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美少女戦隊メイド7コミュの漫画の元になるストーリー

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第一話の変身シーンまでを漫画化する予定ですが、
その際のベースになる物を上げます。
ある程度のシーンの変更と、台詞の省略をしました。

……出来たら添削をお願いしたいんですけど〜、Nick師忙しいかな(苦笑

コメント(12)

・シーン1
 足元に落ちる刀の切っ先
 シルエットのヒカルと茜
 「このウリハルコンの兜に食い込む程の傷を付けるとはな」
 「ち……我の渾身の一撃で斬れぬとは」
 一歩前に出てバールのようなものを振り上げるヒカル。
 (ここまでか……)
 茜、手を握る、そこに握り締めた透の婚約指輪に気が付く。
 (まだ死ねない……あの人の遺志を果たすまでは)
 「良く戦ったと褒めてやる……ウリナラ団四天王たる私に殺される事を光栄に思うピカっ」
 飛び退りながら茜が残った刀をヒカルに投げつけながら吼える。
 「生憎だが……我はまだ死ねぬっ」
 言葉と共に、茜、窓ガラスを破って飛び降りる。
 「馬鹿な、ここは5階」
 投げつけられた刀を弾きながら、そう言って破られた窓に駆け寄るヒカル。
 茜は途中のエアコンの室外機を蹴って狭い路地に飛び降りる。
 見上げる目と見下ろす目が一瞬交差する。
 茜、Bimotaに駆け寄りエンジンを掛けて走り出す。
 「……頼む、間に合ってくれ」
 それを見ていたヒカル、集まってきた部下達を怒鳴りつける。
 「とんだ邪魔が入ったが予定通り決行すると先行部隊に伝達……手勢を集めなおすピカ!」
 「ウリナラマンセー」
 奇声を上げてから駆け出す男達、それを見てからマントを翻すヒカル。
 
