Schauspiel Köln
Ort: Lokhalle - Naturpark Schöneberger Südgelände
...
r 02. und Sa 03.05. | 19:30
Der Sturm
Münchner Kammerspiele
Ort: Haus der Berliner Festspiele, Große Bühne
...
Sa 03., Mo 05. und Do 08.05. | 19:00
Onkel Wanja
Deutsches Theater Berlin
Ort: Deutsches Theater Berlin
...
Sa 03.05. | 23:00
Panda
Punkrock aus Berlin
Ort: Haus der Berliner Festspiele, Kassenhalle
...
So 04.05. | 17:00
Diskussion I
Staat Macht Moral
Ort: Haus der Berliner Festspiele, Oberes Foyer
...
So 04.05. | 18:00 und Mo 05.05. | 19:30
Die Ehe der Maria Braun
Münchner Kammerspiele
Ort: schaubühne am lehniner platz
...
Mo 05. und Di 06.05. | 19:30 sowie Mi 07.05. | 15:00 + 21:00
Gertrud
schauspielfrankfurt
Ort: Haus der Berliner Festspiele, Große Bühne
...
Fr 09. und Sa 10.05. | 19:30
Pornographie
schauspielhannover / Deutsches Schauspielhaus in Hamburg / Festival Theaterformen 2007
Ort: Haus der Berliner Festspiele, Große Bühne
...
Fr 09.05. | 22:30
Erika Stucky
Suicidal Yodels
Ort: Haus der Berliner Festspiele, Seitenbühne
...
Sa 10. bis Mo 12.05. | 19:30
Die Ratten
Deutsches Theater Berlin
Ort: Deutsches Theater Berlin
...
Mo 12. bis Mi 14.05. | 19:30
Maria Stuart
Thalia Theater, Hamburg
Ort: Haus der Berliner Festspiele, Große Bühne
...
Mi 14.05. | 20:00 sowie Do 15. und Fr 16.05. | 19:00
Hamlet
Schauspielhaus Zürich
Ort: Radialsystem V
...
Fr 16. bis So 18.05. | 19:30
Platz Mangel
Rote Fabrik Zürich / dieproduktion gmbh
Ort: Haus der Berliner Festspiele, Große Bühne
先のTheatertreffenにて行われた公演の感想です。

"Hamlet" von Schauspiel Zuerich
Jan Bosse演出

http://warabi2.blog.drecom.jp/archive/619

4方を200枚以上の古い曇った鏡に囲まれた空間に入っていくと、そこはフェストホール。床はふかふかの絨毯、食事のテーブルコーディネートされている。正面にはポデウムが設けられ、その上には大きなテーブルが見える。
観客はその真っ白なテーブルを前に席に着く。その様子は食事がサーブされるのを待っているかのようだ。

観客はこの催しに招待されたデンマークの国政のひとりひとり。
演技が始まるとはじめはゆっくり、でもすぐに激しく巻き込まれていく。テーブルウエアが剥がされ、ステンレスの食器が音をたてて床に飛び散っていく。ハムレットは座っていたイスを癇癪かなにかのように投げつけ、それが激しく壊れ、破片が観客の顔めがけて飛んでいく(これすごいニアミス!)。
役者は観客に混じって座っていているのだが、その演出を忘れた頃に突然隣の人が大声を上げたり、走り去ったりするものだからみんなびっくり。

この作品のJan Bosse(スイス人)演出も素晴らしいのだが、とくにこのハムレットJoachim Meyerhoff が飛び抜けていて、3時間半という長さを感じずにしかもとても楽しく拝見できた。彼は真に迫った苦しみや復習を企てる狂人を演じるのではなく、ちょっと変わっている、空想好きな、どこにでもいるような凡人タイプの王子で、その彼の空想の世界がどんどんと膨らんでいくような表現の仕方をしていた。とにかくほとんど出っぱなし、しゃべりっぱなしで、その間観客を引きつけたまま。ものすごい技量の持ち主である。

彼なくしてはこの作品は成り立たなかっただろうと表現すればわかってもらえるだろうか、その存在はまるでH.ミュラー「アウトロ・ウィ・・」のM.ヴトケのよう。(オフィーリアはオリジナルと配役が変わっていたようだけど)

