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みんなで贈れる本を創ろう!コミュのMP03_みなおく雲王

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みなおくで、私が書き直した雲王のEPISODEをこちらで、画像つきに、作ってみます。

 まぁ、気まぐれで画像を合成して、こんなイメージというものをあげておくのも一つの手だろうとおもいまして、トピックとしてあげてみました。

 まぁ、イメージということです。

コメント(16)

 まんまるお月様をよく見ると、お月様にもいくつかの丸い穴があり
ます。
 そこの幾つかには街があるりました。
 このお話は、お月様にある、一つの街の、一つの出来事です。

 その街には、メグという女の子がおりました。
 メグちゃんは、今日もお出かけします。

「行って来まーす」
 メグちゃんは、とんかち片手に、元気よく家を飛び出します。
「お嬢様! 今日は、傘をお持ちになった方がよろしゅうございま
すよ」
 メグちゃんの後ろから声をかけるのは、使用人のピエールです。
「大丈夫よ!」
 メグちゃんは、振り向きもせずそのまま壁に向かいました。

 ピエールはあきれたようにため息をついていましたが、その顔は
笑顔でした。ピエールは、元気なメグちゃんが大好きだからです。
「おはよう、おじさん」
 メグちゃんは、元気よく、おじさんに挨拶しますが、おじさんは、
腕につけてある腕を見つめて、気のない返事をします。
「おはよう、おばさん」
 メグちゃんは、さっきと同じように、おばさんに挨拶しますが、お
ばさんも腕につけてある腕輪のお手入れに夢中です。
「おはよう、おにいさん、おねえさん」
 メグちゃんは、元気よく、仲のよかったおにいさんとおねえさんに
挨拶しますが、おにいさんとおねえさんは、なくなった腕輪のことで
言い争いをしています。
 メグちゃんは、ちょっとだけ寂しかったけれど、悪いのはあの腕輪
だということを、ピエールに教えてもらってしっていました。

 だから、今日もメグちゃんは、かなづちを持って走ります。
 腕輪を着けた人達の中を。
 ”壁”に向かって。
04 

 人気のいない通りをメグちゃんは、走ります。
 腕輪をつけた大人たちは、もういません。
 自分の家で、自分の腕輪に夢中だからです。
 あの角を曲がれば、”壁”につきます。目印は芽が出ているあそ
こ。
 ドン!
「いったーい」
「ごめんごめん、大丈夫かい?」
 久しぶりに聞く、ふんわりやさしい声が聞こえます。
 メグちゃんの前には、一人の青年が大荷物をもって、転んでしまっ
たメグちゃんに、手を差し伸べています。
「あ、ありがとう。私、メグ」
 メグちゃんはそういいながら、青年の両手に目がいきます。
「どうしたの?」
「うん、腕輪を持っていないんだなとおもって」
05

「腕輪? ああ、だから、あそこで、大人のくせにケンカしていたん
だね」
 青年はまゆをしかめます。
「そうなの、あの腕輪がみんなわるいの」
「そうだね。
 見た目は綺麗だけど、それは見た目だけの腕輪だね」
「ピエールが言ってた。旅人が大人にあの腕輪を配ったんだって」
「どうして?」
「わかんない」メグちゃんは首をかしげます。「でも、みんなあの腕
輪のせい」
「そうだね」
 青年はメグちゃんの言葉に頷きました。
06 

「前に来たときはなかったけれど、この壁は?」
 青年は、高くそびえる壁を指差します。
「これは、腕輪を配った人と腕輪をもらった大人たちが作ったの」
「なぜだろう?」
「壁の向こう側の人たちが腕輪を奪いに来るからって、おじさんとお
にいさんが言ってたよ」
「奪いにくるって、誰がそんなことを?」
「腕輪は、見れば見るほどたくさん欲しくなるからって、おばさんと
おねえさんが言ってたわ」
「見た目の美しさに心を奪われて、他の人を信用できなくなったんだ
ね?」
「うん。腕輪を持っている大人の人は、みんな私を信用してくれない
の。
 だから、壁を壊そうっていっても、壁の向こう側の大人にいくらも
らったんだ。って思ってもいないことをいわれちゃうの」
 メグちゃんの目には涙があふれそうですが、泣かないようにこらえ
ています。
07 

「メグちゃん、壁は必ず無くなりますよ。私が約束します」
「ほんとう? じゃぁ、私は、それまで絶対泣かない! あきらめな
い!
 だから、ゆびきり!」
 メグちゃんは小指を青年に差し出します。
 青年も小指を差し出し、ゆびきりげんまんをします。