  タイトル 美少女戦隊メイド7 第一話 復讐の炎 前編
  
・シーン2
 大日本研究所所内を歩く瑠璃。
 腕に目を向ける、細身の洒落たデジタル時計の表示は20:02。
 (上から見ても下から見ても……ですね)
 疲れたように僅かに笑う、その顔を軽く外に向ける、外は満月。
 食堂に入る、駆け寄ってくるテレフ。
 「今晩は、テレフ」
 「お疲れ様にゃん、注文は……いつもの奴かにゃ?」
 テレフの言葉に頷きながら腰掛ける瑠璃。
 「それで結構ですよ」
 その瑠璃の声にかぶせる様に後から蛍の声。
 「私もいつもので……相席良いですか?」
 瑠璃、軽く目を上げながら頷く。
 「どうぞ」
 座りながら、蛍、僅かに瑠璃の顔を覗き込む感じで彼女を見る。
 「大分お疲れのご様子で」
 瑠璃、苦笑気味に返事を返す。
 「そうですね、データ処理が追いつかないので、体が後2つほど欲しいです」
 蛍、頷きつつ顔をテレフが引っ込んだ厨房に向ける。
 「ふむふむ、今日は……タイ風スープカレーですね」
 「……良く判りますね」
 「ふふふ、愛してますから」
 瑠璃、微妙な表情で蛍を見ながら内心呟く
 (この人もこれが無ければ……)
 テレフ、蛍のスープカレーと瑠璃の紅茶とクッキーを持って厨房から出てくる。
 ティーポットにはカバーがされている。
 二人の前に置きながらにっこり笑う。
 「ではごゆっくりにゃん」
 どうも、と言いながら二人、テレフを見送る。
 蛍、スプーンを手にして瑠璃に顔を向ける
 「にしても、テレフがアンドロイドってのが、私には未だに納得できません」
 「まぁ、取り外しの出来ない猫耳と尻尾以外は人間を完璧に再現してますからね……」
 瑠璃、肩を竦めてティーポットの覆いを外して、紅茶を自分のカップに注ぎ口を付ける。
 「……温度管理も完璧」
 「このカレーの味も……ですね」
・シーン3
 食後寛ぐ二人の姿、若干雑談モードで何か話している。
 瑠璃、時計を見る。
 「休憩時間終了です……私はこれで失礼します」
 「はい、私はもう少し休んで行きますね」
 「では、お先に」
 瑠璃、席を立って食堂を出る。
 窓の外に目を向けて呟く。
 「静かで良い夜ですね……」
 シーン、食堂に戻る。
 蛍の傍らにテレフ。
 「蛍、お替り要るかいにゃ?」
 「……いえ、今日はこれで止めておきます」
 テレフビックリした表情で蛍を見返す。
 「具合でも悪いかにゃ?それとも口に合わなかったかにゃ?」
 「いえいえ、いたって健康ですしカレーも大変美味でしたよ」
 そう言いながらへらっと笑って蛍、席を立つ。
 「ただ、ちょっと調べたい事が有りますので腹八分です、それでは〜」
 ひらひらと手を振って食堂を後にする蛍、扉に手を掛けた時に一瞬だけ鋭い表情を浮かべる。
 (何か……違和感を感じるんですよねぇ)
 満月に惹かれたように窓の外に目を向ける。
 「良い夜ですね……変な生き物も浮かれて騒ぎ出しそうな……」
 そこで蛍、考え込む。
 (へんな生き物……生き物)
 窓の外に慌てて目を向け直す。
 静寂に満ちた森。
 (この自然豊かな森で、いつもは夜の鳥がざわめき枝を揺らす森で、その気配が全く無い……)
 蛍、慌てて身を翻して食堂に駆け込む。
 「テレフ!大日本研究所警備主任、深本蛍から緊急指令」
 テーブルを拭いていたテレフが慌てて蛍に向き直る。
 「にゃにゃ、にゃに事にゃん?」
 「研究所の防衛機能を交戦レベルに変更、襲撃時のマニュアルに従い職員の退避誘導、後、研究所周囲のサーチをレンジと感度を最大にして実施」
 (これは賭けだけど……後で何事もなかったとして自分が譴責される程度で済めばそれで良い)
 テレフの顔が真面目な物に変わり、寝ていた耳がピンと立つ。
 「了解にゃ……大日本研究所メインコンソール[Teleph]……ON」
 カウンターの裏の椅子の肘掛がぱかっと開く、そこにテレフが座り込み、手を置く。
 その手が肘掛に包まれる。
 「アクセス……防衛機能起動、セキュリティランクEに設定、複合型サーチシステム、ブースターON、最大感度」
 「後は頼みます、私は正門に移動しますので」
 「了解にゃ、食堂を臨時のメインコンソールに設定、安全確保のために蛍の退去後は隔壁を下ろしますにゃ」
 頷いて蛍、走り出しながら携帯タイプの端末を取り出し、親指だけで短縮ダイヤルを操作する。
 耳に当て僅かなコール音後に繋がる。
 「博士、深本です、緊急事態の恐れが有りますので退避をお願いします」
シーン4
 大日本研究所、正門脇警備員詰め所にアラートランプ点灯。
 緊張する警備員の上からテレフのアナウンスが響く。
 『襲撃の恐れあり、セキュリティランクをEに変更、武装を変更し各自応戦準備、正門を閉鎖』
 「マジかよ……」
 「ランクE……エンゲージ(交戦)たぁ」
 そう呟きながら、詰めていた3人が警備員奥の装備室に走り防弾チョッキやヘルメットを被り89式自動小銃を手にする。
 その警備員詰め所の入り口をまばゆいライトが照らし出す。
 慌てて飛び出す警備員の前で、閉ざされかかった正門をすり抜けた茜のBimotaが横倒しになる。
 茜、そこから軽やかに飛び降りる。
 ヘルメットを外す、Bimotaのライトに後から照らされて長い髪がふわっと広がる。
 その茜に向かって、警備員、89式を向ける。
 「動くな、足を軽く開き手を頭の上で組め」
 茜、大人しく手を頭の上で組んで口を開く。
 「我が名は陸奥茜、この研究所が襲撃されるという情報を得て、それを伝えに参った、見ての通り丸腰だ、誰か責任者を出して欲しい」
 正門から外に出た蛍、その茜の言葉に考え込む。
 「襲撃……」
 シーン、瑠璃のラボに移る。
 「あれは……Bimota500vdue?!」
 モニターの中の少女に銃が付きつけられる。
 「……拙い」
 そう呟きながら、手近なPC端末を左手にして右手だけで携帯端末を取り出し開く。
 「蛍さん、あの侵入者のバイクはBimota500vdue、オーナーは私の知る限り怪しい人は居ません、
 発砲は控えて頂き、テレフはオーナーと侵入者の照合を実施して下さい」
 「了解で……良いんかにゃ、蛍?」
 「至急実施して下さい……彼女は抵抗もしていませんので、現状では発砲まではしませんよ」
 蛍の声に瑠璃が安堵する。
 「そうですか……良かった」
 そう言いながら、瑠璃がドアロックを開く。
 「テレフ、氷川瑠璃退避準備完了しました、ラボの電源OFF」
 「了解にゃ」
  テレフの返事を聞きながら瑠璃は廊下に出る。
 「職員はマニュアルに準拠して1階に避難後シェルターに退避、繰り返す」
 テレフのアナウンスを聞きながら、瑠璃は肩を竦めた。
 「やれやれ、我ながら野次馬根性ですね……」
シーン5
 蛍、銃を構えて茜の前に歩み寄る。
 「当研究所の警備責任者、深本蛍です。お話を伺えますか?」
 そう言いながら、蛍、もう一方の手で身分証を提示する。
 茜と蛍、向き合う。
 「うむ、ウリナラ団がBNジェネレータと美濃川博士を求めてこの研究所を襲撃せんとしておる、至急対策を取るが良い」
 茜の言葉に蛍が驚愕する。
 「BNジェネレーターを御存知とは……貴女は」
 何か口を開きかけた茜、その時蛍の後から瑠璃の声が響く。
 「陸奥茜さん、Bimota500vdueの数少ない関東圏のオーナーにして陸奥財閥の次期当主」
  そう言いながら瑠璃が蛍の傍らに歩み寄る。
 「陸奥財閥はBNジェネレータプロジェクトの当初からの最大手の出資者……」
  そう言いながら端末を閉じて瑠璃は茜と向き合う
 「お顔も間違いないですね」
 「そなたは?」
 「氷川瑠璃……当研究所の研究員です」
 「ほう……お若いのに大した物よ」
 「そ、その財閥の御令嬢自らが何故?」
  蛍の言葉に、茜、哀しそうに顔を伏せる。
 「須崎透の最後の願いだ、この研究所に危急を告げて欲しいと」
 「最後って……須崎君に何か有ったのかい」
  後からの言葉に蛍と瑠璃と警備員の顔が驚いてそちらに向く。
  薄汚れたよれよれの白衣にひん曲がったネクタイ姿の男。
 「このような所に出てこられては困ります、一刻も早くシェルターに退避を」
  蛍の言葉に、美濃川博士、へらっとした笑いを返す。
 「いやぁ、モニターカメラ見てたら美少女が颯爽と現れたじゃないか、こんな萌えシチュは逃せないよ」
  一同、それぞれの表情で駄目だこりゃをしている中で、茜だけ美濃川をまじまじと見る。
 「そなたは?浮浪者……ではないようだが」
 「美濃川麻斗女、一応ここの最高責任者だよ、スポンサー様」
  美濃川の言葉に、茜、ショックを受けた様子で後ずさる。
 「……そなたが美濃川博士なのか?BNジェネレーターを発明した……あの」
 「お気持ちは良く判りますが事実です」
  瑠璃が茜に苦笑気味の声を掛ける。
 「と言うわけで、僕が彼女の身分は保証するよ」
  そう言いながら美濃川、蛍に向き直る
 「蛍ちゃん、銃を下ろしてくれないかな?」
 「……博士がそう仰るのでしたら」
  蛍、自身が銃をおろし、警備員にも銃を下ろすように身振りで指示する。
 「ところで、ウリナラ団がここを襲撃するって話だけど」
 「そうだ!早く退避せよ、奴らの先遣部隊は既にここを……」
 「緊急にゃん!所属不明の武装集団がこの研究所を取り巻いておりますにゃ、数、正門前に凡そ50」
  テレフのアナウンスに蛍が表情を強張らせる。
 「50っ、何時の間に!」
 「どうして探知出来なかったんです……」
  瑠璃の呟きにテレフの声が答える。
 「対探知フィールドを使用したと思われる逆位相ノイズを検出しましたにゃ、感度を最大にしてようやく探知したにゃん……」
 「成程、そのせいで陸奥さんの接近にも気が付かなかったと?」
 「ちゅーこったにゃ」
 蛍が考え込むように呟く。
 「対探知フィールド……ウリナラ団にしては凝ったものを」
 「実用品レベルって事は米軍の供与品かねぇ、一部の横流しか」
 「あるいは意図的に……かもしれませんねぇ」
  二人の様子に、茜が苛立たしそうに割って入る。
 「詮索は後回しに致せ、救援を求めるのか逃げるか知らぬが、早く対策を取らぬか!」
 「……一応既に国防軍に緊急連絡を入れて、篭城の構えではあるんですが」
 「まぁ、ウチの研究所の正門破るにはラインメタルの120mmでも持って来いって話だし……国防軍が来るまでは2時間、大丈夫じゃ無いかなぁ?」
  美濃川の言葉に安堵する一同に、茜が静かに呟く。
 「……主力戦車の砲が有れば破れるのか……ならば逃げた方が良いぞ」
 「……え」
 「敵には、化け物が居る」
  その茜の言葉に被さる様に、轟音と共に正門が大きく揺れる。
シーン6

