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社長三国志馬鹿一代☆出張版コミュの昔、某所で書いた過去原稿

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 昔、某コミュニティーサイトで書いていたものを載せておきます。 こっそりと。

コメント(4)

デビュー作 !?「張遼」



ガキの頃からその背中を見て育った。あれは、まさしく武の神の申し子だった。張遼、字を文遠というは幾重もの鉄鎖で絞殺された自分のあこがれをながめながら、唇を強く噛み締めた。
俺は、呂布将軍になりたかったのだ。方天戟とよばれる長柄の矛を手に、深紅の軍馬にまたがり、幾万もの諸公をふるわせた英雄。権謀術数に長けた群雄たちが多い中、あそこまで自らの武にこだわった男はいない。
「お前はどちらを選ぶ?」
処刑場の上から見下ろすその男は名を曹操といった。策によって天下に名を示し始めた男。そして、最強無比といわれた呂布将軍を打ち破った男でもある。 できれば、主である呂布の死に殉じたかった。現に参謀の陳宮や高順は曹操からの執拗な投降勧告にもかかわらず、みずから死を選んでいる。
だが。こうして生き恥をさらしながらも、死ぬ気にはなれなかった。まだ、身体が動き戦えるなら、なすべきこともあるのではないか? 呂布という男がいたということを風化させたくは
ない。忘れさせたくはない。

以降、曹操の戦には張遼の姿か常にあることになる。その勇姿は、呂布の再来ともいわれ、とくに呉の将兵たちからは遼来々と恐れられることになる。

だが、この時の張遼にそんな未来を見渡す力などない。 俺は。敗軍の将、張遼は屈辱を噛み締めながらも新しい君主に忠誠を誓った。





昔書いたヤツっす。2005年はじめくらいに友達のblogに助っ人参戦したヤツで。 後から考えると!?、な
小説☆「桃園に訣別す」

夢とはなんなのだ?
無力さを味わいながら、男は血走った眼で空を睨んだ。
漢も、魏も、呉も、いや蜀とて意味や価値なぞない。
戦う意味も、共に戦い、勝利を味わう仲間がいなくなった今ではもはやまったくない。
義や情に厚い男。
大徳の名将と謳われてきたことが呪わしく感じられた。
雲長、益徳。
二人の弟を呉の謀略によって奪われた。時代がそうさせた結末だったのかもしれない。
味方と信じていた呉によって討ち取られた関羽。部下に暗殺された張飛。
「ずっと一緒、死ぬ時は同じと約束したのによ」
墓碑がわりに天幕の前に掲げた青龍偃月刀と蛇矛を見る。
共に戦おう。兄弟として、死ぬ時は同じ。
最初は内心青臭い誓いだし、いっかは破綻するやもしれんと思っていたのに。 「本物の兄弟を越えた瞬間に俺だけおいてきぼりとは薄情なもんだよな」
関羽や張飛の仇である孫権や呉の将軍どもを考えるとはらわたが煮え繰り返る。
私憤に駆られた男と罵られてもいいから、孫権の首を撥ね、墓前に捧げたかった。
死ぬ時は同じって言ったんだ。
だから、大徳の名将も仁義の劉公叔も必要はなかった。
「劉備玄徳は二人の弟がいたからこその玄徳であった」
眼を閉じる。
三人で駆けたあの頃は眼を閉じれば、いつもあの桃園の匂いや光景が思い出せた。どんな時でも。
だが、あれから四十年もの歳月が過ぎたのだ。桃の木も枯れてしまっただろう。
ならばいい。
記憶の彼方で笑ってる弟たちを汚すわけにはいかなかった。
さらば、兄弟よ。
復讐に駆られた鬼に兄弟などいるはずもあるまい。 優しくも甘くもない盃を呑み干し、その場に置く。
 「さらばだ」
空になるはずもない二つの盃に背を向ける。
一人で浴びる風は身に染みるものだな。
老いた英雄は今更ながらに孤独を味わった。
慰めのない時代が笑うように砂を巻き上げた。


