”Why the Rich Get Richer”コミュの今日の金持ち、明日の貧乏人

前回の記事で約束したように、
デフレがどうして上流中産階級を
こてんぱんに打ちのめすのかについて
今週は説明しよう。

彼らは持ち家や株式の価値が上昇する
つまりインフレがおきるので
自分は裕福だと思っている人々です。


・何が起こる

今日のインフレに関係する人は
立派な家や高級車を買います。
彼らはドルの購買力は落ちていると信じています。
でも、もし現金が一番強くなればどうすれば良いのでしょう？

緊縮財政はすでに自分が裕福だと考える多くの人に影響を与えています。
私の妻であるキムには成功した建築家の友人がいます。
彼女の夫は大手広告代理店のマネジャーでした。
彼らには高校生を筆頭に３人の子供がいて
諸々１年あたりおよそ３５万ドルの収入を得ていました。

彼らにはお金が流れ込むので
彼ら夫婦は２軒の高級別荘を購入しました。
１つは山、もう１つは浜辺。
彼らは１年の大半をフェニックスのマクマンションで過ごします。

ご主人が一番大きな顧客を失うまでは
物事は全て上手く流れていました。
彼が仕事を失うと３ヶ月も経たないうちに
彼らの貯蓄は尽き果ててしまいました。
彼らは別荘を売り払おうとしましたが
不動産価格は彼らのローン総額を下回っていました。
今日、彼らはローンを支払いながら
不動産価格が上向きになるよう祈っています。
彼らは生活に困って彼らのBMWの１台を処分しました。

２００５年には彼らは掛け値なしに億万長者でしたが
２００７年には破産に直面しているのです。


・矢印を意識する

この夫婦のような人々は
デフレを導くクレジットバブルの崩壊について
十分に配慮していない。
今日、全国規模で貯蓄率は下がり
各家庭ごとの借り入れは膨れあがっています。
我々のほとんどは下に示す方程式を知っています。

現金＋貸付＝経済

２０００年以降はずっと貸付が過剰になった状態にあります。
Y２Kの脅しが現れたとき、合衆国全体の準備金は貸付によって充当されました。
２００２年の９・１１テロ、株式市場の下落の後
市場は内容の空虚な借入で充たされました。
過度の借入と低い金利が経済を不安定に支えていたのです。

変化は素早いものでした。
大統領任期の最初の５年間でブッシュ大統領は
彼以前の４３代の大統領が借りた金額の合計を遙かに上回る
１兆ドル近い負債を作りました。
結果、生じたクレジットバブルは株式市場の壊滅的な崩壊を防ぎ
不動産投資ブームを生み出しました。

問題はこの負債を返さねばならないことです。
１兆円の問題は、政府、企業、消費者が
クレジットバブルをインフレ状態に保てるかにあります。

↑ 　↑ ↑
現金＋借入＝経済（インフレ）

借入が続かなくなったり、負債の返済が滞れば
方程式は次のように変わります。

現金＋借入＝経済（デフレ）
↓　 ↓ 　↓


・ショートスクイーズ

もしクレジットバブルが崩壊すれば
「ショートスクイーズ」のきっかけになりかねません。

「ショートスクイーズ」とはトレーダー用語で
株価が高く、トレーダーが株式の空売りを行う状態を表します。
「株式の空売り」とは証券取引所から株式を借りて、
売り払い、株式価格の下落を待つことです。
値段が落ちたとき、トレーダーは株式を買い戻し
彼が株式を借りた証券取引所に株式を返しにいきます。

例えばXYZという株式が
１株１００ドルで売りに出されているとしましょう。
トレーダーは証券取引所から１０株を借り、
それを１００円で売ります。
株式が６０ドルまで下落すると
今度は１０株を６００ドルでトレーダーは買い取り
１０株を証券取引所に返します。
さて証券取引所に利息と手数料を支払う前の
総利益は４００ドルです。

「ショートスクイーズ」は市場が
その他の説明したのとは別の状態にある時に起こります。
この例で言うと、XYZ株が１株６０ドルまで下落する代わりに
XYZ株が１００ドルから１５０ドルに急騰すると
トレーダーが借りた１０株を返すように
証券取引所は委託証拠金の支払い命令を発します。

突然、XYZ株を返すために空売りをしていたトレーダーが
株式を買わねばならなくなると、
一瞬にして株価は１５０ドル、１６０ドル、１７０ドルと急騰します。
これが株式における「ショートスクイーズ」です。
株価の下落を想定していたトレーダーは
株価を急騰させる位置に押し込まれるのです。


・経済の緊縮

突然、債権者が債務者に借入の現金支払いを強いれば
ショートスクイーズは起こります。

先に述べた夫婦は専門的に言えば
ショートスクイーズに陥ったのです。
彼らは現金に困り、借金地獄にはまったのですから。
彼らは大きな損失を出して絶望的な状況で
高級車を売り払わねばならなかったのです。
時が経ち彼らの貯蓄が底をつきはじめると
彼らは莫大な損失を出して
嫌でも別荘を手放すことになるのです。

もしクレジットバブルが崩壊すれば
このケースのように
裕福に見える何百万もの夫婦が
貧乏のどん底に転落することでしょう。
ドルの貸し出し比率が高いこと
またドルの価値を高くすることも同様に
必然的にデフレの要因になるのです。

私はアメリカ経済がショートスクイーズに陥ることを望みません。
クレジットバブルも崩壊して欲しくない。
デフレは良くない。
インフレの方がデフレよりも手が打ちやすい。


・賢く投資せよ

私のデフレへの懸念は下の方程式で示されます。

現金＋借入＝経済（リセッション、景気後退）
↓　 ↓ 　↓

クレジットバブルが崩壊すれば、
信用貸しが姿を消すだけでなく
人々は消費をやめ、お金を死蔵し始めるでしょう。
そして預金額は増えるのです。
お金は経済の燃料です。
信用貸しが姿を消し、お金が隠され、
経済が景気後退を示し、さらには不況にも陥りかねないのです。
この時には物価は下落し、ピクリとも上がらず
現金が一番の価値を持つのです。

私は本当にデフレを望みません。
今日の市場に明確な方向性はありません。
２００７年の良い投資は高金利の負債を返済し、
ちょっとした余剰資金を準備してバーゲンを待つことです。
現金でのショートスクイーズが起きても
それは長くは続かないと私は読んでいます。
連邦政府がこのシステムに資金を投入すれば
ドルは下落し続けることでしょう。

結論として、今日の一番の投資はお金ではなく時間でしょう。
つまり、あなたの時間を学習し、本を読み、
セミナーに行くことに投資することです。
私は資産運用のセミナーへの参加を勧めます。
今は高く感じても将来は安かったと分かるはずです。
例えば、もし不動産を獲得したければ
不動産価格が高いうちに勉強するのです。


そしてもしも市場が暴落した時に
買うための準備をしておくのです。