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渋滞学コミュのTraffic jam without bottleneck

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大阪大学の菊池です。

"Traffic jam without bottleneck – Experimental evidence for the physical mechanism of forming a jam",
Yuki Sugiyama, Minoru Fukui, Macoto Kikuchi, Katsuya Hasebe, Akihiro Nakayama, Katsuhiro Nishinari, Shin-ichi Tadaki and Satoshi Yukawa
(New Journal of Physics 3, 1 (March 2008) 016001)

という論文がイギリス時間で3/4に出ます(まだ出ていません。念のため)。
円周上に並べた自動車が自然に渋滞を形成することを実験で確かめたという論文です。
渋滞発生の本質はあくまでも自動車の密度であって、トンネルや坂のような「ボトルネック」は必須ではない、という(我々の従来からの)理論的な主張を裏付ける実験、という位置づけになります。
この実験の話だけは西成さんの本にも出ているし、僕もBionicsという雑誌で紹介したことがあり、このコミュのみなさんならそういう実験があったということはご存知かと思います。実は、論文がこれまで出ていなくて、ようやく出版されるというわけです。

論文が発表されるのは、イギリス物理学会とドイツ物理学会が共同で発行しているオンライン雑誌New Journal of Physicsの3月号、この雑誌は誰でも(研究者でなくても)無料で読むことができます。
実験のビデオ映像もあるので、興味のあるかたはご覧ください。ビデオだけでも面白いと思います。

NJPのウェブサイトは
http://www.iop.org/EJ/njp

すでに出版元からのプレスリリースが出ていますが、残念ながら英語ですし、日本には送られていないと思います。興味があるかたはメッセージなりコメントなりでご連絡ください

宣伝でした

コメント(13)

渋滞発生の本質は密度だけではありません.遅延と密度.
密度がいくら高くても,遅延しないようにすれば渋滞にはなりません.

例1
環状にベルトコンベアを設置して,その上に車を固定します.
そして時速100kmで動かします.

車の渋滞はブレーキによる速度低下が遅延を引き起こします.
ここでいう遅延というのは,ある車が本来ならある場所に行けたのに,
ほかの障害物があったために,少し待たなければならないという遅延です.
競合遅延と呼んでも良いでしょう.

2台の車が連なっているだけでは,人はそれを渋滞と認識しないでしょう.
では何台からが渋滞と認識される台数なのでしょう?

焼き鳥の串,休日にたまる仕事.これらは全て渋滞に深く関わりがあります.

おっしゃる「遅延」は、もう少し厳密な形で、初めから自動車の特性として考慮されています。
詳細はたぶん西成さんの本に書いてあると思いますが、10年以上前に書いた簡単な解説記事も↓にあります(「渋滞学」という名前ができる10年前から研究は行われていたという証拠みたいなもんです。萌芽時代の記録とでも思ってください)
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/ISC/traffic.html
まだ理解が曖昧だった頃の解説なので、本質的な部分と些末な部分がきちんと切り分けられてないところもありますが。
とにかく、「車の特性」は渋滞があろうがなかろうが同じで、その特性を持ったものの集まりに対しては、渋滞を引き起こすパラメータは密度です。この意味はほぼ「一気圧のもとで、水と氷の違いを決めるパラメータは温度である」ということと同様です。
「車の特性」の部分は、「水分子の特性」つまり「水分子同士の相互作用のしかた」に相当します。
  
「何台からが渋滞か」については、「人間が渋滞と感じるか」どうかと「現象として渋滞と呼べる」かどうかで違います。数理モデルでは3台いれば「渋滞と呼べる現象」が起きます。しかし、実際に人が運転して同じ状況になったとき、「渋滞だ」と感じられるかどうかは微妙です。
ちなみに、上の解説記事は、今は亡きMac Userという雑誌の1996年1月号付録CD-ROMに収録されたものです。交通渋滞を交通工学とは違う物理的な立場(つまり、「渋滞学」的な立場)で一般向けに解説した記事としては、たぶん最初のものだと思います。もしかしたら、Wired日本版に田口善弘さんが書かれたもののほうが少し早かったかもしれませんが。

論文が出ました。
http://iopscience.iop.org/1367-2630/10/3/033001

New ScientistがビデオニュースみたいにしてYouTubeに置いています。
ナレーションがはいって面白いので、貼っておきます


mixi上で宣伝があるとは;;;
とりあえず,印刷して読みます.
それにしても,これまで論文でなかったというのが意外でした///
意外って、とも君は内部事情をよくしってるはずじゃん(^^;
 
