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カナダの歴史と政治コミュの2022年保守党党首選

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 保守党は3月2日、党首選を9月10日に実施すると発表した。立候補者は、4月19日までに届け出なければならない。
 出馬を表明しているのはピエール・ポワリビエール議員のみで、すでに議員たちの大半の支持を取りつけたとされているが、党内左派を中心にケベック州元首相のジャン・シャレー氏を推す声が上がっている。シャレー氏は、2020年党首選では出馬に乗り気だったが、選挙期間が短すぎたため断念した。今回も出馬を見込んで各方面と会談を重ね、選挙期間がどれくらいになるか見守っていたようだ。
 シャノン・スタッブズ議員は、シャレー氏が連邦自由党と歩調を合わせ、炭素税や長銃登録制を支持したことを批判した。
「私は、草の根の保守党員とともにいる。我々のリーダーは我々の価値を共有し、我々のポリシーを尊重しなければならない。私は炭素税と長銃登録制と増税に反対する。」
 ケベック連合のブランシェ党首は、ケベック州首相時代に汚職で捜査の対象となったシャレー氏が立候補すれば、ケベック州民が「後ろから襲いかかる」と警告した。
「うまいホッケー選手は、誰かが別の選手に後ろから襲いかかっている間にパックを運ぶ。」
 ケベック党前党首で政治評論家のジャン=フランソワ・リゼー氏は、保守党はイデオロギー的に分裂しており、一つはポワリビエール氏のような右派で、もう一つはシャレー氏のような左派だと指摘した。彼は、ポワリビエール氏とトランプ前大統領がフリーダム・コンボイを支持した点に注目した。
「党内には、親トランプ派と反トランプ派がある。」
「党首選は、保守党の精神を争うものになるだろう。」
 彼は「投票日が今日なら、ポワリビエールが勝つだろう」と述べ、左派が勝つには、できるだけ長い選挙期間においてできるだけ多くの党員を獲得する必要があると語った。

 そのほか、2020年党首選で本命視されながら落選したピーター・マッケイ元法務大臣は、再出馬を検討しているという。
 2017年党首選で5位に敗れたマイケル・チョン議員は、出馬の可能性を除外してはいないが、保守党の外交問題担当として第一に重要なのはウクライナ紛争への対応であり、そして「第2に重要なのは、私が党と国家を助けるために何ができるかを今後考えることだ」と語った。
 2020年党首選で3位に敗れたレスリン・ルイス議員は「党首選に向けてチームを結成している」と語った。
 ブランプトン市長でオンタリオ進歩保守党元党首のパトリック・ブラウン氏も立候補に前向きで、「我々はより長い選挙期間を望んでいて、近いうちに決定する」と語った。

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 保守党党首選の立候補者は、4月29日までに登録料15万ドル・保証金15万ドルと7以上の州・30以上の選挙区における推薦人500人分の署名を集めて提出しなければならない。同党は5月2日、スコット・エチソン下院議員、レスリン・ルイス下院議員、ピエール・ポワリエーブル下院議員、パトリック・ブラウン市長、ジャン・シャレー元州首相、ローマン・バーバー州議の6人の立候補を承認したと発表した。
 リオナ・アレスレフ元副党首は出馬を表明していたが、締切までに資金を集められず撤退した。ジョゼフ・ブルゴー氏(実業家)、グラント・エブラハム弁護士、ジョエル・エティエンヌ弁護士の3名は、資金と署名を提出したにもかかわらず、失格と判定された。これら3名はいずれも社会保守主義者だったため、疑惑を招いている。
 ブルゴー氏は会社経営者だが、妊娠中絶に反対する圧力団体「キャンペーン・ライフ連合」に支援されていた。彼はまたワクチン義務化に反対し、フリーダム・コンボイにも参加していた。エブラハム氏は、自由党政権が提出した転換療法を禁止するC-4号法案を阻止できなかったことで、保守党を非難した。また彼は、ユダヤ=キリスト教の枠組みへの回帰と、世俗主義の終焉を呼びかけた。
 キャンペーン・ライフ連合のジャック・フォンセカ理事長は、党内左派が社会保守主義者を排除しようとしていると主張する。
「彼らは我々を排除しようとしている。これはレッド・トーリーがすることだ。レッド・トーリーは汚い。彼らは嘘つきで、フェアプレーを嫌っている。彼らは腐敗している。」
「それはただ、人々をマクシム・ベルニエと人民党の手中に追いやるだけだ。」
 立候補できた6人の中ではルイス議員が唯一の社会保守主義者で、性選択的中絶の禁止と中絶の犯罪化を主張している。フォンセカ氏は、彼女が唯一の望みだと語った。
「レスリン・ルイスを排除できるなら、彼らはそうするだろう。だが彼女はあまりに有名で、人気がありすぎる。彼女は、我々が信頼できるただ一人の候補だ。」
 エティエンヌ弁護士は、党から資金の支払いについてクレジットカードは認めない、また署名のいくつかは無効だと言われたと語った。だが無効と判断した理由については、説明されなかったという。
 選挙管理委員会のウェイン・ベンソン氏は、失格の判定は規則に基づくものであり、特定の信条によるものではないと説明した。
「いかなる候補についても、失格の理由について説明している。」
 ニューヨーク州バッファローで5月14日に起きた銃乱射事件は、ホワイト・リプレイスメント理論(白人を有色人種に置き換えて優位を奪おうとする陰謀論)に基づくヘイトクライムであり、黒人の多い地区を狙ったもので、被害者13人のうち11人が黒人だった。カナダ保守党は党首選の最中だが、本命視されているピエール・ポワリビエール議員が右派に属し、その支持者には人種差別主義者がいると見られるため、この事件を巡り候補者どうしの非難合戦が激化している。

