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Essay [Cocktail Short Story]コミュのギムレット

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ドライ・ジン45ml/ライム・ジュース15ml

"I suppose it's a bit too early for a gimlet", he said.
「ギムレットにはまだ早すぎるね。」と彼は言った。

〜ギムレットにはまだ早い。〜
このカクテルを好んで飲み者なら、誰もが知っている台詞。
レイモンド・チャンドラー著「長いお別れ」に出てくる一節だ。

私立探偵フィリップ・マーロウの台詞と思っている方もいるようだが、
実際にはこの作品のもう一方の主役レノックスがマーロウに向けて
語った言葉。
興味を持った方は是非読んで頂きたい。
ハードボイルドの名著である。

「ギムレット」と言う名の由来には諸説がある。

1890年頃、英国海軍軍医ギムレット卿が、艦内で配給されていたジンの
飲み過ぎに憂慮し、ライムジュースを混ぜて飲むことを提唱したと言う
説が一般的なのだが、

「ギムレット」は木工用の錐を指す言葉から、鋭く突き刺す様な味の
イメージを受けて、その名が着いたと言う説もある。

私は後者の説の方が好きだ。

そもそもジンにライム・ジュースを加えただけの単純なカクテルだ。
名前の由来も、単純で潔い方が小気味がいい。

最初はドライ・ジンの突き刺す様な刺激に始まり、
次にライムジュースのほのかな甘みが広がり、
最後には爽快感が残る。

とにかく格好の良いカクテルなのだ。

城山三郎の小説に「祖にして野だか卑ではない 石田禮助の生涯」と言う作品がある。
題名にもなったこの言葉は、第5代国鉄総裁になった石田禮助が自らを語ったものだ。

「粗暴にして野蛮だが卑しくは無い。」
男が弱くなったと言われる時代に、この言葉は失われてしまった何かを
示唆しているようだ。

誰に媚びる訳でもなく、
自慢をせず、威張らず、欺かず、
気性は激しいが品の良い。

「ギムレット」と言う名のカクテルには、
そんなイメージがある。




コメント(3)

長らく更新していませんでしたが、新年の初めての
エッセイが出来ましたので、良ければお読み下さい。

ミズシー
よーこ* さん>
コメント有難うございます。
吉祥寺には素敵な大人のBARがありますので、
是非ご一緒しましょう。
これからも感想を聞かせて下さい。

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