![縄文族ネットワーク [太陽の道]](https://logo-imagecluster.img.mixi.jp/photo/comm/10/98/1581098_84s.gif){kind=logo}
第1章 『尾張戸から恵那（えな）の某山へ』
『契（ちぎ）りたる 日月（ひつき）の国の 新たなる
命威光（いのちいひかり） 映へ顕れり（はえあれり）』
『紫金（しきん）なる 貴（たっと）き色もて 耀（かがや）ける
胞衣（えな)に 抱かれり 命威光（いのちいひかり）』
『龍身（りゅうしん）の 背（せな）に御現（みあ）れし たまゆらの
命威光（いのちいひかり） 八方（やも）に拡（ひろ）くる』
「新たな生命の光・生命力は紫金色に輝く光の胞衣に抱かれて
（光り輝く生命容器に入って）現れ、世界に広がる」という意味だ。
紫金の尊き色に耀く胞衣とは「高位の生命を入れる幽器」を指す。
去年のこと。年の暮れを前に、私たち太礼社中は元熱田と呼ばれる
名古屋の東谷山にある尾張戸神社の広前において神楽祭礼を執り行なった。
当神社の月次祭礼を執り行なっておられる方々や尾張戸神社の御総代、
イナリコードの講演に毎回参加されている熱心な御方たちのご協力を得て、
お蔭様でつつがなく終えることができた。
神女の役を務めた神楽伎それぞれの舞も美しかったと、
参列された方々からのお褒めの言葉を頂き、心から嬉しく思った。
また、この度の白龍の動きは特別だったような感覚がした。
思うに、これまでにない慶び事であったのではないか・・。
そうであったなら有り難いことである。
※白龍というのは大自然の変動期に現れる和合のエネルギーだ。
その実体は純粋な知性を持つ螺旋流動体とでも言おうか・・。
生命（いのち）を真澄みの状態にして光の次元に誘う働きを担う。
祭礼後に講演した今回の＜イナリコード講演＞のテーマが、
宇宙神聖が天地初発の波動として現れた螺旋流動力である龍が、
万命の根源の力を握っており、生死を司っていると言う話と、
「日本に伝わる死と再生の儀礼（生命の復活神事）には、
螺旋流動力としての龍の働きが不可欠である」と言った話。
そして、「人類の世界が高い意識のステージに移行するために、
今の日本人と日本列島を始め、地球上すべての人類の精神に、
龍の知性の目覚めとその螺旋流動力が必要となる」という話。
さらに、「その龍と言われる螺旋流動エネルギーが住まう、
万物の生命の根源に通じている龍宮への出入口の解説」など、
生命の起源を奥秘した＜稲荷と龍宮の秘符＞に照らしながら、
人類の心は、そして未来はどうあるべきかを説いたものだった。
ま、これからは、良きにつけ悪しきにつけ具体的に、
人類の目の前に龍のエネルギーというものが現れて来る。
さて、私たち一行は講演を終えると一息つく間もなく、
白山中居神社・神事を翌日に控え、それに向けての準備を始めた。
ところが、白山中居では雪が降り始め、
車道が凍結し出したのでやむなく断念することになった。
磐境前の神事に向けての参道（産道）は閉ざされたのだ。
今回の目的は「白山入り」である。
白山入りの白山とは、「霊界と現界の間の領域」のことで、
白山入りとは、「聖領域に入って穢れを浄化する」ことを言う。
しかし今回の「白山入り」の目的はそうではなく、
白龍のサムハラ（浄化の螺旋流動）によって天空の扉が開かれ、
そのことで天地を貫く光の真柱が立ち、
さらに、黒龍が身を隠す地底洞穴の扉が開かれることで、
九頭龍のお出ましがあり、これを機に本来の働きに戻る。
そこで再び、宇宙神聖との誓契（ウケヒ）が結ばれ、
それを合図に、天上の太陽神霊界から紫金龍が、
次元変容のための「琥珀の天球」を伴って降下してくる。
それによって、日本を始め、世界の時空が変容して行く。
そのような御顕れ（ミアレ）の型を示す神事だった。
※紫金龍とは宇宙神聖（神道のクニトコタチに相当する）が、
現象界で活動するために光の螺旋流動力に顕現した姿。
その神事が叶わぬとなれば・・ハテ？どうしたものか。
そう思案していると、天は粋な計らいをするものだ。
思いもしない嘉儀（吉祥事）に出会うこととなった。
尾張戸の月祭礼を主催しておられるＹ氏から奇しくも、
恵那（えな）の話をお聞きして、立ち寄ることとなった。
私たちはその名を耳にして、すぐさま胞衣（えな）を連想した。
白山に代って用意されたのは岐阜県恵那にある某山だった。
そして恵那峡とその某山には「イナリコード講演」で説明した
＜龍と再生＞に関するすべての形象物が揃っていた。
その某山の某所を目にして、それぞれ感嘆の声を挙げた・・。
恵那（エナ）はわが国の古語の胞衣(エナ）に通じる。
胞衣（エナ）は日本に伝わる古く美しい言葉の一つである。
その意味は、子宮の胎盤（羊水膜）、胎児の宿る子袋のことだ。
私たち人類の生命が新たに蘇るためには、
まず母の子宮に戻ることから始めよと言うことなのだろう。
※蛇のことを古語でハハとも言うことから、母と子宮の関係、
龍蛇と龍蛇の胞衣（エナ）にあたる龍宮の関係に相当する。
天は私たちにその意味を示し、その玄理通りに導いたのか？
確かにそこは山中の龍宮と言えるような神秘的な場所だった。
否、そうではない。その日に限って時空が変化したのだ。
深い霧が立ち込め、その山腹は一層神秘性を醸し出していた。
龍宮を想像させる状況としてはまさに完璧であった。
山の頂から山腹を見下ろした私は、思わず言霊を発した。
続いて口による和笛を奏でた。そのときだった。
私の心の中に、かつて稲荷山の白翁老から告げられた
「不二(フジ）の香久山・・」
という言葉がよぎった・・。
楽阿弥
――――― 続く―――――
『契（ちぎ）りたる 日月（ひつき）の国の 新たなる
命威光（いのちいひかり） 映へ顕れり（はえあれり）』
『紫金（しきん）なる 貴（たっと）き色もて 耀（かがや）ける