「「ゆびきりげんまん、うそつたら、はりせんぼんのーます」」

 青年は、メグちゃんとゆびきりをして、風と一緒にどこかへ行っ
てしまいます。

「あの人もがんばっているんだ。私もがんばるぞー」
08
 
 メグちゃんは、かなづちを握り締めて壁を叩きます。
 カンカンカン
 メグちゃんは、もう何日もこうやって壁を叩き続けています。
「こんな壁、無くなっちゃえ……えいっ! えいっ!」
 涙の代わりに声を出して壁を叩きます。
 カンカン……カンカン……
 もう手には痛そうな豆までできています。
 カンカンカン。
 それでもメグちゃんは、かなづちを握り締めて壁を叩きます。
 カンカンカン。
 やがて、日が暮れて、メグちゃんはおうちに帰ります。
09 
「ただいま!」
 おうちの中は、真っ暗です。
 おうちのおくのドアの隙間から、明かりがこぼれています。
 あのドアの向こうには、腕輪をもった、メグちゃんのお父さんが腕
輪をいつも磨いているのです。
 そんなお父さんに、メグちゃんは、あきれ果てています。
 最初は声をかけましたが、もう、声をかけても邪魔にされるので、
いつもは素通りします。
 でも、今日は、あの人と約束をしたので、もしかすると、腕輪を持
つ前のお父さんに戻っているかもしれない。とメグちゃんは思い、ド
アのところまでいきました。
10 

 ドン! 
「ピエール!、お前には見る眼がないのか?!」
 メグちゃんがドアを開けようとしたその時、お父さんは、机を叩
き、ピエールに怒鳴りつけていました。
 メグちゃんはがっかりしました。
「なんにもかわらない」 メグちゃんがドアごしにこっそり口の中で
呟きます。
 すると、お父さんの大きな声が続けて聞こえてきます。
「これほど美しい輝き! 他に何一つあるものか!
 そうだ! そろそろもっと欲しくなってきたところだな」
 お父さんの声にメグちゃんは耳をふさぎます。青年と約束をしたの
に、よくなるどころか、もっと悪くなったように思えたからです。
「旦那様、失礼ながら申し上げます。
 腕輪には、は興味ございません。 わたくしにはもっと大切なもの
をしっておりますので」
「大切なもの・・・なんだピエール、その大切なものとは・・・」
「メグ様でございます」
「なんだと、メグが腕輪をもっているのか!」
「ちがいます」
「そうか、あの壁の向こうか? そうなのか! だからメグは」
「旦那様、なぜ、お気づきにならないのですか」
 ピエールは、悲しさのあまり涙が流れ落ちてしまいます。
 バン! 部屋中にドアを開ける音が響きます。
「お父さんなんて大っキライ!!!」
 メグちゃんは、涙をこらえて、叫びました。
 そして、メグちゃんは、おうちから飛び出します。
「メグ! まて!
 おのれ、壁の向こうのやつらめ、ワシの娘までたぶらかすとはずる
がしこいやつらめ。
 こうしていられない、みんなに声をかけるぞ。
 壁の向こう側には、もっと美しい腕輪がたくさんあって、わしらの
腕輪を奪おうとしているのだからな。
 欲張りな壁の向こう側の奴らめ」
 メグちゃんのお父さんは、悪魔のような顔で言いました。
11 

 メグちゃんが必死に走ると、高い高い壁のところにつきました。
 毎日かなづちで叩いてきたいつもの場所です。
 涙をこらえて、希望を捨てなかったいつもの場所です。
 青年と約束した、特別な場所です。

 すると、後ろから大きな大人達が大勢やってきました。
 手にはツルハシやハンマーを持ってたくさんたくさん集まって、メ
グちゃんを囲んでしまいます。
「この娘か、壁の向こう側のやつらと連絡をとっているのは」
 悪魔のような顔をして、おじさんがいいました。
(ちがうよ)メグちゃんはのどが詰まって声が出ません
12
「いえいえ、小さい穴を作って、壁の向こう側に逃げ出すつもりだっ
たってきいているよ」
 悪魔のような顔をして、おばさんがいいました。
(ちがうよ)メグちゃんはのどが詰まって声が出ません。
13
「あれ、オレは、壁の向こう側の奴らがこっそりこっちにこれるよう
に壁に穴を開けようとしたって聞いていたぜ」
 なぜかスコップをもって泥だらけの、おにいさんが悪魔のような顔
をして言いました。
(ちがうよ)メグちゃんはのどが詰まって声が出ません。
14
「ちがうわよ。さっき言ったじゃない。盗んだ腕輪をこっそり隠して
たって」
 そう、悪魔のような顔をして、おねえさんがいうと、おにいさんが
「そうか、オレの腕輪はあの娘が!」
 とメグちゃんをにらめつけます。
(ちがうよ)メグちゃんはのどが詰まって声が出ません。
15
「まったく、親不孝にもほどがる。父親を裏切るなんて」
 こともあろうに、お父さんの口から、悪魔のような顔をして、そん
なコトバが聞こえてしまいました。
 メグちゃんはへなへなとひざが崩れます。
 もう、まぶたが暑くなり、涙も出かかっています。
 泣きたい、あきらめたい。
 でも、メグちゃんが泣かなかったのは、
 あきらめなかったのは、
 青年との、約束があったからです。
「まちなさい!」
 あの青年の声が聞こえてきます
16
「な、なんだ、お前は」
 おじさんが、青年の肩にいる伝書鳩を見てうろたえます。
「連絡をとっていたのはあなたです」
 青年は、おじさんを指差します。
17
「そんなのでたらめに決まっているわ! あなた、知らない人だもの」
 おばさんが、悪魔のような顔をして、言いますと、リュックから長い長い縄梯子を取り出します。
「あなたは、よなよなこの縄梯子を造っていましたね。いざと言うときに、壁の向こう側に逃げ出すために」
 おばさんは「ちがうわ、ちがうわ」と泣きながら否定します。

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