公孫越の死

これはなかなかの戦果だ。
小規模な乱戦で公孫越をを討ち取るとは。
白馬将軍の従弟にして、勇敢な戦士。部下たちが運んで来た敵将の死骸を見て、袁紹本初は冷笑した。
韓馥を騙して、冀州を無血開城で得たものの、そんな小さなもので満足するこの袁紹ではなかった。
いずれは幽州なども併合して、北は征圧するつもりでいる。
「やりましたな」
公孫越の死体を眺めながら、老いた参謀田豊が笑った。
「まあまあ、だな。 だが、弟同然のこやつが討ち取られたのだ。 あやつは怒り心頭であろうのう」
公孫鑚の怒りはわかった。兄弟のように育った相手なのだ。怒り狂ってもらわねば、こちらも都合が悪い。
「こやつの首を撥ねよ。髪を削ぎ、身体も宦官と同じように処せい! 胴は胴でありとあらゆる罵りの言葉を刻んだ上で伯珪(公孫鑚の字)の幕舎の裏にでも打ち棄てよ」
悪くない考えだった。ここまで辱めてやれば、公孫鑚も引くに引けまい。
冀州は冀州で確保するが、幽州も手に入れるつもりだった。
「しかし、あまりに酷いやり方ですな、殿。下手すれば、人倫にもとるやり方です」
「そう言うな、元晧。北の空を駆ける白馬が、目障りでならんのだ」
白馬義従などと称して、駆ける騎馬軍団。あれは匈奴たちからも畏れられている。早めに鎮圧して、恩を売っておくのも必要だった。
「そうだ、公孫越の愛馬も捕獲してあったな」
引き出されたのは、公園孫越の愛馬だった白馬だった。濃い白。多少、矢傷はあったが癒えれば、いい働きをするのは、容易に見て、取れた。
一太刀で首を撥ねる。悲鳴の後に、血飛沫が踊る。 いきなりのことに田豊が色を失った。知恵は働くが温和な男だった。
「乱世なのだ、多少悪にでもなる」
血溜まりの中に横たわる首を見る。
血生臭さが風に乗って、四方に走る。
南では、曹操が苛烈な戦いを繰り広げているのだ。
漢王室の末裔劉虞を新しい皇帝として擁立する話も、うまく行ってはいない。優れた資質と高潔な人格ゆえに、天子になられようとしないのかもしれない。 四世三公と謳われているが、そんなまやかしもいつまでも通用すまい。
まずは、生意気な白馬だ。
この首を撥ねるように、簡単にはいくまいな。
刃にしたたる鮮血を見下ろしながら、袁紹は呻いた。
乱世よ。







参ったな。
民衆を率いての逃避行がこれほど大変とは。
荊州の民を守りながら、移動しているが、速度が予想以上に鈍いのを痛感しながら、劉備は息を吐いた。 明確な理念もなく、ただ、民や漢王室復興と唱えるだけでは。
そう言った意味で、曹操は有言実行だった。詩歌を巧みに唄い上げるかのように志しを口にし、そして実行する。
戦の化身であり、同時に言葉の誘惑者でもある。
得体も知れない漢王室より、堂々とした態度には男として悔しさより憧れるものがある。
「しかし、愚鈍だな」
「は?」
横にいた兵士が首を傾げた。兵士も愚かなら、民も愚かだった。
曹操に追われているのだ。速度をあげるためには身軽になって走るのが一番なのに、重い荷物を背負ってる様は腹立たしいというより、滑稽である。
財産、か。
家財道具だから、全財産といえる。
だが、死ぬば何も残らないのだ。
財産などなかった。
戦いの日々を過ごした割には、蓄財などなかった。 強いて、大切な財と言えば、部下だろう。
関羽、張飛、趙雲。
この三人が唯一の財産だった。
今、張飛は民の行軍の遅さを補うために、しんがりを務めている。
最高尾で曹操軍と戦っている。
馬鹿な男だ。
優れた武力を持っているのだ。さっさと曹操に降れば、将軍くらいには軽くなれる器量である。
関羽も、張飛もほぼ、無財である。
俺はおまえらに報いることも出来ない情けない男だ。
情けなくて、苛立ちに駆られる。
「皆のもの、曹操は女子供も容赦なく殺すぞ。荷物など捨てて走れ」
怒鳴る。
逃げる者は命だけを手にすればいいのだ。
益徳よ、先に行く。
万人を相手に戦える弟に詫びる。
今は駆けるのみ。
劉備は馬を走らせた。


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