観客も黙ってみているだけではなくいろいろな役を命じられる。
亡霊を見たという話題を振られて台詞を求められたり、ハムレットのファンタジーにつきあって舞台に引き引きずり出され、渡されたテキストを何度も何度も注文を出されて読まされたり。

休憩中、2時間閉めっぱなしで空気が悪かったので観客はみんな飲み物を片手に外にでる。
RadialsystemはSpree川沿いにあって、リゾートな雰囲気たっぷり。そこに誰かが「ハ〜ムレ〜〜ット!」と叫ぶと、ライトアップされたバルコニーからハムレットが顔を出す。「・・・あれはイギリス行きの船だ。」(ちょうど休憩前にハムレットはイギリス行きを命じられていた)
そういってみんなを笑わせる。そして、船が行ってしまうと彼も戻っていった(これが2部始まるよ、の意)。

2部の会場は、がらっと雰囲気が変わっている。
テーブルはすべて片付けられ、自由席、階段にも座れるような砕けた雰囲気。ふかふかの絨毯中央が剥がされている。

始まってすぐ、床の下からハンマーで木をたたく音。と同時に、床材がバ〜ンと上に吹き飛んでいく。驚く観客。
あっけにとられている間に、床には畳み2枚分くらいの穴ができてしまった。
そう、ここは墓地の墓穴。
死んだ人間がここに放り込まれていく。
ハムレットの恋人だったオフィーリア、毒を間違って飲んでしまった母親、そして叔父・・・

父親と妹の敵をとろうとするレアティーズとの戦いで、ハムレットはまたしても笑わせてくれた。
フェンシングの剣を手におかしな構えをする彼、それはまるでうちのMくんのようで、それに気付いてしまいさらに受けてしまった(Mくんもハムレット同様に狂人だと言うことで納得でした(笑))。
えっ、若すぎる・・・残念です。
ご冥福をお祈りします。
「歴史の一つが幕を閉じた」という気がします。
彼の功績を考えるととても残念ですね。
ボンディ「リア王」
http://warabi2.blog.drecom.jp/archive/692
===============================
ルーク・ボンディ Luc Bondyが老舗ウィーン・ブルク劇場で演出した「リア王」を鑑賞する。

会場で日本人の知り合いにあい、しかもたまたま1週間観劇のためベルリンを訪れいているという、知り合いのある演出家にも出会ってなんだかびっくり。
やっぱり、ベルリンて日本と遠い気がしないなぁ。

 
*
 

KOENIG LEAR
von William Shakespeare
Neu uebersetzt von Marie-Louise Bischofberger, Luc Bondy und Geoffrey Layton
Narrenlieder uebertragen von Peter Handke


作品は悲劇で有名なストーリーながら、笑いに満ちた演出で4時間半(休憩2回含む)の長さを感じさせないものであった。

演出的にはとても忠実に作られていて、わかりやすいものであった。
まぁ、あくまでも「お話」で、しかも有名な「お話」なので、大感動!ということはなかったが、例えば、次女の夫が王に仕えるグロスターの両目をえぐり取るシーンも笑いに満ち、荒野で王が狂っていくシーンもとっても笑いを誘うような作りだったのだ。

同じオーストリアの作品でも、ドストエフスキーの「罪と罰」はあまりに暗い話で、どうも集中できなかった。

ブルク劇場で女優をされている原サチコさんもおっしゃっていたのが、この「リア王」はいかにも「ブルク劇場」らしい作品なのだとか。
"ボンディーらしい"と"ブルク劇場らしい"というのが、とてもダブルwarabiなのだが、コンサバにまたは初心者に受けるのかも知れない。。。

特に、レースを配した床の上を巨大なブロックのような舞台美術がゆ〜っくりと動いていく転換はあまりに美しく、まるで床までもが移動していくようで、それに吸い込まれていく錯覚を覚えるほど(ハリー・ポッターの動くチェス盤を思い出した!)。

ジョーゼットのブレヒト幕の使い方はさすがに本場で、その背景と衣装がよくなじんでいた。転換のためという考えではない、慣習が見えるようであった。

いや、ともかく、演出家以下アーチストの層の厚さは日本のそれに勝っている。やっぱり、俳優人の質は素晴らしい。それは、ヨーロッパの古典をやっているから、ということだけではなく(もちろん、日本人がリア王をやるとただのまねになるが)、技術が優れているという意味。

