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作品の発表はこちらにお願いします。
ご意見・ご感想は別トピとさせていただきます。
よろしくお願いします。

コメント(94)

YMさん

『おこった おじぞうさま』読みました。
うーむ。対象年齢は難しいね。
「明日死んでしまうかもしれないから、その日を一生懸命に生きる」っていう部分、これが五、六歳の子にすんなりと受け入れられるかなぁ。もっと上かも。って、俺もよく分かんないです(>_<)ごめんなさい。

全体的な流れはいいね。全然仕事をしないっていうのじゃなくて、気が向いたときにしかやらないっていうのが、リアリティがあっていいと思う。

ただ、設定で気になったのは、土に埋もれていたおじぞうさまを見つけて、きれいに水で洗ったのは、この男だよね。いわば、おじぞうさまを助けたということにならない?
その男に対して、怒るかなぁ。
それとも、この男に怠けず生きることを教えるため、おじぞうさまが自分から土の中に身を埋めたのかなぁ。
そんなとこが気になりました。
YMさん

大丈夫、大丈夫!
難しいからこそ、おもしろいし、やりがいもあるってもんだよ。すぐにできたら、誰でも作家になれてるわけだし。

ただ、精度の高いお話を作るっていうのは、ホント、骨の折れる作業だよね。でも納得のいく良いものできれば達成感はあるし、読者に喜んでもらえれば、素直に嬉しいし。

芸術って、ひらめきも大切だけど、それを生かす技術もないと、いいものできないんだと思う。
俺自身、アイデアには自信あったけど、文章力やお話としての構成力が今ひとつだったから、いろいろと小説の書き方や、文章の書き方の本読んだり、好きな作家の小説やエッセイなんかも、けっこう読んだりした。
作り手側の目線で作品を読むと、またいろんなことが見えてくるんだよね。ただ、その場合は純粋に作品を楽しめなくなる場合もあるけれど。

もちろんたくさん作品を書くことも大切だけど、自分に足りないものは何かを客観的に見つめ直す作業も、文章修業の一つかもね。
(調子に乗ってかなり偉そうなことを書いてしまいました。作品発表のトピなのに。ごめんなさい)
へぇ〜、なるほどなぁ。
そういう書き方もあるんだね。

「あの作品で、あの場面、あの展開」っていうのを思い描けることは、でも、悪いことじゃない気がするよ。いかにそれを乗り越えて、自分自身のオリジナリティを出せるかが勝負なんじゃないかな?
それに、良い本読んだり、文章の起承転結を学んだりするのが、「束縛」になるとは思えないけどなぁ。
っと、果てしなくなくなるので、ストップします。

