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大好きな人が忘れられない。コミュのサヨナラボタン  *1*

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あの時、こうすればよかった。




泣いても時間は戻らない。後悔は尽きない。
もっと色んな経験をつんでおけば良かった。そうしたら、もしかしたら、彼との関係は変わっていたかも知れないのに。
どうしてだろう。
どうして、初めて好きになった人が博幸なんだろう。
右も左も分からない恋愛で、何の経験も無くて。
彼を大事にしきれなかった。

大切な大切な人だったのに。
もう会えない。
もう一度は、もう二度と来ない。
もう会えない。
これで本当に、さようなら。
さようなら。この経験を次に生かそうなんて思えないほど、大好きで大好きな博幸。
きっと一生、私の大切な人。





     *





*1* 
万代と 心は解けて 吾が背子が 摘みし手見つつ 偲びかねつも





     *





座席を決める為のクジは9番だった。
端のテーブルか、と何となく残念に思う。
京都の学生になって早半年。「京都学生祭典」なる京都の全ての大学・専門学校・短大生による大規模な学祭のようなものの実行委員になったのは、1ヶ月前のことだ。
出身が北海道の私はどうしても京都に馴染めなくて、人付き合いが極端に少なかった。休みは部屋に引き篭って本を読むか、趣味のカメラ片手に一人で散歩しかしない。学校に行けば話す友達は何人か居たけれどまだ心置きなくという訳にはいかないし、何より地元に居る大好きな友達が恋しくて、自分が独りぼっちなような気がして、ただ自分の殻に閉じ篭っていた。
だけどいよいよこのままじゃ駄目だろうと思った私は、手っ取り早く沢山の学生と交流が図れそうなこの企画に望みをかけて参加したのだった。
京都学生祭典はまさに京都の学生による祭典で、色んな学校の色んな人たちと知り合うことが出来た。私は人見知りをする方で中々緊張が解けなかったけれど、それでもどうにか友達は増えていった。色んな人と触れ合って話をして、みんなで力を合わせて何かを作るのは楽しかった。
私はほんの一端に参加しただけだったけれど、祭典当日は楽しくて、久しぶりに心が動いた気がした。
今日はその打ち上げで、この機会にもう少し友達を作れたら良いなと思っていたのに。
端のテーブルというのは周りに人が少ないだけではなく、中心の盛り上がりについていけない事が多々ある。
しかもテーブルはマイクのある上座とは逆端の下座だった。

まぁ、周りの人と仲良くなれればそれだけで上出来かな。
元々ノリの良いほうでも無いし、逆に落ち着いて良いかも知れない・・・。
「あれ?裕葉ちゃん!」
そう思いながら席に着くと、隣の席には学生祭典のイベントで仲良くなった二つ上の弘子さんが座っていた。
「弘さん!凄い、偶然ですね!」
「打ち上げ参加者、200人だっけ?それで隣って凄いなぁ。運命やね」
あはは、と笑いながら私も席に着いた。
斜め前の二席以外、八人用のテーブルはもう既に埋まっていた。周りの人に軽く会釈して弘さんと向き合う。
「でも良かった。本当は緊張してたんですよ〜。知ってる人が居ると安心しますね」
知り合いを増やそうと意気込んではいたけれど、初対面の人の前ではどうしても畏まってしまう私にとって、弘さんが隣に居る事はとても安心できるものだった。
少し緊張が緩んで、打ち上げを楽しもうという余裕が出来た私は、そこでようやく周りに目を向けた。
旅館の大広間程もある大きな畳の部屋には、長方形のテーブルが二列長く続いていて、もうほとんどの人が席に着いているようだった。200人以上が所狭しと並び、ビールを注ぎ合う様子は、よく見る会社の忘年会やら慰安旅行の宴会の光景そのもので、初めて大規模な宴会に参加した私は素直に感動した。
「規模が違いますね・・・。普通のサークルじゃこんなに人集まりませんよね」
「なぁ〜。こんだけ人が居たらいい出会いもありそうやね」
確かにこれだけ同年代の人が集まれば、カップルの一つや二つ簡単に出来そうだった。
「本当ですよ。誰か格好いい人居ます?」
「あれ?彼氏探し中なん?裕葉ちゃん彼氏おらんの?」
「居ませんよ。やっぱり人並みにお付き合いとかしてみたいです〜」
そう言うと、弘さんはちょっと驚いたように私を見た。
「うそぉ、今まで付き合った人おらんの?」
「居るには居ましたけど・・・高校生になったら誰かと付き合ってみたいって憧れるじゃないですか。それでなんてゆうか・・・ブーム?に乗ったみたいに付き合ったので、お互いそんなに好きでもなかったし、1ヶ月も持たなかったんですよ。だから未だに男の人の手も握ったことありません」
「あぁ、あったなぁそんな時期も・・・。よし、今日はいい人が居ったらお互い助け合おう!」
弘さんが楽しそうに言った。

