リスクマネジメント実践研究会コミュの豊胸手術の麻酔ミスで女性死亡

福岡市の美容外科クリニックで、豊胸手術の際の麻酔のミスで、３０代の女性を死亡させ、院長と担当医が業務上過失致死の容疑で書類送検されたというニュースがありました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101007-00000544-yom-soci

担当医が麻酔の量を間違えたのが直接原因で、直後に報告を受けた院長が他病院への搬送などの適切な措置をとらなかったことが副因とあります。

麻酔の量を間違えたことは、医師の知識・能力不足か、或いは過失でしょうが、重篤な状態に陥った患者に適切な処置をとらなかったことは、市民感情で言えば、殺人に近い人為的ミスと思います。

このような病院での医療事故は、表に出ないものを含めれば、日本全国、年間で一体どれほどあるのか分からない程に無数にあるものと思います。病院というのは、実際には一般の企業以上に事件、事故が日々多発している組織であるとも言えます。

にも関わらず、それらを防止、軽減する為にリスクマネジメントを導入し、実践しているなどという病院を聞いたことがありません。

当然、個々の処置に関するミス防止策はとられているはずですが、マネジメント手法を使って体系的、包括的にリスクに対応することなどは、ほとんどなされていないものと推測されます。

食品製造における衛生管理には、HACCP等の管理手法があります。しかし、医療機関ではそのようなものは思い当りません。

医療の業界にも、各種のリスクマネジメントの手法を導入すれば、医療過誤の件数は間違いなく減らすことが出来るものと確信します。又、その考え方や理論知識を医療従事者に教育するだけでも、非常に大きな効果が期待出来ると思います。

しかし、一般的に医師は経営管理等の文系知識には無知である、或いは軽視する傾向が強い為か、残念ながらほとんど実現されていないのが現状と思います。