なにはともあれ、自分なりのやり方が確立されているのなら、それはいいことだし、他人がどうこう言うことじゃないよね。
失礼しましたm(__)m

よし。お互い、いいもの書こうね!!!
   ぷるるん プリン

「ママー。ミーちゃん、おなかへった」
 つみきあそびに あきた ミーちゃんは ママに おやつがほしいと いいました。
 だいどころで おさらを あらっていた ママは、れいぞうこから てづくりの プリンを だしました。
「きょうの おやつは ミーちゃんの だいすきな プリンよ」
「わー ミーちゃん、プリンって だいすき! ぷるぷるしてて かわいいんだもん!」
 ミーちゃんは おおよろこびで テーブルへ はしると おぎょうぎよく イスに すわりました。
 すると ペットの コタローが ワンワンほえながら ミーちゃんのまわりで そわそわしはじめました。
「しずかにしなさい、コタロー。これからミーちゃんは プリンを たべるの。コタローにはあげないよー」
 ミーちゃんは コタローの あたまを パンパン たたきながら、あしを ブラブラ させました。
「はい、めしあがれ」
 ママは かたに はいった プリンを さかさにして おさらのうえに もりました。
「ははは。きょうも ぷるぷるかな?」
 ミーちゃんは スプーンで プリンを さわると プリンは まるで いきものみたいに かわいく うごきました。それが おもしろくて ミーちゃんは なんども さわっては わらいました。
 そのそばで、コタローは まだ そわそわしていました。
「もう、なに、コタロー。あんたの ぶんは  ないんだからね。あんたは イヌなんだから  ドッグフード。プリンは あたしの おやつなんだから」
 ミーちゃんは そう いいながら また コタローの あたまを パンパンと たたきました。コタローは すこし さびしそうかおで そのばに おすわりしました。
「いただきまーす」
 ミーちゃんは そういって、スプーンで プリンを すくいとりました。スプーンの うえでも プリンは ぷるぷるしています。
 そして ミーちゃんが スプーンを おくちに もっていこうとした そのときです。
 コタローが とつぜん テーブルの うえまで ジャンプしました。
「わわっ、コタロー!」
 おどろいた ミーちゃんは もっていた スプーンを おとしてしまいました。おまけに コタローは つづけて ジャンプしたので、こんどは おさらの うえの プリンまで ゆかに おちてしまいました。
 そして おちたプリンを コタローは ひとくで パクッと たべてしまいました。
「ミーちゃんの プリン……」
 あっというまの できごとで ミーちゃんは きょとんと していました。でも すぐに おおごえで なきだしました。
「もう。ミーちゃん なかないの。コタローに いじわるなこと いうからでしょ」
 ママは そういって あたらしいプリンを また だしてくれました。コタローにも ドッグフードを あげました。
「ふたりとも ちゃんと なかなおりしてから たべるのよ」
 ママは そういうと また だいどころで おさらを あらいはじめました。
 なきやんだ ミーちゃんは コタローの あたまを なでてあげました。
「さっきは ぶったりして ごめんね。コタロー」
 コタローは はなを くーんと ならしました。
 それから ミーちゃんは ぷるぷるの プリンを えがおで たべました。コタローも ドッグフードを むしゃむしゃ。
「ママー、あしたの おやつも プリンが いい! あと コタローの ぶんも つくってあげて!」
 ミーちゃんは ママに そういうと スプーンで プリンを さわりました。ぷるぷるうごいて それは よくみると コタローが みぶるいを しているみたいでした。
YMさん

感想どうもありがとう♪
ただ、35行目に脱字がありました(>_<)
「ひとくち」が「ひとく」になっていました。申し訳ありません。こういうのは、ホント情けなくなる。

プリンのぷるぷる感がある絵がつくと、きっと楽しくなる気がする♪
文だけなので、プリンがぷるぷるするだけじゃ、ちょっとどうにもならないため、ペットを登場させてみました。
うーむ、浅かったかな。
YMさん

『ぐらすのおんがえし』読みました。
なかなかおもしろい設定だね。無生物の擬人化。
俺もながぐつを擬人化させて書いた話があるから。

ただ、おとこのことのからみがないのに、さいごにさようならと言っているが「うーむ」と思ってしまった。
あと、ぐらすの時間的視点がぶれている、つまり、ぐらすが一人称になってこのお話を語っている時はいつなのかが、はっきりしていないのが気になったかな。二度『きょう』って言ってたり、壊れた後の口調だったり。

「じょりじょりするひげがくすぐったい」とかは、うまいと思った。
>>グンダリさんの「ぷるるん プリン 」

かわいいお話ですね。こういう楽しい話好きです。
プリンの絵も、思い浮かびますよ!
もし小さい子が読むのだとしたら、
セリフだけにしてあとは絵で表現するっていうのも
アリかな〜と思いました。

>>YMさんの、「ぐらすのおんがえし 」

グラスが主人公というのが、すごく面白いですね〜
グラスくん、予知能力があるんですか!? すごいなぁ。
でも、たなの上からジャンプしたところが、
自殺を連想してしまいました・・・m(_ _)m

グラスが、おとうさんに恩返しをするのではなく、
おとこのこがお手伝いしている時にグラスを
割ってしまったけれど、
グラスくんは家族みんなが使ってくれた思い出があるから、
悲しくないよ、という話とかだと、どうでしょう?
ありきたりかなぁ?
でも男の子が出てくる方が、子供には判りやすいのでは?
と思いました☆

だけど、前半のおとうさんとおかあさんの話は
とても素敵でした〜。ふたりの情景が目に浮かびましたぴかぴか(新しい)
ここだけでも十分面白かったです(^^)
Shitさん

感想ありがとうございます♪
セリフだけっていうのもありですね。
絵の希望は、とにかくプリンがぷるぷるして欲しいと思います(笑) でも、静止した絵で動いた感じを出すのは、やっぱり難しいんですかね?
(なんか敬語とタメ語の使い分けができなくなってきました(笑))
>グンダリさん