胞衣（えな)に 抱かれり 命威光（いのちいひかり）』
『龍身（りゅうしん）の 背（せな）に御現（みあ）れし たまゆらの
命威光（いのちいひかり） 八方（やも）に拡（ひろ）くる』
「新たな生命の光・生命力は紫金色に輝く光の胞衣に抱かれて
（光り輝く生命容器に入って）現れ、世界に広がる」という意味だ。
紫金の尊き色に耀く胞衣とは「高位の生命を入れる幽器」を指す。
去年のこと。年の暮れを前に、私たち太礼社中は元熱田と呼ばれる
名古屋の東谷山にある尾張戸神社の広前において神楽祭礼を執り行なった。
当神社の月次祭礼を執り行なっておられる方々や尾張戸神社の御総代、
イナリコードの講演に毎回参加されている熱心な御方たちのご協力を得て、
お蔭様でつつがなく終えることができた。
神女の役を務めた神楽伎それぞれの舞も美しかったと、
参列された方々からのお褒めの言葉を頂き、心から嬉しく思った。
また、この度の白龍の動きは特別だったような感覚がした。
思うに、これまでにない慶び事であったのではないか・・。
そうであったなら有り難いことである。
※白龍というのは大自然の変動期に現れる和合のエネルギーだ。
その実体は純粋な知性を持つ螺旋流動体とでも言おうか・・。
生命（いのち）を真澄みの状態にして光の次元に誘う働きを担う。
祭礼後に講演した今回の＜イナリコード講演＞のテーマが、
宇宙神聖が天地初発の波動として現れた螺旋流動力である龍が、
万命の根源の力を握っており、生死を司っていると言う話と、
「日本に伝わる死と再生の儀礼（生命の復活神事）には、
螺旋流動力としての龍の働きが不可欠である」と言った話。
そして、「人類の世界が高い意識のステージに移行するために、
今の日本人と日本列島を始め、地球上すべての人類の精神に、
龍の知性の目覚めとその螺旋流動力が必要となる」という話。
さらに、「その龍と言われる螺旋流動エネルギーが住まう、
万物の生命の根源に通じている龍宮への出入口の解説」など、
生命の起源を奥秘した＜稲荷と龍宮の秘符＞に照らしながら、
人類の心は、そして未来はどうあるべきかを説いたものだった。
ま、これからは、良きにつけ悪しきにつけ具体的に、
人類の目の前に龍のエネルギーというものが現れて来る。
さて、私たち一行は講演を終えると一息つく間もなく、
白山中居神社・神事を翌日に控え、それに向けての準備を始めた。
ところが、白山中居では雪が降り始め、
車道が凍結し出したのでやむなく断念することになった。
磐境前の神事に向けての参道（産道）は閉ざされたのだ。
今回の目的は「白山入り」である。
白山入りの白山とは、「霊界と現界の間の領域」のことで、
白山入りとは、「聖領域に入って穢れを浄化する」ことを言う。
しかし今回の「白山入り」の目的はそうではなく、
白龍のサムハラ（浄化の螺旋流動）によって天空の扉が開かれ、
そのことで天地を貫く光の真柱が立ち、
さらに、黒龍が身を隠す地底洞穴の扉が開かれることで、
九頭龍のお出ましがあり、これを機に本来の働きに戻る。
そこで再び、宇宙神聖との誓契（ウケヒ）が結ばれ、
それを合図に、天上の太陽神霊界から紫金龍が、
次元変容のための「琥珀の天球」を伴って降下してくる。
それによって、日本を始め、世界の時空が変容して行く。
そのような御顕れ（ミアレ）の型を示す神事だった。
※紫金龍とは宇宙神聖（神道のクニトコタチに相当する）が、
現象界で活動するために光の螺旋流動力に顕現した姿。
その神事が叶わぬとなれば・・ハテ？どうしたものか。
そう思案していると、天は粋な計らいをするものだ。
思いもしない嘉儀（吉祥事）に出会うこととなった。
尾張戸の月祭礼を主催しておられるＹ氏から奇しくも、
恵那（えな）の話をお聞きして、立ち寄ることとなった。
私たちはその名を耳にして、すぐさま胞衣（えな）を連想した。
白山に代って用意されたのは岐阜県恵那にある某山だった。
そして恵那峡とその某山には「イナリコード講演」で説明した
＜龍と再生＞に関するすべての形象物が揃っていた。
その某山の某所を目にして、それぞれ感嘆の声を挙げた・・。
恵那（エナ）はわが国の古語の胞衣(エナ）に通じる。
胞衣（エナ）は日本に伝わる古く美しい言葉の一つである。
その意味は、子宮の胎盤（羊水膜）、胎児の宿る子袋のことだ。
私たち人類の生命が新たに蘇るためには、
まず母の子宮に戻ることから始めよと言うことなのだろう。
※蛇のことを古語でハハとも言うことから、母と子宮の関係、
龍蛇と龍蛇の胞衣（エナ）にあたる龍宮の関係に相当する。
天は私たちにその意味を示し、その玄理通りに導いたのか？
確かにそこは山中の龍宮と言えるような神秘的な場所だった。
否、そうではない。その日に限って時空が変化したのだ。
深い霧が立ち込め、その山腹は一層神秘性を醸し出していた。
龍宮を想像させる状況としてはまさに完璧であった。
山の頂から山腹を見下ろした私は、思わず言霊を発した。
続いて口による和笛を奏でた。そのときだった。
私の心の中に、かつて稲荷山の白翁老から告げられた
「不二(フジ）の香久山・・」
という言葉がよぎった・・。
楽阿弥
――――― 続く―――――
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コメント(10)
第2章 『恵那（えな）から丹後の秘境を望む』
恵那の某山の頂から中腹に向けて降りて行くと、
丹後の凡海嶋の海中のような景色が目の前に広がった。
古来より丹後の凡海嶋の海底には龍宮があるとされてきた。
丹後の元伊勢・籠神社を古くは籠宮（このみや）と呼んだ。
籠の竹（竹冠）を取ればまさに龍宮。何をか言わんやだ・・。
凡海嶋を海の龍宮とし、こちらを陸（おか）の龍宮と言う。
さらに丹後は竹取物語（香具夜姫伝説）が発祥した地だ。
竹取りの翁が竹の中に香具夜姫を発見した話から始まる。
