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コチーク表参道コミュの退会届を出しました

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 日本社会病理学会にです。
 個人的な話をトピックにしてごめんなさいですが、でも、かなり学問がらみの話で、しかもコチークにも少しはかすりますので。

 文章は、つまんないうえに字が多いので、スルーしてください。
 これ、退会届であると同時に、”最後っ屁”的な (あ、お下品ですんません) クレイム申し立てにもなってるんですよね。
 十中八九、無視されるでしょうけど、かりに何らかのリアクションがあったら、面白いので、ここで続報をお知らせします。
 これはまあ、そんなふうになったときの布石、くらいにお考えください。

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● 退 会 届

日本社会病理学会御中

 本年度末を持って退会いたしたく、ここに退会届を提出させていただきます。
 通常、こうした場合は「一身上の都合」と書くのが通例でしょうが、そうした大人の書き方ができない人間なので、はっきり、学問上の理由で退会すると書かせていただきます。
 私は、学会に大きな沈滞をもたらしていると思われる特定の学問上のスタンスにまったく共感できませんし、そして共感できないもののために、すでに先が見えてきた私のキャリアの残された時間の一部を、これ以上割きたいとは思いません。

 「学会に大きな沈滞をもたらしていると思われる特定の学問上のスタンス」と私が思うものは、端的にいって、「社会病理学会」という学会名に結晶化しているようにみえます。 欧米に、social
pathologyというタームを冠した有力学会があるでしょうか。 また、欧米のちゃんとした大学のカリキュラムにSocial Pathologyなる授業があるでしょうか。
 認識不足なのかもしれませんが、寡聞にして私は知りません。 私が留学していた1970年代の中葉においてすでに、私がいた米国中西部の州立大学が属する単位互換カリキュラムシステムの中で、目にしたのは、「Social Problems」や「Sociology of Crime」や「Sociology of
Deviance」の授業だけでした。
 私は、学会創設からほどなく、恩師N先生の勧めでこの学会に入ったのですが、入った当時から、「社会病理学会」という名称には違和感を覚え、退けられたもうひとつの学会名の候補、「社会問題学会」のほうが適切だと思っていました。 もちろん当時は、現在とは違う社会学界内の事情がありました。 東大出版の第一次の社会学講座における「社会問題」の巻と「社会病理」の巻の棲み分けを見ても分かるように、“マルクス主義社会学”(それも当今盛んな“新左翼”のそれではない)と“欧米系社会学”というバックグラウンドの違いが、「問題」と「病理」というタームの使い分けと強くリンクされる傾向がありました。 (余談ですが、これは英語でいえば、「the social problem」と「social
problems」の対比に対応します。)

 しかし、それから四半世紀たち、社会学界もそして国際情勢も、大きく様変わりしました。 社会問題=マルクス主義系などという連想は、いまではもうほとんど作動しないといってもいいでしょう。 いっぽうで、「社会問題」という概念の守備範囲は、ジェンダー/セクシュアリティ、差別と社会的不公正、環境、エスニシティ、テクノロジーと労働、メディア等々、大きく広がっています(ご参考までに米国社会問題学会 ―私も会員です― のホームページをご覧ください)。
 そして、実際問題として、私が接点を持っている上記のような分野の威勢のいい若手研究者や院生にこの学会への入会を勧めようとしても、「社会病理学会」という名前を聞いただけで拒絶反応があります。 以前、若手のあるゲイ/レズビアン研究者にそうした話題を振ったら、こういわれました。 「先生のお勧めですけど、そんな名前の学会に入ったら、調査対象者から非難されます。 『何? 私たちが病理だというの?』といって。」

 学会名を変えられない重大な理由の一つとして、聞き及んでいることがあります。 それが本当だとすれば、アカデミックな学会として恥ずかしいことです。 しかも、学会名の英訳(?)のほうには、
social problemが冠されているのですから、これもまた恥ずかしい話です。 (事実、その昔、米社会問題学会のメンバーの人たちに、英語名と日本語名の食い違いについて話したら、不思議なことだねといわれました。)
 私は、自分では何もせずに文句だけをいうクレイマー的評論家のたぐいになりたいとは思いません。 おそらくご存知のとおり、私は社会問題への構築主義アプローチにコミットする者ですが、このアプローチは、この学会内では、お世辞にも敬意を払われてきたとはいえませんでした。
 ですから、数年前に学会大会の開催校を引き受けてほしいと当時の会長に依頼されたときは、正直いって、「なぜ私が?」と思いました。 でも、結局はお引き受けしました。 学会の奨励賞の委員もやりましたし、『現代の社会病理』の査読委員も務めました。 また、『現代の社会病理』に論文投稿もしました。 粉骨砕身とはいえないまでも、一構成員としては、ちゃんとやったといえる程度のおつとめをさせていただいたと思っています。

 憶えていただいているかどうか分かりませんが、数年前の学会大会のあと、開催校の責任者として大会を振り返る、という趣旨の依頼原稿を学会ニュースに書いたとき、その中で、学会の振興のためにも学会名を「社会問題学会」に改めるべきだ、とはっきり主張しました。
 だれからのどんな反応もありませんでした。 そのとき、「ああこの学会はもうだめだ、辞めよう」と思いました。 それから今までは、私にとっては、“辞めるときに後ろ指をさされないように、やるべきことをちゃんとやっておく”期間でした。
 時が満ちたと思われるので、ここに退会させていただきます。 ただし、もし学会内のしかるべきところで学会名改称の検討が開始されるといったことがあるなら、この退会届は撤回いたします。 例によってのくどい長口上の中に、私の不注意から、どなたかに失礼な申し状がありましたなら、不調法の段を深くお詫び申し上げます。

 2010年12月14日
                                OF大学 ちょめちょめ [ぷらのお名前]      

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