敬語とタメ語>・・・確かに。笑 
プルプルの感じはツルっと光った感じにするとか、
揺れてるように「 )) 」←こんな線を周りに描けば、
表現出来るんじゃないかなー?と思いました。
こういう何気ない話って、出版社のかたに見てもらったら
どんな反応をするんでしょうね?気になります。


>YMさん

私が読んで感じただけだから、わからないですが、
「人間の身代わりになった」と聞くと、そうか、と思うけれど、
「たなからじゃんぷ」と聞くと、
悲しい感じに思えてしまったんですよね。
でも「コップ」だと既に絵本が出てるし、
やっぱり「グラス」だったことが面白かったです。
また面白いお話、期待してます(^_^)
YMさん

『おとうさんは ぷろごるふぁー』読みました。
終わり方がいいねぇ〜。読後感はかなりいいよ♪

ただ、試合が始まる前の、おとうさんとおかあさんのやりとりが、ちと大げさすぎるような気がした。「そこではまだ泣かなくていいでしょ」って、個人的に思っちゃった(笑)
   ラクダの気持ち
           
 西の果てに広がる砂漠に、ラクダが一匹歩いていました。仕事をするのがいやになって、主人の元から逃げ出してきたのです。
(一人で自由に、のんびり生きるとしよう)
 ラクダは砂漠にてりつける太陽をあおぎながら、そう思いました。
 ラクダは、一面黄色の砂におおわれたこの砂漠が、好きでした。でもたいていの人間は、暑くてきらいだと言います。
 のんびり歩いていると、ゴウゴウというすさまじい音がしてきました。砂嵐です。
 ラクダはその場に座ると、目をつぶって鼻の穴も閉じました。
(砂嵐のとき、ご主人はいつもぼくの背中のかげにかくれたっけ)
 ラクダはそんなことを思いながら、砂嵐が過ぎ去るのを待ちました。
 嵐が過ぎて再び歩き出すと、今度はキャラバンに出くわしました。そこにはかつて一緒に働いた仲間たちがいました。
(ああやって、何度も荷物を運んだり、ご主人を背中に乗せたりしたっけ)
 ラクダは主人を思い出しながら、一列になって歩くキャラバンを、目で追いました。
 キャラバンが過ぎてまた歩いていると、今度はオアシスにたどり着きました。池の水をゴクゴクと、何リットルも飲みました。
(いつだったか、ご主人と一緒に、こんなオアシスで水浴びをしたっけ)
 ラクダの頭には、またもや主人との思い出がよみがえりました。
 オアシスを後にして歩き出すと、とうとう砂漠の終わりまでやってきました。
 あたりはすっかり夜になり、昼とはうってかわって冷え込んでいます。ここから先は緑の多い街並みで、にぎやかな明かりも見えました。
(ここを出れば、ぼくは自由だ……)
 そう思ったとき、ラクダはふと、とてもさびしくなりました。住みなれた砂漠から出るのが、とても怖くなりました。冷たい風が横切ると、ラクダはみぶるいをしました。
 思わず歩いてきた方をふり返ると、そこには一人の男の姿がありました。月明かりにてらされて見えるのは、ラクダの主人です。ラクダを追って、一人で歩いてきたのです。
 ラクダは思わずかけ出しました。
 主人は歩きつかれてクタクタでしたが、ラクダの顔をやさしくさすりました。
「おい。いったいどこへ行ったかと、心配したんだぞ。いつも荷物を運んでもらって、おまえには感謝しているんだ。急にいなくなるから、心配したじゃないか」
 ラクダは、主人が自分のことを大事に思ってくれていることに、初めて気付きました。

 それからというもの、ラクダは主人と一緒に、また仕事を始めました。荷物運びが大変でも、主人と一緒にがんばると、なぜか心地良い気分になれました。主人はいつも「ありがとう」と言ってくれます。
 ラクダは、もう逃げ出そうとは決して思いませんでした。
   サルのラーメン屋

「へい、らっしゃい」
「へい、おまち」
「へい、まいど」
 いせいのいい声が、森中にこだましています。
 ここはサルのラーメン屋。ついこのあいだ、サルが屋台のラーメン屋を始めたのです。
 サルが作るラーメンは、ほっぺがおちるほどおいしくて、たちまち森にそのうわさが広がりました。そしてあっという間にお店は大はんじょうです。
「はい、キツネさん、みそラーメン」
「こっちはイノシシさんが大もりね」
 ちょうどお昼どきなので、いそがしくて目が回りそうです。でもサルは、ラーメンを食べてくれた森のみんなが、「おいしい」「ごちそうさま」「ありがとう」と言ってくれるので、いそがしくてもよろこんでラーメンを作りました。

