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STICK & RUDDER 倶楽部コミュのFAQ よくある質問コーナー

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これまで話題になったことなどを題材に、新しくトピックを作ってみました。
Stick and Rudder倶楽部としては少々外れてしまうようにも思いますが、飛行機をより理解するための勉強の機会ができればと思います。

もちろん、新しい話題もどうぞ。お待ちしております。

コメント(10)

Q: キャブレターに関する質問。

アメリカで操縦を習ったときは、着陸前の確認でキャブレターヒートはONと習った。しかし、日本の飛行クラブでは、教官から「キャブレターヒートはOFFで着陸しろ」と言われる。何故かと聞くと、「ONにしておいて、本当にアイシングしたらそれ以上の手段がないから」との説明を受けた。

ONにするべきなのか、それともOFFのままであるべきなのか。一体どちらが正しいのか? (2005年3月 広島県H.Hさんから)
A: ご存知のように、Carburetor Heatは吸気系統のIce Contorol Systemの一つで、Anti-Ice System(着氷の防止が目的)とDe-Ice System(着氷を取り除くことが目的)との二つの目的で使われます。

これまでいろいろな飛行学校で訓練や教育をしてきましたが、アメリカではTPA (Traffic Pattern Altitude)に達し出力を絞ると同時にONだったり、Before Landing Checkを行っているときにONとしたり、降下を開始して初めて使用するなどがありました。また、着陸進入中にONとOffを繰り返す、着陸寸前にOFFにする、または一切使用しないなどの変り種も耳にしたことがあります。

一体どの方法が望ましいのか。今回はそれを考えてみましょう。

最初に、飛行訓練を提供する立場からの考えからです。どの方法を用いたとしても、厳守しなくてはいけないことはFlight Manualに指定されている手順です。Flight Manualは絶対であるとの考えを訓練生に伝えている以上、そこから逸脱することがあってはいけません。

また、Standardの確立も大切です。複数の教官が在籍する飛行学校で、教官一人一人が異なる手順を持っていては、訓練生に不必要な戸惑いが生じ、訓練の進行に障害が生じてしまいます。
「A教官はPower Backの後にCarb HeatをONとしていた。なぜB教官はCarb HeatをONにしてからPower Backしろと言うのだろう?」
Standardの確立は、訓練生だけでなく教官自身に対しても穏やかな日々を与えます。

Carburetor装備のCessna 152/172では、Before Landing ChecklistにCarburetor Heat ONとなっていますから、それを行っている時点でONとすることが正しいことと思います。「まだ降下に移っていないから、今はCarburetor HeatをOFFで。」という考えもいいかもしれませんが、その先で忘れてしまう可能性は大きく残ります。

他の機体、例えばPiper社製のTomahawk、Cherokee、Archerなどでは、Before Landing ChecklistにCarburetor Heatの使用が指定されておらず、仮に使わなくてもIcingが起きない、使う必要がないと考えられています。事実、私もこれらの機体では着陸進入の降下において使用したことはなく、Emergency Descentなど長時間ThrottleをIdleにする状況でCarburetor Icingを防止することと、またEngineの保温を目的に使うことくらいではないでしょうか。
引き続きCarburetor Heat


次は機械的な側面も加えて考えてみます。
「Carburetor HeatをずっとONにしていたら、実際にIcingが起きたときに困る。」と言う教官の言葉も、意味が三通りに理解できるように思います。

1. 常にONにしていたら、Carburetor Icingが起きる気象状況を知ることができない。
2. 常に予備も同時に使っていたら、主の装備が正常に動作しているのかを知ることができない。
3. 予備の予備は存在しない。

まず1。もしその飛行がCarburetor Icingの危険性を知ることが目的ならば、OFFのまま飛行を継続することが正しいでしょう。そして起きたときに滑走路、または駐車場や道路に緊急着陸し、「今はCarburetor Icingの危険が高い。飛行は中止だ。」と周囲に連絡することができます。その献身的、英雄的行為は世界中で永遠に語り継がれることでしょう。

次に2ですが、これと似たような物に低翼機やFuel Injection装備の機体での、Electrical Fuel Pumpの使い方が考えられます。これらの機体では、主のEngine駆動のEngine Driven Fuel Pumpと、予備のElectrical Fuel Pumpが装備されており、離着陸時の危険度の高い時には予備もONとし、Risk Managementの観点から安全度を高めた飛行とするというものです。両方を常時使用して飛行を継続することはなく、離陸直前にON、離陸後安全高度に達してOFFにするなど、両方の動作確認を確実としての飛行が行われます。

