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超流派・ヨーガコミュの聖者の生涯「ミーラーバーイ−」

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聖者の生涯「ミーラーバーイー」




 ミーラーバーイーは、1504年にラージャスターンのメルタという小さな国のチャウカリ村で、メルタ国の王女として生まれました。「ミーラー」とは「こんこんとわき出る泉」または「神の妻」という意味であるといいます。

 彼女の父ラタン・シンは、ジョドプールの都市を創設したラオ・ジョーダ・ジ・ラトールの子孫のラオ・デュダの二番目の息子でした。
 ミーラーは祖父によって育てられ、王室の慣習として、聖典、音楽、弓、剣、乗馬、馬車の運転についての知識を学び、さらには戦争の時に備えて武器の訓練も受けました。

 ちょうどミーラーが三歳くらいの時、あるサードゥが彼女の家にやって来ました。そのサードゥは、ギリダラ(山を持ち上げるクリシュナ)の像を持っていました。ミーラーは一目でその像に惚れ込んで、サードゥに譲ってくれるように頼みました。しかしサードゥはそれを拒否して、旅立ってしまいました。ミーラーは悲しみのあまり寝込んでしまい、食事も取らなくなりました。
 そのサードゥは、帰る途中で居眠りをして夢を見ました。そして夢の中にクリシュナが出てきて、「今すぐ戻ってその神像をミーラーにあげなさい。」と言ったのでした。サードゥは驚いて引き返すと、その像をミーラーに授けたのでした。

 そのときからミーラーは、生涯を通してクリシュナを自分の友、恋人、夫にすると心に決め、そのクリシュナの像を本物のクリシュナと見て、肌身離さず死ぬまで持ち歩いたのでした。



 ミーラーがちょうど四歳の時、彼女は家の前で結婚式の行列を見ました。
 子供であるミーラーは、立派な身なりをした花婿を見て、母親に無邪気にこう尋ねたのです。
「お母さん、誰がわたしの花婿になるの?」
 ミーラーの母親は微笑み、冗談半分で、ミーラーがいつも大事にしていたクリシュナの像を指差し、こう言いました。
「わたしの愛しきミーラーよ、この美しきクリシュナが、あなたの花婿になるのよ。」
 この後すぐに、ミーラーの母親はこの世を去りました。

 ミーラーは成長するにつれて、クリシュナと一緒にいたいという願いが著しく強くなっていき、主クリシュナが自分と結婚するために来てくれると信じていました。
 そしてやがて彼女は、クリシュナが本当に自分の夫であったと確信するようになりました。

  
  


 ミーラーは言葉遣いが優しく、穏やかで、優れた才能があり、可愛らしく、また美しい歌声で歌いました。
 彼女はたぐいまれな美しき女性の一人であると評判が立ち、いくつもの王国や地方へと彼女の噂は広がっていきました。
 メワーラという大国の王のラーナ・サンガとして一般に名高いラーナ・サングラム・シンは、彼の息子ボージャ・ラジャとミーラーを結婚させようと、ミーラーの面倒を見ていた祖父のラオ・デュダに近付きました。
 ラオ・デュダは合意しました。しかしミーラーは、心がクリシュナへの思いで満たされていたので、人間と結婚するという考えに耐えることができませんでした。
 しかし最愛の祖父の言葉に反することができず、結局、彼女は結婚に同意し、彼女が十四歳になる前、一五一三年に、ラーナ家の王子ボージャ・ラジャと結婚したのでした。



 結婚後、ミーラーは家庭の主婦としての仕事を忠実におこない、それらが終わった後は、毎晩、主クリシュナの寺院へ行き、主クリシュナの像の前で礼拝し、歌い、踊りました。
 ミーラーの義理の母はドゥルガー女神を崇拝していたために、ミーラーにもそうすることを強制しました。しかしミーラーは、
「わたしは、最愛の主クリシュナにすでに命を捧げました」
と断言しました。

 また、義理の姉のウダバイは謀略を立て、ミーラーが夜な夜な寺院で愛人と逢い引きをしていると誹謗し始め、それをボージャ・ラジャにも告げました。
 そこでボージャ・ラジャは夜中に寺院に行き、扉をこじ開け、中に駆け込むと、ミーラーが一人でクリシュナの像に向かって恍惚のムードで無我夢中に話し、歌っているのを見たのでした。

 ボージャ・ラジャはミーラーにこう叫びました。
「ミーラーよ! 今お前と一緒に話している恋人を私に見せなさい!」

 するとミーラーはトランス状態に入ったまま、答えました。
「ここに座っておられるのは、私の心を盗んだ主ハリです。」

 ボージャ・ラジャは怒りの矛先を失い、何もせずに寺院から出てきました。彼が何もせずに出てきたのを見て驚いたウダバイが寺院の中に入ると、ミーラーは恍惚状態となってクリシュナの像の前に座っていました。そのミーラーから放たれる輝きにウダバイはひれ伏し、泣いて自分の非をわびたのでした。