竹を取り払えば果たして真名井の龍が出るか！
この話も何と意味深な・・。
籠神社の裏山の真名井神社は龍宮の入り口の一つである。
真名井神社も古くは匏宮（ひさごのみや）と呼ばれていたが、
匏（ひさご＝瓢箪）にも不老不死との繋がりがある。
瓢箪の中には不老不死の仙境があると信じられていた。
古代中国の神仙の世界ではそう考えられていたのだ。
因みに、凡海嶋(おほしあま)には天武天皇との因縁がある。
大海人皇子（おおあまのおうじ＝天武天皇）の名前だが、
「おおしあまのみこ」とも呼ばれる。凡海嶋(おほしあま)だ。
また方士であった徐福は、東海に仙人の住む不老長寿の島、
「蓬莱・方丈・瀛州」の三神山があると秦の始皇帝に聞かせ、
その勅命を受けてわが国に渡来したと言う記録があるが、
天武天皇の国風の諡（おくりな）にその三神山の一つ、
瀛州の「瀛」の一文字が挿入されているのは不可思議である。
「天渟中原瀛真人天皇」、「あまのぬなはら＜おき＞の
＜まひと＞のすめらみこと」と読む。
真人＜まひと＞とは、道教の神仙術を修めた最高位の称号だ。
また、天武天皇は道教に通じていたとの記録もあることから、
彼もまた不老長寿の世界を求めていたのだろうか・・？
それにしても、天武天皇という人物は何者だったのか・・？
この話は、後の「イナリコードin明日香」と連動する。
籠神社から東海岸を北に伊根に向って行くと浦島神社に出る。
正式には浦神社と言う。古い地図にはそう記されている。
その近くには、浦嶋太郎が玉手箱を開けたとされる浜がある。
また、玉手箱を開けたその浜から立ち昇った煙が雲となり、
やがてその雲が山に止まり、館が建てられたと言う話もある。
その山は白雲山（しらくもやま）、伊去奈子山とも記される。
現在の磯砂山（いさなごやま）にあたる。
丹後一帯の古墳の門口が一様に磯砂山を向いているほど、
古代、伊去奈子山（磯砂山）は聖なる山とされていた。
その山一帯は戦前から皇宮保安調査の極秘対象の領域で、
終戦まで、軍が厳しく管理統制した禁足地だった。
その聖山は伊勢の外宮に奉られる豊受大神の原郷であり、
山腹には羽衣天女が沐浴したと言う不老の真清水の池がある。
現在そこは御池と呼ばれるが、その正体は天真名井である。
実はこの池は阿波龍宮への重要な入り口となっている。
浦嶋神社からさらに北に行くと伊根の新井崎港に至る・・。
今から四年ほど前になるが、祭名を「龍翁の祝祭」として、
そこの新井崎神社（別称・徐福神社）で神楽神事を行なった。
凡海嶋(おほしあまのしま)の龍宮を望み、龍神を言祝ぎ招く、
龍翁の神事である。
凡海嶋のことを冠島・沓島と今では呼んでいるが、
その嶋と伊去奈子山（磯砂山）は太古より深い因縁があり、
その二つは対とされた神聖なる領域であった。
――――― 続く―――――
恵那の某山の頂から中腹に向けて降りて行くと、
丹後の凡海嶋の海中のような景色が目の前に広がった。
古来より丹後の凡海嶋の海底には龍宮があるとされてきた。
丹後の元伊勢・籠神社を古くは籠宮（このみや）と呼んだ。
籠の竹（竹冠）を取ればまさに龍宮。何をか言わんやだ・・。
凡海嶋を海の龍宮とし、こちらを陸（おか）の龍宮と言う。
さらに丹後は竹取物語（香具夜姫伝説）が発祥した地だ。
竹取りの翁が竹の中に香具夜姫を発見した話から始まる。
竹を取り払えば果たして真名井の龍が出るか！
この話も何と意味深な・・。
籠神社の裏山の真名井神社は龍宮の入り口の一つである。
真名井神社も古くは匏宮（ひさごのみや）と呼ばれていたが、
匏（ひさご＝瓢箪）にも不老不死との繋がりがある。
瓢箪の中には不老不死の仙境があると信じられていた。
古代中国の神仙の世界ではそう考えられていたのだ。
因みに、凡海嶋(おほしあま)には天武天皇との因縁がある。
大海人皇子（おおあまのおうじ＝天武天皇）の名前だが、
「おおしあまのみこ」とも呼ばれる。凡海嶋(おほしあま)だ。
また方士であった徐福は、東海に仙人の住む不老長寿の島、
「蓬莱・方丈・瀛州」の三神山があると秦の始皇帝に聞かせ、
その勅命を受けてわが国に渡来したと言う記録があるが、
天武天皇の国風の諡（おくりな）にその三神山の一つ、
瀛州の「瀛」の一文字が挿入されているのは不可思議である。
「天渟中原瀛真人天皇」、「あまのぬなはら＜おき＞の
＜まひと＞のすめらみこと」と読む。
真人＜まひと＞とは、道教の神仙術を修めた最高位の称号だ。
また、天武天皇は道教に通じていたとの記録もあることから、
彼もまた不老長寿の世界を求めていたのだろうか・・？
それにしても、天武天皇という人物は何者だったのか・・？
この話は、後の「イナリコードin明日香」と連動する。
籠神社から東海岸を北に伊根に向って行くと浦島神社に出る。
正式には浦神社と言う。古い地図にはそう記されている。
その近くには、浦嶋太郎が玉手箱を開けたとされる浜がある。
また、玉手箱を開けたその浜から立ち昇った煙が雲となり、
やがてその雲が山に止まり、館が建てられたと言う話もある。
その山は白雲山（しらくもやま）、伊去奈子山とも記される。
現在の磯砂山（いさなごやま）にあたる。
丹後一帯の古墳の門口が一様に磯砂山を向いているほど、
古代、伊去奈子山（磯砂山）は聖なる山とされていた。
その山一帯は戦前から皇宮保安調査の極秘対象の領域で、
終戦まで、軍が厳しく管理統制した禁足地だった。
その聖山は伊勢の外宮に奉られる豊受大神の原郷であり、
山腹には羽衣天女が沐浴したと言う不老の真清水の池がある。
現在そこは御池と呼ばれるが、その正体は天真名井である。
実はこの池は阿波龍宮への重要な入り口となっている。
浦嶋神社からさらに北に行くと伊根の新井崎港に至る・・。
今から四年ほど前になるが、祭名を「龍翁の祝祭」として、
そこの新井崎神社（別称・徐福神社）で神楽神事を行なった。