では、この考えをCarburetor Heatに当てはめてみましょう。先の例では、Engine Driven Fuel Pump及びElectrical Fuel Pumpの両方をONとしての運転ができましたが、Carburetor HeatではONかOFF、どちらかの使用のみが可能です。
(仮にLeverを途中の位置で止めたとしても、ONとOFFの両方を同時使用としている確証はないため、どちらかの使用と考えるべき)
つまり、Carburetor Heat OFFのみの飛行では、主の動作確認はできても予備の動作確認をすることができず、OFFのままの飛行は非常に危険度が高い行為と言えます。

そして3。Carburetor HeatはAlternate Air Doorという使い方もされて、装備されているAir Filterが着氷などで覆われ塞がった場合などの予備のAir Intakeという使い方があります。例えば、ずっとCarburetor Heat ONの状態で飛行していて、何らかの原因で予備のAir Intakeが塞がってしまい、出力が低下したとしましょう。しかし、運悪く主であるAir Intekeも着氷が原因で塞がっていたという場合は、正に予備の予備は存在しないということになってしまいます。ただこの場合も、先の2と同様にCarburetor Heat ONとOFFを定期的に繰り返すことで動作確認が可能になり、予備の動作確認と、主の存在を予備として確保することにより、安全性がさらに高くなると考えます。

仮にCarburetor内部で極度のIcingが起きて流入空気が大きく制限された場合はどうでしょうか。Carburetor HeatをON、またはAlternate Air DoorをOPENにしても、予備のCarburetorが存在する訳ではありませんし、Carburetor Heatの熱は排気熱を利用していますから、低出力となってしまっては発生する熱量も少なく、氷が溶けるまでには長い時間がかかります。この場合、Carburetor HeatまたはAlternate Air Doorは予備であるという考え方は通用せず、むしろCarburetor Icingを予防するという考え方が必要になると思います。
引き続きCarburetor Heat


最後に、実際の飛行の現場において、安全を目標に現実的な観点から見た場合です。Fixed Pitch Propeller装備のEngineでは、Engine回転数がTachometerのGreen Arcを下回ったらCarburetor HeatをONという考えが一般的のようです。

実際には、Engine回転数ではなくCarburetor内のThrottle Valveの開き具合が問題だとは思いますが、Engine回転数が目で確認しやすいからでしょうか。この考えによれば、Downwindを減速しながら飛行していて、仮にEngine回転数が1500rpmだったとすると、Throttle Valveが閉じ気味であるので、Carb HeatをONにする必要があるでしょうし、Downwindを50kts/2000rpmくらいでSlow Flightしているならば、Throttle Valveは開き気味であるため、Carb HeatがOFFであってもよいと思います。着陸進入時の低回転、低出力域での飛行を考えると、閉じられたThrottle Valve、低下する熱量、この状況では湿度さえあればCarburetor Icingが起きる可能性は大きいはずです。

私自身としては、着陸進入時にはCarburetor HeatはONとする、定期的なCarburetor Heat ONとOFFを繰り返し使用する行動は、Carburetor Icingの早期発見、Carburetor Heatの動作確認など、安全確保のために必要なことだと考えています。

同時に、Flight Manualから逸脱しない安全の範囲内で、飛行する機体と自分の所属する団体の方針も踏まえ、臨機応変にすることも必要ではないかと思います。
セスナとパイパーではキャブレターが違うのですかね?。
それとも考え方の違い?。
セスナからパイパーへ乗った時に戸惑いました。ただセスナでも外気温度が30度も有る様な真夏では使いません。使っても問題は無いと思いますが、使う必要も無いと思うので。
Uedaさん
CessnaもPiperも、基本的にCarburetorはMarvel-Schebler型です。現在製造しているのはPrecisionやFacetなどの会社だと思いますが、Venturi Tubeが脱落しないよう一体型にしたりしているなどの改良以外、基本的な形は1960年代(もっと前なのかも?)から変わっていないでしょうね。

Carburetor Heatが必要か必要でないか、Exhaustの熱が関係しているのではないかと思います。上の写真は2001年型のPA-28-181、Piper ArcherのCarburetor周りですが、Carburetorのすぐ隣にHeat Exchangerが設けられています。これがCessnaやBellancaなどでは同じLycoming O-235やO-320でもかなり前方にあって、熱の影響を受けないような位置にあります。おそらく高い出力が得られるようにという配慮でしょうね。

と、ここまで書いて気が付いたのですが、地上において、Piper CherokeeやArcherではほとんどIdle Cut-off近くまで絞れるのはこれが原因かもしれません。熱で燃料の気化が促進されて、MixtureをLeanにしても十分な混合気が得られると。長年の疑問でした。
Q: Mixtureに関する質問。