  揺れた正門に流石に一同が自失する。
 「来たぞ、篭城するというなら、建物内に退避するが良い……長くは持たぬ」
  美濃川が呆然と呟く。
 「……テレフ!敵はMBTでも持って来てるのか?」
 「ち、違うにゃん……でもそんにゃ馬鹿な事……」
 「確かに馬鹿げた光景だな……これが一人の少女がしておる事だとは」
  茜の言葉に瑠璃と蛍も端末を覗き込む。
 「テレフ……本当ですか?」
 「そ、そうにゃん……」
  再度正門が大きく撓む。
 「扉その物の強度は大丈夫にゃけど、開閉機構がやられそうにゃ……」
 「人間がこれをしていると言うのか……いや、確かにアレなら不可能では……」
  後半の美濃川の呟きに瑠璃が怪訝そうな目を向ける。
 「お心当たりでも?」
 「有る事は有る……考えたくない可能性だけど」
  二人を他所に蛍が考え込む。
 「何が正門を破ろうとしているかは置いても……計算が狂いますね」
  冷静な顔で、警備員に向き直る。
 「進入された際のプランに切り替えます、屋内で防戦、時間を稼ぎVIP及び最重要機密情報の保護に目的を切り替えます」
 「了解」
  その蛍と警備員に茜が近寄る。
 「……済まぬが、我が借りられる警棒か何か有りはせぬか?」
  茜の様子に蛍が眉を顰める。
 「何をされるおつもりです?」
 「あやつらに切り込む、多少の時間稼ぎにはなるし、何人かは道連れにしてくれよう」
 「そっ、そんな真似を民間人にさせる訳には」
  蛍と茜の間に、瑠璃がさり気なく割ってはいる。
 「確か、博士のラボに塚原さんの木刀が有りませんでしたっけ?」
  そう言いながら瑠璃が美濃川に目配せする。
 「あー、お土産でくれたアレかぁ……物はそんなに良い物じゃ無いよ」
 「この際贅沢は言わぬ……それは借りられるのか?」
 「どうせ博士は使いませんからね、こちらです」
  そう言いながら瑠璃が走り出す、茜が後を追う。
  何故か美濃川も二人の後を付いて走り出す。
 「ちょ、一寸お待ち下さい博士。博士はシェルターに移動を」
 「やー、瑠璃ちゃんに茜ちゃん、二人の美少女が行くなら僕も行かないとねぇ……」
  蛍、一瞬情け無さそうな顔をしてから、立ち直る。
 「では、皆さんは手順どおりにシェルター前に移動、手前のGブロックで応戦してください」
 「了解、主任は?」
 「私は……博士の護衛ですから」
  そう言いながら、蛍、美濃川の後を追って走り出す。
 
