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あまやま想のひねくれ者文学コミュの灰が降る町【童話】

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初めて、童話を作ってみました。
これからは小説にこだわらずに、いろんなジャンルに細々と挑戦したいと思います。

コメント(8)

 むかし、ある所にいつもふんかする山がありました。そのため、山のふもとの町にはいつも灰がふっていました。

 ふもとの町ではつもった灰をつかって、とても大きなだいこんと、とても小さなみかんを作っていました。とても大きなだいこんと、とても小さなみかんはとてもおいしいとひょうばんで、遠くの町から買いに来る人がいるほどでした。

 とても大きなだいこんと、とても小さなみかんは灰のふる町の畑でしかつくることができないので、ふもとの町では山を神様としてまつっていました。ふもとの町は灰のふる町の名物となりました。
 ところが、おさむらいの時代が終わり、ふもとの町ではとても大きなだいこんと、とても小さなみかんのかわりに工場がたてられました。今まで畑で働いていた人達は工場で車やれいぞうこ、テレビなどを作るようになりました。

 畑でだいこんやみかんを作る時には灰はなくてはならないモノでしたが、工場で車やれいぞうこなどを作るときはじゃまでした。機械に灰が入ると、車やれいぞうこなどはこわれてしまうのです。神様として大切にされていた山は、いつしか人々からきらわれるようになりました。

「もう、また噴火している。おかげでせんたくものが外にほせないよ」
「灰がふると、目がチカチカするし、息ができないよ」
「よし、みんなで山に行って、もうふんかしないようにおねがいしよう」

そうして、みんなで山に行って、もうふんかしないようにお願いすることになりました。
 いつものように元気よくふんかしていた山は、急に数え切れない人が山にやって来たのでビックリしました。ビックリしたので、もっといきおいよくふんかしました。山にいた人も急に灰がたくさんふってきたのでビックリ!

「うわっ、山がいやがらせしてきたぞ」

「ちがうよ。ボクは元気よくふんかしているだけだよ。

「おい、山! たのむから、もうふんかするのやめてくれ! 灰がふるとそうじが大変なんだ…」

「ボクがふんかすると、みんなよろこんでいたはずだよ。ボクの灰を使って、とても大きなだいこんと、とても小さなみかんを作っていたじゃないか…」

「それはもう昔の話なんだ…。今はもうだいこんもみかんも作っていない…」

「今は工場で車やれいぞうこ、テレビなんかを作っている」

「機械に灰が入ると、機械がこわれてしまうから、大変なんだよ…」
 みんなの話を聞いて、山はがっかりしてしまいました。むかしはボクがふんかするとよろこんでいたのに…。山のふもとでたくさんの人がもんくを言っているのを見て、元気がなくなりました。

 次の日から山はふんかしなくなりました。みんなはとてもよろこんで工場で車やれいぞうこ、テレビなどを作りつづけました。ふもとの町の工場で作った機械は、とても使いやすいので遠くの町から買いに来るほどでした。

 山は毎日ふんかしたいのをずっとがまんしていたので、十年たつとムズムズゆれるようになりました。人間で言うなら、くしゃみをがまんしているようなものです。はじめは小さかったのですが、だんだんゆれが大きくなっていきました。
 ふもとの町では毎日じしんがおこるようになりました。これでは工場で車やれいぞうこなどを作ることができません。動物たちもこまりました。山がふんかしなくなったので、草や木の実がそだたなくなって、食べ物がなくなってしまったのです。灰はだいこんやみかんだけではなくて、すべての植物をそだてる力があったのです。

 山がふんかしなくなってから、ふもとの町の人たちも、動物たちも、植物たちも、みんなこまるようになりました。それでも、山はふんかをしようとはしませんでした。人間たちから言われたことを山はわすれることはありませんでした。ふもとの町のゆれはさらに大きくなりました。

 とうとう、山のゆれが大きくなりすぎて、ふもとの町だけでなく、遠くの海までゆれてしまいました。海は大きくゆれると、ふもとの町をめがけて、進み始めました。このままではふもとの町も山もすべてが海に飲み込まれてしまいます。あまりにも急だったので、ふもとの町の人たちも動物たちも逃げることができませんでした。植物たちは逃げたくても動くことができませんでした。
山はこのままではボクのせいで、みんなが死んでしまうと思いました。どうしよう…。そのときです。山はあることを思いつきました。

 山はこれまでがまんしていたふんかをいきおいよく始めました。そして、海に向かって、たくさんの灰とマグマをふらせました。またたく間に海の目の前に高いていぼうができました。

でも、海もまけていません。ていぼうをこえてこようと力強くおしてきました。山もまけません。

もっとたくさんふんかして、ていぼうをもっと高くしました。そうやって、山と海があらそっているのを見て、ふもとの町の人たちと動物たちと植物たちは山をおうえんしました。

「まけるんじゃないぞ! かんばれ、山の神様!」
「海なんかにまけるんじゃないぞ! 海にまけたら、みんな海にのまれちまうぞ!」
 みんなのおうえんもあって、山はなんとか海にかつことができました。まけた海はまたもとのおだやかな海にもどりました。

 ふもとの町の人たちは、こんなことになったのは自分たちのせいだと思って、山に向かってあやまりました。

「山の神様、前はひどいことを言ってごめんなさい。ふんかをがまんさせてしまったばっかりに、こんなことになってしまった」

「動物たちや植物たちにもめいわくをかけてしまった。本当にごめんなさい」

「もう、私たちのことを気にせずに、毎日ふんかしてください」

 ふもとの町の人たちは自分たちの身勝手さを心のそこからはんせいしました。

「でも、そしたら、ふもとの町の工場ではもう機械がつくれなくなるよ」

「もう、いいんだ。機械なら工場があれば、どこでも作れる。でも、とても大きなだいこんと、とても小さなみかんは、ここでしか作れない。私たちはみんなで話し合って、まただいこんとみかんをつくろうと決めました」
 町で一番えらい人である町長が、ふもとの町の人たちを代表して言いました。

「私たちは今まで自分たちのことしか考えてこなかった。これからは動物や植物などの自然のことも考えていかないといけないことにやっと気づいたんです。山の神様、これからはむかしのようになかよくくらして行きましょう」

 山はうれしさのあまりにいきおいよくふんかしました。でも、もうだれももんくを言いません。

 ふもとの町ではむかしと同じように、とてもおおきなだいこんと、とても小さなみかんが作られています。山が毎日ふんかするので、だいこんもみかんもすくすくそだちます。ほかの動物たちも植物たちも山がふんかするたびにすくすくそだちます。

 そうやって、ふもとの町では山と人間と動物と植物がこれからもずっとなかよく、くらして行くことでしょう。この物語のつづきが気になったときは、ぜひ、ふもとの町へ遊びに来て下さいね。

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