訓練で使用していたCessna 172はEGT(排気ガス温度計)が付いていたが、今乗っている飛行機にはそれらの計器がなくミクスチャの設定方法に不安がある。おそらく少しづつミクスチャを薄くしていって、一番エンジン回転数が高い位置から少し濃くするとよいと思われるのが、実際はどうなのだろうか。
最新のPlane and pilot magazineを読み、「正しいミクスチャを設定することがエンジン寿命を延ばす」と書いてあり、少し気になった。

Saitoさん 2006年6月
A: Mixtureの正しい設定がEngineの寿命を延ばす、これは事実でしょうね。
Engineが長持ちするということは、結果的に安全飛行に関ってくることだと思います。

Mixtureの正しい設定の目安としてよく言われることに、
(1) 地上での運転中は、Mixtureを _ inch引いてカブリを防ぐこと。
(2) 高度 _ ftまではMixtureはLeanにせず、Full Richのままで飛ぶこと。
(3) Mixtureを調整するときは、回転数が下がり始めたところでLeanを止め、元の回転数に戻るところまでRichにし、さらにRich側に微調整する。
(4) EGT(排気温度計)が装備されている場合は、それを利用して最大出力が得られる設定、または経済的に飛行できる設定など、好みの調整をする。
(5) Mixtureを薄くしすぎないように注意する。
(6) 着陸前はMixtureはFull Richであることを確認する。
などがあると思います。

これらは一般的な飛行教育をする上で確かに正しいことではありますが、あえて言うなら「初心者でも飛べるようにするための方法」であるといえ、これを守っていればほとんどの飛行はまず間違いなく行うことができます。
引き続きMixture設定について


では、これが絶対だと信じて行っていて、それぞれ(1)から(6)の方法をでどういった不具合が出てくるかというと・・・

(1) 個々の飛行機のMixture設定に許容範囲内でばらつきがある、または、調節がずれている場合、指定された長さの分だけMixtureを引いても十分に薄くできずにカブリが生じる。または薄すぎてEngineが止まってしまうという可能性。
(2) (1)の理由から、Full Richの状態であってもMixtureが薄めである可能性もあり、高出力設定ではMixtureが薄すぎてEngineを損傷してしまう、または逆に必要以上に濃い設定である場合には低出力設定でMixtureが濃すぎるためにSpark Plugに汚れが生じてしまう。
(3) 吸気圧力の高い低高度においての高出力運転では、この方法ではEGTを越える可能性がある。(例: 離陸し高度1000ft MSL。上昇中であるためThrottleは全開、そして長距離飛行をする計画から、いつもより早めにMixtureを調整する。高出力と薄めのMixture設定のため異常高温となる。)
(4) 空気の多い低高度ではこの方法は効果的ではあるが、高高度では吸気圧力が低く低出力となるため、EGT自体が低めで規定の温度に設定できずに戸惑う。
(5) これに関しては異存なし。しかし、Taxiing中など低出力での運転では、可能な限り薄くしてもEGTは低く危険は少ない。
(6) 着陸前は一般的に低出力であるため、CHT(Cylinder Head Temp)も低温度で、またFull Richの設定から低い排気温度のために排気温度も低く、Engine全体が冷えてしまう。Go Aroundなど高出力が必要なときにSpark Plugの汚れから希望する出力が発生できない、または急激な温度変化からEngine部品に損傷を与える可能性。

などがありそうです。
引き続きMixture設定について


私は技術者ではないので理論的に説明できるわけはないのですが、空気(酸素)と燃料が経済的に燃えるMixture設定は、必ずしもEGTの限界温度以下ではありません。極端な例では、Turbocharger装備のEngineにおいて、低出力機のような回転数の下がりを目安にMixtureを設定してしまうと、過度な排気温度によってExhaust ValveやTurbochargerを破壊してしまいます。こういったEngineにおいては、EGTを安全な範囲に保つために相当量の余分な燃料が必要となり、25in-Hgにおいて16Gal/Hrであるから35in-Hgでは22.4Gal/Hrと単純計算では判断できず、実際には30-35Gal/Hrの燃料流量が必要になります。

では、私が個人的に飛行するときにはどうするかというと、必要なMixture設定をその都度行うようにしています。場合に応じてFuel FlowとEGTを見たり、場合においてはEngine回転数の具合をみたり。そういうわけで、離陸中にMixtureがFull Richであったり多少薄くしてあったり、着陸前に逆にMixtureを薄くして温度低下を防いだりしています。

Mixtureは出力設定や密度高度の変化で、常に再調整が必要と考えるべきではないでしょうか。Engineが燃料を欲しているのか、反対に多すぎて戸惑っているのか、声を聞けるようになりたいものです。

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