シーン7

  扉にバールのような物を叩きつけるヒカル、その度に正門が大きく揺らぐ。
 「全く、駄目……イルボンサラムは無駄に頑丈なものを作るピカ」
  苛立たしそうに更に正門を叩く。
  その一撃が止めになり、正門、土ぼこりを上げて内側に倒れ込む。
 「よし、一隊はBNジェネレータを捜索、残りは私に続く、美濃川博士を探すピカ、博士を殺しては拙いので銃撃は不許可ピカ」
 「ウリナラマンセー」
  甲高い声を上げながら、赤タイツの一団、バールのような物を掲げる。
  ヒカル、傍らの副官に目を向ける。
 「博士の居場所は何処ピカ?」
  端末を操作しながら、エラの張った黒縁めがねが端末を操作する。
 「専用ラボが御座いますニダ、そちらから当たるのが良いと思いまスミダ」
 「判った、案内するピカ」
シーン8

  廊下を走る瑠璃、茜、美濃川、蛍。
  その走り抜ける先から隔壁が降りる。
  瑠璃が軽く振り向きながら茜に声を掛ける。
 「もう少しです」
 「あい判った」
  振り向いた拍子に瑠璃、美濃川に気が付く。
 「……博士、何故こちらに?」
 「え?やだなぁ、瑠璃ちゃんに茜ちゃんが行く先なら、僕も付いてくよ」
 「私は瑠璃ちゃんではなく氷川です……それに蛍さんまで」
 「私は博士の護衛ですから……」
  苦笑しながら走る蛍。
  一同が一つの扉の前にたどり着くと扉が開く。
 「あーもう面倒にゃからセキュリティチェックは飛ばしたにゃん、ちゃっちゃと中に入るにゃ」
  テレフの言葉に茜が眉を顰める。
 「……随分といい加減極まるセキュリティよな」
 「失敬にゃん、みんなが走ってる間に、博士、瑠璃、蛍の認証の7割は済ませたから通してるだけにゃっ!」
 「左様か、知らぬ事とは言え失礼した」
  先に入った美濃川が大仰なポーズを取る。
 「ささ、お姫様方、我が陋屋にようこそ」
 「……確かに陋屋よな」
 「似合わない事はしない方が良いですよねぇ」
  一同がゴミ屋敷の様相を呈する部屋の中を見回す。
 「さて、我は別に部屋に用は無い、木刀は何処だ?」
  見回しながら部屋の中央に進む茜、それを後から瑠璃が見ている。
 「木刀ですか……そんな物は最初から有りませんよ」
  そう呟いて、瑠璃、天井に叫ぶ。
 「テレフ、クラスA氷川瑠璃権限で命令、入り口を閉鎖」
 「にゃ」
  テレフの声と共に、重い音を立てて入り口が閉鎖される。
  それを見た茜の血相が変わる。
 「そなた……我を謀ったかっ!」
  詰め寄る茜に、瑠璃は冷静な表情を向ける。
 「ええ、あの時得物は無いと言えば貴女は素手で襲撃者に向かって行く……私にはそう見えましたので」
 「……ふ……見透かされて居ったか」
  茜、自嘲の笑みを浮かべる。
 「だが、それでも良かったのだ……奴らと戦い……死なせてくれればな」
  茜の傍らに蛍が歩み寄る。
 「何故、貴女がウリナラ団と戦うのです……軍人では有りませんよね」
  その蛍に目を向けず、茜はポケットから取り出した指輪に視線を落とす。
 「何故か……か、妻が夫の敵を討つのに理由が要るか?」
 「夫……」
  そう呟く蛍と瑠璃が、「須崎透の最後の願い」と言った茜の顔を思い浮かべる。
 「まさか……須崎さん?」
  茜、頷く。
 「透は、奴等に拷問の末に殺された……我は……我は彼を救い出す事ができなんだのだ」
  足元に涙が零れる。
 「結局此度の警告も間にあわなかった……ならばせめて」
  茜、指輪さら手を握る。
 「せめて……奴らを一人でも多く道連れにしてやる」
  その茜の頬を蛍が叩いた。
 「そんなに簡単に死ぬなんて言わないで下さいっ」
  その蛍に、茜、キツイ視線を向ける。
 「生きろと?復讐に身をやつすのは不毛だ等という説教は聞かぬぞ」
 「説教?」
  鼻で笑って蛍、茜の胸倉を掴む。
 「私が聞きたいのは、貴女があんな末端の草共を刈るだけで満足かって事ですよ!」
  蛍の言葉に茜の表情が若干変わる。
 「無論満足などしない……奴等の首魁を倒したい……だが……」
 「なら生きなさい、奴らの根を絶つまで……それでなくては犬死も良い所です」
  蛍の言葉に、茜、顔を伏せる。
 「貴女が何を望もうと結構……でも人が何かを果たす為の条件は一つ、生きている事です」
 「……ふ、そなたもきついな」
  その足元に涙の雫が零れる。
  その肩に瑠璃が手を置く。
 「捲土重来という言葉もあります」
  そして、茜を抱き寄せる。
 「悲しくても……どんな望みを杖にしても構いませんから今は生きて下さい」
  茜、瑠璃の胸の中で頷く。
  蛍、その二人を少し悲しそうに見つめる。
シーン9