 党内左派のパトリック・ブラウン候補(ブランプトン市長)は15日、ツイッターにパット・キング氏の動画を掲示し、ポワリビエール議員を挑発した。
「これが、ピエール・ポワリビエールが支持したフリーダム・コンボイのリーダーで、バッファロー銃撃犯のマニフェストである危険な白人至上主義『ホワイト・リプレイスメント』陰謀論を広めたパット・キングである。私はこれを非難し、ピエールにも同じことをするよう呼びかける。」
 ポワリエーブル議員は16日、バッファローの事件とキング氏を非難する声明を発表した。
「全てのいかなる人種差別も邪悪で、止められなければならない。いわゆるホワイト・リプレイスメント理論を、醜悪で胸糞悪いヘイトを利用するものと私も非難する。私も、パット・キングと彼の醜悪な意見を非難する。」
 さらに、彼が以前フリーダム・コンボイ支持を表明したことについて弁明した。
「私は、生活のために抗議する平和的で法を遵守するトラック運転手を支持すると言った。法を破り、悪い行為にふけり、主要なインフラを封鎖した人々は非難する。」。

 ポワリビエール議員はその後インタビューで、人々に訴えるため「単純な、アングロ・サクソンの言葉を使う」と語った。するとブラウン候補は18日、ポワリビエール氏の真意を疑う電子メールを党員に送った。そこには次のように書かれていた。
「個人的には、ピエール・ポワリエーブルが人種差別的な見解を持つとは思っていない。だが彼が『単純なアングロ・サクソンの言葉を使う』と言うとき、彼は誰にアピールしているのか?彼は、誰を保守党に連れて来るつもりなのか?」
 それから彼は、ポワリビエール議員の支持者が「ブラウンが勝つための戦略は、党員を民族的・宗教的少数派と入れ替える(replace)ことだ」と言ったと述べた。
 ところがメールを読んだ党員が同日、ブラウン陣営に驚くべきメールを返信した。
「あんたたちはメールを送る相手を間違えている。私はナチズムを信奉しているし、もし第二次大戦でアドルフ・ヒトラーが勝っていたら、中国人・韓国人などのアジア人、アフリカ人、ジャマイカ人などの糞野郎(Bullshit)を我らの偉大な国に入れることはなかった。奴らは存在していなかった。私はピエール・ポワリエーブルを支持する。」
 ブラウン陣営の参謀を務めるミシェル・レンペル・ガーナー議員は同日、このメールをツイッターで公表し、保守党に対しこの党員の除名を要求した。
 するとポワリエーブル議員は、人種差別を明確に非難し、差別主義者との関わりを否定した。
「私は全ての人種差別を拒否する。もしあなたが人種差別主義者なら、私はあなたの票が欲しくない。人種差別を促進する者は、我が党に居場所はなく、党員資格を失うべきである。」
 こうして彼は、自分が差別主義者だという疑惑を明確に否定したが、彼の支持者には差別主義者がいることは明白で、彼にとってはダメージになっただろう。
 保守党は22日、問題の党員が離党したため、調査は終了したと発表した。
 保守党は7月5日、財務上の違反があったという理由で、パトリック・ブラウン候補(ブランプトン市長)を失格と判定した。
 保守党のキャンディス・バーゲン暫定党首は9月6日、次の総選挙に出馬せず引退すると発表した。
「9月10日以降に誰が私の地位を継承しようと、私は心から支えていく。カナダの保守運動の未来について、私は信じがたいほど楽観的だ。保守党が強く団結するとき、保守党は勝つ。」
 バーゲン党首は2008年下院議員に初当選(当時の名はキャンディス・ヘップナー。2011年に離婚)し、当選5回。ハーパー内閣で社会開発大臣を務め、2022年2月から暫定党首を務めている。

