サンクチュアリ出版コミュコミュのわさもん

「わさもん」とは地元熊本の言葉で、
『新しい物に、とにかく目がない人』のことを指します。
　　
その代表者がうちの祖父で、
二年に一台のペースで車を乗り換えたり、
用途がわからないコンパクトサイズのショベルカーを買ってきたり（地面を掘ろうとすると、軽すぎて車体が持ち上がる）と、なかなかのわさもんでした。
　
そんな祖父の血を、しっかり僕も受け継いでいて、
新しいものを見るとつい手を伸ばしてしまいます。
　　
昨日、近くのコンビニに行くと『氷を入れて飲むビール』なるものが並んでいました。

「こんなものは邪道だ」と心の中で罵倒してやりましたが、
気付けばそれを握りしめてレジに並んでいました。
　
わさもんの血筋を恨みつつ、
でもまあ、嫌いになるのは一度試してからでも遅くはないと、
…そう思っていたのですが。
　
味わってみたら、確かに通常のビールよりコクがある。
何より、通常のビールは、キンキンに冷やした一口目は美味しいのですが、
徐々にぬるくなってしまうのは否めません。
　
しかし、氷入りビールは、冷たさが最初の一口目と変わらない、
いや、むしろ時間が経つほど次第に冷たくなっていくという優れもの。
　
飲み終えたあと、2本目を買いに家を飛び出したのは言うまでもありません。
　
新しいもの好きが生じて、失敗してしまうことのほうが多いのですが、
今回は、わさもんの血筋に感謝です。

なかせ

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