  隔壁を破壊するヒカル。
 「ちっ、流石に日本最高峰の機密を守っている場所だけ有るピカ」
  傍らの副官、端末を覗き込む。
 「美濃川博士のラボまで後少しです」
  その前にまた隔壁。
 「距離は僅かかも知れないが、手間はかかりそうピカ……」
  そう言いながら、ヒカル、バールのような物を振り上げる。
  
シーン10
  
  どぉんという音が美濃川研に響く。
 「近い」
  呟きながら茜、顔を上げて瑠璃から離れる。
  美濃川、モニターを見ながら頭をかき回す。
 「拙いね……ある程度人員は分散するかと思ったのに、最初に僕のラボを目指して来るとは」
 「当たりの付け方としては悪くないと言うかセオリーですね……どれだけ調査されてるかは不明ですが」
 「少なくとも美濃川研の位置は把握されてるっぽいにゃん」
  そのテレフの言葉に、蛍、考え込む。
 「移動した方が良さそうですね……」
 「ちょっと遅かったかも知れないよ……連中は挟み撃ちの形でこっちに迫って来てるね」
 「例の正門破った女が居る部隊と、他の部隊と進行速度に明らかに差が有るから、暫くは逃げ回る事は可能そうにゃけど……」
  瑠璃が手首の時計に目を落としながら呟くような言葉を出す。
 「後1時間50分逃げ延びられそうですか?」
 「難しいだろうにゃー、上層に続くエレベーターと階段は押さえられたにゃん」
  テレフの言葉に蛍、再度考え込む。
 「ギリギリまで逃げつつ一番防御の固そうな部屋に入り、博士の身柄を守るしか無いですかねぇ……」
 「それだと1時間持つかどうかにゃりな……」
  そのテレフの言葉に蛍、顔を上げる。
 「……とりあえず逃走可能なルートを出して下さい、ここに居続けるよりはマシです」
 「……第二兵器開発室に行こう」
  それまで何か考えていた美濃川が言葉と共に、モニターの一点を指差す。
 「何か成算でも?」
 「気が進まないけどね……今移動出切る範囲では一番マシな可能性がある部屋だよ」
 「確かに兵器開発室なら武器になる物も有りますかね……」
 「では、急ぎましょう……」
  モップを手にした瑠璃が、モニターを見ていた茜に箒を差し出す。
 「素手よりはましかと思って持ってきましたが……」
  茜、受け取って軽く棕櫚ぼうきで二三度素振りをくれる。
  軽く振っているのに空気を引き裂く凄まじい音が響くのに、蛍が驚いた顔を向ける。
 「忝い、使わせてもらう……我が先行しよう」
  茜の言葉に蛍が頷く。
 「……お願いします、瑠璃さんと博士は真ん中に、テレフ……ロック解除」
 「にゃん」
  言葉と共に美濃川研が開く。
  一同、走り出す。
シーン11