ぶっちゃけた話、まず僕らがみんな怠け者で、論文を書くのにずいぶんかかった。次に、あの雑誌とかあの雑誌とかから攻めたら、軒並み討ち死にした。雑誌を変えるたびに論文をなおすんだけど、僕らはみんな怠け者だから、なおすのに毎回時間がかかった。
それなのに、NJPにとおってみたら、IOP(イギリス物理学会)の注目論文だし(IOPウェブサイトのニュースになってます)、New Scientistから朝日新聞まで、ニュースにとりあげてくれてるでござる。
確かにある程度内部事情は知っていますが;;;
いろんなところで拝見するので,てっきりその中でジャーナルを読んでいるもんだと思ってました;;;
これから,ますます発展していけるよう,私もがんばります!!
巡回型のバスが団子になる現象に似ていると思ったのですが,
こちらの研究をしていた方は,

1.ランダムに客が停留所にならぶ.少し偏りがある.
2.客を乗降させる時間に偏りが出る.
3.次第に停車時間に偏りができる.
4.団子先頭のバスが多くの客を乗せ,後続のバスの停車時間との差が開く.
5.次第に後続バスが先頭バスに追いついて団子のできあがり.

というような解説をされていました.
市電なんかではしばらく間が空いた時の先頭の電車は
客でごった返しているので,後ろに後続が見えたら,そちらに乗るという
方策を取ると空いた車両で快適なことが多いです.

ご宣伝の動画を拝見いたしました.
やはり目で見るのとモデルで扱うのでは全然違いますね.

一点質問です.対比実験として人バージョンはやらないのでしょうか.
言うならば,「油のケース」なのですが.
その団子現象は寺田寅彦も考えたのではなかったかと思います。
衝突を避けようとしてできる「渋滞」とそういう団子化とは違う原理で起きる現象ですね。
人バージョンのモデルはそれこそ西成さんなどいろいろなかたがされています。実験ではなくて、歩道橋の上からビデオにとる「観察」ならなくはないのですが、実験は車よりも条件設定が難しそうです
寺田さんのことは初耳です.>>8のモデルでは,客の到着過程がポアソンと仮定されていました.

私には巡回型バスが油で,車が水のように見えるのですが...
速度に関する特性が違うということです.もちろん運転手のブレーキを踏む原因は異なります.

>>8の質問は,
人について同じサーキットで対比実験はされないのでしょうか?ということです.つまり,車と同条件で速度だけが異なる場合についてです.(追い越ししない,環状で疲れない程度に歩くなど)低速な車に置き換えても良いのですが...
もし同じような条件で人については実験されているということでしたら,
調べてみます.

車の場合と同程度の団子発生具合を実現するためには,
低速な方がより高密度でなければならないように思えるのです.
巡回バスの方は,高速で移動できるけれども,停車時間もあるので,
サーキットにおける車の例と同程度の団子発生ぐあいを達成するには
低密度でもOKなのではないかと推測をしています.
これは停車時間の占める割合が大きいことが原因になりそうです.
(平均速度では遅いけど,低密度で車サーキットの場合と同程度の混雑さになるかも?)
都市交通は「ネットワーク」という別の要素があるので、高速道路と同じにはいかないです。これはこれでいろいろ話はあります。
大型車が混じっているときの高速道路の話も少しあります。遅い車に引っ張られるけど疎密波にはならない「団子化」は、数理モデル的には「渋滞」とは別なんですが、体感としてはどっちもいらいらしますね(^^;。実際、道路行政上の渋滞は速度だけで決めてると思うので、区別してないでしょう。

人の実験は「何キロで歩きたいか」というのが制御しづらいので難しいと思います。
モデルとしては「何キロで歩きたいか」によって「臨界密度」が変わります。
この実験はかなり詰まってますが、これは目標速度が30km/hと遅いからで、一般の高速道路なら平均車間40mくらいの密度が臨界です。

きくまこさんの日記を拝見させていただきました.
2chのスレも覗きにいきました.

>この実験はかなり詰まってますが、これは目標速度が30km/hと遅いからで、一般の高速道路なら平均車間40mくらいの密度が臨界です。

情報ありがとうございます.人の実験でなくとも良いです.
速度の違いによって臨界密度が変化するということですね?
同じ自動車でも「目標速度(制限速度と思ってもいいです)」で臨界密度は違います。
車と自転車などを比較すると、さらに「加速減速特性」の違いも効きます。

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