 ある日のこと、お昼もすぎてお店もひとだんらくしていたところに、お客さんがやって来ました。大きなヤマネコです。
「ここのラーメンがおいしいと聞いて来ました。くださいな」
「へい、らっしゃい。ラーメンだね」
 サルはいつものようにいせいよく言うと、じまんのラーメンを作って出しました。
「へい、おまち」
 あつあつで、ゆげが立ち上っています。
 ヤマネコは、一口食べようとしましたが、あつくてとても食べられません。ねこじたなのです。そこでしかたなく、冷めるまで待つことにしました。
 そしてゆげがおさまったころ、ヤマネコはラーメンを食べ始めました。しかし、めんはすっかりのびてしまい、ちっともおいしくなくなっていました。
 ヤマネコはあまりおいしくなかったので、全部食べずに残して帰りました。
 それを見て、サルはとてもがっかりしました。今までで、初めてのことです。
 それからというもの、サルはどうしたらヤマネコもおいしく食べてくれるかを、必死に考えました。お店がひまなときは、あれこれなやんで、新商品のアイデアを考えました。
 そしてあるとき、ふとひらめきました。
(あついのが苦手なら、もともと冷たいものにしたらいい。簡単じゃないか。なんで今まで思いつかなかったんだ)
 サルはさっそく新しい商品を作りました。
 できたものは、あつあつのラーメンとはだいぶちがったもので、『冷やし中華』と名づけました。
 そしてサルは、あの時以来お店に来なくなったヤマネコをしょうたいし、冷やし中華を作って出しました。
「へい、おまち」
 ヤマネコは出された冷やし中華を、おそるおそる食べてみました。
「わあ、冷たくておいしい!」
 そう言って、初めの不安はうそのように、あっという間にたいらげました。
「おサルさん、わざわざぼくのために作ってくれて、ありがとう。とてもおいしかった」
 そのことばをきいて、サルは必死に考え、作ったかいがあったと、よろこびました。

 それからというもの、サルのラーメン屋では、冷やし中華も人気商品になりました。そしてそれまでよりも、ますますお店ははんじょうしました。今ではとなりの森からも、お客さんがやって来ます。
  ネイルひめのかいぶつたいじ
               
 最近西の国では、夜な夜なかいぶつがあらわれて、町の人々をおどかすというさわぎが起こっていました。
 王様はさわぎをしずめるために、強い戦士や武道家に、かいぶつたいじをめいじましたが、だれもそのかいぶつに勝てませんでした。かいぶつはまっ黒なすがたで、やみにまぎれる上、かたくするどいツメがぶきだったのです。
 かいぶつのうわさは、お城のおひめ様の耳にも入りました。このひめは、見た目にとても美しく、また、おめかしするのも大好きでした。とくにツメのお手入れが大好きで、いろんな色やもようのマニキュアをつけていましたから、みんなから『ネイルひめ』とよばれていました。でも少し、おてんばで、いたずらずきです。