 ミーラーの夫となったボージャ・ラジャはミーラーの良き理解者であったともいわれますが、1522年(別の説では1526年)ごろ、彼は戦争で死んでしまいました。
 大国の跡継ぎであった王子が死んでしまったために、未亡人となったミーラーは、ラーナ家の権力闘争に巻き込まれることになってしまいました。ミーラーは王座には全く興味がなかったにもかかわらず、ラーナ家の親族達は様々な方法でミーラーを迫害し始めました。

 あるときミーラーは、ラーナ家の親族たちから、花輪が入っているというメッセージが添えられた籠を贈られました。しかし実はその中には、花輪ではなく恐ろしいコブラが入っていたのです。
 それを受け取ったミーラーは、クリシュナを瞑想した後に、籠を開けました。するとそこにはコブラはおらず、花輪と共に愛らしいクリシュナ像が入っていたのでした。

 その後、唯一頼りにしていた実の父と、いつも味方になってくれていた義理の父も相次いでなくなり、ミーラーはラーナ家でさらに孤立した存在になっていきました。
 義理の父のラーナ・サンガの死後、ミーラーの義理の弟であるラーナ・ラタンシンが、メワーラ国の王位を継ぎました。父ほど偉大でなかった彼は、周りの親族たちの悪意のある言葉に影響されて、ミーラーを敵視するようになりました。
 
 さらにそのラタンシンも死に、その跡を継いだ若干十五歳の弟ラーナ・ヴィクラマジトは、兄よりもさらに邪悪で偏狭な心の持ち主でした。彼はクリシュナへの信仰に没頭するミーラーをとことん嫌い、様々な迫害を加えました。一時は王宮の一室に幽閉までしたほどでした。

 あるときはヴィクラマジトは、それが甘露であるというメッセージをつけて、毒入りの水をミーラーに送りました。ミーラーは主クリシュナへそれをささげ、主のプラサード(主に供養したもののお下がり)としてそれを見なしました。
 そうしてそれをミーラーが飲むと、それは本当においしく至福に満ちた甘露になってしまったのでした。

 またあるときはヴィクラマジトは、ミーラーに鋭い釘のベッドを贈り、その上で寝るように命じました。しかしミーラーがその上で横になると、それはバラのベッドに変わったのでした。



 親族による様々な嫌がらせや拷問が続いた時、ミーラーは聖者トゥルシーダスに手紙を送り、彼のアドバイスを求めました。彼女は手紙にこう書きました。
「親族によって絶えず苦しめられるというだけの理由で、わたしはクリシュナを放棄することはできません。しかしわたしは嫌がらせのために、宮殿の中で信仰的な修行をすることができないのです。ギリダラ・ゴーパーラは小さなときからわたしの友でした。わたしは主クリシュナとの完全なる絆を感じます。わたしはその絆を破ることはできません。」

 トゥルシーダスは、こう返答を送りました。
「たとえ彼らがあなたの最も愛しき親類であっても、あなたを理解せず、ラーマやクリシュナを崇めることのできない者は放棄しなさい。
 プラフラーダは父親を放棄したのだ。ヴィビーシャナは兄弟であるラーヴァナのもとを去った。バラタは義母を放棄した。ヴラジャのゴーピーたちは、クリシュナのために夫との縁を切った。彼らの人生はすべて、そうしたためにより幸福になったのだ。
 神との関係および神への愛は、真実、永遠なるもののただ一つの要素である。他のすべての関係は虚像であり、一時的なものなのである。」



 ある日、アクバルという王が、クリシュナの敬虔な信仰者としてのミーラーの評判を耳にし、是非とも一度彼女と会ってみたいと思いました。
 しかし彼はメワーラ国と敵対関係にあったため、アクバルは彼の臣下の音楽家のタンセーンとともに、変装して、ミーラーの信仰深さと心を動かす歌を聞くためにやってきました。
 二人は寺院に入り、心に響く感動的なミーラーの魂の歌を聞きました。
 彼はそこを発つ前に、ミーラーの神聖な御足に触れ、ささげものとしてクリシュナの像の前に貴重な宝石のネックレスを置きました。
 しかしなぜか、敵国の王アクバルがミーラーに会いにやってきたという秘密はヴィクラマジトにばれてしまいました。ヴィクラマジトは激怒し、ミーラーに、
「川に身を投げ、今後わたしにその顔を二度と見せるな! お前はわたしの家系に大きな恥辱をもたらしたのだ!」と言いました。