 なお保守党は現在、党首選の真っ最中である。投票は6日に締め切られ、集計がすでに始まっており、10日に結果が発表される予定になっているが、カナダ女王エリザベス二世が8日に崩御し、カナダは10日間喪に服することになったので、延期すべきという声が挙がっている。
 保守党党首選は9月10日に予定どおり開票され、ピエール・ポワリエーブル元民主改革大臣・元雇用・社会開発大臣が第1回投票で68.2%を獲得し、当選した。今回もまたカナダ同盟出身者が当選し、進歩保守党出身者は勝てなかった。ポワリエーブル氏は338選挙区のうち、330選挙区で勝利した。対抗馬と見られていたジャン・シャレー元ケベック州首相は16.1%に終わり、8選挙区でしか勝利できなかった。唯一の社会保守主義者レスリン・ルイス議員は9.7%、ローマン・バーバー元州議は5.0%、スコット・エチソン議員は1.1%だった。

 ポワリエーブル新党首は当選直後の演説で、前任者がそうであったように、党首に就任するや方針を変えてしまうのではないかという疑念を明確に否定した。
「人々は、私に何を期待すべきかをわかっている。大きな転換はない。私は私のままである。」
 ピエール・ポワリエーブル氏は1979年、カルガリーで生まれた。母は16歳の未婚の母で、生まれてすぐに、フランス系カナダ人のポワリエーブル夫妻に養子に出された。彼は実の両親を知らずに育ち、幼少期より英仏2か国語を流暢に話した。新聞配達しながら高校に通い、カルガリー大学の学生時代に「総理になったらこうする」小論文コンテストで入選し、賞金1万ドルを獲得した。
 カルガリー大学保守党青年会の委員長を務めたが、ジョー・クラーク党首への支持を巡り、全国保守党青年同盟のパトリック・ブラウン代表と激しく対立した。この2人が2022年の保守党党首選で激しい舌戦を繰り広げたことは、因縁めいている。
 ポワリエーブル氏はその後改革党に入り、2004年総選挙で初当選。25歳の下院議員は、当時の議会で最年少だった。

