胡錦濤コミュの胡錦濤暗殺未遂情報

胡錦濤暗殺未遂情報…中国上層部の熾烈な闘争裏付け

　中国の胡錦濤国家主席が暗殺未遂事件に遭っていた！？　昨年末から、こんな衝撃情報が流れ始め、最近、一部月刊誌が報じて注目を集めている。劉備や曹操が覇を競った「三国志」の時代から“謀略渦巻く国”だけに、にわかに信じ難く、真偽を疑問視する見方もある。ただ、こんな情報が噴出すること自体、中国上層部の権力闘争の熾烈（しれつ）さを裏付けているのか。

　≪昨年５月ごろ、胡主席がミサイル駆逐艦に乗って黄海で行われた北海艦隊の演習を視察していたところ、２隻の北海艦隊の艦艇が、胡主席が乗る駆逐艦に砲弾を撃ち込んだ。５人の海軍兵士が死亡したが、胡主席を乗せた駆逐艦は安全海域に逃げ込み、胡主席はヘリコプターで逃げた≫

　これが昨年末に流れた胡主席暗殺未遂情報である。事実なら、世界中を驚愕（きょうがく）させる話というしかない。

　一部香港紙が報じたとされるが、「月刊日本」が２月号で、月刊中国主幹の鳴霞氏による「謎の死を遂げた海軍司令」というタイトルで、ほぼ同一内容のコラムを掲載。「胡錦濤襲撃事件に江沢民（前国家主席）グループの陰」と指摘して注目されている。

　同誌が「謎の死」と報じたのは、昨年１２月１４日に北京で死去した前海軍司令官（８月に退任）の張定発氏。

　中国共産党中央軍事委員会委員で、前海軍トップの訃報（ふほう）だが、同誌によると「新華社」や「解放軍報」は一切報じず、「海軍詳報」だけが同月１７日付で掲載し、簡単な略歴だけで、顔写真すらなかったという。

　張氏は江沢民グループのメンバー。同誌は「張定発は江沢民の命令によって動く。江沢民の直接命令で軍は動かない。張定発の指示がなければ軍は動かない」として、襲撃情報との関係について触れている。

　これらの背景には、中国共産党内部の権力闘争が横たわるという。

　胡主席は上海市の共産党トップを大型汚職事件で逮捕するなど、江沢民グループの一掃を行っている最中。このため、今回の背景に江氏の存在が見え隠れするというわけだ。

　冒頭の情報は、符合するようにこう続く。

　≪命からがら逃げ出した胡主席は、北海艦隊の関係者を処分。さらに、事件の証拠を江氏に叩きつけて、『軍のことには口をはさまないでほしい』と迫った≫

　２００８年の北京五輪や２０１０年の上海万博を控え、国内的安定が求められる中国。最近でも、全国対外宣伝工作会議で「良好な国家イメージを示そう」との指示が出たというが、本当に国家首脳の暗殺未遂などがあったのか？

　中国情勢に詳しい専門家は「確認が取れない話だ」として、情報の信憑（しんぴよう）性を疑問視する。香港紙でも一部で報じられたとされるが、信憑性のバロメーターとなる複数メディアの報道には至っていないためだ。

　中国情報を担当する日本政府関係者も「（情報が流れたのが）英国でロシアの元スパイが暗殺された時期と重なったため注目したが、確度は高くないようだ」と語る。

　真実の見極めが難しい中国情報だが、今回の衝撃情報からは、共産党内部の穏やかでない状況も伝わってきそうだ。

ZAKZAK 2007/01/29

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007012923.html