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パピヨン藤岡の自動車研究所コミュのハンドリングの話

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どうも。通りすがりのパピヨンです。

ここによく来てくれているFURUチームYELLOWさんが
ホンダのS2000にお乗りとのことなので、S2000を
題材としたハンドリングの話をしたいと思います。


よくハンドリング性能が高いといいますが、おそらく
大半の人は漠然と頭では理解していても、何を持って
ハンドリングがいいと言えるのか明確に言える人は
少ないのではないでしょうか?

一般的にハンドリングの高さというのは次のようなものです。

・応答遅れの少なさ
・スタビリティの高さ


まず応答遅れから。

飛行機に詳しい方は分かる用語ですが、車でも
挙動を表すのに「ロール」「ピッチ」「ヨー」
という言葉を使います。ロールは知っての通り
左右方向の傾き、ピッチは前後方向の傾き
ヨーは車を上から見たときの回転方向の動きを
言います。

応答遅れには2つあって
・ヨーの遅れ
・横Gの遅れ
があります。

http://www.honda.co.jp/factbook/auto/s2000/199904/035.html (アドレスをコピーして下さい)

S2000はこの2つの遅れが小さい車の一つです。
ヨーの遅れはハンドルを切ってからヨーが発生するまでの
遅れです。そして横Gの遅れはヨーが発生してから
リアタイヤがグリップして横Gを発生するまでのことを
指します。言い方を変えればヨーの遅れ:フロントの遅れ
横Gの遅れ:リアの遅れとも言えます。

当たり前ですがハンドルを切らなければヨーは発生せず
ヨーが発生しなければ横Gも出ません。

急ハンドルを切って、大きいヨーが発生して
しかしリアグリップが足らずブレイクする。
そうすると横Gが出ることなくヨーがさらに
大きくなるわけです。

つまり横Gの遅れ(きちんと横Gが発生する前提)
がハンドリングにおいて大きな意味を持つことが分かります。


もう一つ、「ゲイン」という言葉があります。
一般的には入力−出力の比を表す言葉です。
ハンドルを切った量(=入力)に対して発生するヨーが
大きいものをヨーゲインが高いと言ったりします。
S2000はヨーゲインも極めて高い車の一つです。

ヨーゲインはステアリングのギア比がクイックに
なるほどハンドルを切る量が減るのでゲインは
高くなります。


パイロンスラロームのようなシーンでは、ヨーの遅れが
大きいことはそのままドライバーの操作遅れにつながり
ます。ヨーの遅れが小さい車は意のままに走らせる
ことが可能です。

合わせて発生した力を早く収束させるためにはダンピング
(減衰)が必要です。ヨーダンピング、ロールダンピング
を高めることがハンドリングのもう一つのポイントです。


次回はスタビリティに触れていきます。

コメント(3)

ダンピングの話を詳しく聞きたいな(リクエスト)
通りすがりのパピヨンです。

ダンピングについてのリクエストがあったので
ちょっと雑談です。

日本で車の運動性能を計る指標と言えば
筑波サーキットのラップタイムなどが主な
ところでしょうか?

しかし日本を一歩出ると、がらりと変わります。
アメリカではその一つにパイロンスラロームの
平均通過車速、ヨーロッパではエルクテストと
(エルク=鹿 を避ける)呼ばれるダブルレーン
チェンジテストがあります。

筑波サーキットのラップタイムでは、重要なのは
加減速性能と横G限界です。極端なことを言えば
横Gが出るタイヤを履いて、パワーの出るエンジンを
積めばそこそこタイムは出ます。

しかしパイロンスラロームはそうはいきません。
30mくらいの間隔で置かれたパイロンを抜けるには
なるべく車速を落とさず、小さいハンドル操作で
抜けていくことが重要です。
そのためには遅れが小さく、ダンピングがよいことが
必要です。ハンドル操作に遅れず発生するヨー
それに合わせて発生するリアグリップ、横Gそして
ロール。右に左に振られるリアを抑えこむための
ヨーダンピング、そして右に左にハンドルを切るために
はロールダンピングを上げてロールを早く収束
させなければタイムは上がりません。

