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片手の魔術師(小説)コミュの片手の魔術師第18話

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第18話  シヴァ

無意識で暴れる エルザドル。目は白目をむき、足がぐらぐらにも関わらず、周囲の状況にまったく関係なく、壁や、近寄ってきたものを次々と破壊していく。

そんなエルザドルから一撃をもらい、地面に横たわる ローマンド。ダブルエッジアーム(諸刃のこぶし)を使用し、極限に魔力をつかってしまったことから、もうローマンドは筋肉すら動かすことができない状況にいた。


もともと、魔法使いとは魔力を原動力に行動する種族のことで、その魔力がなくなってしまっては一般人と呼ばれている人々よりはるかに運動能力がおちこむ。
ローマンドの魔力はすでに空となっており、ぷらす行動不能となっている。エルザドルがもし、ローマンドにもう一撃くわえるようなことがあれば、ローマンドの命が危ういのである。


城の上から、二人を覗き込むリーシャとピロック。
二人とも体力が限界にちかづいており、リーシャにいたっては魔力は空。ピロックの元気の源 りんご もすでにあと2個!彼は空腹との戦いである。


近くにいた戦士達も、エルザドルのいまの姿にあっけにとられ呆然としていた。


そんな中、黒いマントに身をつつみ、黒い帽子を深くかぶった男が、エルザドルの前に現れた。
ローマンドは、その男をみると、力尽きたかのように、その場で気を失った。

「・・・ローマンド。よくやった。お前がいなければ、いまこの城は壊滅状態であっただろう。後は私がやる」

黒いステッキ形の杖を左手にもつ黒い男。
黒いつやつやとした髪がなびき、耳につけてある紫色のピアスがキラリと光る。
若干ブルーの目で、暴れるエルザドルの姿を捉える。


「・・・シヴァ総長!?」

リーシャと、ピロックはその姿に釘付けとなる。
めったに戦いに参加しない シヴァ が、エルザドルの前に立っているのだ。カレワラに城がたったときには、攻め入ってくる怪物たちと戦ってはいたが、城がおおきくなってからというもの、シヴァの戦う姿はまったくみられることがなくなったのである。

魔力の力はこの城最強と呼ばれてはいるが、実際のところだれもその強さを知らないのである。

「・・・なぁリーシャ。シヴァ総長って、大丈夫なのか?」

と、たまらずリーシャに聞いてしまったピロック。
その質問に、静かにコクッとリーシャはうなずくだけだった。
その戦いからまったく目を離さないようにしているためか、ピロックのほうをまったく見ない。横顔に汗が流れる。


エルザドルが、無意識的に殺気を放つ方向をとらえ、シヴァの元に向かってきた。


「・・・元ルアス三騎士の一人 エルザドル。すこしおとなしくしてもらうぞ。」

そういうと、左手に持っていた黒いステッキをエルザドルに向ける。右手は、何かをもっているかのように後ろに引いている。
ちょうど、弓を引いている感じの格好だ。だか、とうぜん弓はなく、矢すらない。だが、暴れるエルザドルを狙っているかのように眼孔はするどい。

「・・・白き刃とともに。」

シヴァがそういうと、黒いステッキの先が白く光り、弓の形が白い光で形成されていく。どうじに、構えていた右手に矢らしきものがうかびあがり、周りに風が生じ始めた。黒い自分の髪がその風ではげしく揺れる。

あたりに転がっている石や、土といったものが巻き上げられ巨大な竜巻となって、白い光に吸い込まれていく。


「…ウィンドーアロー!!(風の矢)」

強力な風を生んだ白い光が弓矢のごとく、一直線にエルザドルに向かっていく。その矢は目に見えることなく、放った瞬間にエルザドルへと当たる。
あたると同時に、エルザドルの巨体が後ろへと弾き飛ばされ、強力な風とともに、岩盤へとたたきつけられた。

岩盤にあたった衝撃で完全にエルザドルは意識をなくし、その場にたおれこむかたちで気を失った。

その場は、騒然としていた。

エルザドルの敗北によって、エルザドルと共に攻めてきた兵士達は、その場から去っていく形となった。
だが、まだこの戦いは終わらない。後ろに控えているシャフラの軍勢がまだあるのだ。

「・・・すげぇ。ウィンドーアローっていったら、魔術師最弱級の魔法じゃねぇか。ポンコツリーシャでも使えるってのに。」

「だ、だれがぽんこつだっ!!これでも第2部の副隊長だぞっ!・・・ったく。だから、シヴァさまは半端なく魔力があるってことだ・・。俺の魔法だったら、エルザドルにかすり傷ひとつもつけられないだろうから。」


二人は、改めてシヴァの強さを知ることとなったのであった。











そのころ









「・・・・にゃろぉ・・。」

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