 「第七隔壁の向こうに敵が現れましたにゃん……突破しないと第二兵器開発室には……」
 「急ぐぞ……敵は我が押さえる」
  開く隔壁、T字路の左手に敵の姿。
  茜、体を低くして速度を上げる。
 「ふっ」
  バールのような物を構えた男の間合いに一息で入り、下段から男の首筋をはね切る。
  一拍置いて鮮血が噴出す。
 「ほ……箒で?」
 「……成程、素手でも彼らを道連れとは、あながち大言では無いらしいですね」
  感心しながら、一同スピードを上げてT字路を右折する。
  隣の敵と切り結びながら、茜怒鳴る。
 「急げっ」
  じりじりと下がりながら、茜、男の右足の膝を箒で斬る。
  崩れ落ちる男の傍らから打ち込まれるバールのようなもの。
  受けた箒が折れ飛ぶが、茜、構わず男の腹に右フックを入れて沈める。
  倒れこむ男からバールのような物を奪い取って構える。
 「来い……ここは通さん」
  隔壁の向こうに美濃川が移動し、第二兵器開発室の扉に手を掛ける。
  蛍、それを見てから茜に叫ぶ。
 「こちらへ!急いで下さい」
 「ふ……斬り結んでおる最中に難しい注文だ」
  薄く笑いながら、茜、一瞬鍔迫り合いに持ち込んでから、男を集団に向かって弾き飛ばす。
  体を翻して走り出す。
  追う男、茜に迫れそうなのが2名。
  そのうちの一人がバールのような物を振りかざして茜に迫る。
 「ウリナラマンセー!」
  その右目にナイフが突き立ち、男が悲鳴を上げて蹲る。
  ナイフ投げのポーズで立つ蛍の姿。
 「……見事な物だ」
  呟きながら、茜、更に速度を上げる。
  その後から更にもう一人が迫る。
  その時廊下の影に潜んでいた瑠璃が飛び出しざまにモップを男の足に叩きつける。
  足首を変な位置にひん曲げて倒れ込む男。
  男、バールのような物を持った手を伸ばす、先端が茜の足を引っ掛ける。
  それには気付かずに、モップを手放して瑠璃が走る。
 「テレフ、隔壁閉鎖!」
  蛍が叫ぶ、その時、苦痛の声が聞こえる。
  男が最後に繰り出したバールに引っ掛けられた茜の足から血が滴り、茜足を押さえる。
 「しまった、テレフ止めて!」
  隔壁の向こうに退避した瑠璃が叫ぶ。
 「無茶言うにゃ、一度閉鎖してからでないと再度開くのは無理にゃ」
  迫り来る男達を背景にして、茜、膝立ちで下り出した隔壁の向こうに顔を向ける。
 「これで良い……そなたらは逃げ延びよ」
  茜、笑顔を向ける。
 「……死なせません!」
 「ち、間に合いますか」
 「駄目だ、間に合わない」
  助けに動こうとする蛍と瑠璃の肩を美濃川が押さえる。
 「邪魔をしないで……」
  何か言おうとした瑠璃の言葉が美濃川の真剣そのものの顔を見て止まる。
  美濃川、茜に真っ直ぐに目を向ける。
 「茜ちゃん……ここには」
  美濃川一瞬躊躇ってから口を再度開く。
 「……ここには君が復讐を果たす為の力がある」
 「何っ?!」
  その言葉に茜、反射的に立ち上がる。
 「だから諦めるな!」
  隔壁は瑠璃たちの腰辺りの高さまで下りていく。
 「茜さんっ」
  叫んだ瑠璃の前に、茜、スライディングの要領で隔壁内部に滑り込んでくる。
  立ち上がって埃を払いながら、美濃川に目を向ける。
 「……博士、力とは何だ」
  瑠璃の目が茜と一緒に美濃川に注がれる。
 「人類を超越する力さ……」
  蛍だけが、何かに思い当たったような視線を美濃川に向ける。
 「博士……まさかMaidSystemを?アレは試作品で、評価もまだ殆ど済んでは!」
 「うん……でも他に手は無いだろ」
  美濃川、躊躇いを振り切るようにへらりと笑って第二兵器開発室のドアに手を掛ける。
 「……仰るとおりですが」
 「最後のランナーも帰った事だしさ……ボチボチ劇的に逆転と行こうじゃないか」
シーン12
 「何?ニダー戦闘員を振り切って美濃川博士が逃亡したピカ?」
  ヒカル、苛立たしそうな視線を副官に向ける。
 「馬鹿な、確かに銃の使用は禁じたが並みの人間がやつらと戦える筈が無いピカ……待てよ」
  思わずウリハルコンの兜に手が伸び、傷をさする。
  ヒカルの脳裏に自分と切り結び逃亡した女の姿が浮かぶ。
 「奴か……何処まで我らの邪魔をするピカ」
  呟きながらヒカル、副官に顔を向ける。
 「逃亡の恐れは無いピカ?」
 「出入り口及び上層下層に至る通路は封鎖致しましたニダ、どの道袋の鼠スミダ」
 「判った、では包囲を崩さずに私の到着を待つように伝えるピカ」
シーン13
 