凡海嶋(おほしあまのしま)の龍宮を望み、龍神を言祝ぎ招く、
龍翁の神事である。
凡海嶋のことを冠島・沓島と今では呼んでいるが、
その嶋と伊去奈子山（磯砂山）は太古より深い因縁があり、
その二つは対とされた神聖なる領域であった。
――――― 続く―――――
第3章 『丹後の回想から富士を望む』
日本は「おとぎ話」で始まる夢見と言霊の国だった。
その話の多くに神仙に関る「不老長寿譚」が混入している。
わが国は古より「不死の夢の原理」で今に繋がっている。
不死鳥「火の鳥」は、丹後・近江・阿波・熊野・伊勢の地を巡り、
大和を安息の地と見定めた後で、駿河に飛び、富士山を訪ね、
再び大和の地にやって来た。日本の夢はここから始まったのだ。
聖徳太子は斑鳩（いかるが）の「夢殿（ゆめどの）」で、
天武天皇は飛鳥（あすか）の「浄御原宮（きよみはらのみや）」で、
火の鳥の告げる日本の未来を夢見た・・。
今の日本人って、夢見る術（すべ）を忘れたのだろうか？
すべての創造は夢見から始まると言うのに・・。
太古の話。秦の始皇帝は自らの寿命を憂い、不死を願い、
神仙術に高達した方士・徐福（ジョフク）を呼び寄せた。
そこで徐福は、その仙薬が東海の神山にあると伝えたので、
徐福は東海の三神山を求めて日本に渡来することになり、
九州の佐賀の地から丹後の伊根、熊野の新宮を巡り、
最後に辿り着いたところが富士の山麓だったと言う・・。
因みに、新宮の上陸地は阿須賀（アスカ）である。
そして、阿須賀（アスカ）神社の境内には徐福の宮がある。
大和の明日香と熊野の阿須賀は何か関係があるのだろうか？
実は関係ありありなのだが、ここでは長くなるので、
この続きは「イナリコードin明日香」で・・。
日本は「おとぎ話」で始まる夢見と言霊の国だった。
その話の多くに神仙に関る「不老長寿譚」が混入している。
わが国は古より「不死の夢の原理」で今に繋がっている。
不死鳥「火の鳥」は、丹後・近江・阿波・熊野・伊勢の地を巡り、
大和を安息の地と見定めた後で、駿河に飛び、富士山を訪ね、
再び大和の地にやって来た。日本の夢はここから始まったのだ。
聖徳太子は斑鳩（いかるが）の「夢殿（ゆめどの）」で、
天武天皇は飛鳥（あすか）の「浄御原宮（きよみはらのみや）」で、
火の鳥の告げる日本の未来を夢見た・・。
今の日本人って、夢見る術（すべ）を忘れたのだろうか？
すべての創造は夢見から始まると言うのに・・。
太古の話。秦の始皇帝は自らの寿命を憂い、不死を願い、
神仙術に高達した方士・徐福（ジョフク）を呼び寄せた。
そこで徐福は、その仙薬が東海の神山にあると伝えたので、
徐福は東海の三神山を求めて日本に渡来することになり、
九州の佐賀の地から丹後の伊根、熊野の新宮を巡り、
最後に辿り着いたところが富士の山麓だったと言う・・。
因みに、新宮の上陸地は阿須賀（アスカ）である。
そして、阿須賀（アスカ）神社の境内には徐福の宮がある。
大和の明日香と熊野の阿須賀は何か関係があるのだろうか？
実は関係ありありなのだが、ここでは長くなるので、
この続きは「イナリコードin明日香」で・・。
第3章 続き
話は変わって、第２章でも話したことだが、
今から四年ほど前、祭礼の名を「龍翁の祝祭」として、
龍宮を言祝ぎ、龍神を招く白翁の神楽神事を行なったのは、
丹後東部の伊根町にある新井崎神社、別称・徐福神社だった。
徐福神社と呼ばれる訳は、徐福一団がわが国に渡来したとき、
丹後の伊根が上陸地の一つと記されてあることからだ。
私はかつてその石碑建立の祭礼に立ち会った。
ところで、「不死の山」は一方で「富士の山」を指すものだ。
そこは神仙の住む蓬莱山、不老不死の仙境と見なされた。
丹後の地でその情報を得た徐福は最終的に富士に向かった・・。
不死と言えば藤。藤と言えば籠神社（＋真名井神社）である。
藤と天真名井とは一対であり、豊宇気比売を象徴する花。
一方、籠神社は「藤祭り」で有名な海部氏の奉じる古社だ。
京都の上賀茂・下鴨神社で行う「葵祭り」の元とされている。
昔から「藤棚（ふじだな）には蛇がいる」と伝えられるが、
古く、藤（おそらくは藤の蔓）は蛇神の依り代とされていて、
また、蛇は脱皮することから「死と再生の象徴」ともされる。
死と再生の象徴、それはそのまま「不死（フシ）」に繋がる。
しかしこの藤には、飛鳥の藤原京や藤原氏が関係するのか？
その時代、藤の名の裏で動いていたのは実は秦氏だった・・。
そして、真名井龍神の正体は月の女神・豊宇気比売だ。
月もまた香具夜姫にあるように「不死（フシ）」に繋がるのだ。
豊宇気比売（トヨウケヒメ）は稲荷の女神である。
伊奈利（イナリ）の宇迦之御魂（ウカノミタマ）の神がそれだ。
某古文書に記されたような男神では決してない。
豊宇気比売には多くの名がある。稲荷に関する神で絞ってみると、
保食（ウケモチ）の神であり、大食都比売（オオゲツヒメ）である。
イナリとは命（イノチ）が生り（ナリ）成る（ナル）を言う。
これがイナリの本来の意味で、稲生りから生まれた言葉ではない。
稲（イネ）生り（ナリ）の言葉への付会はずっと後のこと。
因みに、伊奈利の文字には秘密がある。
秘教学に照らすと結社が隠した暗号（コード）が浮かび上がる。
それは「キリストの再臨＝空中携挙」の預言と一致してしまう。
この話も、続きは「イナリコードin明日香」で・・。
この暗示の意味が事実なのかどうか・・まだ定かではない。
しかし、それを示す内容が＜山城風土記＞に残されている。
「秦忌寸の祖とされる秦伊呂具（はたのいろぐ）がある日、
餅を的に矢を射たところ、その餅が白鳥に化けて飛び去り、
留まった山（今の稲荷山）の峰に稲が生るという奇瑞が生じた。
これが伊奈利（イナリ）の地名の始まり」とあるのがそれだ。
餅は丸餅で「完全円満な魂」を意味し、矢は「白羽」である。
「白羽の矢を当てる」と言う意味は「選抜の吉事」を表し、
