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随想ジャーナリズムコミュの津波報道・日独の温度差

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インド洋で発生した前代未聞の津波災害について、発生直後の数日間に、グローバル感覚の欠如を見せつけたのは、日本のマスコミだった。

ドイツや英国のマスコミは発生直後から、「多数の国々が同時に大被害を受けた、過去に例のない自然災害」とか、「国際社会全体の危機」という切り口で、連日この津波をトップ扱いで報道した。

これに対し、日本の新聞やテレビは、発生後数日間にわたり、日本人が犠牲者の中にいるかどうかに重点を置いた報道に終始していた。

おそらく各社ともお正月を前にして、デスクや記者の態勢が手薄になっていたのだろう。

ドイツ政府では、シュレーダー首相とフィッシャー外相が発生直後にクリスマス休暇をとりやめて、情報収集と救援対策の指揮を取った。

彼らがいち早く事態の重大さを悟ったのは、タイ駐在のドイツ総領事館員が、ヘリコプターで現場の上空を飛び、海岸に累々と横たわる遺体と、村々が破壊された状況を、ベルリンに詳しく報告したことがきっかけだった。

ドイツのマスコミは政府に対する取材から、「ただごとではない」ことを早くキャッチし、津波発生の当日から大々的な報道を始めた。

800人もの死者・行方不明者が出たことが、積極的な報道につながったことは言うまでもない。

だが、ドイツや英国のメディアは自国の犠牲者だけではなく、インドネシアやタイ、スリランカの市民が受けた大被害についても、詳しく報道している。

こちらのニュースでは、今回の津波について「biblische Katastrophe」(聖書に現われるような大被害)という言葉がよく使われる。

旧約聖書のノアの箱舟に関する部分に、地上の生物を絶滅させる大洪水についての記述があるが、キリスト教徒はこの洪水を思い出したのかもしれない。

民間企業も、被災者のために多額の義捐金を送っているほか、社員にも寄付を勧めている。

ある企業は、スリランカの総領事館やドイツの旅行会社、病院と協力して、現地で不足している毛布、シーツ、タオル、包帯、ばんそうこう、抗生物質、米、ベビーフードなどを会社に集めて、空港まで輸送し、チャーター便で被災地に送った。

ドイツ赤十字などに寄せられている義捐金は、2年前の旧東独での洪水の際に集まった義捐金、3億5000万ユーロ(490億円)を超える勢いだ。

東南アジアから1万キロも離れたドイツで、人々の同情と連帯感が高まっている背景には、キリスト教的な価値観があるような気がする。

(文・熊谷 徹 ミュンヘン在住)

筆者ホームページ・http://www.tkumagai.de

コメント(1)

聖書に現れるような災害というと最大のものはノアの洪水。物の本によると紀元前5000何年にボスフォラスが地震で崩れて、黒海が出来たという。数十万人が死んだのでしょうね。これは科学的に確定したものですか。

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