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備後の歴史を歩くコミュの寺院の建築様式

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寺院の建築様式

「和様」「大仏様」「禅宗様」

「和様」といっても純然たる日本で創造された建築様式ではない。飛鳥・天平時代の6世紀頃、インドから中国を経て仏教が日本に伝来したとき、一緒に寺院の建築様式も伝わってきた。平安時代になり遣唐使が廃止されると、日本は外国と交流を持たない鎖国状態となる。この時期に、それまでの中国の建築様式に日本の気候風土に合わせた改良が加わり、日本独自の建築様式として完成した。これを「和様」という。元は中国の様式である。平安時代の後期になると再び大陸との交流が始まり中国で進化した様式が輸入され東大寺の再建に用いられた。それを「大仏様」という。鎌倉時代、ますます大陸との交易が盛んになると、さらに新しい目を見張る建築様式が輸入され、禅宗の寺院がこれを採用し各地に建てられた。これを「禅宗様(唐様)」という。

「和様」

建物は身舎(もや)と向拝(こうはい)に別けられる。身舎に使う柱は円柱が正規とされ、立てらした柱が倒れないように身舎柱の外側から横板を釘で打ち付けて固定する。この横板を「長押(なげし)」という。上段、中段、下段と三段階に別けて打たれることが多く、上段を「内法長押(うちのり)」中段を「腰長押(こし)」下段を「地覆長押(じふく)」という。長押を打って固定された柱の上には「斗」と「肘木」を組み合わせた「組物」を置き軒を支え、柱と柱の間「中備(なかぞなえ)」には「蟇股(かえるまた)」もしくは「間斗束(けんとつか)」を置く。高床を張り、靴を脱いで階段で上がる。縁側を造り床下は土を盛り上げ、漆喰で固めた「亀腹(かめばら)」を造る。

「大仏様」

「和様」で使う長押は打たず、「貫(ぬき)」という柱を横材で貫通させ組み合わせる手法で固定させる。釘は使わず長押よりは遙かに強い。貫の先は外に伸ばし、その飛び出た部分「木鼻」に繰り型(くりがた)といわれる装飾を施す。軒を外に長く出すために「挿肘木(さしひじき)」を柱に何段も挿して組物を造る。1段挿せば一手先、2段挿せば二手先となる。


「禅宗様」

ど派手な様式である。身舎柱は円柱を使い、その両端を丸くすぼめる。これを「粽(ちまき)」という。柱の下部は木製、または石製のソロバンの珠のような形をした「礎盤(そばん)」に乗せる。貫の手法で柱を固定し、その上に「台輪」を乗せ、柱上に組物を置く。「中備」にも柱上と同じ組物を置き「詰組(つめぐみ)」とする。木鼻に繰り型を飾る。屋根材は檜皮(ひわだ)か柿(こけら)葺きを標準とし、まるで鳥が羽を大きく拡げたように軒先を上に反らす。垂木の配列は扇垂木とし、本屋根の下に裳階(もこし)を付け、建物は一重であるが屋根は二重となる。床は張らず土間で、壁は板張りとし彩色はしない。


以上、簡単に特徴を紹介してみた。備後に建てられた社寺を歩き建築様式を見てみると、その時代にどんな様式が流行っていたのかがわかり興味が尽きない。建てられた建造物をこれらの建築様式に合わせて紹介してみたいと思う。


○「和様」

○「大仏様」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=36958928&comm_id=1818324

○「禅宗様」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=40984317&comm_id=1818324

コメント(1)

和様と禅宗様の違い

左と中の写真は国宝「明王院」五重塔の初重
右は国指定重文「厳島神社」五重塔の初重

「明王院」の方三間五重塔は純和様である。高欄付きの廻縁が四方に付き土間ではない(和様)。円柱を内法長押、腰長押、地長押と三段の長押を打って固定する(和様)。柱上に台輪を置いて、先を垂直に落とした尾垂木(和様)を入れた三手先組物で桁と梁を受ける。中備は間斗束(和様)。尾垂木の先は太い(和様)。軒は平行垂木の繁垂木で二軒である(和様)。
創建は室町時代前期貞和4年(1348)



厳島神社の五重塔は禅宗様の強い和様折衷である。塔の規模は方三間。これは決まっている。高欄付きの縁が四方を廻り土間ではない(和様)。粽(禅宗様)を付けた円柱(禅宗様)は、すべて貫(禅宗様)で固定され、一番上の頭貫と、その上に置かれた台輪は木鼻を出して絵様(禅宗様)を施す。柱上の組物は尾垂木を入れた三手先で、中備は間斗束に飾りを施した簑束(和様)。尾垂木の先は細く五角形に削られ、ナナメに切り落とされている(禅宗様)。軒は二軒平行繁垂木(和様)である。

創建は室町時代中期応永14年(1407)。安国寺(現不動院)にあったものを恵瓊が厳島神社に移築したものといわれている。

中備(なかぞなえ)
柱と柱の間の部分

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