これは何を意味するのかと言うと、＜霊的進化の暗喩＞である。
「完全円満なる魂は自由の羽を得て山の頂きに留まる」。
そのときだ。天空に新たな次元の扉が開くのは・・。
話は変わって、第２章でも話したことだが、
今から四年ほど前、祭礼の名を「龍翁の祝祭」として、
龍宮を言祝ぎ、龍神を招く白翁の神楽神事を行なったのは、
丹後東部の伊根町にある新井崎神社、別称・徐福神社だった。
徐福神社と呼ばれる訳は、徐福一団がわが国に渡来したとき、
丹後の伊根が上陸地の一つと記されてあることからだ。
私はかつてその石碑建立の祭礼に立ち会った。
ところで、「不死の山」は一方で「富士の山」を指すものだ。
そこは神仙の住む蓬莱山、不老不死の仙境と見なされた。
丹後の地でその情報を得た徐福は最終的に富士に向かった・・。
不死と言えば藤。藤と言えば籠神社（＋真名井神社）である。
藤と天真名井とは一対であり、豊宇気比売を象徴する花。
一方、籠神社は「藤祭り」で有名な海部氏の奉じる古社だ。
京都の上賀茂・下鴨神社で行う「葵祭り」の元とされている。
昔から「藤棚（ふじだな）には蛇がいる」と伝えられるが、
古く、藤（おそらくは藤の蔓）は蛇神の依り代とされていて、
また、蛇は脱皮することから「死と再生の象徴」ともされる。
死と再生の象徴、それはそのまま「不死（フシ）」に繋がる。
しかしこの藤には、飛鳥の藤原京や藤原氏が関係するのか？
その時代、藤の名の裏で動いていたのは実は秦氏だった・・。
そして、真名井龍神の正体は月の女神・豊宇気比売だ。
月もまた香具夜姫にあるように「不死（フシ）」に繋がるのだ。
豊宇気比売（トヨウケヒメ）は稲荷の女神である。
伊奈利（イナリ）の宇迦之御魂（ウカノミタマ）の神がそれだ。
某古文書に記されたような男神では決してない。
豊宇気比売には多くの名がある。稲荷に関する神で絞ってみると、
保食（ウケモチ）の神であり、大食都比売（オオゲツヒメ）である。
イナリとは命（イノチ）が生り（ナリ）成る（ナル）を言う。
これがイナリの本来の意味で、稲生りから生まれた言葉ではない。
稲（イネ）生り（ナリ）の言葉への付会はずっと後のこと。
因みに、伊奈利の文字には秘密がある。
秘教学に照らすと結社が隠した暗号（コード）が浮かび上がる。
それは「キリストの再臨＝空中携挙」の預言と一致してしまう。
この話も、続きは「イナリコードin明日香」で・・。
この暗示の意味が事実なのかどうか・・まだ定かではない。
しかし、それを示す内容が＜山城風土記＞に残されている。
「秦忌寸の祖とされる秦伊呂具（はたのいろぐ）がある日、
餅を的に矢を射たところ、その餅が白鳥に化けて飛び去り、
留まった山（今の稲荷山）の峰に稲が生るという奇瑞が生じた。
これが伊奈利（イナリ）の地名の始まり」とあるのがそれだ。
餅は丸餅で「完全円満な魂」を意味し、矢は「白羽」である。
「白羽の矢を当てる」と言う意味は「選抜の吉事」を表し、
これは何を意味するのかと言うと、＜霊的進化の暗喩＞である。
「完全円満なる魂は自由の羽を得て山の頂きに留まる」。
そのときだ。天空に新たな次元の扉が開くのは・・。
第3章 続き
しかしその啓示が去年、信州上田の東太郎山上空に示された。
東京の神田で開催したイナリコードの講演中に予告した通り、
その啓示現象を東京と上田で、まるでリゾナンスしたように、
光風靉輪（こうふううりん）の家氏さんがカメラに収められた。
その凄い画像は「イナリコードin明日香」で公開する予定でいる。
もしその暗示が事実なら、それはいつどこでなされるのか？
おそらく特定の形状の場ではあるが、それだけではなされない。
移行準備のできた魂、指定された期日と時間が必要だろう・・。
ところで「不死の山」は、一方では「富士の山」を指し、
そこは神仙の住む蓬莱山、不老不死の仙境と見なされた。
丹後の地でその情報を得た徐福は最終的に富士に向かった・・。
富士山に登拝する意味は「死と再生の儀礼」を行うためである。
そして、頂上での日拝（太陽礼拝）は天の岩戸開きの擬似体験。
そこは事実、蘇り（再生）のための「白山入り」であった。
私はある日、紫金に輝く透き通った球体が空から降りて来て、
それが錐形の山の上に留まり、しばらくすると湖の水面に降りて、
続いて湖の中に沈み、湖底の洞穴に深く入って行く夢を見た。
おそらくその洞穴は龍宮へと続いているに違いない・・。
因みに、富士山の懐には龍宮へと通じる洞穴があると言う。
では、その洞穴を新たな生命誕生の胞衣（エナ）と見立てて、
しばし籠り、しばし祈り、どこかで龍舞を舞うとしよう。
龍舞は螺旋流動の力を誘い、新たなる日の出（天球）を誘う。
どこで？・・富士を望む湖畔で・・そう遠くない日に・・。
楽阿弥
――――― 続く―――――
しかしその啓示が去年、信州上田の東太郎山上空に示された。
東京の神田で開催したイナリコードの講演中に予告した通り、
その啓示現象を東京と上田で、まるでリゾナンスしたように、
光風靉輪（こうふううりん）の家氏さんがカメラに収められた。
その凄い画像は「イナリコードin明日香」で公開する予定でいる。
もしその暗示が事実なら、それはいつどこでなされるのか？
おそらく特定の形状の場ではあるが、それだけではなされない。
移行準備のできた魂、指定された期日と時間が必要だろう・・。
ところで「不死の山」は、一方では「富士の山」を指し、
そこは神仙の住む蓬莱山、不老不死の仙境と見なされた。
丹後の地でその情報を得た徐福は最終的に富士に向かった・・。
富士山に登拝する意味は「死と再生の儀礼」を行うためである。
そして、頂上での日拝（太陽礼拝）は天の岩戸開きの擬似体験。
そこは事実、蘇り（再生）のための「白山入り」であった。
私はある日、紫金に輝く透き通った球体が空から降りて来て、
それが錐形の山の上に留まり、しばらくすると湖の水面に降りて、