ホール満員の観客も4時間半の作品を堪能していることもしかり、足りない器材をただで貸し借りする劇場通しの助け合いもしかり、プロのテクニカルやアーチストの量もしかり、いろんな意味で、質の向上を促す要素がある。

日本の場合も同様にすればいいとは思わないが、やはりシーンを盛り上げるために協力する体制がなければ、全体の質を上げていく、また維持していくことは難しいのではないだろうか。

古典・歴史だけではない、日本独自の劇場芸術が誇れる位置となるのはいつだろうか。。。

と、warabiは思いを馳せるのであった。。。
すっかり時間が経ちましたが、今年のTTでの公演についての感想です。
まずは、ケルンの作品。

http://warabi2.blog.drecom.jp/archive/732
==============================

Wunschkonzert [2009年05月09日(土)]
 
Schauspiel Koeln シャウシュピール・ケルンの「Wunschkonzert」(von Franz Xaver Kroetz)を鑑賞。

これだけは観客席から見たいと、わざわざ関係者チケットを購入した次第。

というのも、正面上手よりにスクリーンがつるされていて、そこにLIVEで撮られている映像が映画になって映し出されるという志向、正面から見ないと面白くない作品だからだった。


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舞台上にはまるでTVスタジオのようなセット。低い天井に照明が吊られているバトンが見切れている。

中央に木のパネルで囲われた部屋と思われる空間、窓が3方にある。その横に作られたコンクリートのような壁。ここを役者が通るのだろうか。

前舞台上手にはピアノが置かれ、その廻りにいろいろな楽器が付け加えられている。
その奧は防音スタジオ、4人の音楽家が生で演奏する。

中央には複数の小さなセット。
たとえば、2m四方の芝生、流しだけのセット。白いテーブルの一部等。

下手には音響効果ブース。
様々な音効果(SE)を出すための道具がL字に並んでいる。


*



役者は中年女性1人。
薄暗い夕方、一人の中年女性がバスから降り、家に向かって暗い通りを歩いていく。
玄関のドアを開ける。ルーティーンのように郵便物に眼を通し、手を洗い、夕食の支度をし、夕食を食べる・・・
ラジオをつけ、好きな音楽を聴く。こうして淡々と時間が過ぎていく。

時々、何か思い詰めている様子のアップ。
シャワーを浴び、ベットに入るが、再び起きて多量に薬を飲んでいく。シャンパンで・・・



この作品はハイテクとアナログを組み合わせたような志向で、そのずれが観る側を不思議な気にさせる。

カメラマンは役者をあちこちにある固定カメラ、または手持ちカメラ等でずっと撮り続ける。
手のアップ、視線の先などは、前舞台のセットに切り替わり、別の役者の手をアップで撮る。
それがキッチンの流しであったり、風呂場の流しであったり、別途の横のサイドテーブル周辺であったりとセットは異なる。

そして、その「音」は別取りで、効果はまるで昔の方法。
棚がキ〜となる道具を使ったり、テーブルに堅いもの(指輪など)を置くときの音用の道具。warabiもこういう授業をやったな〜と思い出しながら、作品を鑑賞。

蛇口をひねる音。
水を流す音。
手を洗う音。
蛇口をしめる音。
水が流しを流れていく音。
手をタオルで拭く音。

このように一連の作業にどれだけの音が混ざっているのか、音出しブースで3人が忙しく動き回るのを見ながら、思い知らされるのである。

同時に生の音楽はスタジオでカルテットが演奏し、現代音楽のような変な効果音はピアノの当たりでキ〜キ〜と鳴っている。

このようにして映像&音ができて、全てライブ・取り直しなしの映画状態になって、正面のスクリーンに映し出される。
全てがシンクロしていないのだから、これが結構面白い。シンクロしているのが当たり前という感覚を狂わされるからだ。

観客はこの「主役演じる」「切り替えカメラ」「音出し」「スクリーン」をそれぞれ目で追っていくのだが、時々どこで何が行われているのかわからなくなる。
次の転換や準備も目の前で行われているから、動くものに目を奪われてしまうというのもあるし、見えている場合と、隠されている場合とあるからだ。