 ポワリエーブル氏は、近年のポピュリストでは珍しく移民を敵視せず、市民を人種で分けて論じることはなかったが、全ての人を自分の敵か味方に分別する態度は若いころから一貫している。彼は自身をブルーカラーの味方と位置づけ、「オタワのエリート」「裕福なエリート」「支配するエリート」と「ウォーク(覚醒した人々)」を敵視する。
 今回の党首選では、インフレ抑制に失敗したとしてカナダ銀行総裁を解任すると公約した。そして「カナダを世界で最も自由な国にする」として、インターネットにおける発言を規制するC-11号法案に反対し、CBC(カナダ放送協会)への出資停止を公約した。また「フリーダム・コンボイ」を支持し、マスク着用義務とワクチン摂取義務に反対し、カナダ人を「監視(spying)」するアプリを広めた公衆衛生局を非難した。
 さらに、炭素税を廃止しパイプライン計画を推進する。そのうえ世界経済フォーラムを「億万長者の集会」「陰のグローバル・エリートたちが西洋世界を支配しようとするあらゆる陰謀論の根源」だとして、自分の組織する内閣では閣僚は出席しない(※保守党政権のベアード外相は出席した)と明言し、「カナダを支配から取り戻す」と誓った。彼はツイッターに、自分が政権を握れば「リベラルの門番と企業のオルガリヒたちは『サヨク泣き』するだろう」とさえ綴った。彼は、大学時代に小論文コンテストで「政府による規制を制限する」と書いたころと、変わっていない。
 トロント大学で政治学を教えるクリストファー・コックレイン准教授は、ポワリエーブル氏がフリーダム・コンボイを明確に支持することには驚かされるが、それは党首選に悪影響を与えていないようだと語った。
「選挙戦略の観点から見ると、彼らは自由党にリベラルな票を奪われる脅威より、人民党に票を奪われる脅威の方を重大に感じているようだ。」
「彼のメッセージは、彼が保守派以外の何者でもないことを示している。それらのメッセージは選挙において有利にも不利にも作用するはずだが、保守党の強固な支持者には響いているのだろう。」
 カルガリー大学で政治学を教えるジャン=クリストフ・ブシェ准教授は、保守党員たちはポワリエーブル氏の好戦性に魅かれたのだろうと語った。
「彼は『謝罪しない保守派』である。保守党員たちはこの人に、慰めを見出した。彼は誰かさんとは違うから。彼らは、彼が何のために立つのかを理解している。」
「保守党員がポワリエーブルを好む理由は、彼が立候補したときから変わらなかったからだ。」
 彼はまた、ポワリエーブルの語る経済的不満は、保守主義者よりむしろ左派に共鳴するのではないかと予測した。
「彼が保守党員の興味を魅くとは、私は思わない。実際は反エリートのメッセージを、ある種の左派の人々が受け容れると、私は考える。」
「ポワリエーブルは、不満を抱く左の有権者を魅了する可能性がある。インフレがそこにある理由、あなたが食料の代金を支払えない理由、インフレが進行する理由、あなたが裕福でない理由は、エリートたちのせいだと。」
 同じくカルガリー大学で政治学を教えるバリー・クーパー教授は、80年代に(史上最年少の28歳で)進歩保守党内閣の閣僚を務めていたシャレー氏の出馬に驚嘆した。
「彼は、きのうの人ではない。おとといの人である。」
「彼は魅力的な人物だが・・・(ケベック人の)シャレー率いる保守党が(筆者注※かつて実際そうだったように)アルバータとサスカチュワンで、そしてたぶんBCにおいて支持を大きく減らすことになるだろう。」
 コックレイン准教授も、シャレー氏の勇気を好意的に評価した。
「シャレーの出馬には、全く驚かされた。」
「進歩保守党候補が今回の選挙に出馬するのは、見込みがない。」
「彼の出馬によって、党首選で党に強い影響を与えたことは賞賛に値する。だが彼が、勝つ見込みがあると本気で最初から考えていたとしたら、私は非常に驚くだろう。」
 保守党のアレン・レイエ議員は9月13日、保守党を離党し無所属となった。これにより下院勢力は、与党が自由党158、新民主党25、野党が保守党118、ケベック連合32、緑の党2、無所属2、欠員1(定数338議席)となった。
 レイエ議員はケベック州リッチモンド-アサバスカ選挙区選出で、党首選ではシャレー元ケベック州首相を支持していた。彼はツイッターで、ポワリエーブル党首選出により「法と秩序と環境問題について懸念が生じる」と説明した。
 ポワリエーブル党首は同日記者会見で、トルドー首相は記録的インフレと十分戦っていないと非難したが、レイエ議員の離党について問われるとこう答えた。
「彼は、ジャスティン・トルドーのインフレと戦わないことに決めたのだ。」
「ジャスティン・トルドーに押し付けられた赤字と税と戦うために、我々は働いている。レイエ氏の選挙区の市民も、同意する。彼らは、党首選で私に投票した。そして私は、幹部会に残る全ての保守党議員も同意すると信じている。」
 リッチモンド-アサバスカ選挙区では、53%がポワリエーブル候補に、42%がシャレー候補に投票した。