こういったテストでは4WDターボ車よりも
4輪のグリップをきちんと使えるレスポンスのよい
FR車が台頭してきます。その一つがBMWです。
日本ではBMWと言ってもサーキットでも湾岸線でも
速くないのでスポーツと言われても何のことか
分からず、ステータスだけで高級車を選ぶのが
実情なのです。
(ただし最近のBMWはランフラットタイヤを履くので
昔のモデルの方がよい)
どうも。通りすがりのパピヨンです。

前回の続きであるスタビリティの話です。

スタビリティとは日本語に訳すと「安定性」となりますが
ことハンドリングに限って言えば、大きくは
・限界の高さ
・ステア特性の変化
に分けられると思います。

限界の高さは言葉そのものですが、数値で言うと
横Gが最大どれくらいまで出るか?ということです。
アメリカやヨーロッパの雑誌では
結構載っています。
ただし定常円旋回で一定R(半径)でじわじわ速度を上げて
いくときと、サーキットのコーナーでハンドルを切って出る
横Gの限界は必ずしも同じではありません。
スッとハンドルを切った場合の方が高めに横Gが出ます。

ちなみにコーナーのRと速度と横Gには次のような関係が
あります。
横G(m/s^2)=速度(m/s)×速度(m/s)÷R(m)
例えばR=300mのコーナーで150キロで走ったとします。
そのときの横Gは
150km/h=41.6m/s(時速を秒速に換算)
横G=41.6*41.6÷300=5.78m/s^2
よく言うGというのは1G=9.8m/s^2なので
5.78÷9.8=0.59Gとなります。
普通の車だと0.7〜0.8Gくらいが限界Gでしょう。

ちょっと話を戻しますが、一般に定常円旋回でじわじわと
速度を上げていくのが限界性能を把握する一般的な
やり方です。そしてある速度(横G)に近づくと
車の挙動が変わってきます。スキール音が大きくなって
フロントかリアのどちらかがブレイクをし始めます。
フロントが先に限界を迎え、曲がれなくなるのが
俗に言うアンダーステアです。アンダーな車は
フロントが言うことを聞かずドリフトアウト(定常円
の外に飛び出す)となります。
一方でリアがブレイクし内に巻き込んでいくのがオーバー
ステアというものです。具体的に言えば、リアのスリップ
アングルが大きくなってグリップを失いスピンに至ります。
またドリフト走行というのはアクセル操作により
リアタイヤのスリップアングル(ひいては車両のスリップ
アングル)をコントロールする走行です。

ここまででお分かりの通りアンダーステアというのは
ある一定のRコーナーに対して速度を上げていくと
その半径よりも大きな半径で曲がっていくもので
オーバーステアは逆に小さな半径で曲がっていくものを
言います。なのでサーキットで1周ごとに同じハンドル
操作で速度を上げていって曲がれずに外に飛び出すのは
アンダーステアと呼びますが、ハンドルを切りすぎて
曲がれずに外に飛び出すのはアンダーステアとは
呼びません。それはただ単純にハンドルを切りすぎて
フロントタイヤのスリップアングルが大きくなりすぎて
グリップを発生できず曲がりきれないだけでハンドルの
切りすぎもしくは突っ込みすぎであってアンダーステア
ではないのです。
そしてこのような特性の変化をステア特性を呼びます。
オーバーステアでは一度切ったハンドルを戻すという
操作が発生するので技術が必要で、アンダーステアは
切り増せばよいので修正が容易です。ですから普通の車は
すべてアンダーステアに仕上げられています。

アンダーステアにせよオーバーステアにせよ大きすぎると
限界性能は下がります。4本のタイヤのグリップを最大限
高めることが限界性能向上には重要です。
タイヤは横Gだけでなく駆動力やブレーキも担う必要が
あるため、ドライバーの操作によりタイヤの使い方が
変わってきます。

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