彼氏・・・彼氏かぁ・・・。
そうですね、と言いながらも、けれど私は出会いをほとんど期待していなかった。
それは、どんなに沢山人が居ても、私を好きになってくれる人なんてどこにも居ないんだと思っていたからで、この思いは物心ついた頃から私が持ち続けているものだった。
そして同じように、私も誰かを心から好きになることなんて無いのだろうとも思っていた。
恋愛は怖い。恋愛だけじゃなくて、人と深く付き合うのは怖い。だけど彼氏は欲しい。誰かに好きだと思われてみたい。でも・・・。
恋愛は私の憧れで、けれど一番遠いものだった。

だって、私は・・・。

思考に沈みそうになった時だった。
すいません、という声に視線を上げると、私とテーブルを挟んだ斜め前、二席空いていたテーブルを二人の男の人が埋めるところだった。
二人は知り合いのようで、楽しそうに話しながら上着を脱いで壁際に丸めている。
そしてそのまま、少し遅れてきた二人を何となく見ていると、その内の一人と目が合ってしまった。
少し見すぎたかな・・・。
恥ずかしくなったけれど、それでも急に視線をはずすのも逆におかしいと思って、視線はそのままに慌てて頭だけで会釈する。
その人も軽く頭を下げて微笑みながら、初めまして、と言った。
印象に残るような、優しい笑顔だった。




それが私たちの出会いだった。
200人を超す人の中で、たった8人の同じテーブルの中に貴方は居た。
ボールペンで座席番号の「9」と書かれた割り箸の袋はおみくじになっていて、破らないように開くと大吉だった。

  ◎恋愛運・・・近くに出会いが。ラッキーナンバー9

漫画みたいな偶然。
この時、たかが大量生産の割り箸のおみくじに運命を感じてしまった。
でも本当にこの人が私にとって、この先とても大切な人になるなんて。




     *





あの時のおみくじは、大切に仕舞ってある。
博幸の写真と一緒に手帳に挟んで。
だけど、ある時懐かしくなって手帳を開いたとき。
どこで無くしてしまったのか、おみくじは見つからなかった。

コメント(4)

はじめまして。僕も忘れられない人がいます。
初めまして!お返事遅くなってごめんなさい!!
風邪にやられてました・・・::
コミュ作ったは良いものの、実際に誰か入ってくれて、しかもコメントまでくれるなんて思ってませんでした・・・笑。ありがとうございます!
サクさんにも、忘れられない人がいるんですね・・・。
気持ちの切り替えって、どうやったら出来るのかなぁって、私はいつも思います。。。
あ、サクさん私と年が同じですね。学年的には私が一つ上でしょうか・・・??これからもよろしくお願いします◎
最近流行ってますよね。。大丈夫ですか??
僕は無理に切り替えなくてもいいと思いました。考え方とか
どんなに変えようとしてもやっぱりあの子は心の中にしっかり
います。。だから、、いつか振り向いてくれること信じて…ゆっくり気長に待ってます。
こちらこそよろしくお願いしますね。

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