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中国語会話、通訳訓練の研究コミュの通訳訓練事始―3 “1分鐘講話”の失敗

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講座の2ヶ月目から“1分鐘講話”という訓練を始めた。一日1回、受講生に1分間中国語を話してもらうというもので、「内容は何でもいいですよ」ということにした。紹介でも、説明でも、感想でそ、問題提起でも、体得でも、意見でも・・・口語で話してくださいね。最初は簡単にできるだとうと思っていたが、意外にもまったくできなかったので驚いてしまった。簡単な原稿を書いてきなさいと指示したら、中国語になっていない作文をつくって持ってきた。1分間スムーズに何かについて話すことができるものは一人もいなかった。自己紹介するスムーズにできないのである。それでも何週間か続けたが、学生はだんだん苦痛になってきたようであった。自己紹介は話した。学校のことも話した。田舎のことも話した。趣味のこともはなした。話題を考えるのが大変だというのである。読書の感想を言えば・・・難しくて言えない。日本の農業問題について話せば・・・よく知らないので意見が言えない。日本の自衛隊についての意見は・・・しっかりしたことが言えない。日本の教育問題については・・・見解がまとめられない。戦争についての考えをいえば・・・わからない。自分の目標や理想については・・・1分ではまとめられないし、自分でも1分で言えるほどはっきりしたものをもっていない。この講座に参加した感想を言えば・・・毎日の勉強が大変で感想をまとめる余裕がない。1分間で述べられるような意見や主張があまりないのである。では5分あれば言えますか?いや、それは長すぎて1日では原稿がかけませんという。単純な説明や解説にしても結局10数回何か言ってしまうと話題が尽きてしまったのである。しょうがないから日本語で言ってくださいということした。結局日本語でも1分間の話はできなかった。日本語でも1分という時間でまとまったことを言うのは難しいというのである。そこで私からテーマを20ほど選定して指定したがやはりできなかった。暗記、読み込みだけでも精一杯だったらしく、その上1分間の話ではかっこいいことを日本語なみに言おうとして作文するものだから、調べたり原稿を書いたりするのに何時間もかかっていたようである。練習も十分しないで(元がしっかりしていないし)原稿を見ないと話ができない状態になってしまった。これでは作文の時間とかわらないし、通訳の基礎練習の役にも立たないので、1ヶ月少しでこの勉強は無理だと思って打ち切った。分かったことは、あるテーマについて議論する能力が十分でないことと、身の回りの事柄や自分の意見をわかりやすく言葉にして表す習慣がないということであった。これでは他人の議論や討議を聞いて通訳するのは難しい。私はただただ「何で説明や意見がいえないのだ〜?」と理解できなかった。受講生は皆20歳代の青年であった。私は30歳くらいだった気がする。物事に1つでもしっかり取り組んでいたら何らかの考えや体得、感想、疑問があってもよさそうなものであるが、その気配がまったくないのである。しょうがなく、“1分鐘講話”はあきらめ、技術的な練習に集中することとした。今にして思えば、“1分鐘講話”の模範例文を数十題提示し、先に学習させてから、似たようなものを1分間でまとめてきて話してくださいというように導入したら違っていたのだろうと思う。指導する側の未熟さがこの勉強方法の失敗の最大の原因であったと思う。

コメント(5)

 『声に出して読みたい日本語』という本で有名になった斎藤孝さんが、その著書で述べていたことを思い出しました。
 あるTV番組の実験で、今見てきた映画のあらすじを言って貰ってみたところ、老若男女に関わらず誰も充分に説明できなかったというのです。
 言葉の勉強をする上での基本となるべき、母語による論理的思考能力が不足しているのではないかということです。
 私自身、高等HSKを受験した際、一番苦手に感じたのはテーマに沿って自分の意見をテープに吹き込むという課題でした。
 限られた通訳訓練の授業時間の中で、この根本的課題に取り組むのは難しいことでしょうが、通訳者になる為には克服すべき課題であるように思います。
何十年来ガイドさんの書かれた問題について、教学という点から考えていました(気にしていた程度です)。実際初級〜中級前期レベルでの論述に関する教材を作成したこともありますが(昔1970年代後半の6年くらい、神田小川町で「新疆中文会話教室」という会話教室で口語の訓練を主体に数年間教材を編集して教えていましたがそのときにやりました)結局、語彙や表現内容は簡単なはずなのに、学生にとっては難しくて、うまく討論ができるようにはなりませんでした。
気がついたことは、母国語での基本的で正確な知識がかけていることでした。中学高校レベルの知識です。なんとなく知っているではなく、しっかりと知っていないと自分で説明ができません。通訳に関する基礎知識といっても、まずは自国の基本状況を把握し、正確に基本状況を説明できる国語力が必要で、同時に中国についての基本的な理解が必要です。次に実際に通訳する各ジャンルや業界に関しての基本的な理解と把握が必要です。【単語・表現】もそのような観点から素養を付けてゆく必要があります。
あげこさん、こんにちは。法廷通訳は傍聴したことが一度あります。東京地裁へ行って、当日中国語の通訳者がいる法廷を傍聴したいといったら、すぐ入って傍聴できました。まだいかれていないようでしたら、こんど行ってみてください。どんな勉強が必要か少しわかるかもしれません。
通訳者は通訳時に自分の意見や見方を言えませんが、自分の知識、理解、見解をしっかりもてたほうが、第3者の異なる角度からの説明、知見、見解、問題提起を理解しやすいと思います。物事をより深く理解するには、判断の基準になる知識、理解が必要です。その道の専門家は数十年やって初めて専門家ですが、その日中の専門家同士の討議、質問、意見交換、問題意識に十分対応できないと十分な理解ができません。通訳者は数日間でそれに対応できるようにしておかないと、現場で話を聞いてもいまいちしっかり理解できないということになります。するとどうしても直訳パターンにならざるをえなくなります。つまり通じにくくなるのです。法廷通訳はパターンが違いますが、本質的には同じことが言えると思います(推測です、やったことないから)。
日本語500文字でコラムを100本書いてみると、勉強になること請け合いです。自分の関心事、物事の説明、見解、疑問提起・・・なんせ100本です。書きたいように書きたいことをかくのです。普通の日本語力があればできると思います。内容が魅力的なものになるかどうかは、考えない。100本書ききることを目標に。100本のコラムを書き終えてから内容や、傾向を分析すると、さらに自分について理解することができるかもしれません。基礎練習だと思ってやってみるのも面白いかも。
ちなみに、この書き込み欄3の文字数が922文字ですから、だいたいその半分強で500文字です。日本語でスムーズに話すと500文字で1分です。中国語なら280〜300文字(句読点を含めない)で1分です。

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