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赤井三尋コミュの【絶版本】死してなお君を

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出版して数日で絶版となった「死してなお君を」。
現段階(2007/01/22)では,赤井氏の最新作です。
絶版となってますので,mixi上ではレビューも書けない(+_+)
ということで,この作品を読んだ方には,
ここでレビューを書いていただければと思います。

コメント(1)

結論から言うと「翳りゆく夏」で見せてくれた,
赤井氏のポテンシャルの高さを再認識。
読了直後ですが,非常に興奮している。

舞台は昭和32〜35年。
訳あって特捜検事の職を辞した敷島が主人公。
検事を辞めたあと弁護士もやるが,その職も追われ,
探偵家業に身を落とす元エリート。
広島にいた家族を原爆でなくしており,
希望のない日々を送っている。

そんな敷島に,検事時代に取り調べた相手,
船舶王の北江から仕事の依頼を受ける。
数ヶ月前から誘拐されている彼の娘を探す仕事。

その捜査の中で夕子という娼婦と出会い恋に落ちる。
検察内部の派閥闘争,売春防止法の施行に伴う汚職。
そんな事件に巻き込まれ,翻弄される敷島…。

夕子との悲しい純愛と,元特捜検事としての正義感。
そして絶望的な人生を苦悩する中で壊れゆく人格…。

敷島と夕子を中心に,物語は進むが,
敷島の渡したネタを元にスクープを飛ばすが
不当逮捕を受ける名物記者の立松,
しつこいまでに事件を追いかける刑事の南と喜多。
さまざまな人間模様が織りなすストーリーで読み応え抜群。

検察・遊郭・暴力団・政治家のからむ複雑な事件と
それを解き明かす刑事たちの繰り広げる
ミステリーでサスペンスな手に汗握るストーリーも抜群だが,
不器用で,純粋で,頑なで,盲目的で,
そして破滅的な敷島の夕子への愛情が,
作品に大きな影を落とすとともに,
読者の心に強く響く大切な要素となっている。

ミステリーとしての綿密とテンポのよさに加え,
複雑で壊れそうになる人間の心の危うさが同居した,
手に汗握りながら,心のアクセルが踏まれるような感覚の小説である。
この辺り,高村薫の作品を髣髴とさせる雰囲気もある。

とにかく,「絶版」となったことが悔やんでならない名作である。
未読の方は是非図書館で手にとって貰いたい。

※興奮のまま書き綴ったので乱筆お許しを。

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