続いて湖の中に沈み、湖底の洞穴に深く入って行く夢を見た。
おそらくその洞穴は龍宮へと続いているに違いない・・。
因みに、富士山の懐には龍宮へと通じる洞穴があると言う。
では、その洞穴を新たな生命誕生の胞衣（エナ）と見立てて、
しばし籠り、しばし祈り、どこかで龍舞を舞うとしよう。
龍舞は螺旋流動の力を誘い、新たなる日の出（天球）を誘う。
どこで？・・富士を望む湖畔で・・そう遠くない日に・・。
楽阿弥
――――― 続く―――――
第4章 『富士と鳴門を結ぶ天香具山』
私は十数年前、天香具山（明日香）でその天女と縁を結び、
そのとき、私に降りた言霊の最後の部分に、
「月の国の御子の元へ・・・阿波がとどめぞ！」
と、その一言が私の記憶に強く残った・・。
その十数年の後に、磯砂山の天真名井の御池に招かれ、
羽衣天女と和名佐翁の神楽祭礼を執り行なった。
和名佐翁（ワナサオキナ）が天女に羽衣を返す神事だった。
それを終えると今度は鳴門の渦を潜り行くことに・・。
「阿波は鳴門・・そろそろ阿波龍宮が近づいて来たな。
丹後（不死の地）の次は鳴門か・・岩戸が鳴る訳だ・・。」
海龍宮（ワダツミノミヤ）に坐す龍王との対面となるか？
因みに、和名佐翁とは阿波の海人で、阿波龍宮の龍王であった。
フルネームを阿波枳閇委奈佐比古命（アワキヘワナサヒコ）と言い、
阿波から来て丹後を支配し、出雲とも交易を行なった海人だ。
もう一人、阿波と丹後を繋ぐ人物がいる。阿倍晴明である。
阿波龍宮と丹後龍宮は和奈佐と晴明で繋がっているのだ。
否、その奥には賀茂がいる・・。
私たち一行は、磯砂山の天真名井（御池）神事の流れから、
剣山（徳島）一宇にある天岩戸神社へと祭礼の場を移した。
暑い夏の後は、日本の背骨を南北に龍神が走ると予告した通り、
前年の猛暑に続き、日本列島は豪雨に見舞われることとなった。
祭礼当日は暴風雨で、氾濫する川を横目に車を走らせた。
ダムが決壊すると言う情報を耳にしながら目的地を目指した。
悪路を抜けて到着してみると、石段がかなり崩れ落ちていて、
山の斜面もぬかるみ、足場を作りながらの登拝だった。
天と海の岩門を開く祭礼の場を天岩戸神社奥宮の磐座と定めて、
前に広がる神楽岩を舞殿とし、二度目の天岩戸開きが始まった。
鳴門は天岩戸を開くときに岩戸が鳴り響く音でもあるのだろう。
大雨の轟音の中、それでも静々と準備が進められた。
ところが、神事に入るや否や、叢雲にポッカリと穴が開いて、
激しい雨はピタリと止み、辺りに静寂とたわわな風が訪れた。
空は晴れて神楽岩に光が差し込み、神事は無事執り行なわれた。
私たちにとっての天岩戸は開いたのだ・・。
そのときだった。かつて稲荷山の白翁老が告げたところの、
「不二の香久山・・」と言う言葉が私の脳裏をよぎった。
不二は、この世に二つとない不死の山のことを指しており、
わが国で白山（しらやま）とは、二つとない富士山のことなのか？
しかし不死は、天香具山を暗喩する意味でもあるのだが・・。
富士と言えば、太古、富士の山は聖なる「アサマ」であった。
いつも煙をモウモウと吐き、ときに噴火もする火の山だった。
アサマとは古語（アイヌ語）で「火の山」という意味だ。
だから富士山には「浅間（あさま）」と名の付く神社がある。
意図的に浅間（せんげん）と読ませてはいるのだが・・。
香具山から連想されるのは香具夜姫と迦具土神である。
不老長寿の果実である「非時香菓（時じくの香久の木実）」も、
人間に不老長生をもたらすと言う「月の変若水（おちみず）」や、
不死の象徴である「月の桂」の生える月に帰還した香具夜姫も、
すべてカゴ・カグ（籠・香語・香具・鹿児）に繋がる暗喩だ。
赤カガチの目のように赤々とした炎の輝（かが）きも、
火山から噴き出した溶岩が赤カガチがくねるように動く姿も、
炉で熔かした金属が赤カガチがくねるように流れ出る姿も、
すべて死と再生に関わるカグ（迦具）、カガ（加賀）であり、
それは火の神であるところの火之迦具槌（ホノカグツチ）、
その一名、火之��毘古神（ヒノカガビコノカミ）の働きだ。
「カカ」それは「ハハ」と同じく再生を繰り返す蛇を表す。
また「カカ」も「ハハ」も母のことでもある。
それは人間の「死と再生」を象徴する暗喩でもある。
私たちは恵那の某山の胎内潜りで真にその感覚を体験した。
再び「不二の香久山・・」と言う言葉・・。
それを耳にしたとき、私は祭礼の原点に帰ることにした。
新年、香具山神社で天鈴を、天香具山で白龍の舞を納めよう。
その後に、富士の神楽神事を執り行なうこととしよう。
私はそう心に決めた。
否、富士の前にもう一つの不死の地、その龍宮・・熊野か？
籠目歌（カゴメウタ）をひも解くと富士と鳴門の謎は解けるか？
明日香で息をひそめる天香具山、その原点に帰ったところから、
新たな世界が見えてくるかも知れない・・。
楽阿弥
――――― 続く―――――
私は十数年前、天香具山（明日香）でその天女と縁を結び、
そのとき、私に降りた言霊の最後の部分に、
「月の国の御子の元へ・・・阿波がとどめぞ！」
と、その一言が私の記憶に強く残った・・。
その十数年の後に、磯砂山の天真名井の御池に招かれ、
羽衣天女と和名佐翁の神楽祭礼を執り行なった。
和名佐翁（ワナサオキナ）が天女に羽衣を返す神事だった。
それを終えると今度は鳴門の渦を潜り行くことに・・。
「阿波は鳴門・・そろそろ阿波龍宮が近づいて来たな。
丹後（不死の地）の次は鳴門か・・岩戸が鳴る訳だ・・。」
海龍宮（ワダツミノミヤ）に坐す龍王との対面となるか？
因みに、和名佐翁とは阿波の海人で、阿波龍宮の龍王であった。
フルネームを阿波枳閇委奈佐比古命（アワキヘワナサヒコ）と言い、
阿波から来て丹後を支配し、出雲とも交易を行なった海人だ。
もう一人、阿波と丹後を繋ぐ人物がいる。阿倍晴明である。