 かいぶつのさわぎは日に日に大きくなり、人々はとてもこまっていました。
 そんなある日、ネイルひめはかいぶつがすむという山へ、こっそり一人で行ってみることにしました。
 木々をぬけてどうくつの入り口まで来ると、中から大きないびきが聞こえてきました。
 ネイルひめはなるべく足音をたてないようにどうくつの中へ入っていくと、そこにはひめの何倍もあるかいぶつが、ぐっすりねむっていました。かいぶつは夜活動するので、昼間は眠っているのです。
「わぁ、なんて大きさ!」
 ネイルひめは思わず大きな声をあげましたが、かいぶつが起きては大変です。すぐに口をとじて、あらためてかいぶつをながめました。全身まっ黒です。すると、手足にはえたするどく長いツメが目にとまりました。
(こんなのにふれられたら、みんなケガをしてしまうわ)
 ネイルひめはそう思い、持っていたつめきりで、かいぶつのツメを切り始めました。かいぶつが起きないように、静かに、そっと。
 パチン、パチン、パチン。
 するとかいぶつは、とつぜん声をあげました。
「うーん、くすぐったい。むにゃむにゃ……」
 どうやらねごとのようです。
 ひめはホッと一安心して、すべてのツメを切り終えました。
(でもこれじゃあ、かわいくないわね。色をぬってあげましょう)
 今度は持っていたマニキュアで、かいぶつのツメに色をぬり始めました。赤に、ピンクに、オレンジ。かいぶつが起きないように、静かに、そっと。
 シュッ、シュッ、シュッ。
 するととつぜん、かいぶつは声をあげました。
「うーん、くすぐったい。むにゃむにゃ……」
 どうやらまたねごとです。
 ひめはホッと一安心し、すべてのツメに色をぬり終えました。
(もっともっと、ステキなツメにしてあげましょう)
 ひめはまるで自分のツメをきれいにするように、持っていた小さなふでで、かいぶつのツメにもようをかき始めました。花がらに、水玉に、お星様。かいぶつが起きないように、静かに、そっと。
 サッ、サッ、サッ。
 するととつぜん、かいぶつは声をあげました。
「うーん、くすぐったい。むにゃむにゃ……」
 どうやらまたまたねごとです。
 ひめはホッと一安心し、すべてのツメにもようをかき終えました。かいぶつのツメは、すっかりネイルひめと同じです。
 そしてかいぶつを起こさないように、ぬき足さし足、どうくつを後にして、お城へ帰りました。

↓〔次の欄へ〕
「ふあーあ。よくねた。何だか、くすぐったい夢をみたぞ」
 かいぶつは大きなあくびを一つして、のしのしとどうくつを出ました。辺りはすっかり夜になっています。
 かいぶつは山を下りると、言いました。
「今夜はお城の方へ行ってみるか」
 かいぶつの足音が聞こえると、お城の兵士たちは身がまえました。
 何やら外がザワザワするので、ネイルひめもベッドから起きて、外を見ました。すると昼間のかいぶつが、兵士たちとたたかっています。
「くそっ。なんでオレ様のこうげきが、きかないんだ?」
 かいぶつ自慢のツメのこうげきが、兵士たちには、たてでなんなくふせがれています。いつもは鉄のよろいだってきりさくのに。
 兵士たちは、続けて弓矢をかいぶつめがけてはなちました。
「くそっ、なんでオレ様のすがたが見えるんだ?」
 いつもは相手のこうげきなんて、さっぱり当たらないのに。
 かいぶつはふしぎに思って自分の手足をみると、そのとき初めて気付きました。ツメはすっかり丸く短くなって、おまけにカラフルな色がついています。これではいりょくも落ちるし、ツメの色ですがたが見えるわけです。
「えーい、だれだ。オレ様のツメをこんなにしたのは!」
 かいぶつはカンカンに怒って、いっそうひどくあばれまわりました。
 すると、ネイルひめはかいぶつの方へかけよって行きました。
「私よ、かいぶつさん。でも、あなたのツメ、もっとよーく、見てごらんなさい」
 かいぶつは怒りながらも、ネイルひめに言われるまま、もう一度自分のツメをよく見ました。そこにはとてもきれいなもようが、えがかれているではありませんか。
 それを見ているうち、きゅうに心がおだやかになってきました。
「ねっ、ステキでしょう? ほらっ、私とおそろいよ!」
 ネイルひめは、自分のツメもかいぶつに見せました。
 かいぶつはすっかりおとなしくなって、そのまま山へ帰っていってしまいました。
 それからというもの、かいぶつのさわぎはぱったりとやみました。
 ネイルひめは、あいかわらずおめかしが大好きです。とくにツメをきれいにするのが。
  どこまでのびる