  茜の足に蛍がハンカチを巻く、瑠璃が心配そうな顔を向ける。
 「痛みませんか?」
 「多少はな……それより博士、力とは?」
  奥から小さなカバンを手にした美濃川がふらりと歩み寄ってくる。
 「これだよ」
  そう言いながら机の上に置き、セキュリティカードを通してから指紋を認証させる。
 「随分小さいですね……どういう武器ですか」
  怪訝そうな瑠璃の隣に蛍が並ぶ。
 「武器……と言うよりはパワードスーツを中心としたトータルな兵器管理システム……ですね」
 「ぱわーどすーつ?」
  怪訝そうな茜の隣で、瑠璃も眉を顰める。
 「このサイズでパワードスーツですか?」
  美濃川、瑠璃に向かって頷く。
 「そう、まぁここに有るのは起動スイッチだけでね……後の装備は全部亜空間コンテナに格納されている」
 「亜空間コンテナを起動できるエネルギー量なんて……」
  そこで、瑠璃、言葉を切って何ともいえない目を向ける。
 「成程、BNジェネレータを搭載しましたね?」
 「御明察」
  そう言いながら、美濃川、6色のリボンを取り出す。
 「幸い、コイツは起動実験が終わって帰ってきたDVT機材にブルーを除けば制御プログラムのRC版がインストールされている、動作は安定してきてる」
  その美濃川の言葉に、ドンという響きと振動が被さる。
 「御託は良いっ、敵が迫っておる、早くそれを」
  手を出す茜に、美濃川、鋭い目を向ける
 「待ちたまえ、そうそう気安くこれを誰かに預ける訳には行かない……」
 「今はそんな事を言っている場合では」
  瑠璃の言葉に、蛍と美濃川が首を振る。
 「いえ、場合によっては、これは無かった事にしなければいけない装備です……たとえ私達全員が殺されてでも」
  蛍の言葉に美濃川も頷く。
 「日本最大の機密たるBNジェネレーター、一基で日本全土の電力を賄うどころか、超過分を世界に輸出するようになった、日本の救世主たるエネルギー発生装置」
  美濃川の言葉に瑠璃が天を仰ぐ。
 「それを個人装備……正気の沙汰とも思えませんね」
 「そう……まぁ、小型化に伴って出力は多少落ちてるけどね」
  美濃川の言葉の後を蛍が引き取る。
 「確かにオーバースペックに見えますが、現代の世界の戦争の形は大きく変わって来ています……大規模な軍事力を揃えてしまった故に身動きが取り辛くなった国と、それに対抗するために間隙を付く形でのテロ行為等で対抗する国の二極化」
  そこで蛍、若干皮肉っぽい笑みを浮かべる。
 「そこで機動力と運用面の柔軟性が高い、超人的な兵員の要請が高まったのです……」
  蛍、言葉を僅かに切って肩を竦める。
 「言い出した人がハインラインが好きだったかまでは知りませんがね」
  蛍の言葉に瑠璃が若干苦笑を浮かべる、美濃川、蛍の後を引き継ぐ。
 「で、BNジェネレーターの小型化が容易な点に目が付けられたって訳さ、ただし、小型化による弊害も有ってね……」
  美濃川、苦い表情を浮かべる。
 「開発中の実験用BNジェネレータが開発メンバーの一人の手で盗難に遭った事がある」
  そう言いながら、美濃川、コンソールを操作して、ヒカルの姿を映し出す。
 「そして、恐らく彼女はそいつを装備しているんだ」
  美濃川の言葉に蛍と瑠璃が頷く。
 「成程……確かにアレを動力にしたパワードスーツならあの破壊力も頷けます」
  黙って話を聞いていた茜が腕組みをする。
 「それが大層な代物なのは判った」
  そこで言葉を切って、美濃川をジロリと睨む。
 「で、それを我らに使わせるのを渋る理由は?」
  そう言う茜の顔を美濃川は見返す。
 「BNジェネレーターはある特性の為に、装着者を非常に選ぶ……」
  その美濃川の言葉に蛍が頷く。
 「だが、それは今回は幸か不幸か全く問題ない。君らは戦場で怯える事も無く、戦闘経験とスキルも有り、頭脳は明晰で、日本に対して危険な思想も持ち合わせては居ない……そして何より」
 「何より、何だ?」
  言葉を切った美濃川に、茜が目を向ける傍らで、瑠璃が何かに思い当たったように表情を曇らせて呟く。
 (まさか……)
  それに向かって、美濃川、肩を竦める。
 「美女と美少女だ、非常に結構」
 「くっ、そなたはこの期に及んで我らをからかうかっ!」
  その茜を瑠璃が押さえる。
 「いえ、BNジェネレータがエネルギー源なら、実際最重要なんです」
 「そう、BNジェネレーターを起動させる原動力……それは煩悩……中でも萌えの感情なんだ」
 「萌え?」
  目をぱちくりさせる茜に蛍が苦笑気味に口を開く。
 「ええ、聞いた事ないですか?美少女のアニメなどに群がる人たちが発している言葉なんですが」
 「……いや、寡聞にして知らぬ」
  ずんっ、再度の揺れ。
  音の近さに、茜が苛立つ。
 「よく判らぬが適任だというなら我にそれを貸せ!今は生き残る事が先決なのであろう?」
  そう言いながら茜が蛍に顔を向ける。
 「茜ちゃん……これは貸すとかそう言う軽いものじゃ無いんだ……」
  美濃川が真面目な目を向ける。
 「構想どおりのスペックが出せるなら、これは使いようでは核すら凌ぐ破壊力を持つ……従って戦場での鹵獲を防ぐ意味を込めて、初回起動時にパーソナライズ……つまり個人を特定して使う物に設定される」
  頷く瑠璃に目を向けて美濃川、再度口を開く。
 「従って、君たちがこれを付けた場合、君たちはこのメイドシステムから逃げる事は出来ない……コイツの能書きを長々したのは」
  そこで、美濃川、言葉を切って3人に向き直る。
 「君たちに、人間以上の力を手にして生きて行く……その覚悟があるか聞きたかったからだ」
  茜、瑠璃、蛍、それぞれの表情で美濃川に向き合う。
 「我はやる……例え何に変じようと……この手で奴らを引き裂く、その為の重荷なれば怯まず背負おう」
 「メリットとデメリットに関しては承知しました……装着によるメリットの方が大きいと判断します」
  そう言いながら、瑠璃は茜に僅かに目を向けてから、また正面を向く。
 「望むところです、博士護衛の任務からしても、私が装着するのが筋です」
  美濃川、3人を見て僅かに溜息をつく。
 「了解した……MAID(Maximum Assist in Drive of BN)Systemを君たちに預けよう」
シーン14
  美濃川、3人にリボンを差し出す。
 「好きなものを選べと言いたいけど、それぞれ性能が違いすぎるから、僕から向いてると思われる奴を渡す」
  そう言いながら、美濃川、茜に赤いリボンを差し出す。
 「ふむ……我は赤か」
  ブルーを受け取って瑠璃が苦笑する。
 「好きな色で良かったです」
 「蛍ちゃんはスペックを把握してるよね……どれを選ぶ?」
  肩を竦めて蛍が黄色を手にする。
 「カレー好きはイエロー……と人類のDNAに刻まれてますので」
 「違いない」
  苦笑して、美濃川は残りのリボンをカバンに仕舞う。
 「敵、第二兵器開発室前の隔壁に取り付きましたにゃん!」
  テレフの声に、一番手前の隔壁が破られる轟音が被る。
 「使い方を説明している暇は無さそうだ……そのリボンを頭の前にかざして」
  多人数が殺到する足音。3人がリボンを頭の前にかざす。
 「僕の後に続けて……メイドシステム」
 「メイドシステム」
  瑠璃が静かに呟く。
 「ブート」「ブート」
  鋭く前を見据えた蛍の口が動く。
 「アップ」
  美濃川が最後の言葉を口にすると同時に扉が破られる、ヒカル、勝ち誇って姿を現す。
 「逃げ回るのもここまでピカ」
 「ああその通り……メイドシステム、ブートアップ!」
  茜が凄まじい視線を戸口に向けながら叫ぶ。
  システム音声案内が3人にだけ響く。
 [マスター認証スタート……Teleph Systemにアクセス……大日本研究所所長、美濃川麻斗女の使用承認を確認、起動プロセススタート、起動パスワード入力待機]
  3人が目を開く。
 「戦乙女の魂よ来たれっ……ヴァルキリー・ソウル!」
 「夢魔の祝宴を始めます……ナイトメア・フィースト!」
 「蘇れ殺戮の女神……リバース・カーリ!」
 [認証終了……MAID System RC1……起動]
  その姿が炎、吹雪、雷に包まれる。
  それを見ながら美濃川が呟く。
 「世界最強の美少女戦隊が……誕生する」
 