上演時間 1時間20分。
演出家は英国人女性Katie Mitchell。
ケルンのレパートリーがTT招聘されるのはあまりないので、スタッフの雰囲気、作品のテイストともに新しい刺激がありなかなか楽しい時間であった。

= = =


Regie Katie Mitchell
Buehne und Kostueme Alex Eales
Video Leo Warner
Musik Paul Clark
Sounddesign Gareth Fry
Licht Magnus Kjellberg, Michael Frank
Dramaturgie Rita Thiele

Mit
Therese Duerrenberger
Laura Sundermann
Birgit Walter
Julia Wieninger
Stefan Nagel

Tonkuenstler (Live-Performance) Simon Allen/Julia Klomfass
Streichquartett Tiziana Bertoncini, Johannes Platz, Marei Seuthe, Radek Stawarz
Live-Kamera Stefan Kessissoglou, Sebastian Pircher

そして、ミュンヘンから、ものすごい作品が来ました。
素晴らしい、しか言葉が出ない・・・

http://warabi2.blog.drecom.jp/archive/733
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Der Prozess-Kafka [2009年05月11日(月)]
 
フランツ・カフカ「審判」を Andreas Kriegenburg /Muenchner Kammerspieleが見事にやってのけた!

ため息の出るような、とても素晴らしい舞台であった。
あのカフカの不条理な世界を視覚化するということはwarabiにはとんと想像ができないことだったのだが、演出家というのは全くすごいものだ。

TT常連といってもいいAndreas Kriegenburg アンドレアス・クリーゲンブルク。
新国立のために来日しているので、日本の方にも知られているのではないだろうか。

彼は演出だけでなく、舞台美術も得意としている。
だから、テキスト(この場合戯曲)の編成やらだけではなく、視覚的なイメージまでも彼の理想とするところを自分で現実化できるのである。


*


ある日理由もなく逮捕されてしまうヨーゼフ・Kは運命のリングにはまって(はめられて)しまう。

自分の潔白を証明したいKだが、裁判はうまく進まない。
その運命のリングは誰かに監視されているような「目」のようであり、自分の意志とは関係なくぐるぐると回り、それは停まることを知らない。ときには立っているのも困難なほど、狂わされるのである。
「目」のなかに踏みいることができるのだが、白目に役者が入る瞬間はまるでルパージュのアンデルセン・スクリーンを彷彿させる。

8人の役者たち(チャップリンのような白塗り、チョビひげ&黒スーツ)も素晴らしい。Muenchner Kammerspieleならではの最高級アーチストたち。
彼らはときにはKを複数で演じ、また瞬時に監視人の役に変わったり、隣人のお嬢さんに変わったりする。
台詞を吐くスピードはものすごく速く、意味はおろか、今いったいだれがだれなのか・・・
ぐるぐる回る舞台のごとく、役もここで起きている現実もぐるぐると回り、重力があるはずなのに、役者は爬虫類でもないのに垂直に立ったりして、もうなにがなんだかわからなくなる。

とにかく
なにもかもが力強く、すべてがこれはすごいぞと思わせてくれる。

観客席から見てもすごいのだが、これを舞台裏から見てもやはりすごい。
撤去も迫力。舞台は盆でもあり、それが廻りながら垂直に立つこともできる。
盆が立つって想像できないかも知れないが、まぁ、それをやりたいといってやらせてしまったのがAndreas Kriegenburgで、それをオリジナルで作ってしまったのがMunchner Kammerspieleなのである。


リンクしているサイトへ行ってもらうと、動画を見ることもできます。
そして、ハンブルク。
これぞ、民衆のための演劇って感じで、迫力がありました。
社会にものを言う演劇。
演劇ってすごいパワーを持っています。

http://warabi2.blog.drecom.jp/archive/737
===
Marat.../Schauspiel Hamburg 
 
Deutsches Schauspielhaus in Hamburg ハンブルク・ドイツ座の Marat, was ist aus unserer Revolution geworden? の終幕では、まるで台風のようなアンコール(なんと20回くらい!!)が巻き起こった。