 お正月、コウちゃんのおうちの庭では、毎年恒例のもちつき大会が開かれていました。大会と言っても、お父さんとお母さんとコウちゃんの三人だけでやる、お正月の小さなイベントです。
 杵と臼でペッタンペッタン。お正月のもちつきは、コウちゃんにとって一年で最初にワクワクする行事です。去年はまだ幼稚園児だったため、見ているだけのコウちゃんでしたが、今年は一年生。自分でもおもちをつく気満々です。
「よし、交代だ。できるか? コウ」
 お父さんが大きな杵を下ろして、コウちゃんに言いました。
「うん。頑張る」
 そう言うと、コウちゃんはお父さんに作ってもらった専用の小さな杵を、湯気を立てて臼の中にごろんとしているおもちめがけ、勢いよく振り下ろしました。
 ペッタン……ペッタン……。
「コウちゃん、その調子よ。頑張って」
 コウちゃんがつくたびに、お母さんが水をつけておもちの形を整えます。
 コウちゃんは一生懸命おもちをつきました。
(うーんとのびる、おいしいおもちになりますように)
 おまじないをかけながら、ペッタンペッタン、休むことなく続けました。
 それからお父さんとコウちゃんは交替しながらおもちをつき、二人ともじんわりと汗をかき始めた頃、おもちはようやく出来上がりました。
「やったぁ。完成だ」
 コウちゃんは喜んで万歳をしました。
「じゃあ、早速食べましょう」
 三人は家に入り、お母さんは台所でおもちを食べる準備をしました。きな粉やあんこ、それにお雑煮を用意し、家族揃ってつきたてのおもちを食べました。
「やっぱりつきたてはおいしいわね」
「そうだな、うまい」
 お母さんもお父さんも、満足そうにおもちを頬張っていました。
「コウちゃんも頑張ったもんね。おいしい?」
「んんー……」
「コウ、どうしたんだ?」
 お雑煮を食べていたコウちゃんは、おもちを食べながら、何やら困っています。
「おもち、何だかとっても良くのびて、かみ切れないんだ」
 コウちゃんはあごとはしを必死に動かしながら、何とかしておもちをかみ切ろうとしていましが、いっこうにできません。
「んん、うーん」
 なかなかかみ切れず、イスの上に立ってみましたが、おもちはおわんから細長くのびたままで、やっぱり切れません。本当に良くのびるおもちです。
(きっともちつきの時、よくのびるようにおまじないをかけたからだ)
 コウちゃんは心の中で思いました。
「あらあら、よくのびること」
「はははっ、本当だなあ」
 お母さんもお父さんも、のん気にコウちゃんを見ていますが、コウちゃん本人は結構大変です。
 いよいよテーブルを離れ、少し後ずさりを始めましたが、それでもダメです。かみ切るどころか、白いおもちはドンドンのびていきます。まるで生きているみたいに。
(早く切れろー)
 口の中をもごもごさせながら、コウちゃんは必死です。しかし、やっぱりおもちはのび続けるだけでした。
 コウちゃんはもっともっと後ろへ下がり、とうとう玄関の所までやってきてしまいました。
(んー、まだかなー。このままじゃ、外まで出なくちゃいけないよ)
 そう思いながらさらに下がると、玄関の扉を開けてついに外へ! コウちゃんは右手にはしを持ちながら、口からのびたおもちをくわえ、裸足のままです。
(えーい、こうなったら、おもちが切れるまで、どこまでも行ってやる)

↓〈続きは次の欄へ〉
 そう決心し、コウちゃんは後ろ向きで走り出しました。時々前を振り向いて、車や電信柱にぶつからないように気を付けながら。
 走っている間も、おもちはこれでもかといわんばかりにのび続けています。一体こんなにのびるおもちが、この世にあるでしょうか。しかしコウちゃんは不思議だという思いも通り越し、少し呆れていました。
(もういいかげん、のびなくていいのに)
 そう思いながらも、バス停を横切り、角の八百屋さんまで通り過ぎました。道行く人たちは、不思議そうにコウちゃんを見つめています。
「あっ、コウちゃん」
 同じ幼稚園のミクちゃんの家の前までやってきた時でした。ミクちゃんはお母さんと羽根突きをしています。
 コウちゃんは立ち止まると、ミクちゃんに事情を説明しました。
「待ってて、コウちゃん。いいこと思いついたから」
 ミクちゃんは家に入ると、お道具箱からハサミを持ってきました。そしてのびているおもちをチョキン!
 するとおもちはバチンと切れて、のびていた部分は勢い良くちぢみ、元来た道を一直線にヒューン。
「ふぅ。ありがとう、ミクちゃん。助かった」
 コウちゃんはホッとして、ようやくおもちを食べ終わりました。それにしても良くのびるおもちでした。よっぽどコウちゃんのおまじないがきいたのでしょう。
 それから家に戻ったコウちゃんは、右手にはしを、左手にハサミを持って、まるで戦うようにおもちを食べました。

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