『西の魔女が死んだ 』 文庫版には続編「渡りの一日」収録(初出『日本児童文学』1996年1月号)。まいの母親の台詞も加筆された(梨木は「感情移入してしまったため」と話している)。2005年3月NHKラジオ第1・FM同時放送の「ラジオ深夜便・深夜便小劇場」にてラジオドラマ化。アスミック・エースエンタテインメントが映画権を取得し、長崎俊一監督による製作が予定されている。 図書館で読んでいた『オズの魔法使い』の中で目にしたフレーズ(本作タイトル)から話を膨らませた。 初版:楡出版 ISBN 4-931266-16-9 1994年4月 装幀:長新太 新装版:小学館 ISBN 4-09-289610-7 1996年3月 装画:野中ともそ 文庫版:新潮文庫 ISBN 4-10-125332-3 2001年7月 カバー装画:早川司寿乃 丹生都比売 出版工房原生林 ISBN 4-87599-073-1 1995年11月
『エンジェルエンジェルエンジェル 』 単行本と文庫版では内容と結末が大きく異なる。 出版工房原生林 ISBN 4-87599-074-X 1996年4月 新潮文庫 ISBN 4-10-125335-8 2004年2月 カバー装画:早川司寿乃 裏庭 理論社 ISBN 4-652-01126-1 1996年11月 新潮文庫 ISBN 4-10-125331-5 2000年12月 カバー装画:早川司寿乃
『からくりからくさ』 まず「世界は一枚の織物」というキーワードが浮かび執筆された(この言葉は登場人物の台詞として作中に登場)。梨木香歩自身も自宅の庭の植物を食卓に並べているという。 新潮社 ISBN 4-10-429901-4 1999年5月 新潮文庫 ISBN 4-10-125333-1 2001年12月 カバー装画:早川司寿乃
『りかさん 』 『からくりからくさ』以前にあたる物語。文庫版には『からくりからくさ』との関連で「ミケルの庭」収録。 偕成社 ISBN 4-03-744420-8 1999年12月 新潮文庫 ISBN 4-10-125334-X 2003年6月 カバー装画:早川司寿乃
『家守綺譚 』 題字:神木野啼鹿 写真:広瀬達郎 見返し:神坂雪佳「白鷺」「巴の雪」 全編書き下ろし。文庫版は綿貫征四郎の随筆「烏蘞苺記(やぶがらしのき)」を追加収録。2005年2月〜3月、NHK-FM青春アドベンチャー内にてラジオドラマ化された(全10回)。 関西にある梨木の仕事場が綿貫の家のモデル(実際には池は無い)。 梨木はこの作品を「料理人が作る自分用の賄いのようなもの」と位置づけている。『沼地のある森を抜けて』で敢えて得意分野とする植物を登場させないという選択をしたため執筆に行き詰まる事があり、バランスを保つために平行して書くようになったのが本作のきっかけである。 現在も執筆が続けられており、いずれ本として形になるであろう事も示唆している。 新潮社 ISBN 4-10-429903-0 2004年1月 新潮文庫 ISBN 4-10-125337-4 2006年9月
『村田エフェンディ滞土録』 初出「本の旅人」2002年10月号〜2003年10月号連載。2005年度高校生向け指定課題図書。 角川書店 ISBN 4-04-873513-6 2004年4月 装丁・挿絵:中村智 角川文庫 ISBN 4-04-385301-7 2007年5月
『沼地のある森を抜けて』 「フリオのために」のみ初出『小説新潮』2003年6月号(新潮社)。加筆修正の上で単行本化となった。NHK-FMシアターにてラジオドラマ化(2005年10月)。「自己と他者の境界」というテーマに対し『ぐるりのこと』でエッセイの限界まで書きったが、その先は物語へもちこまなければ表現しきれないとの思いで書き始められた。「生命」というテーマに真正面から取り組んだ結果が約4年という執筆期間であり、命がけの仕事だったとさえ語っている。刊行予定時のタイトルは『沼地の向こう草原の果て』。 新潮社 ISBN 4-10-429905-7 2005年8月30日 装丁:牛島孝
『この庭に―黒いミンクの話 』 『からくりからくさ』関連(以後)の物語である。 理論社 ISBN 4-652-07793-9 2006年12月 装丁・挿絵:須藤由希子
○絵本(文)
『ペンキや』 絵・出久根育 作中のペンキ屋のおばさんは梨木自身の体験がモデルであるという。『はるさんがきた』(越智のりこ著)で出久根育を知り挿絵を依頼した。 理論社 ISBN 4-652-04022-9 2002年12月
『蟹塚縁起 』 絵・木内達朗 梨木は基本的に文章を書き上げてから編集者らと共に挿絵担当を探す。木内達朗への依頼は『氷河ねずみの毛皮』(宮沢賢治著)の絵に魅了されたのがきっかけ。 理論社 ISBN 4-652-04023-7 2003年2月
『マジョモリ』 絵・早川 司寿乃 早川には挿絵の他に『西の魔女が死んだ(文庫版)』の解説を依頼しており、フィーリングが近く親交が深い。春を描いた本作がとても良く、いずれ秋の物語もと予定している。尚、木花咲耶姫は茨城県岩間町の羽梨山神社に実際に祭られている。 理論社 ISBN 4-652-04025-3 2003年5月
『ワニ -ジャングルの憂鬱 草原の無関心 』 絵・出久根育 理論社 ISBN 4-652-04031-8 2004年1月
○エッセイ
『春になったら莓を摘みに』 全編書き下ろし。文庫版には「五年後に」収録。 新潮社 ISBN 4-10-429902-2 2002年2月25日 カバー撮影:星野道夫 新潮文庫 ISBN 4-10-125336-6 2006年2月 カバー撮影:星野道夫
『ぐるりのこと』 初出「考える人」2002年夏号〜2004年秋号。『沼地のある〜』の裏で書き綴った『家守綺譚』と同じ位置づけで、本作にも『裏ぐるり』たる未発表作が存在する。 新潮社 ISBN 4-10-429904-9 2004年12月22日
『水辺にて on the water / off the water』 カバー撮影:星野道夫 ブックデザイン:鈴木成一デザイン室 初出「webちくま」2005年9月〜2006年2月 「隠国の水1・2」「一羽で、ただただじっとしていること」は書き下ろし。 筑摩書房 ISBN 4-480-81482-5 2006年11月