阿波龍宮と丹後龍宮は和奈佐と晴明で繋がっているのだ。
否、その奥には賀茂がいる・・。
私たち一行は、磯砂山の天真名井（御池）神事の流れから、
剣山（徳島）一宇にある天岩戸神社へと祭礼の場を移した。
暑い夏の後は、日本の背骨を南北に龍神が走ると予告した通り、
前年の猛暑に続き、日本列島は豪雨に見舞われることとなった。
祭礼当日は暴風雨で、氾濫する川を横目に車を走らせた。
ダムが決壊すると言う情報を耳にしながら目的地を目指した。
悪路を抜けて到着してみると、石段がかなり崩れ落ちていて、
山の斜面もぬかるみ、足場を作りながらの登拝だった。
天と海の岩門を開く祭礼の場を天岩戸神社奥宮の磐座と定めて、
前に広がる神楽岩を舞殿とし、二度目の天岩戸開きが始まった。
鳴門は天岩戸を開くときに岩戸が鳴り響く音でもあるのだろう。
大雨の轟音の中、それでも静々と準備が進められた。
ところが、神事に入るや否や、叢雲にポッカリと穴が開いて、
激しい雨はピタリと止み、辺りに静寂とたわわな風が訪れた。
空は晴れて神楽岩に光が差し込み、神事は無事執り行なわれた。
私たちにとっての天岩戸は開いたのだ・・。
そのときだった。かつて稲荷山の白翁老が告げたところの、
「不二の香久山・・」と言う言葉が私の脳裏をよぎった。
不二は、この世に二つとない不死の山のことを指しており、
わが国で白山（しらやま）とは、二つとない富士山のことなのか？
しかし不死は、天香具山を暗喩する意味でもあるのだが・・。
富士と言えば、太古、富士の山は聖なる「アサマ」であった。
いつも煙をモウモウと吐き、ときに噴火もする火の山だった。
アサマとは古語（アイヌ語）で「火の山」という意味だ。
だから富士山には「浅間（あさま）」と名の付く神社がある。
意図的に浅間（せんげん）と読ませてはいるのだが・・。
香具山から連想されるのは香具夜姫と迦具土神である。
不老長寿の果実である「非時香菓（時じくの香久の木実）」も、
人間に不老長生をもたらすと言う「月の変若水（おちみず）」や、
不死の象徴である「月の桂」の生える月に帰還した香具夜姫も、
すべてカゴ・カグ（籠・香語・香具・鹿児）に繋がる暗喩だ。
赤カガチの目のように赤々とした炎の輝（かが）きも、
火山から噴き出した溶岩が赤カガチがくねるように動く姿も、
炉で熔かした金属が赤カガチがくねるように流れ出る姿も、
すべて死と再生に関わるカグ（迦具）、カガ（加賀）であり、
それは火の神であるところの火之迦具槌（ホノカグツチ）、
その一名、火之��毘古神（ヒノカガビコノカミ）の働きだ。
「カカ」それは「ハハ」と同じく再生を繰り返す蛇を表す。
また「カカ」も「ハハ」も母のことでもある。
それは人間の「死と再生」を象徴する暗喩でもある。
私たちは恵那の某山の胎内潜りで真にその感覚を体験した。
再び「不二の香久山・・」と言う言葉・・。
それを耳にしたとき、私は祭礼の原点に帰ることにした。
新年、香具山神社で天鈴を、天香具山で白龍の舞を納めよう。
その後に、富士の神楽神事を執り行なうこととしよう。
私はそう心に決めた。
否、富士の前にもう一つの不死の地、その龍宮・・熊野か？
籠目歌（カゴメウタ）をひも解くと富士と鳴門の謎は解けるか？
明日香で息をひそめる天香具山、その原点に帰ったところから、
新たな世界が見えてくるかも知れない・・。
楽阿弥
――――― 続く―――――
第5章 『籠の鳥はどこにに飛び発ったか・・？』
ここ明日香の地は、日本と言う国の形を整え、
天皇自らが統治するために宮廷集権の政治を試み、
その絶対王政の初舞台となった地である。
その王政を実行したのは大海人皇子（おおあまのみこ）、
天武天皇である。
大海人皇子は「壬申の乱」の勝利後、飛鳥の都に戻り、
翌年、飛鳥浄御原宮で天皇に即位した。
「壬申の乱」の勝利の要因は尾張氏と蘇我氏が深く関わる。
では、皇子と尾張氏・蘇我氏とは如何なる因縁にあったのか？
時は日本の夜明けを前にした激動期であった。
時の人々が、様々な権力闘争に巻き込まれながらも、
「美（うま）し大和心（やまとごころ）」を失わず、
後世の人々にそれを伝え続けることができたのは、
ここが日の本の「言霊の幸う地」にあって、
魂の言の葉（ことのは）を綾に織りなしながら、
美麗（うるわ）しく言祝（ことほ）ぐと言う、
歌い人（うたいびと）らがいたからである。
「飛ぶ鳥の 明日香の里を 置きて去（い）なば
君が辺りは 見えず かもあらむ」
この地は永遠の時の中に深く静かに息づく、
言の葉の歌い人の「万葉の里」である。
その御伽部（おとぎべ）らが厩戸（うまやど）の謎と、
「我は蘇る」と言う姓を持つ入鹿の正体を明かし、
大海人皇子と天香具山の秘密を解き明かす。
この明日香にも、伊奈利（イナリ）秘教は入っていた。
「香久山の 飛び発つ鳥は 伊去奈子（いさなご）に
白妙（しろたえ）銜（くわ）へつ 阿須可に帰りて」
天香具山から飛び立った白鳥は与謝の磯砂山に止まり、
白い衣を嘴に銜えて再び明日香に帰って来た・・。
かつて天香久山から始まった月の神の神事は、
伊去奈子山の天真名井（御池）神事へと続き継がれ、
剣山一宇の神楽岩での天岩戸神事をとどめとした。
それは、羽衣（自由）を人々の魂に返すための羽衣神事、
日月の神・豊宇気比売（トヨウケヒメ）に捧げた、
「霊（ヒ）の元の蘇り」の神楽神事であった。
また、龍王・久那斗乃神（クナトノカミ）の御魂を招き、
「眠れる龍蛇の目覚め」を促すための天鈴神事は、
丹後の新井崎神社（徐福神社）に始まり、大江山の鬼嶽稲荷、
出雲の黄泉（夜見）、信州上田の天宝璃宮、近江の伊吹山、
岐阜の位山、気仙沼の龍舞崎、静岡の桜ヶ池、東京の神田明神、
そして、卯月（春）に行う富士の某洞穴と某湖へと続く。
古の人々が、宇宙の螺旋流動力を龍に譬えたそのエネルギーは、
この地上に光の柱（筒状）を形成し、次元ホールを形成する。