 ミーラーは王の言葉に従い、身を投げるために川へと行きました。
 彼女は川へ向かう途中、恍惚状態でに無我夢中に歌い、踊りました。
 そして彼女が川に飛び込もうと地面から足を上げた時、誰かが背後から彼女をつかみ、抱擁しました。
 ミーラーが後ろを振り向くと、そこに最愛の主クリシュナがいるのを見たのでした。
 驚きと歓喜のあまりに気絶したミーラーが、しばらくして意識を取り戻すと、主クリシュナは微笑み、優しくこうささやきました。

「わたしの愛しきミーラーよ。恐ろしい親族との生活は今終わったよ。君はもう自由だ。喜びなさい。君は今までも、そしてこれからも、ずっとわたしのものなのだ。」

 そして主クリシュナはミーラーに、ヴリンダーヴァンへと旅立つように命たのでした。



 こうしてミーラーはメワーラ国を抜け出して、クリシュナが育った聖地ヴリンダーヴァンへと向かい、そこに移り住みました。
 ミーラーはヴリンダーヴァンで、思うぞんぶんにギリダラを礼拝しました。彼女はバジャンを歌い、恍惚状態の中でのクリシュナとの親交で日々を過ごしました。
 ミーラーは心から神を礼拝し、現世のすべてのものは彼女を惹きつけることができませんでした。彼女を唯一満たすものはクリシュナへの愛だけでした。彼女の魂は、ずっとクリシュナだけを求めていたのです。
 彼女は自分のことを、クリシュナへの純愛によって気が狂った、ヴリンダーヴァンのゴーピーであると思っていました。

 
 その頃ヴリンダーヴァンには、チャイタニヤの弟子であった有名な聖者ジーヴァ・ゴースワミも住んでいました。ミーラーは彼の名声を聞き、会いたがりましたが、ジーヴァ・ゴースワミは、自分は女性と面会しないという誓いを立てているからと言って、それを断りました。
 するとミーラーは彼に、次のような手紙を送りました。

「私は今までヴリンダーヴァンには、たった一人の男性(クリシュナ)しかおらず、それ以外はみなゴーピー(クリシュナを愛した牛飼いの女性たち)だと思っていました。私は今日初めて、主クリシュナとは別に自分が男性であると考えている方がヴリンダーヴァンにいると知りました。」

 ジーヴァ・ゴースワミはこのミーラーの言葉に打たれ、急いでミーラーに会いに行きました。そしてその後ミーラーは、この聖者の仲間たちとともに、クリシュナを称える日々を送ったのでした。

 そして1542年頃、ミーラーはヴリンダーヴァンを離れて、クリシュナが統治した聖都であるドワーラカーへと向かいました。



 さて、ミーラーがメワーラ国を去った後、ラーナ家は他国との戦争に負けて、メワーラ国を失ってしまいました。しかしその後、再びラーナ・ヴィクラマジトがメワーラ国を奪い返しますが、直後に暗殺され、再びメワーラ国は別の王の手に渡ってしまいます。そのように紆余曲折あった後、最終的にミーラーの義理の末弟のラーナ・ウダイシンが王となり、メワーラ国をラーナ家に取り戻しました。
 しかしその頃には戦争で多くの人々が死に、かつての大国メワーラはボロボロの状態で、復興までに長い年月を必要としました。
 その頃には聖者としてのミーラーの名声は広く知れ渡っていたため、メワーラ国の民衆は、ラーナ家が受けた艱難は、かつてミーラーを迫害した罰であると噂し始めました。
 メワーラ国の新しい王ラーナ・ウダイシンは、自分に反感を抱く民衆たちの歓心を買うために、ミーラーをメワーラ国に呼び戻すべく、ドワーラカーに使者を送りました。

 
 ラーナ家の使者はミーラーに、王国へ戻り、もう一度王女としての役割を引き受けてくれるように頼みました。
 しかしミーラーは、「クリシュナだけが王であり、わたしの人生は彼のものです」と使者に答えました。
 しかし使者たちはあきらめずに、一緒に帰ってくれなければ自分たちは死ぬまで断食をすると言って、ミーラーを脅しました。

 困ったミーラーはその晩、クリシュナ寺院にこもって、クリシュナの像の前で、至福のムードに浸って、歌い、踊り続けました。
 そしてミーラーは突然よろめき、クリシュナの像の御足の上の花にひざまずきました。

「ああ、ギリダラよ、私を呼んでいるのですか? 今あなたのもとへ参ります。」

 こう言うとミーラーは光に包まれ、生涯をともにしたギリダラ・クリシュナの像の中に溶け込んで行きました。


 翌朝、みなが寺院に入ってみると、そこにはミーラーの姿はなく、ギリダラ・クリシュナの像に、ただ彼女のサリーだけが巻き付いていたのでした。




終わり

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