シーン15 
  その様を呆然と見ていたヒカル、我に返る。
 「な、何をしている、邪魔者を排除し、美濃川博士を捕らえるピカ」
  ウリナラマンセーの声を上げて走り寄る戦闘員。
  炎を纏うシルエットがそれに向かって走り寄る。
  炎を弾き飛ばしながら剣閃が走る。
 「レッドスライサー……」
  その後で戦闘員が縦や横に真っ二つにされて転がる。
  レッド、ヴァルキリーソードを構える。
 「メイドレッド……炎を纏いし真紅の剣聖、推参」
  飲まれたように一歩後ずさる戦闘員。
 「何をしている、敵は一人……」
  ヒカルの声に上からの声が重なる。
 「生憎まだ居ますよ……イエローブレイク!」
  上空に雷を纏うシルエット、それが一回転する。
  降り注ぐナイフが戦闘員の体を引き裂く。
  アイゴーの悲鳴があたりに響く。
  上空でスカートの裾をなびかせながら、イエローが冷たい目を下に向ける。
 「メイドイエロー……雷火を纏いし戦場の道化師、参上」
  走り出していた一部が美濃川の身柄を押さえようと迫る。
  その体が何も無かった所から現れた大鎌に纏めてなで斬りにされる。
 「メイドブルー、蒼白なる死を携え……ここに」
  その姿が闇に溶ける。
  レッド、ヒカルに刃を向ける。
 「貴様の言うとおり、逃げ回るのは終わりだ……我らの反撃……受けてみろ」
 
  第一話 復讐の炎 前編 完

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