それは、この地上に紫微天球を迎えるためのものである。
紫微天球とは、新たな次元が内包された胞衣（えな）のこと。
言うなれば、新たな星が中に入った卵のようなものだ・・。
さてさて、伊勢の海中には龍宮があると言われている。
その龍宮は二見ヶ浦の沖、置玉神社に仕掛けがある。
伊勢と大和を結ぶ「丹」の道は「摩尼（マニ）」の道。
その赤い道は、飛鳥から吉野に、そして高野へと続く。
その道を辿ってなされるメシア（聖体）への帰一。
蘇我馬子から入鹿へ、秦河勝から厩戸（うまやど）へ、
大海（凡海）宿禰蒭蒲（おおしすくねあらかま）から
大海人皇子（おおしあまのみこ）へと引き継がれたる、
天の道に基く神人政治の理想がこの地にはあった。
その完成のために蘇我氏と秦氏は双頭の龍と化し、
厩戸と言う名の聖体を大王として立てたのだ・・。
その理想から数千年を経て皇都は東の地に移され、
人々に仏を鑑みる心、神を畏れる心が消えた現代、
その心は、彼ら賢き者の理想から遠く離れ、
彼らが張り巡らした天地和合の結界は崩れ始めた。
そのことで「元糺すの龍動（螺旋流動力）」は放たれ、
日本の龍体は大きくうねり始めたのである。
古来より歌い継がれた「カゴメの歌」の秘密。
飛鳥京を築き上げた賢者の知恵が納められている。
明日香はなぜ・・飛鳥（アスカ）とも記されるのか？
丹後籠宮（籠神社）裏の香語山にある真名井神社、
そして伊勢伊雑宮。稲穂を銜えた鶴に隠された暗号。
籠（香語）の中の鳥とは一体何を指しているのか？
そしてその鳥は果して、未来に飛び発てるか？
「籠の鳥 飛翔したらば 明日香 美麗し・・。」
富士神事に向けてイナリコードは明日香で羽ばたく・・。
ここ明日香の地は、日本と言う国の形を整え、
天皇自らが統治するために宮廷集権の政治を試み、
その絶対王政の初舞台となった地である。
その王政を実行したのは大海人皇子（おおあまのみこ）、
天武天皇である。
大海人皇子は「壬申の乱」の勝利後、飛鳥の都に戻り、
翌年、飛鳥浄御原宮で天皇に即位した。
「壬申の乱」の勝利の要因は尾張氏と蘇我氏が深く関わる。
では、皇子と尾張氏・蘇我氏とは如何なる因縁にあったのか？
時は日本の夜明けを前にした激動期であった。
時の人々が、様々な権力闘争に巻き込まれながらも、
「美（うま）し大和心（やまとごころ）」を失わず、
後世の人々にそれを伝え続けることができたのは、
ここが日の本の「言霊の幸う地」にあって、
魂の言の葉（ことのは）を綾に織りなしながら、
美麗（うるわ）しく言祝（ことほ）ぐと言う、
歌い人（うたいびと）らがいたからである。
「飛ぶ鳥の 明日香の里を 置きて去（い）なば
君が辺りは 見えず かもあらむ」
この地は永遠の時の中に深く静かに息づく、
言の葉の歌い人の「万葉の里」である。
その御伽部（おとぎべ）らが厩戸（うまやど）の謎と、
「我は蘇る」と言う姓を持つ入鹿の正体を明かし、
大海人皇子と天香具山の秘密を解き明かす。
この明日香にも、伊奈利（イナリ）秘教は入っていた。
「香久山の 飛び発つ鳥は 伊去奈子（いさなご）に
白妙（しろたえ）銜（くわ）へつ 阿須可に帰りて」
天香具山から飛び立った白鳥は与謝の磯砂山に止まり、
白い衣を嘴に銜えて再び明日香に帰って来た・・。
かつて天香久山から始まった月の神の神事は、
伊去奈子山の天真名井（御池）神事へと続き継がれ、
剣山一宇の神楽岩での天岩戸神事をとどめとした。
それは、羽衣（自由）を人々の魂に返すための羽衣神事、
日月の神・豊宇気比売（トヨウケヒメ）に捧げた、
「霊（ヒ）の元の蘇り」の神楽神事であった。
また、龍王・久那斗乃神（クナトノカミ）の御魂を招き、
「眠れる龍蛇の目覚め」を促すための天鈴神事は、
丹後の新井崎神社（徐福神社）に始まり、大江山の鬼嶽稲荷、
出雲の黄泉（夜見）、信州上田の天宝璃宮、近江の伊吹山、
岐阜の位山、気仙沼の龍舞崎、静岡の桜ヶ池、東京の神田明神、
そして、卯月（春）に行う富士の某洞穴と某湖へと続く。
古の人々が、宇宙の螺旋流動力を龍に譬えたそのエネルギーは、
この地上に光の柱（筒状）を形成し、次元ホールを形成する。
それは、この地上に紫微天球を迎えるためのものである。
紫微天球とは、新たな次元が内包された胞衣（えな）のこと。
言うなれば、新たな星が中に入った卵のようなものだ・・。
さてさて、伊勢の海中には龍宮があると言われている。
その龍宮は二見ヶ浦の沖、置玉神社に仕掛けがある。
伊勢と大和を結ぶ「丹」の道は「摩尼（マニ）」の道。
その赤い道は、飛鳥から吉野に、そして高野へと続く。
その道を辿ってなされるメシア（聖体）への帰一。
蘇我馬子から入鹿へ、秦河勝から厩戸（うまやど）へ、
大海（凡海）宿禰蒭蒲（おおしすくねあらかま）から
大海人皇子（おおしあまのみこ）へと引き継がれたる、
天の道に基く神人政治の理想がこの地にはあった。
その完成のために蘇我氏と秦氏は双頭の龍と化し、
厩戸と言う名の聖体を大王として立てたのだ・・。
その理想から数千年を経て皇都は東の地に移され、
人々に仏を鑑みる心、神を畏れる心が消えた現代、
その心は、彼ら賢き者の理想から遠く離れ、
彼らが張り巡らした天地和合の結界は崩れ始めた。
そのことで「元糺すの龍動（螺旋流動力）」は放たれ、
日本の龍体は大きくうねり始めたのである。
古来より歌い継がれた「カゴメの歌」の秘密。
飛鳥京を築き上げた賢者の知恵が納められている。
明日香はなぜ・・飛鳥（アスカ）とも記されるのか？
丹後籠宮（籠神社）裏の香語山にある真名井神社、
そして伊勢伊雑宮。稲穂を銜えた鶴に隠された暗号。
籠（香語）の中の鳥とは一体何を指しているのか？
そしてその鳥は果して、未来に飛び発てるか？
「籠の鳥 飛翔したらば 明日香 美麗し・・。」
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