 ところがレイエ議員は翌14日、議員辞職を求める大量のボイスメールと電話が事務所に押し寄せ、業務の妨げになっていると訴えた。そして同日正午ころ「レイエ議員は、ポワリエーブル党首のチームの一員としてともにトルドー首相のインフレと戦うつもりがないので、電話とボイスメールで辞職を要求しろ」と訴えるボイスメールを、彼自身が受け取ったと語った。
「私はそれを見なければならなかった。それから私は、それが本当に本物なのか、それとも身分を偽った偽メールなのかと自問自答した。」
 しかし彼は、メールはやはり本物で、嫌がらせのために送られたのだと考えるようになった。
「私が辞任するなら、それは一部の党員が決めることではなく、私か有権者が決めることだ。」
「これがポワリエーブル氏のやり方なのか?」
「同僚議員が言うには、尻尾を巻いて服従しないなら、本物の保守党員ではないから、出て行ってもらう、と。」
 ケベック州で唯一ポワリエーブル氏を支持し、ケベック副官となったピエール・ポル=ウス議員は、これまでともに活動してきた元同僚と「戦争」はしたくないが、党内はレイエ議員への怒りに満ちていると語った。
「それは普通のことだ。彼は党内をかき回したのだから。」
 ポワリエーブル党首はこの騒動について、メディアの質問に答えなかった。だが保守党は「リッチモンド-アサバスカ選挙区の党員に本日送られた自動送信メールについて、お詫びする」という声明を発表した。
 連邦警察(RCMP)は9月26日、保守党のポワリエーブル党首の妻アネイダ・ポワリエーブル夫人への脅迫について捜査していると発表した。
 右翼団体ダイアゴロンの代表ジェレミー・マッケンジー氏はソーシャルメディア「テレグラム」において、次のように語っている。
「彼女をレイプしよう。これは、実際は性的なものではない。我々は、我々がしたいことをするということを人々に見せたいだけだ。」

 ポワリエーブル党首は26日、ツイッターで以下の声明を発表した。
「正直に言うと、大多数のカナダ人と同様、私は1か月前までダイアゴロンとこれらの落ちこぼれどもを知らなかった。彼らは唾棄すべき存在だ。」
「この種の屑どもにとって、カナダに居場所はない。誰もこのような虐待に遭うべきではない。」
「人々は私の政治活動を攻撃し、私の悪口を言い、私の考えと私が支持するものに抗議することができる。だが妻と家族を脅すのは最低だ。私はそれを大目には見ない。家族のことはかまわないでほしい。」

 マッケンジー氏は2017年までカナダ陸軍にいて、アフガニスタンに駐留している。今年初めに発生したフリーダム・コンボイ運動への積極的参加で注目された。6月には、銃関連の容疑で起訴されている。彼は問題の発言について「そのときは飲んでいて、悪気はなかった」と語った。

 オンタリオ工科大学「憎悪・偏見・過激派センター」のバーバラ・ペリーさんは、彼ら白人至上主義者たちの考えをこう説明する。
「白人至上主義者たちは、有色人種との『内戦』の中にすでにいて、劣勢に立たされていると思い込んでいる。彼らは今こそ立ち上がり、諸州を白人優位州にしようと企図している。」
 ポワリエーブル氏は今月最大野党の党首選に勝利し、妻とともにメディアへの露出が増えた。彼はフリーダム・コンボイ運動に同情的だったが、アネイダ夫人がベネズエラ人のため、マッケンジー氏らは裏切られたと感じたかもしれない。
 アネイダ夫人はベネズエラ生まれでカナダに移住し、モントリオールで育った。ポワリエーブル党首は名前がフランス系だが、実はアイルランド系で、生まれてすぐフランス系の養子になっている。彼自身は白人至上主義を表明しないが、リベラルに対する好戦的な姿勢から、彼の支持者には白人至上主義者がいると見られている。党首選ではブラウン候補が、フリーダム・コンボイ運動を指導する右翼活動家を名指しで批判し「ピエールにも同じことをするよう呼びかける」と挑発した。
 「ニューヨーク・タイムズ」紙は、白人至上主義者はしばしばアジア系女性を好むと指摘した。白人至上主義者はたいてい反女権主義なため、小柄で従順で寡黙なアジア系女性を従わせるのは、彼らのポリシーに合致するのだという。

 ポワリエーブル氏は8月、イベントでマッケンジー氏と握手しているが、面識はないと強調した。
「私のイベントは公開のもので、登録なしに誰でも入ることができる。出席する全ての人の身元調査をすることは、不可能だ。」
ジェレミー・マッケンジー容疑者は9月28日、銃関連の容疑で連邦警察に逮捕された。
 保守党のキャンディス・バーゲン前暫定党首は2月1日、下院議員を辞職し政界から引退した。彼女は同日ツイッターの動画で、次のように述べた。
「私が引退を決めたのは、私が疲れたからでも息切れしたからでもない。実のところは、正反対だ。私は希望に満ちていて、なおも充電されていると感じる。」
 だが彼女は、今後の身の振り方について何も語らなかった。

 バーゲン氏は2008年下院議員に当選(当時の名はキャンディス・ヘップナー。後に離婚して旧姓に復す)し、ハーパー内閣の閣僚を務めたほか、副党首・暫定党首も務めた。

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