社会派の演劇で、とくに20人以上の「真の出演者」による迫る演技が光っていた。
「真の出演者」というのは、本物の社会保障制度補助金受給者たちのこと。演出Volker Löschはものすごい際どい演出で一時は資金打ち切り、上演不可能となったが、そこからリベンジで有名になった演出家。

革命とタイトルにあるように、革命の時代的なもの・革命的な事項がたくさん出てくる。文化行政というのはやはり資金がないと成り立たなく(何でもそうだけど)、その資金を出しているのは国だけでなく企業だったり、個人のお金持ちだったりする。

Hamburg ハンブルクという街は、ドイツ国内ではミュンヘンの次くらいにお金持ち(たぶん)で、裕福な人たちが住んでいるというイメージがある。

作品の中では本物の補助金受給者たち(Chorコアーといわれていた)が、なぜ今の暮らしに至ったか、ここまでしたのにこうなったとか、自分が悪いのか、個人的な内容を時には重なり合って伝える。まず、この長い出だしでも喝采。

そして、赤カーテンが開くと、そこにはディスカウントストアーで有名な
Lidleと
img20090519.png


ALDIを
img20090519_1.png


皮肉った、巨大なプロレスリンクのようなものが登場。左右、奥、床と4面巨大なマークに囲まれている。

img20090519.gif


舞台上では、現代の真の演技者Chorたち、下層に支持されたフランスの革命指導者Marat、ロシアの社会主義レーニン、など様々な時代が交差する。

ロシアの革命歌が流れて、空からレーニン像に扮した役者がレーニンの動きをまねながらおりてきて、Chorがそれに群がる絵は、とても「革命」を感じさせる。

本物の政党ポスター(メルケルさんとかの顔が大きく刷ってあったり、○DUとか書いてある)をChorたちが音楽の盛り上がりと同時にビリビリと破り捨てるという、かなり強烈なシーンもある。

・・・

バスタブ内で暗殺されたといわれている、革命者Maratの死。

そして、400Litterの血(舞台用の血は高いので、1日中サンザシ茶を煮詰めて作った)の入ったバケツを両手に持ったChorたち。それを一斉に頭からかぶる。そして、リンク・ステージから降りて静かに前舞台へ進む。

Chorたちは懐から紙を取り出し、Hamburgの成金たちの名前、住所、所有財産を順に読み上げる・・・

観客たちは血を流している(被ったんだけど)庶民を眺めながら、この内容に耳を傾ける訳である。

いやぁ、裕福な人の立腹もわかる。
資金ストップへの道も想像できる。

でもその後がすごいね。
まるで踏まれて元気に育つ麦の様。

演出家は資金がなくなっても作品を絶対創ってやると誓い、本物の低所得者たちと掛け合って仕上げてしまったのだから。
創る方も創る方だけど、それを話題にして有名にしてしまうHamburgの観客たちもすごいのだ。彼らが「観たい」といわなければ、間違いなくお蔵入りになっていたはずのこの企画。

今では地元公演だけでなく、あちこちで引っ張りだこのよう(オーストリアの招聘公演が決まっているらしい)。

ポジティブな部分は、作品が有名になったことだけではない。
演出家も(もちろん)名を売ることができたし、出演者Chorたちも人生を再び輝かすことができたのだから。

そう、
Chorの一人がPubkikumsgesprech(ポストトーク)でいていた言葉がいくつか胸に残っている。
とても熱気があって盛り上がったポストトーク。質問もポンポン飛んで、活気があった。


「自分は普段マテリアル(物質)で満足することはまれでです。
 それは低所得の中で十分にものを買うことは難しいからです。
 でもこの作品を通して、
 私はマテリアルではなく精神的な満足を得ることができました。」(大喝采!!)

ルール地方に来ていながら、全くチェックできずにいました。
チェックしても見に行けないけど・・・
このフェスティバルで、Elfriede Jelinek と René Polleschが受賞をしたようです。

http://www.essen-fuer-das-ruhrgebiet.ruhr2010.de/en/program/passages/ruhr-valley/the-ruhr-trilogy.html

以下、↓René Polleschの作品の様子(美術:Bert Neumann)
http://www.youtube.com/watch?v=Tz6if7dpLtE

http://www.youtube.com/watch?v=H9S2A8Sqtyc

http://www.youtube.com/watch?v=jrm4zIx8Fnw

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